お題……『ときめきメモリアル(シリーズで)』
                 1……1994年(PCE)
                 2……1999年(PS)
                 3……2001年(PS2)
                  いずれも初出。
 
 
 その秘められたハードの性能を活かすことなく次から次へと数多くのバカゲーと、数少ない名作を世の中に送り出してきたPCエンジン。
 1994年5月……そのソフトはひっそりと発売され、口コミで広がり、一部で異様な盛り上がりをみせ、ついにはPSに移植されるわ、SSにも移植されるわ、いろんなイベントが催されるわ……以下略。
 
 ギャルゲーというジャンルを確立した云々……ちなみに、それ以前でギャルゲーと言えばPCのエロゲーを指していた……ある意味、いろんな意味で知名度の高いゲーム。
 だからさすがに、説明の必要を感じません……じゃ、まずいですか。
 えーと、いわゆる絶対値0の主人公には、容姿端麗、学力優秀、の幼なじみというかお隣に住んでいる女の子を追いかけてきらめき高校に合格。幼なじみの眼鏡にかなう男になってみせると意気込みつつ高校生活を始めたのだが、そこで1人の眼鏡娘と運命的な出会いを果たすのであった。 
 彼女の名は如月未緒……もちろんこのゲームのヒロイン。で、主人公の幼なじみは、追いかけられているときはなんとも思っていなかったのに、主人公が他の女を追いかけ始めた途端に猛烈な嫉妬を覚え、微妙な3人の関係は錯綜していく……すいません、もういいですか?(笑)  
 ああ、このジャンルは売れるんだ……という認識を持たせ、数多くの名作、バカゲー、クソゲーを世に送り出した、ある意味罪深いソフトとも。
 
 
高 任:「……吉井さんは、確か早々と購入してたんですよね?」
吉 井:「たしか……発売されてから1週間か2週間で購入したかと」
ラオウ:「それはまた、情報が早い……今は、良くも悪くもネットで情報が飛び交いますが、10年前ならそれほどでもなかった……よね?(笑)」
吉 井:「いや、結構飛び交ってましたよ『PCエンジンのときめきメモリアルに注目だ』って感じに(笑)」
高 任:「俺は、漫研のみんなが部室でやってるのを見たのがときメモに触れた最初で……確か、1994年の11月ぐらいだったかと」
ラオウ:「俺はPSで……というか、高任さんから聞いて購入して初めて触れたというか」
吉 井:「思い出しますねえ……PS版発売に合わせるように、コミストで同人誌売ったんですよねえ」
ラオウ:「いや、昔話じゃなくてゲーム対談ですんで。つーか、さっきの対談は、ただ単に無抵抗の人間をひたすら殴り続けたような後味の悪い対談なので、これはきっちり読み手を笑わさないと(爆笑)」
高 任:「そこまでわかってるなら、あんなネタを持ってくるんじゃねえ(笑)」
ラオウ:「1人のゲーマーとして許せないモノがあったので」
 
 
高 任:「さて……10年目の真実というか、10年経ったからそろそろ本音が吐けるというか(大爆笑)」
吉 井:「高任君、高任君(笑)」
ラオウ:「こういう味のある台詞を吐かせたら、こいつはホントに(笑)」
吉 井:「味があるって言うんですかね…?」
高 任:「なんというか、ギャルゲーというジャンルを確立したとか知名度を上げたとか色々言われますが……個人的に言わせてもらえばそれは違うだろうと」
ラオウ:「ほう?」
高 任:「というか……昔からのユーザーは多分同じようなこと思ってるんだろうけど、ときメモってギャルゲーじゃなくて基本的にバカゲーですよね(爆笑)」
ラオウ:「の、のっけからギャルゲー否定宣言か……こいつはヘビーな対談になりそうだ(笑)」
高 任:「いや、ヘビーも何も。『ときメモはギャルゲーか、バカゲーか』でアンケートとったら、絶対にバカゲーの答えの方が多いと確信を持ってるんですが?」
ラオウ:「いや、そうじゃなくて……ときメモはコ〇ミのゲームという意味だ」
吉 井:「……あの、同人叩きはなんだったんですかね?」
高 任:「その割には、『3』のデートスポットでコミケがありますけど(笑)」
ラオウ:「『3』に限らず、映画のタイトルとかほぼ全部パクリというかもじりというか……まあ、実際の所、自社ゲームのブランド性を破壊されちゃこまるってとこでしょ?」
高 任:「ラジオドラマでとことんまでやってくれた連中が何を寝言いってやがるってな感じですが」
ラオウ:「まあ、小学校の文化祭かなんで子供が某有名ねずみの絵を描いてそれを展示してたら、弁護士をよこす某会社に比べりゃへの突っ張りみたいなモノですが(一同大爆笑)」
吉 井:「ラオウさん、それマジですか?」
ラオウ:「んー、某有名遊園地って名前を出してもいけないんですよね。ラジオとかテレビの放送でも、許可を取らずに名前出したらアウトです。ゴミを見つけたらすぐに飛んでくる某有名遊園地の清掃員の速さで、弁護士が飛んでくると言うか(爆笑)」
高 任:「な、なるほど……そうれを聞くと、なにやら〇ナミが天使様のように思えてきました(笑)」
吉 井:「天使ならあんなラジオドラマを作らないですけど」
高 任:「まあ、なめてますよね」
 
 ちょい脱線。
 
吉 井:「実際の所、PS版がでるまではユーザーの反応は間違いなくバカゲーに対するリアクションでしたし、ギャルゲーとか呼ばれてませんでしたよね(笑)」
ラオウ:「……いまいちピンとこないけど、PS版が出てからはなんか違うの?」
吉 井:「んー、PS版発売に合わせての雑誌の紹介記事とか……なんか、コ〇ミの自作自演っぽい雰囲気が(笑)」
ラオウ:「は?」
吉 井:「元々初期出荷数とか少なく、エンジン版では品薄の欠品だらけでして……最初から会社として販売に力を入れてた作品じゃないのは明らかというか、PS版発売に向けてキャラクター商法というか、バカゲーじゃなくて恋愛シミュレーションとかギャルゲーとか、そういう幻想を必要としたあげく、あの雑誌紹介記事とかの綺麗事が炸裂したのではないかと(笑)」
ラオウ:「つーか、当時の『ギャルゲー』って、あんまり一般的な言い方ではなかったですが、いわゆるパソコンのエロゲーを指す言葉だったような(爆笑)」
高 任:「綺麗事じゃなくて、ある意味泥をぶっかけてるというか(笑)」
吉 井:「え、『ギャルゲー』って言葉というかジャンルって存在してましたっけ?」
ラオウ:「ある意味侮蔑的な使われ方してましたけど……だから多分、『ギャルゲー』はユーザーの間で使われ始めた言葉で、『恋愛シミュレーション』ってのが吉井さんの言う綺麗事の部分の呼び名ではないかと俺は推測しますが」
高 任:「む、むう…」
吉 井:「さ、さすがはア〇スソフトのゲームと共に人生を歩んできただけのことは…」
ラオウ:「いや、そんな昔のネタを引っ張られても……というか、引っ越し騒ぎで会員資格失ってますし(笑)」
高 任:「いや、吉井さんだって負けてませんよ。PS版ときメモはもってるわ、SS版はもってるわ、スーファミ版はもってるわ、韓国版も持ってるわ(大爆笑)」
ラオウ:「ときメモを支えた男の中の男ですな」
吉 井:「ときメモのイベントを巡って旅したりとかしましたし(爆笑)」
高 任:「……同人誌の原稿をほったらかしてね(一同大爆笑)」
吉 井:「そ、そーだったっけ?」
高 任:「あれ?確か、大雨で電車がどうにかなったとか言ってませんでしたっけ?」
 
 ちょい脱線。
 
高 任:「べつに商売人としての〇ナミを、『この場で』どうこう言うつもりはないけどさ、そういうのでゲームの本質を見失いたくはないなと俺は思いますが……誰がどんな評価を下そうが、俺にとってときメモはバカゲーで、なおかつ傑作です(笑)」
ラオウ:「まあ、『ビジュアルノベルを商標出願したコナ〇』のやり方に冷笑を浮かべるのは勝手だが、ゲームの中身とは関係ないからね」
吉 井:「……二人とも、コ〇ミ嫌いっすか?」
ラオウ:「嫌い(笑)」
高 任:「〜最初に言い出したのは〜♪(一同大爆笑)」
ラオウ:「高任さん、それをやりたいならまずはお前が最初に『好き』というべきで、その後に俺が『嫌い』と言ってからだろう(笑)」
高 任:「いやあ、僕はできるだけ自分に正直に生きたいし。口が裂けても『コ〇ミが好き』とか言いたくないです(笑)」
ラオウ:「ゲームはともかく、〇ナミが好きって宣言できる人間はあまりいないと思うが……まあ、コナミ以上に嫌いなとこもごろごろあるけど(笑)」
吉 井:「え、えーと(話題を探してるっぽい)なんというか……あの初代のオープニングだけで、大笑いしましたよね」
ラオウ:「アレですか」
高 任:「こう、狙って作ったのか、狙わずに辿りついてしまったのか……あの、底の抜けたような脳天気さというか明るさと画面のチープさが恐ろしくハイセンスな仕上がりでした(爆笑)」
ラオウ:「んー、『2』とか『3』のオープニングって真面目に作ろうとして、普通になってしまった感がありますよね……早い話、絶対値0というか(笑)」
高 任:「それ、オープニングじゃなくて『2』に関してはゲームそのものもですよ(笑)」
ラオウ:「あ、『3』といえばワタクシ吉井さんに謝らねば」
吉 井:「はい?」
ラオウ:「いや、いつかの対談でプレイもしてないのに『アレはダメだ』ってな発言をしましたが、遅まきながら取り消します」
吉 井:「わかってくれましたか」
ラオウ:「ええ、アレは真面目に作ろうとしたけどスタッフの珍妙なセンスが炸裂してバカゲーになってしまったんでしょうか、いろんな意味で面白かったです(一同大爆笑)」
吉 井:「……ラ、ラオウさんはにっこり笑って人を刺す…」
ラオウ:「生憎、刺したことも刺されたこともないですが……少なくとも、何か勘違いしたような2より面白かったですよ」
高 任:「その言い方、誤解を招くというか(笑)」
ラオウ:「まあ、良くできたゲームだとは思いましたよ……ただ、システムが」
吉 井:「いや、それはそうですが」
高 任:「んー、確かにゲーム内容としてはともかく、『3』はシステムに問題ありますよね……着替えシステムに意味がないとか、追加デートを繰り返していると好感度の上がる会話ネタがなくなって結果的に好感度を下げる羽目になってしまうからデートの回数を減らさなきゃいけないとか(爆笑)」
吉 井:「本命とは、あまりデートをしてはいけない……本末転倒というか(笑)」
高 任:「いや、それはそれで1つの真実だと思いますが」
ラオウ:「……」
吉 井:「……」
高 任:「いや、そういう意味じゃなくて一般論というか……えーと、寿命が短い動物の心拍数は速く、寿命の長い動物の心拍数は遅いわけで……つまり、あまり激しくドキドキする恋は長続きしないという理論をベースにした発言で(一同大爆笑)」
ラオウ:「おいおい…」
高 任:「ほら、TLSでもあんまりドキドキさせると帰っちゃうじゃないですか」
ラオウ:「ゲームが違うぞ(爆笑)」
吉 井:「そ、それにしても、また微妙に説得力のある理論というか……確かにある種の真実をついているような気はするけど(笑)」
高 任:「というか、なんだかんだ言いながらときメモって、爆弾処理が忙しくって本命とデート三昧なんて難しい……ああ、だから永遠に結ばれるのか?」
ラオウ:「キャッチコピーは、『心拍数の低い恋』ってとこで?(笑)」
吉 井:「いや、それ全然キャッチじゃないでしょう」
高 任:「キャッチと言うより、リリース(笑)」
 
 しばらく脱線。
 
ラオウ:「しかし、『3』の着替えシステムというか判断基準というか、『黒シャツ+綿パン+スニーカー』なら良くて『白シャツ+綿パン+スニーカー』なら怒って帰ってしまう基準がさっぱり理解できないと言うか(笑)」
高 任:「俺、最初のプレイでは全てのデートで女の子が帰ってしまいました(一同大爆笑)」
吉 井:「まあ、女の子の服の好みを知る手段がないし」
ラオウ:「ところで、あの『バンカラ下駄』って使い所あるの?(笑)」
吉 井:「ひょっとしたら、誰かの好みにマッチしてるのかも知れないけど、とりあえずプレゼント代用で(笑)」
ラオウ:「つーか、前から疑問だったんだが『バンカラ』ってどういう意味?このゲームが出た頃だっけ、ジュウベエちゃんのアニメって?」
吉 井:「バンカラ、バンカラ、バンカラ〜♪ですか?(笑)」
高 任:「ヴァンカランゲンベッテンベルグの略」
吉 井:「……」
ラオウ:「……は?」
高 任:「ごめん、忘れて……つーか、言語的な意味で言うなら、要するに『ハイカラ』をもじって作られた言葉で、野蛮の蛮のバンカラですわ。洗練の対義にあたる言葉というか」
ラオウ:「……何か違うような気がする」
高 任:「その蛮カラと番長カラーの番カラを足しっぱなしにした感じの意味と思っていただければまあ、間違いはないかと(爆笑)」
吉 井:「日本語って難しい」
 
 
高 任:「えーと、『2』と『3』の分についてちゃっちゃっと対談してしまいませんか……といっても、初代との比較論になるかも知れませんけど(笑)」
吉 井:「一応言っておくけど、初代より『2』が好きってユーザーはもちろんいるし、初代や『2』よりも『3』が好きってユーザーも……」
高 任:「……」
ラオウ:「……」
吉 井:「……俺は聞いたことないですけど、多分いますよ」
ラオウ:「吉井さん、最近本物の風格が出てきましたね(笑)」
吉 井:「は?」
高 任:「ま、それはさておき。初代より『2』が好きってユーザーがいるのはわかるんですよ……あくまでも個人的感覚ですが、初代と『2』ってのはゲーム的に別ベクトルというか。ただ、初代と『3』はね、かなり同じ方向のベクトルだと思うんで、結局はゲームの完成度だったり、キャラの味わいで勝負がついてしまうと言うか」
吉 井:「え?『2』と『3』が同じベクトルなのでは?ストーリーイベントがあったり、クリア条件イベントがあったりとか…」
高 任:「……俺、まさかときメモでそんなのがあるなんて思ってなかったので、気付くまで全然クリアできませんでしたわ(笑)」
ラオウ:「おいおい」
高 任:「能力は完璧超人クラス、そして完全トキメキ状態でバッドエンドですからね……最初はワケが分からなくて(爆笑)」
吉 井:「PS版は結構クリアステータス条件とかかっちりしましたけど、エンジン版ではかなり曖昧だったというか……本当の意味でのバッドエンドは爆弾騒ぎの挙げ句か、狙わない限り辿り着けませんでしたからね」
高 任:「狙ってもいない美樹原さんと優美を何回クリアしたことか(爆笑)」
ラオウ:「SS版は、主人公から告白できたんでしたっけ?」
高 任:「ダメのダメダメ。前も言ったが、ときメモは主人公から告白したら絶対にダメのダメダメ(爆笑)」
ラオウ:「なんか、イヤな思い出でもあるんかい(笑)」
高 任:「いやあ、なんか初代って『人事を尽くして天命を待つ』という趣が良いというか……高校生活の三年間をどう送ったかで、2流大学に合格したりサッカー選手になったり……こう、上手く言えないけど『結果が与えられる』感覚が好きなんですよね。その与えられた結果を拒否するのって、自分のこれまでの行動を否定するというか……男らしくないというか、潔くないと言うか」
吉 井:「最後でじたばたするぐらいなら、きちんとプレイしろって感じですか?」
高 任:「んー、近いような遠いような……こう、ゲームの肝である『伝説の樹にもっと敬意を払え』って要素もあるかなあ?」
ラオウ:「SS版やってないからなんとも言えんけど、伝説の樹の伝説を覆すような行動はとるなって?」
高 任:「とにかく俺は嫌悪感を感じるというか……美学めいた感覚だから説明できないっす(笑)」
ラオウ:「相変わらずややこしい男だ」
吉 井:「話を戻しますけど……『3』って、漫然とプレイしてたら確実にバッドエンドという点で、初代とは全然ベクトルが違いませんか?」
高 任:「いや、そういう問題じゃなくて……『2』は初代のシステムをまねただけの普通のゲームですが、『3』はれっきとしたバカゲーですやん(大爆笑)」
吉 井:「け、結局、バカゲーというカテゴリーでくくっちゃうんだ……否定はしないけど(笑)」
高 任:「別に馬鹿にして言ってるわけじゃないんですけどね……ただ、俺の個人的な評価で言うと『3』はかなり惜しいバカゲーだったというか。バカゲーのバカな部分じゃなくて、ゲームのシステムとか内容で失点を重ねてるというか」
ラオウ:「……どうでもいいが、説明が説明になってないぞ(笑)」
高 任:「いや、だからバカゲー部分としてのシステムは良くできてるけど、ゲーム部分のシステムがちょっとダメというか」
吉 井:「い、言ってる事はよくわからないけど、なんとなくわかるというか伝わって来るというか」
高 任:「言葉は偉大だ(大爆笑)」
ラオウ:「いや、お前絶対言葉以外の部分で表現してると思う(笑)」
 
 脱線。
 
ラオウ:「そもそも、吉井さんって『3』より初代が好きな人でしょ?」
吉 井:「まあ…」
ラオウ:「プレイしてみたら、確かに俺も『2』より『3』の方が面白かったですって……『2』はなんか、初代とは違うウリを作らねばってな熱意が失敗の元というか(笑)」
高 任:「んー、この手のゲームの『2』を作るときに一番難しいのは、システムじゃなくてキャラデザと思うんですが……なんか、初代のキャラとかぶらないようになのか『2』のキャラってアクだけが無駄に強くなったキャラとか、ストーリーに引きずられたキャラとか、結果マイノリティ受けになってしまったところがあるというか」
ラオウ:「……眼鏡娘がおらんからじゃないんか?」
高 任:「眼鏡娘と言えば、『3』はね……『中学までは眼鏡でおさげだったけど、高校に上がったと同時におさげやめてコンタクトに…』……なあんてやられた時、全国1200万の眼鏡属性の同士がどういう反応を示したかちょっと興味があるな(笑)」
吉 井:「コ〇ミはやっぱり、眼鏡娘を憎んでいるとしか思えませんよね……」
ラオウ:「(ぼそっと)…眼鏡娘じゃなくて、眼鏡属性のユーザーを憎んでいるのでは?」
高 任:「ラオウさん」
ラオウ:「はい」
高 任:「最初にケンカ売ってきたのは〇ナミ。それだけは勘違いしないように……思い出したらまた腹立ってきた(笑)」
ラオウ:「イカン、なんかやぶ蛇っぽい(笑)」
高 任:「(ちょっと深呼吸)……さて、気持ちを切り替えて(笑)」
吉 井:「切り替え早っ(笑)」
ラオウ:「んー……初代とは違うカラーを打ち出そうという熱意は伝わってくるんだけど、全体としてゲームアビリティが悪すぎるよね。あの無意味なポリゴンつーかなんつーか、技術的にはともかく視覚的に優れてるわけでもないモンを、データ処理に負担かけてまでこれでもかとばかりに繰り返してユーザーに見せる意味全くないでしょ……そういう意味では『3』も同じか」
高 任:「い、いきなりばっさりと一刀両断しやがったな…」
ラオウ:「確かに、このゲームが発売された頃というか前後というか……グラフィック技術云々が飛躍的に向上してた時期……と言っても、ハードの成長に引きずられた向上だったかもしれんが、プログラマーという1技術者としてのやりがいのある仕事というかベクトルだったってのは理解できるよ。でも、それをユーザーに押しつけられても困るというか……5回繰り返して見てもらえる映像より、5回繰り返してプレイしてもらえるシナリオなりゲーム内容に力を入れるのがゲームとしては本道ではないでしょうか」
吉 井:「せ、正論過ぎてリアクション返せないです」
高 任:「まあ、繰り返してみるほどの映像じゃないですが……もちろん、『2』のアレを踏み台にして『3』のアレができたなら、ある意味無駄ではなかったとも言えませんかね(笑)」
ラオウ:「つーか、通常コマンドは省略できるのに、練習試合とか戦闘シーンの簡略化バージョン作ってないところが中途半端というか」
高 任:「ま、まあちょっと話は変わりますが、ゲーム業界に限らず、アニメなり小説なり、いろんな業界に属する人間が『ときメモは何故受けたのか?』ってことについて考えた時期があった……と、俺は思うんですよね」
ラオウ:「や、別にゲームに限らず何かしらのヒット作品がでたら、それの動向なり原因についてはいろんな人間が分析するのはごく当たり前なんだが(笑)」
高 任:「話の腰を折るな……ときメモ以降に粗製濫造されたギャルゲーの数々ってのは、つまるところ『女の子キャラ登場させて仲良くなるゲーム』って事に重点を置いたんだと思うんですわ」
ラオウ:「否定はしないけど、それって全然分析になってないよね(笑)」
吉 井:「あの頃の二番煎じというか、出涸らしのギャルゲーはひどかったのが多かったですよね(爆笑)」
ラオウ:「吉井さん、出涸らしってのはなかなかイカス表現です(笑)」
高 任:「まあ、あのあたりのは分析不足というかハイエナのような作り逃げというか……ゲーム販売市場の特殊さも手伝いましたね」
吉 井:「……特殊?」
ラオウ:「中古ゲームは製作者に利益が還元されない云々……ってな裁判がありましたけど、あの審議でも見落とされた部分ですな」
高 任:「まあ、裁判官にそれをわかれってのは酷かも知れませんが」
吉 井:「へ?」
ラオウ:「ゲームソフトという商品について、正しい情報が消費者に示されてない現状に対する認識がスポーンと抜けてますやん。それって、商品経済のルールからどう考えても外れてます」
吉 井:「……正しい情報が示されていない…ああ、言われてみれば(笑)」
高 任:「商品ってのは、普通その性能なりなんなりを消費者に示さなきゃならんというか……が、パッケージでそれをわかるのはかなり困難ですし。八百屋でリンゴを買ったら腐ってたので取り替えてもらうという行為がゲームだとできませんからね(大爆笑)」
ラオウ:「いや、動かないゲームは取り替えてもらえるかも知れないぞ」
高 任:「腐ったリンゴを、腐ったリンゴと取り替えて貰ってもなあ(爆笑)」
吉 井:「や、そのためにゲーム紹介記事があるのでは?」
ラオウ:「商品の情報を示すのは生産者の義務……というと、多少言葉が重いですが。ただ、それを消費者に要求する時点で異質な市場と俺は思います」
高 任:「大体、ゲーム紹介記事のほとんどは(ぴぴー)じゃないですか(大爆笑)」
ラオウ:「……高任さん。悪いことは言わんから、今の発言伏せ字にしとけな(笑)」
吉 井:「言われなくても(笑)」
高 任:「じゃあ、当たり障りのない部分で……最近のゲーム紹介記事って、ある意味事実しか書かないですよね。操作方法がどうとか、システムがどうとか……特にパソゲー(笑)」
ラオウ:「そりゃお前、事実ならともかく、ユーザーにとっての真実を書けるゲームなんて(ぴっぴっぴー)」
吉 井:「お願いします、勘弁してください(笑)」
ラオウ:「まあ、もちろん俺と高任さんは例によって極端な意見を展開してるわけですが(笑)……ただ、冷静に考えると商品の情報をこれほどまでに示さない市場ってのはかなり特殊なはずなんですけどね」
吉 井:「まあ、たまに雑誌とかで体験版とかついてはきますけどね……格ゲーとかならともかく、さて、どこまでプレイできたら体験版なのかってのはちょっと疑問に思いますね」
ラオウ:「俺も詳しいワケじゃないですが……『君が望む永遠』の体験版はある意味すごかったですな。ゲームの内容云々じゃなくて、体験版としてはアレに文句をつけた人はいないんじゃないかな(笑)」
高 任:「ああ、なんかめちゃめちゃボリュームあったんですってね……とはいえ、全てのメーカーにそれを強いるのは現状では酷というか、不可能というか」
吉 井:「余計な出費は、単に採算ラインを上げるだけですし……まあ、俺がいうのもなんですが、収益がきちんと製作サイドに還元されてるとは言えませんし」
ラオウ:「漫画と小説の中古問題もだが」
高 任:「CDなんかはちょっと違うんですよね……一部試聴できたりもするけど、気に入った音楽を買うんじゃない限り、ジャケットで判断するしかないと言う部分は同じだけど、音楽の場合貸与権があって、レンタル店でレンタルされるたびに金が動きますから」
ラオウ:「漫画なり小説に関しては市場がでっかいだけに今まさにいろいろとやってるけど…ゲーム業界に関しては、はっきり言って利益が確保できないから高くなる、高くなるから売れないってな悪循環に完全にはまりこんでるからなあ……。言ってることとやってることが矛盾してるかも知れないけど、俺としては中古ゲーム云々は、情報を与えられないユーザーに与えられた返品の権利と思ってるワケで(笑)」
吉 井:「かなりためになる話のような気もしますが、できるならそういう話はよそでやってください(笑)」
高 任:「……で、なんの話をしてたんでしたっけ?」
ラオウ:「ときメモが受けた理由の分析がどうのこうの」
高 任:「おお……で、キャラのカテゴライズというか記号化に走った連中とかいろいろあるけど、個人的には、ときメモというゲームは従来のゲームに比べて異様なほど自由度が高い点が重要だったのではないかと思うんですな」
吉 井:「相変わらず、余計なことに脳細胞を使ってますね」
高 任:「いや、大学生の頃に同人仲間と熱く語り合っていたりしたネタなのですが(大爆笑)」
ラオウ:「こういう人間が、大学生って暇なんだねという間違った認識を世間の人間に持たせてるんだろうな(笑)」
吉 井:「単純比較はできませんが、理系の人間には夏休みなんて存在しませんからね……俺の研究室はまだマシでしたが、それでも朝から晩まで毎日毎日」
ラオウ:「下宿を引き払って、研究室で住んでる先輩がいたなあ……まあ、1週間に1度帰れるかどうかだと、家賃払うの馬鹿らしいですし(大爆笑)」
高 任:「すんませんね。俺の学部は一応1ヶ月近く夏休みありましたわ……授業をサボって他の大学の授業を受けにいったりとか、文系学生として大学生活を満喫させて貰いましたよ(笑)」
吉 井:「まあ、高任君は体育会系のクラブと掛け持ちとかしてたし、結構多忙な方だったのでは?」
高 任:「徹夜でペン入れ、一睡もせずに朝から陸上の試合とか……今は絶対無理ですな(爆笑)」
ラオウ:「なんかまた話が脱線しそうなんで本筋に戻すけど、大学生活ってのもなんというか自由度が高いワケですよね。忙しくなろうと思ったらとことんまで忙しくなれるし、手を抜こうと思ったらとことんまで手を抜くことができる……全く手を抜けない研究室もあるけどさ。(笑)高任さんの言い分通り、ときメモにはそういう自由な部分があるような気はする……ユーザーが何にこだわってプレイするかによって顔が変わるみたいな」
吉 井:「ちょっと強引な論理展開のような気もするが、話をなんとか引き戻しましたね(笑)」
高 任:「んーと、『自由度が高い』の一言ですませると説明になってないだろうから補足すると……ときメモの場合、プレイヤーの行動を受け止めるだけの作り込みというか、フィールドをちゃんと提供してくれてるのが有り難いというか」
ラオウ:「まあ、詩織なんか放っておいて部活動オンリーとか時空番長を目指すとか……女の子とのエンディングと同じく、プレイヤーどういう3年間を選択したとしてもそれなりにオチがあるというか目的が与えられますね」
高 任:「たとえて言うなら、『おお、勇者日の丸よ……全世界に平和を…』ってなオープニングで、『イヤです』と返答できて、世界の危機に目を背けつつ、冒険者ライフを満喫できるような作り込みの為されたRPGというか(爆笑)」
吉 井:「その作り込みができてたら、立派なバカゲーです(笑)」
ラオウ:「まあときメモの場合は、いわゆる、『そこまでやらんでも…』の作り込みタイプのバカゲーですな(笑)」
高 任:「これが『2』になると……製作者は意図してなかったのかも知れませんが、あのオープニングなり幼少期のプレイによって、枷をはめられているような気がするんですよ。『ちゃんと女の子と仲良くなれよ』ってな無言のプレッシャーというか、それでいてシステムそのモノは初代を踏襲してたり(爆笑)」
ラオウ:「そのあたりは、申し訳ないけど説明が付かないバランスとしかいいようがない。分析はもちろん大事だけど、最善を尽くしてもダメなときはダメだし、ヒットするときはヒットする……というと、ある種の責任放棄のようですが」
高 任:「発売された時期とか、作品としての運不運は確実にあると思う」
吉 井:「初代と違って、『2』ではイベントが点じゃなくて線としてつながりを持ってますよね……ああ、やんなきゃいけないなっていう気分にさせられる部分が、俺にとっては確実にありました」
高 任:「んー、ユーザーに強制的なモノを感じさせたらそれはもうアウトでしょう……それが錯覚だろうがなんだろうが、自分からやっているってなゲームじゃないと」
ラオウ:「……これを言うとまずいのかもしれんが、ときメモって『ギャルゲーとしてのエキス』だけを抽出するとそんな大したことないよね(大爆笑)」
高 任:「う、うん……確かにそれは言ってはいけないことかも知れない(笑)」
ラオウ:「だから、俺としても初代は不思議なゲームとしか言いようがない。説明できないけど、やってみると面白い……って、ゲームだから」
吉 井:「えーと、ギャルゲーのエキス云々はあくまでも最近の感覚じゃないですか?ときメモが出た頃は、多分どのゲームもあのレベルか、あのレベル以下だったのでは?」
ラオウ:「ああ、それはあるかも知れませんね……でも、『2』が発売された頃だと、既にそれは『ギャルゲー部分としては実力不足』と言わざるをえない状況だったと思うんですよ」
高 任:「ある意味、『2』ではキャラにシナリオというかストーリー性を持たせたわけですが……初代の頃ならともかく、『2』のころはテキストノベルというかそっち系統のギャルゲーがちまたに溢れてましたからね……そういう部分で比べると実力不足ははっきりしますね」
吉 井:「ゲームを構成するパーツで比較判断するのはちょいと問題ありかと」
ラオウ:「えーと、いろんな意味で角が立つのを覚悟して言うけど、初代はいい意味でいろんな要素を詰め込んだ『自由度の高いゲーム』だったけど、『2』は悪い意味でいろんな要素を詰め込んだ『中途半端なゲーム』に成り下がっていたと(笑)」
吉 井:「なるほど……多分、異論は出てくるでしょうけど、その説明にはなんとなく納得できます(笑)」
高 任:「んー、キャラに走るか、シナリオに走るか、設定に走るか……ある意味、ときメモ以降ギャルゲーって枝分かれしましたよね。『2』はときメモの『2』だったことで運がなかったとも言えるし、時代の流れというか分析を誤ったとも……もちろん、ここまで枝分かれすると、『自由度の高いゲーム』ってのは製作に非常な困難が伴うのは想像に難くないですが」
ラオウ:「んー、それは結構好意的な見方じゃないかなあ?俺はやっぱり、バカゲーである初代のシステムを引き継ぎつつ、いわゆる普通のギャルゲーを作ろうとした戦略的失策が『2』の全てだと思う(笑)」
吉 井:「何やら小難しい会話がかわされてますが、ネタがときメモと思うと、笑いがこみ上げてくるのは僕だけですか(一同大爆笑)」
 
 脱線……つーか、さすがに書けないネタが。
 
ラオウ:「しかし……『2』のキャラはアクが強かったというか(笑)」
吉 井:「『2』に比べりゃ、まだ初代の方がリアリティありました……別に、リアリティがあればいいって話でもないですけど(笑)」
ラオウ:「リアリティありましたか、アレ?(笑)」
吉 井:「いや、比較論で……というか、漫画なり小説なりのキャラクターリアリティという意味で(笑)」
高 任:「んー、ときメモ初代と『2』のキャラの違いと、『同級生』の初代と『2』のキャラの違いって結構対照的というか、俺としては興味深かったですな」
ラオウ:「と、言うと?(笑)」
高 任:「いや、同級生も初代と『2』で好みが分かれたゲームという印象を持ってますが、初代の方が好きっていう人間に聞くとね、大体『2のキャラはみなパーソナリティが同じで面白くない』ってな答えが返ってくるんですよ……もちろん俺のまわりにいた人間の意見なんで、全体としてはどうかってのはわかりませんけどね」
吉 井:「パーソナリティ?」
高 任:「ああ、なんと表現したらいいのか……主人公に恋していく過程とか、恋してからの過程が皆同じというか、キャラの性格の違いじゃなくてシチュエーションの違いでしかないとか……そんな感じの」
吉 井:「……はいはい、なるほど」
高 任:「で、『2』の方が好きって人間に聞くと、初代よりもゲーム全体の雰囲気がいいとか……まあ、ゲームとしての統一感があるとでもいいますか。同級生じゃなくても、続編の出たギャルゲーのキャラの成り立ちの違いを分析してから、ときメモのキャラの違いを考えると、なかなかに興味深い対象になりうるというか(笑)」
吉 井:「なんか、笑いが取れる取れないとは違うけど、面白そうなネタではあるよね」
ラオウ:「……ちょっといいか?」
高 任:「なに?」
ラオウ:「いやあ……実は、同級生の初代は2人、『2』は1人しかクリアしてなくてワケわからないんだけど(大爆笑)」
高 任:「おーい」
ラオウ:「いや、同人誌とかは結構読んだから、どのキャラにどういうイベントがあった……ってのはなんとなく(笑)」
吉 井:「ラオウさん、マジで積みゲーが積みゲーのまま、息を引き取ることになるんじゃないんですか(笑)」
高 任:「(しわがれた声で)ワ、ワシはまだシスプリを…(爆笑)」
ラオウ:「ときメモは全員クリアしたよ。『2』と『3』はしてないけど」
高 任:「……そう考えると、ときメモって俺が思っている以上にすごいゲームなのでは(笑)」
吉 井:「シスプリを全員クリアしていない『あの』ラオウさんが全員クリアした……というだけで、かなりすごいですよ(笑)」
ラオウ:「(首をひねりつつ)……何故だろう?あまり誉められている気がしない」
高 任:「これぽっちも誉めてへんもん(爆笑)」
ラオウ:「うむ、これからギャルゲーなりその手の漫画や小説を書こうと思ってる人間は、そういうキャラ分析をやるのは非常にためになると思います……っていうか、最低限そのぐらいはやるように(爆笑)」
高 任:「なんか、話を大きくして逃げたな(笑)」
吉 井:「……TLSのキャラはどうですかね?」
ラオウ:「アレは結構特殊だと思いますよ……キャラをたてるために安易な特徴を背負わせるキャラデザと違いますから。ゲームをプレイしてイベントをこなすことで、キャラの違いがじんわりとユーザーに浸透していくタイプですかね」
高 任:「その評価として『キャラが地味』では、製作者も浮かばれないと言うか……手間のかかるからみんな敬遠する手法のせいかも知れないけど(笑)」
吉 井:「だからといって、りゅんりゅん言いながら跳ね回るようなキャラを大量生産されても困りますけど(大爆笑)」
ラオウ:「一目でそれとわかるキャラのたて方ってのは、それはそれで立派な手法ではあるんですが……設定が特殊であればあるほど、ユーザーというか受け手側にとって感情移入が困難になるんですな。故に、技術力が問われてくるわけで」
高 任:「んー、反対に感情移入がしやすそうなキャラは手間がかかる……し、キャラの差別化の問題もある、と」
ラオウ:「結局、システムに限らずキャラデザもどこを落としどころにするかというバランスが問題になってくるわけですが……やってみないと正解かどうかなんてわからないからねえ(笑)」
吉 井:「すいません、なんかときメモの対談じゃなくなってきたような(笑)」
 
 脱線。
 
高 任:「個人的な欲目かも知れないけど、ときメモってのは人気が出た出ないじゃなくて、良くも悪くも周囲に影響を与えた作品だと思うんですよね……非難を覚悟で言いますけど、『To Heart』なんか人気はめちゃめちゃ出たかも知れませんがその後のゲームに影響を与えたかって言うと、俺はかなり疑問です(笑)」
吉 井:「キャラとしてのカテゴライズ的にはある程度影響を与えたと思いますが」
ラオウ:「影響云々でいうなら、『To Heart』より『雫』の方が間違いなく上だろ……というか、結構危険なネタを口にしてるような(笑)」
高 任:「単に花を咲かせるだけの作品ってのは珍しくないが、花を咲かせた上で実も残したという作品として、ときメモってのはもっと違う部分で評価されてもいいと思うんですけどね」
ラオウ:「なるほどね(笑)」
吉 井:「『2』は?」
高 任:「いろんな意味で初代を意識しずぎたか、もしくは初代の分析を誤ったか、単に製作が4年ほど遅かったかってとこですか(大爆笑)」
ラオウ:「おいおい」
高 任:「束の間訪れたギャルゲーバブルが終了してましたからね……少なくとも、バブル期に粗製濫造されたギャルゲーの大半より出来はいいですから、」
ラオウ:「ギャルゲーバブルね……言葉は悪いが、談合が行えるほど製作サイドの数が少なかったら、今の状況は変わってただろうな」
吉 井:「は?」
ラオウ:「いや、こっちの話です」
 
 
高 任:「『3』は、あの映像とかシステムに評価が集中してますが、本質的には初代と同じく作り込みタイプのバカゲーと俺は思ってますが?」
ラオウ:「まあ……街の散策というか、趣味のコマンドなんかで、余計な(笑)フィールドをユーザーに提供してくれてますからね」
吉 井:「こっそりとプラモデル製作が熱いです(笑)」
高 任:「カタログ買って、ロボットとかドリルのプラモデル買って、製作して、しかも完成品の幾つかで合体可能、部屋に飾ることが可能ですからね……はっきり言って、セカンドプレイからしばらく、趣味コマンドの全制覇に命を賭けてましたよ私は(大爆笑)」
吉 井:「自分でコーヒー豆を栽培して、ブレンドの研究とかできましたしね(爆笑)」
ラオウ:「え、そんなんできるんですか?」
吉 井:「できちゃうんですよ」
高 任:「まあ、コーヒー栽培が休みの日のコマンド選択4回(?)だから……おいおい、2週間で栽培できるのかよってなツッコミ所はありますが、いろんな意味で許せます(笑)」
ラオウ:「まあ、ネットサーフィンとか、ゲーム上無意味としか思えない作り込みは初代を彷彿とさせましたな……いや、初代よりも恋愛色が強いだけに、作り込みに関しては初代以上なんでしょうね」
吉 井:「いや、ネットサーフィン絡みで一応隠しキャラがでますが(笑)」
ラオウ:「……あんまりプレイできてないんですが、でるんですか?」
吉 井:「音楽のHP絡みで1人、後はなんとなくランダム要素が混じってるような気がしますが、散策絡みで1人ですかね」
ラオウ:「……って事は、全部で8人ですか」
高 任:「ときメモにしてはキャラを絞ってきましたよね……初代も『2』も13人なのに、ほぼ半減というか」
吉 井:「データが足りなかったという噂もありますが(笑)」
高 任:「しかし、『3』にして眼鏡娘が復活したワケですが……優美と紐緒さんと館林の悪い部分を足しっぱなしにしたようなキャラとかいうと好きな人にはケンカ売ってしまうんでしょうけど、個人的にはやはりコナ〇が眼鏡属性ユーザーに対してケンカを売ってきてるとしか(大爆笑)」
ラオウ:「確かにアレは、足して割るじゃなくて、足しっぱなしだよなあ(笑)」
吉 井:「好きな人は好きなんでしょうけど……告白シーンのキャンキャン声が萎えましたわ(爆笑)」
高 任:「わかってても、とりあえず眼鏡娘からクリアしてしまうのは、眼鏡属性の業ですかね(笑)」
吉 井:「だめだよ、やっぱりときメモ以降の〇ナミと〇&Cの眼鏡娘に期待しちゃいけないんだ!」
ラオウ:「……」
高 任:「つーか、さっきも言いましたがオープニングの『コンタクトにしておさげもやめた云々』で、『言い残すことはそれだけか?』と、頭の中ではアイアンクローをかけてましたからね、俺は(大爆笑)」
ラオウ:「割れる、割れる(笑)」
吉 井:「割れませんって」
ラオウ:「吉井さん、高校の頃の高任さん知らないから(笑)」
高 任:「人聞きの悪い事を」
吉 井:「えーと、バイオレンスな会話は勘弁してください」
高 任:「……話を戻しますが、眼鏡娘の髪型はほぼ館林だし……具体例は挙げないけど、いろんな意味で初代のキャラの足し算と引き算が露骨なキャラが結構いるというか(爆笑)」
吉 井:「……隠しキャラは抜きにして、少なくとも2人はそういうキャラじゃなかったですけど」
ラオウ:「ああ、(当時の)流行系の(笑)」
高 任:「別にそれは悪いことじゃなかろう(笑)」
ラオウ:「というか……俺、合気道の試合とか見たことないんだけどどんな感じ?」
高 任:「合気道と言ってもピンキリだが……つーか、フルコンじゃない空手の試合とか知らない人が見たらびっくりするだろうけど、それに近いかも。技をかける側、かけられる側の力の流れの相互理解の優劣を付けるというか」
ラオウ:「ふーん」
高 任:「まあ、合気道の名前を知らない人はほとんどいないだろうけど、どういう事やってるのかを知ってる人はほとんどいないのが現状ではないかと……俺も、知らない立場の人間ですが」
吉 井:「合気道と言えばTLSの草薙先輩だったんですが、このゲームで合気道キャラが俺の中で双璧に(笑)」
高 任:「やられましたか」
吉 井:「なかなか良かったです」
ラオウ:「……『3』って、いわゆるヒロインは誰のつもりだったんですかね?」
吉 井:「心機一転コンタクトにしたゆっこちゃんでは?(笑)」
高 任:「んー、卒業間際に眼鏡かけてきたイベントぐらいしか印象ないですけど」
吉 井:「あれって、ツールとか使ったら常時眼鏡にできるんじゃないかなあ?(大爆笑)」
ラオウ:「いや、ちょっと立ち止まろうよ君達(笑)」
 
 脱線。
 
高 任:「そういや、『3』のキャラって隠しキャラ以外、全員成績が良くなかったですね……才色兼備のキャラがヒロインをはれないのは時代の流れですか?」
ラオウ:「ときメモの絵柄で、才色兼備と言われてもなあ(笑)」
吉 井:「そこです」
高 任:「何がデスか?」
吉 井:「初代の絵柄も『3』の絵も見た目は似たようなモンじゃないですか。それなのに何故、『3』は絵がきもいとか不自然だとか萌えないとか……そういう評価を下してる連中に聞いてみたいというか、お前ら本当にそう思ってるのかっていう疑問が俺の中には沸々と(大爆笑)」
ラオウ:「いや、まあ言いたいことはわかるんですが……確かに、絵柄だけで敬遠してる人間はプレイしてみた方がいいですが、さすがに俺は『3』がお勧めのゲームとは言えませんし(笑)」
高 任:「バカゲーは人を選びます……っていうか、同じタイプの作り込みバカゲーだとしても、広く深くの初代に比べたら『3』は範囲が狭いような気がするし、さらにシステムとして明らかに不備がありますからね」
吉 井:「むう…」
ラオウ:「もちろん、見た目で判断してた俺は悪いです。それは認めますし、実際にプレイしてみると映像そのものは気になりませんでした。それも事実です……が、腰の引けていたプレイヤーって、既に心のハードル設定が低いでしょ?」
高 任:「『あれ?結構面白いやん…』という評価って、なんの前知識もなくプレイに臨んだときの評価よりも高くつけてる事が多いですからね……もちろん、俺は普段から主観で物言ってるから、こんな時だけこういう事言うと口先ロジックと非難されるかも知れませんが(笑)」
吉 井:「いや、二人とも憎たらしいぐらい冷静だと思います(笑)」
ラオウ:「まあ、外見云々はともかく……台詞と動作のタイミングがずれてるのは残念でしたな。まあ、バカゲーと思えば許容範囲かも知れないけど」
吉 井:「ああ、くるりと身体が動いて、ワンテンポ置いてから会話が始まったりしますよね……なんというか、妙に動きがなめらかすぎて反対に会話との違和感が突出するというか」
ラオウ:「まあ、技術的には何気なく頑張ってますけど」
高 任:「ま、それはそれとして……ツッコミが甘いというか、あの関西弁のおねいちゃんは一体?……というか、俺やラオウさんは1学年200人ぐらいの中学なので、同級生ぐらいは全員覚えてるのが当然という感覚なんですが、やっぱり大きい学校だと違うんですか?」
吉 井:「……覚えてるもんですか?」
ラオウ:「まあ、覚えてると言えば覚えてますけど……そりゃ、髪型とか変わったらわからないってなレベルはごろごろと」
高 任:「そうか?俺は、少なくともほぼ全員と会話を交わしてたしなあ……」
 
 
高 任:「……で、着替えシステムですが(大爆笑)」
ラオウ:「んー、俺の場合『ガールズサイド』というシステムの発展系から入って、『3』をプレイしたわけだから余計に(笑)」
吉 井:「いまいち、このシステムを取り入れた意味が見えてこないんですよね」
高 任:「推測ですが……リアリティのあるシステムを構築しようとしたんではないかと」ラオウ:「うん、それはある意味意義のあることなんだけど、その目的に酔っぱらって、ユーザーがどう感じるかを無視してるというか……ある目的に向かって熱く燃えるのはいいけど、同時に自分のやっていることを冷静に見つめる目が必要というか」
吉 井:「アップ直前だと、それは無理な相談です」
ラオウ:「……というか、『ガールズサイド』でもちょっと思ったが、主人公が同じ服着てきたら怒るんだったら、てめえらも季節毎じゃなくて、デートの度に違う服着てきやがれってんだ(大爆笑)」
高 任:「ラオウさん、ラオウさん。『ガールズサイド』は一応、季節毎に攻略キャラは服装が三種類あるからな」
ラオウ:「すまん、ちょっと誤解を招く言い方だった……なんというか、人間は醜い生き物だからね、相手が自分以上の苦労をしてないと素直に頭を下げられないんだ」
吉 井:「は?」
ラオウ:「つまり、相手に合わせて服装の着替えとか買い物とか……そういう手間暇が、ゲームの作り込みの部分と等価交換できないと言うか」
高 任:「等価交換の原則ですか(爆笑)」
吉 井:「そのネタはもう古いというか(笑)」
ラオウ:「えーと、プレイヤーにそういう行動を強いるなら、製作者サイドはそういう作りコミによってプレイヤーに誠意を見せるしかないというか。季節毎に30種類以上の服装があって、毎回毎回ランダムでやってくるとか、主人公に対する好感度が低かったらだらしない格好でやってくるとか(大爆笑)」
吉 井:「いや、服装の数はともかく『2』で既に、好感度友好度の違いによって服装が変化するシステムは取り入れているんですが?」
ラオウ:「え、そんな記憶ありませんよ?」
吉 井:「そりゃあ、友好度なり好感度が変化する頃にはしっかりと季節が移り変わってしまっていて、違いが認識しにくいと言うか……早い話、説明されないとユーザーが気付かないと言うか(爆笑)」
ラオウ:「ユーザーに強制するのはともかく、ユーザーに気付かれないシステムってのも問題ないですか?」
高 任:「まあ、それはともかく……ラオウさん、それはナイスなアイデアですわ。『ガールズサイド』の続編が出たら、そのシステムで決まりです(笑)」
吉 井:「ええ、グラフィッカーが地獄の底でのたうつ姿が目に見えますけど(笑)」
ラオウ:「基本的に意味のないシステムは、技術的にどんなに優れていてもゲームアビリティを悪くするだけですが……製作側がそこまでの誠意を見せてくれたとしたらどうか?」
高 任:「た、確かにこっちもちゃんと着替えなきゃという意識が芽生えるような」
吉 井:「トキメキ状態になったら、二人で服装を示し合わせたりするんですな(爆笑)」
高 任:「……それはどうかと(笑)」
ラオウ:「めちゃめちゃ恥ずかしいイベントになりそうですが(笑)」
高 任:「ペアでコーディネイトというと、きらめき高校の制服とひびきの高校の制服でとか(爆笑)」
ラオウ:「それはただのコスプレカップルだ」
吉 井:「高校生が他の学校の制服着るのはコスプレですかね?ゲームの中できらめき高校のキャラ出てきますし」
ラオウ:「じゃあ、ただの変な人(笑)」
高 任:「ま、それはさておき……問題は、普通デートする場所によって服装を決めるでしょう?そのあたりをどうクリアするかですな」
吉 井:「い、一気に現実的な問題を背負わせる発言を…(笑)」
ラオウ:「とすると……ランダムはさすがにまずいか?」
高 任:「いや、季節毎にカジュアルならカジュアルとかでカテゴライズして、デート場所によってそのカテゴライズされた中からランダムで決めるシステムにすれば、相手キャラの方は問題ないでしょうけど…」
吉 井:「せ、先生。これはゲームの対談ですから。企画室じゃないです(笑)」
ラオウ:「まあ……現実問題として、ゲーム製作にそんなに手間かけたら採算取れませんけどね……趣味で作るというなら、俺には長年暖めてきたギャルゲーシステムがあるのですが」
高 任:「ほう?」
ラオウ:「まず、プレイ前にプレイヤーの属性を入力してもらうんだよ……妹属性とか、眼鏡属性とか、8つぐらいの属性にしぼって数値入力を」
吉 井:「はい?」
ラオウ:「で……その入力された数値によって、シナリオがというより、登場キャラの設定が変化する(一同大爆笑)」
高 任:「そ、それはつまりアレですか?登場キャラそれぞれにはデフォルト設定があるんだけど、幼なじみ属性をマックス入力したら、登場キャラのほとんどが主人公の家のまわりに住んでいる設定とかに」
ラオウ:「うむ、まさにそれだ。早い話、このキャラに眼鏡をかけさせたいとか希望する人間はだな、デフォルト設定から推理しつつ、妹属性を高めに入力して、眼鏡属性を高く入力するとか」
高 任:「ディ・モールトッ!ディ・モールトだよラオウさんっ!アンタ最高だよ」
吉 井:「うお…それは」
ラオウ:「現実問題としては、ある属性にマックス入力したら、ギャグシナリオが発動するような感じのイメージを持ってるんだけど……妹属性でそれをやったら、デフォルト設定とか完全に無視でシスプリみたいになっちゃうとか、幼なじみ属性でやるとセンチみたいになっちゃうとか(笑)」
高 任:「ラオウさん、妹属性云々はともかくそのアイデア最高」
ラオウ:「ただ、大きな問題が2つほど」
高 任:「あー……えーと、とりあえず……入力によって設定が変化する線引きバランスかな?」
ラオウ:「うむ」
吉 井:「……確かに、微妙ですね。数値を5段階とかにして、ある程度制限しなきゃどうにならないかも」
ラオウ:「で、もう一つの問題の方がよっぽど重要」
高 任:「と、いうと?」
ラオウ:「シナリオ担当が確実に死ぬ(大爆笑)」
高 任:「……って、冷静に考えたら絶対死ぬよ!単純に考えても一本のゲームで何十本とシナリオ書かなきゃいけないし」
ラオウ:「しかも、登場キャラの設定が変化するに従ってシナリオが変化するわけだけど、登場キャラ同士の関係もすごい繊細なアレンジが必要になってくるわけだ……テキスト量が絶大になるのもアレだが、そんな恐ろしいシナリオを書き上げられるだけの人材が確保できるかどうかが大問題(笑)」
吉 井:「現実的ではないとはいえ、非常に魅力的なアイデアであることは認めますが、ますますゲームの対談じゃなくなってきたので話を戻しましょう」
 
 
ラオウ:「さて、『2』と『3』については大体言うべき事は言ったような……って、結局初代との比較論になったから、初代についてもそれなりに語ったような気もするが」
高 任:「んー、10年一昔といいますが、ときメモとは一体何だったのかという問いかけに対してほとんど答えが出てないような」
吉 井:「え、この対談ってそんな重かったんですか(笑)」
高 任:「いや、それは冗談ですが……つーか、ある意味まともな対談のできないネタですな」
ラオウ:「……というか、今大学生とかの世代だと、ときメモそのものをプレイしてないのでわ?中古ゲーム屋とかで見かけたりもしませんよね?」
吉 井:「いや、元々ときメモって出荷数の割にはあまり中古ゲームとして出回らなかったとかいう話を聞いたことが」
高 任:「『2』はいっぱい出回ってますけどね(大爆笑)」
ラオウ:「や、中古ゲームにいっぱい出回っているというのはね、出荷数が多くて、購入者がすぐに手放して、しかも買い手があまりいない……ダメじゃん(一同大爆笑)」
高 任:「『みつめてナイト』も大量に出回ってるからなあ……中古ゲーム屋でそれを見るたびにへこむんですよね。『こんな面白いゲームを何故手放すっ?お前ら本当にきちんとやり込んだのか?』って」
吉 井:「まあ、ゲームの評価は人それぞれというか…」
高 任:「『みつめてナイト』で思い出したが、あの相手の好感度によって会話選択の最善返答が変化するってシステムはときメモでは取り入れられないんですかね?」
ラオウ:「はい?」
高 任:「いや、俺がときメモで感じてる不満の中に、相手の好感度に関係なく選択肢による評価が決められてるってのがあって……やはり、デート時の好感度レベルによって相手に好感を与える選択肢は変化するべきだと思うんですな」
ラオウ:「あれって……一緒だったっけ?」
吉 井:「デートの会話選択の数そのものが多いですから……『みつめてナイト』はデート場所毎に2種類でしたよね。だから、同じ会話を繰り返すという事を見越した上でのあのシステムだったのではないかと」
ラオウ:「……んー、とはいえプレイするのは一回だけじゃないから、別にそのシステムを取り入れても問題ないのでは」
高 任:「データ処理というか、データ把握が面倒になるでしょうね……ただ、敢えて言いたい。ときメモならそれぐらいの作り込みをやれと(大爆笑)」
吉 井:「これ以上頑張れって言ったら死んじゃうです(笑)」
ラオウ:「また懐かしいネタを」
吉 井:「まあ、夏ですし(笑)」
高 任:「プエルコルダンにまた夏がやってきました……つーか、何十回やり直してもピアが攻略できんのじゃあっ(大爆笑)」
ラオウ:「ま、まだやってたんか『ポヤッチオ』(笑)」
高 任:「いつまで経っても、プエルコルダンの夏が終わらんのじゃあ!(爆笑)」
吉 井:「このぐらい愛されたら、ゲーム製作者も本望でしょう」
高 任:「いや、ルフィの話を書くためにと言うか……俺、パロディ小説を新しく書く前は必ずプレイし直しますよ?そうじゃないとキャラの口調とか、微妙なニュアンスが狂ってきますし」
ラオウ:「心配するな、お前の書くパロディは微妙なニュアンス以前の問題だから(大爆笑)」
高 任:「まあ、確かにそういう話を考えてはいるけどさ(笑)」
吉 井:「ま、それはさておき……個人的には『ガールズサイド』をプレイしてから『4』にすごく期待してるんですよね」
高 任:「まあ、初代を無かったものと考えれば、あくまでも個人的にだけど、確実に面白度が上がってきてますし」
ラオウ:「うわ、すっごいクールな意見(爆笑)」
高 任:「いや、そもそも初代を基準に考えるからいけないのかと。いろんな意味で初代と『2』以降ってのは切り離して考える方が話がまとめやすいと言うか(笑)」
吉 井:「いや、対談の流れを逆流させてます、確実に(笑)」
高 任:「というか……TLSシリーズは製作サイドの面子が変わってアレでしょ。じゃあ、ときメモだって初代と『2』以降は…」
ラオウ:「よ、吉井さん、そいつの口をふさいでください」
吉 井:「や、別に初代発売後のときメモ製作チームのゴタゴタは有名ですし(笑)」
高 任:「ま、ゲームには関係ないことですが……というか、制作サイドにどんな事情があろうが面白けりゃいいです。もしくは、絶対値の高いゲーム(爆笑)」
ラオウ:「ある意味、ユーザーは一番残酷な人種というか(笑)」
吉 井:「高任君とラオウさんは、残酷な人種の中でも特に残酷度が高いと思いますが(笑)」
ラオウ:「残酷ですかね?」
高 任:「……独断と偏見はそりゃ人間だから多少は仕方ないですが、少なくとも真面目に評価してますけどね」
ラオウ:「そりゃ、真面目にやらないと笑いは取れませんし……ああ、そうか。ときメモって、少なくとも俺にとってはそれだわ」
吉 井:「は?」
ラオウ:「いや、作り込みというか……ある意味馬鹿馬鹿しいことをくそ真面目にやるというか、もしくはやっているように見せかけているというか、そのあたりが楽しいのでは?」
高 任:「ああ、なんかラオウさんがテーマっぽい事を匂わせ始めた(爆笑)」
吉 井:「終わらせるきっかけが見つからないと悩んでたんですが、終わるんですねこの対談」
ラオウ:「……なんか、聞きようによっては対談そのものが終わってしまいそうですな(一同大爆笑)」
 
 注…終わりません。
 
ラオウ:「ところで……ときメモファンドについては触れないのかね?(笑)」
高 任:「ゲームの内容には関係ないもん……つーか、コ〇ミが何やってようが、ゲームの内容に関係ない限りしったこっちゃないです(笑)」
ラオウ:「なるほど」
高 任:「スポーツ選手に人格者であることを求める連中とかいるけどさ、何を馬鹿なこと言ってやがるってのが俺の考えですし。スポーツはスポーツ、ゲームはゲーム、漫画は漫画、それ以外の部分のアピールなんて本質的には無意味でしょ」
ラオウ:「まあ、それはそうだが……ただ、ゲームを売る側としては宣伝広告費をつぎこみ、『わざと品薄状態にして』消費者真理を煽り……などの手法で、売り上げ増を計ったりする事もできるよな?」
高 任:「今のギャルゲーの市場で多分それはできんな……つーか、ユーザーはゲームをちゃんとプレイして、自分で判断して評価を与えたら問題ない話ですし(笑)」
吉 井:「なんかイヤな話になってきましたが……正直なところ『ガールズサイド』の続編が先ですかね、それとも『4』が先ですかね?(笑)」
ラオウ:「さあ……ただ、『俺らの評価はともかく』、『3』の世間的な評価はいまいちで、ゲーム以外の商売もいまいちだったんでしょう?とすると……新しいギャルゲーを作るぐらいなら『4』を出すでしょうが……最悪、ギャルゲー市場からの撤退も考えてると思いますよ」
高 任:「まあ、ギャルゲーは今のところ衰退期だから……『2』の方が先ですかね?」
ラオウ:「おいおい、ギャルゲーが『今のところ』衰退期ってのは結構楽観論だと思うが?パソゲーからの安易な移植と、過去の人気作の続編……ここ数年の、ギャルゲーの『新作』の激減ぐらい高任さんなら承知の筈だろ?」
高 任:「むう」
ラオウ:「俺は別段ギャルゲーが好きってわけじゃないけど……今の状況を考えると、まさにときメモの『初代』は束の間の奇跡だったんじゃないかな?」
吉 井:「き、奇跡ときましたか」
ラオウ:「時流に乗っただけの安易な造りのギャルゲーや、また安易にそれを容認したユーザーが、そしてゲーム市場の特殊性がそれを加速させ、最大のチャンスをぶっつぶした挙げ句に現状があるのでわ?」
高 任:「い、いきなり重いネタを振ってきたね」
ラオウ:「10年経ったからね……ゲームの内容だけじゃなく、一応そういうネタを振っておいた方がいいんじゃないかと思って。10年経てば、状況はこのぐらい変わる……ってないい具体例でしょ、ときメモは。で、現状は市場の縮小ですから」
吉 井:「まあ、そりゃそうですね」
ラオウ:「さっき吉井さんが残酷とかいいましたけど、製作サイドに甘えを持たせるユーザーの方がよっぽど残酷だと思いますよ……そりゃ元から好きな人間はそれなりに楽しめるでしょうけど、市場を広げようと思ったら興味のない人間を惹きつけるというか、求心力のある傑作が必要ですからね(笑)」
高 任:「深いな」
ラオウ:「……と言うところで、それっぽく終わるとどうだろう?(爆笑)」
吉 井:「ラオウさん、それ余計な一言です(笑)」
 
 
 
 ……数が多いから点数つけませんよ。(笑)
 まあ、『3』はシステム面の不備で多少減点、『2』はシステム云々以前にあまり面白いと感じられないあたりで大きく減点……という所ですか。
 異論はあるでしょうけど。(笑)
 作品云々以前に……ラオウさんが言うように、今ならはっきりとわかりますがときメモの出現ってのはある種のターニングポイントでした。
 もちろん時代の運不運ってやつはありますが……やはり、ときメモは特別なのかなと高任は思います。

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