お題…Siesta すすき野原の夢物語(WIN)
 
 約一年半ほど前……と言っても、迂闊にも高任がそれを知ったのは発売されてから4ヶ月ほど経過してからだったのですが……衝撃のデビュー作『FIRST|LIVE』をひっさげて颯爽と姿を現したメーカーの名は『アメデオ』。
 そして今、時代の風を受けて21世紀に華麗に羽ばたくため『乙女ゲームブランド』アメデオさんの第2作『Siesta すすき野原の夢物語』(以下『シエスタ』)が降臨した…
 
 ……ゲームの概要はもう別にいいですよね?(笑)
 
 
ラオウ:「ちーっす!」
高 任:「ちーっす……あれ、ラオウさんマスクは?」
ラオウ:「うん、今年の春は暖かかったせいか杉花粉の飛散ピークが去年よりすっごく早かったみたいで去年より大分楽(笑)」
吉 井:「あ、なんか3月の頭ぐらいが一番多かったらしいですね(笑)」
ラオウ:「うん、あの時期の花粉は中国から飛んでくる黄砂との関係で……」
 
 などと初手から一見朗らかなラオウさん……スギ花粉は峠を越したようです。ただ、杉花粉以外はそうでもないようで、高任の知人は今年もかなりへこんでます。
 
高 任:「……さて、始めますか?」
吉 井:「どういう風に?(笑)」
高 任:「そりゃいつものように、心の命ずるままに(大爆笑)」
ラオウ:「……少しは落ち着いたかね(笑)」
高 任:「なんですか、その減量で錯乱したボクサーにかけるような言葉は?(爆笑)」
ラオウ:「わざわざ発売日の夜中に電話かけてきたくせに……ところで、さっきから気になっていたんだが、そこの壁に掛かっているカーテンらしき布きれは何かね?」
吉 井:「……(堪えきれないように肩を震わせている)」
高 任:「じゃあ、ラオウさんにも……(と、布きれを引っ張る)」
ラオウ:「ぶわっはっはっはっ!」
吉 井:「……(震えながら床叩きまくり)」
ラオウ:「せ、先生!なんで壁にポスターなんか貼ってるんですか?(爆笑)」
高 任:「だって、このぐらいしか使い道がないでしょう!
吉 井:「いやぁ……僕なんかこの部屋に入った瞬間笑い転げましたからね」
ラオウ:「それにしても、なんで『シエスタ』のポスター……って、予約か?このために予約したのか?(爆笑)」
高 任:「いや、予約はそういうわけでは。(笑)それに、ポスターが欲しいならそこらの店からギッてくればいいだけの話で(笑)」
吉 井:「違う、それは何か人間として間違ってるよ高任君!(爆笑)」
ラオウ:「それ以前に、高任さんって壁にポスター貼るの嫌いだろう?」
高 任:「まあ貼るのは今日この時間だけですから(笑)」
ラオウ:「……ま、いいんだけどさ(笑)」
吉 井:「こういう小道具はおいといて、対談を始めませんか?」
高 任:「心の命ずるままに!(爆笑)」
ラオウ:「……なんか噴火直前の火山の気配を感じるな(笑)」
吉 井:「ゲーム発売の5日後には、僕の家に感想日記が郵送されてきてましたからね(一同大爆笑)」
高 任:「うーん、自分で読み返してみると、プレイ直後だったせいか感想が熟成されてなかったかんじでちょっと恥ずかしい…」
ラオウ:「内容云々よりも……最後の一言『言い足りない部分は対談で』の言葉を見て、この対談に来るのがイヤだったのは俺だけですか?(爆笑)」
吉 井:「やつあたりされそうで恐いんですよねー(爆笑)」
高 任:「やつあたりなんてしませんよ……(笑)」
ラオウ:「本当かなあ?(爆笑)」
吉 井:「前夜祭で語った悪い予想がすこーし当たっちゃってましたよね……まあ、出来が悪いってことはないですけど、求めていたハードルの高さに比べると(笑)」
ラオウ:「しかし……あれだけが感想日記で書きまくってまだ言い足りない部分があるのか?」
高 任:「心の命ずるままに書き上げたら対談のネタがなくなるから……私は自分が見て感じたことの半分も書いていないよ(大爆笑)」
ラオウ:「マルコポーロですか?(爆笑)」
高 任:「まあそれだけじゃなくて、なんか上手く言葉がまとまらなかったんですよね……大体あの感想日記だって、前半と後半では趣旨が変わってきてるでしょ?(笑)」
ラオウ:「何というか、高任さんのやるせなさだけは伝わってきたけど」
吉 井:「あれってさ……プレイしながら書いてたわけ?」
高 任:「まあ、時間と状況と、そして簡単なメモを残す程度ですが」
吉 井:「『阪神タイガースは快進撃を続けています』という一文は何?(笑)」
高 任:「いや、メモの走り書きの中に自分でも良くわからないが『阪神絶好調!』とか書いてあって、なんか笑えたのでそのまま書いちゃったんですけど…(爆笑)」
ラオウ:「……スポーツニュースでも見てたのか?」
 
 
ラオウ:「まあ、馬鹿言ってないで本題に入るまえに、お二人に質問よろしいですか?」
吉 井:「一体なんです?」
ラオウ:「……何というか、やけに白いシーツにくるまれて朝を迎えたりカーテンにくるまれてキスされたりのエンディングが多いのってやっぱりお約束だからですか?(笑)」
二 人:「当然お約束です!
吉 井:「まあ、多分シナリオさんの趣味も入ってるんでしょうけど…」
ラオウ:「そ、そうでしたか……いや、人生奥が深いなあ(笑)」
吉 井:「お姫様だっこは1つだけでしたね……」
ラオウ:「ところでよ、なんでお姫様だっこって言うの?」
高 任:「んー、新婚夫婦が新居のドアを初めてくぐる時にそうすると幸運がくるという言い伝えがあって、そこから来ているという話を聞いたことがありますが」
吉 井:「む、それは初耳…」
ラオウ:「はあ、なぜそれがお姫様なのかはさっぱりわかりませんが……日本の住宅事情では結構難しそうですね(笑)」
吉 井:「ドアの幅が足りないときは縦抱きですよ、縦抱き(笑)」
ラオウ:「た、縦抱き?そんな種類があるんですか?」
吉 井:「男性の両腕を腰掛けに見立てた感じで、基本スタイルは女性が男性の首に両腕をまわす感じで……」
高 任:「個人的にはお姫様抱っこよりも『ウ〇ッス!10番』とか『愛しの〇ットマン』とかの肩の上に担ぎ上げる方が好きですけど(大爆笑)」
吉 井:「あれはお姫様だっことは全然違うというか、第一、野球経験者独特の価値観じゃないのかなあ?」
高 任:「野球とかやってると基本的に重い荷物とか利き腕の肩には乗せないのが習慣になってますからね。その禁を破ってまで肩の上に担ぎ上げるという行為が重要なのであって(一同大爆笑)」
ラオウ:「……そりゃ、あくまで担ぎ上げる側の論理だろう(笑)」
高 任:「いやいや、その禁を破ってもいいという気構えがこの場合の重要な点であって……まあ、それが相手に伝わってないと単に馬鹿にされるだけという、一見愚かしいところがいいんだよ(笑)」
ラオウ:「まあ、今はその話はおいとこう(笑)」
高 任:「……むう。それにしても、ドアをくぐるときに縦抱きにすると、ドアの上部で頭うちませんかね?(爆笑)」
吉 井:「新婚そうそう、いきなり夫婦げんかになっやたりして(笑)」
ラオウ:「……要するに、お姫様だっこ(横)でドアをくぐれるぐらいの新居が必要なわけだな…」
吉 井:「そういえば昔、自分で身動きできないぐらい太っちゃった男性が家のドアから出られなくって、レスキュー隊が窓枠を取り外して脱出させたという話を聞いたことがあるような(笑)」
高 任:「じゃあ、家はちっちゃいけどドアだけが大きくつくるとか(爆笑)」
ラオウ:「それって、家屋全体の強度が落ちませんかね?やはり、補強材を入れるなどの処理が……」
吉 井:「あまりそういう現実的なことは考えない方が良いと思うんですが(苦笑)」
ラオウ:「いやいや、家を建てるというのは一生の問題であって(爆笑)」
高 任:「……何の話ですか?」
ラオウ:「どうも高任さんあたりから話がわき道に逸れたような気がするんですが、気のせいか?(笑)」
高 任:「うん、ラオウさんの気のせいだと思う」
ラオウ:「……そうか?」
 
 ……ごめん、俺です。(笑)
 
吉 井:「それにしても、何でお兄さんのシナリオだけ異常にノリノリだったんでしょうか?(大爆笑)」
高 任:「何というか……凄かったですね。まあ、あのシナリオに僕は救われたんですが(笑)」
ラオウ:「あのシナリオの出来が悪かったら、今頃どんなことになっていたのか考えるだけでも恐いですが(爆笑)」
吉 井:「……んー、高任君も書いてたけど、挿入歌があるのこのシナリオだけですし(笑)」
高 任:「吉井さん、それは違います」
吉 井:「え、他にありましたっけ?」
高 任:「あの曲って聞き直してみたら、挿入歌というよりエンディング曲のアレンジバージョンなんですよ……個人的には挿入歌として扱われてる女性ボーカルがカバーかけてる方が好きですけど」
ラオウ:「えっ?同じ曲でしたか?」
高 任:「まあ確かに曲のテンポおよび雰囲気ががらっと違いますし、フレーズの順番の組み替えもやってますからぼーっとしてると聞き逃しますけど」
吉 井:「はあ、なるほど……で、何が違うの?挿入歌として配置されてるのはあのシナリオだけという事実に変わりは……」
高 任:「その考えが違うんです!」
ラオウ:「と、言うと?」
高 任:「この主題歌その物がですねえ、涼というキャラのために作られているんですよ!(大爆笑)」
吉 井:「高任君、高任君!自分が何を言ってるかわかってますか?(爆笑)」
高 任:「だって、『…銀河を駆け抜け、星座の中で眠る君の頬にキスを……』とかいう歌詞を考えると、間違いなく涼のためのテーマ曲だと思うんですが(一同大爆笑)」
吉 井:「歌詞を覚えてるの?(大爆笑)」
ラオウ:「……恐ろしい男よ(爆笑)」
高 任:「最近、文章書くときはこの曲とBGMの13番がずっとヘビーローテーションですからね。自然と…(大爆笑)」
吉 井:「ちょ、ちょっと待って。BGMの13番って?」
高 任:「早い話、夢の世界のバッドエンドで流れる曲……だったよね?」
ラオウ:「いや、俺に振られても(笑)」
高 任:「だから、主旋律が一音で副旋律に和音コードを持ってきてる曲で、ターン、タ、ターン、タ、タラララ…の曲」
吉 井:「ああ、スージーのキスシーンの直前にかかる曲と言ってくれれば話は早いのに(爆笑)」
ラオウ:「この対談から逃げだしたいよう…くすんくすん(大爆笑)」
高 任:「ラオウさん、僕はスージーが眼鏡娘だからこのシナリオを絶賛しているわけではないんだよ?(笑)」
吉 井:「あのシーンだけは自分のプレイヤーキャラが思いっきり逆転しましたが(大爆笑)」
ラオウ:「……確かにあのシナリオは涼というキャラの人格形成に関して夢の世界の存在が重要なファクターになってたから、構成として一番出来が良かったのは認めるよ。でも……」
吉 井:「何でこのキャラだけが、子供の頃から夢の世界の住人でありつづけたのかが凄く不思議でもありますが(笑)」
高 任:「早い話、涼もお祖母ちゃんの孫でしょう?主人公には主人公の物語があったように、涼には涼の物語があったのだという風に俺は考えましたが……多分、お祖母ちゃんの正体と同じく、その点をあんまり突っ込まない方が良いと思います(笑)」
ラオウ:「……お祖母ちゃんって、絶対にこの世界の人間じゃないよね?よその世界からお祖父ちゃんに出会うためにこの世界にやってきたはず(大爆笑)」
高 任:「あ、時空を越える事のできる故郷を失った呪われた一族等というろくでもない設定が頭の中で浮かびつつあるんですが(大爆笑)」
ラオウ:「やめとけ、まとまらん(笑)」
高 任:「とすると、『永久の約束大地に捧げ、2人の物語は永遠の夜を巡る…』という歌詞とバッドエンディングから察するに主人公も記憶をなくしてたけどこの世界の住人じゃないのでは?」
吉 井:「は?(笑)」
高 任:「いや、バッドエンドで主人公が夜空に向かって呟きますやん。『お祖母ちゃん、大事な人のいる世界に帰るよ…』とか……あの大事な人のいる世界ってのは深読みすると、主人公が本来存在すべき世界の事じゃないのかなあ?(大爆笑)」
ラオウ:「無理矢理ものごっつい設定に曲解しないように(大爆笑)」
高 任:「まあ、他のキャラがいろいろと不可解な行動とって主人公を不安にさせたのに比べて、涼は決めるべきところは決めてくれましたね(笑)」
吉 井:「あの、『俺はどの世界であってもお前を守る役目を与えられているんだって…』のシーンはこのゲームの一番の見せ場ですよね!」
高 任:「そして挿入歌が入って渋めの声で『せめて、今だけ言わせてくれ』ですからね。いやもう、あのあたりでは『来た来た来たアアッ!』って感じで(爆笑)」
吉 井:「涼のボイスってちょっと親父入ってませんか?」
高 任:「好きずきでしょう。俺はああいう感じの渋めの声は好きです。なんというか、最近よく聞く抑揚のはっきりしないタラーンとした喋りはどうも性に合わないと言うか(笑)」
ラオウ:「そりゃ、アンタが体育会系だけの話で(笑)」
高 任:「俺は、体育会系の中では随分リベラルですよ?(一同大爆笑)」
吉 井:「高任君の認識してる体育会系って非常に狭いような気がするんだけど?」
ラオウ:「……話を戻すけどよ、個人的にこのシナリオの善し悪しはともかく、設定としては一番穴が多いような気がするのだが(笑)」
高 任:「何か言いましたか?」
ラオウ:「何か聞こえましたか?(笑)」
高 任:「ラオウさん、言いたいことは我慢しない方が(笑)」
吉 井:「ウィルスに化学式ってなんなのかなあ?とか、分子が顕微鏡で見えるのかなあ?とか聞きたいのでは?(一同大爆笑)」
高 任:「魔法が存在する時点で現実世界の価値観は持ち込まない方が……多分魔法顕微鏡ですよ(笑)」
ラオウ:「うん、そう切り返されるのはわかってたし(爆笑)」
吉 井:「まあ、他にも……(内容に深く関わる内容なので削除)……とかツッコミ所はいろいろありますが、設定よりもシナリオのノリを大切にしたいですね(笑)」
ラオウ:「それってノリが悪かったら全然駄目って事では?(笑)」
高 任:「何というか、このシナリオのノリッぷりは『ファーストライブ』のキャラクターとかぶっていなかったからではと思うのですが
吉 井「このキャラについては書きたいシーンがいっぱいあるんだあっ!てな感じですね?(大爆笑)」
高 任:「何というか、弁当箱が壊れそうなぐらいにおかずを詰め込んでしまった愛情が微笑ましいよね(笑)」
ラオウ:「またわけの分からないたとえを(笑)」
吉 井:「いや、言い得て妙だと思います(大爆笑)」
高 任:「対照的に他の4人は、やはり前作と同じような展開にしたくなかったのかイベントの流れに勢いが感じられませんでしたよね……いや、少なくとも俺はそう思ったんです(笑)」
吉 井:「草薙先輩なんかは前作の二階堂生徒会長とキャラかぶりすぎのような気もしますが(笑)」
高 任:「外見もだが(爆笑)」
ラオウ:「まあ、ある程度キャラがかぶるであろう事は最初から予想してましたし」
吉 井:「傾向としては一平は冬弥で、草薙先輩は要、しんちゃんはカイル、涼は音先生ってとこですか……アランは、ちょっと難しいな」
ラオウ:「しんちゃんは平太君で、アランがカイルだと思うんですが…」
高 任:「そんな単純なモノじゃないと思いますよ。一平は母親が離婚して義母とかと折り合いが悪いのか、家庭的な問題を抱えていると言う潜在的な点では前作の生徒会長あたりと複合してるし…」
ラオウ:「あれ、そうだったっけ?」
吉 井:「バッドエンド見てないんですか?」
ラオウ:「いや、前作に比べると全体的に印象が薄くて(爆笑)」
高 任:「そういういかにもな設定が全然ゲームの本編で活用されてないんですよ。バッドエンドでさらっと説明されるだけではもったいないと思うんですがね」
ラオウ:「それにしても草薙先輩との出会いのシーンで、前作の主人公しおんの台詞『え、知らないの?』にツッコミ入れたのは俺だけですか?(一同大爆笑)」
高 任:「自分の通う学校の生徒会長のこと知らなかったしおんに言われたくはないよね(爆笑)」
吉 井:「イベントとグラフィックのみならず、主人公のうっかり度も前作の二倍ですか?(爆笑)」
高 任:「しおんに言われたら終わりって言うか、一平の家庭の事情を察してない部分でもう駄目でしょう(笑)」
ラオウ:「時間系列は前作の一ヶ月前ってとこですよね?」
高 任:「しおんと二人で泳ぎに行って、『17の歳の神無月に運命的な出会いをする』と占いで言われたとかいう台詞で大爆笑しましたが(笑)」
吉 井:「既に冬弥とは小さい頃に出会っていたと思うのですが……しおんにとって冬弥は眼中にないって事ですか?」
高 任:「それを言うなら、音先生とだって出会ってたよう(爆笑)」
ラオウ:「いやあのね、出会いってのは何も初めての顔合わせというだけの意味じゃないし(笑)」
高 任:「そういえば、前作でのしおんの親友あけみちゃんは出てきませんでしたね。空の彼女なのに」
吉 井:「それを言ったら、しおんのお姉さんなんか9月の時点で田舎の高校に赴任して1人暮らしをしている設定になってますし(笑)」
ラオウ:「まあ、9月末の人事改編で主人の通う高校に転任になったということにしときましょう……とすると、音先生に思いを寄せたのは教育実習の時かな」
高 任:「しおんには申し訳ないが、それこそ運命的な出会いじゃないのかなあ?(爆笑)」
 
 などと、前作についてしばし脱線。(笑)
 
高 任:「(腕まくりして)……さて、本題に入りますか」
二 人:「えーっ!?(爆笑)」
高 任:「……なんですか、その反応は?」
ラオウ:「いや、思ってたより穏やかな対談になりそうだなーなんて油断してたんですが(爆笑)」
吉 井:「物足りなくはあったけど、叩くほどのことはないでしょう?」
高 任:「すいません、何故叩くことが前提になってるんでしょうか?」
ラオウ:「じゃあ、叩かないんですか?」
高 任:「……これに関して叩くという表現は適切ではないと思うのですが?」
ラオウ:「いや、高任さんがいくら愛情を持ってたとしても読み手はそう考えないと思うし(笑)」
吉 井:「それ以前に、高任君のことを比較的良く理解している我々が叩くという表現を使っている時点でもうアウトだと思います(一同大爆笑)」
高 任:「……んー、問題は俺個人のスタンスなんですよ」
ラオウ:「は?」
高 任:「まず、恋愛モノってのは相手にとって自分が特殊な存在であることをいかに演出するかが重要だと。俺のこの手のゲームに対する評価ってのは、ほぼ間違いなくこのポイントを重視しているんです」
ラオウ:「眼鏡娘を忘れてるだろう(大爆笑)」
高 任:「極端な話、『このゲーム最高!』とか言うときは理由なんて必要ないと思うんですよ。でも、『このゲームはちょっと違うぞ?』という時は、できる限りその理由を提示しなきゃいけないですよね」
ラオウ:「このゲームを不満とする理由がそのスタンスから来るとわかりやすく言え(笑)」
高 任:「ふっ、さすがラオウさん。つきあいが長いだけあるわ(笑)」
ラオウ:「いつまでつき合わなきゃいけないんだろう…(大爆笑)」
吉 井:「で、相手にとって自分が特殊な存在って?」
高 任:「簡単なところから言えば、主人公だけに優しいとか、普段無愛想で無口なのに主人公だけにはそうではないとか……早い話、そのキャラクターにとっての聖地を主人公だけに開放してくれるというか、主人公だけに特別な一面を見せてくれるというか…」
吉 井:「普段は強気の眼鏡娘なのに、主人公に対してだけは弱気な一面をぽろっと見せてくれるとか……
高 任:「そう、そんな感じです吉井さん!
ラオウ:「(ぼそっと)…眼鏡娘は関係ないと思うが」
高 任:「自分だけが相手を理解できるという微かな優越感や誇り、もちろんそれだけじゃないけど、そういう演出をおこなって自分と相手の間の特別な絆の存在を感じることで主人公は夢を見ることができるんじゃないのだろうか?」
ラオウ:「夢見てるやん(爆笑)」
高 任:「いや、ここでいう夢ってのは夢心地気分の夢だ」
吉 井:「……ああ、感想日記で書いてた内面の掘り下げが足りないってのはそういう意味ですか」
高 任:「ええ、各キャラの特別な一面が見られないと言うか、とりあえずキャラが立ってないから見せようがないんですよ」
ラオウ:「前作のキャラは立ってて、今作では王子様としてキャラが立ってなかったと言うのか?
高 任:「『ファーストライブ』と『シエスタ』では全然違うっていうか、根本的に違うのはラオウさんだってわかってるでしょ?このゲームはいわば王子様という器を用意しただけであって、その中身の充填が不十分なキャラが多かったと言わざるをえない
ラオウ:「おおっ、言いきったなこの男(笑)」
吉 井:「……間違ってないかも知れないけど、それはやけに評価が辛いって言うか、要求するハードルが高すぎないですか?
高 任:「俺は八百屋で魚を注文したりはしません(笑)」
ラオウ:「このメーカーなら当然できると信じているわけね
吉 井:「個人的な想像としては、こういうシーンがやりたい、ああいうシーンがやりたいって感じで各イベントを作ったんじゃないかと思ったんだけど……確かに、イベントにつながりというか流れがないという意見には賛成だけど」
ラオウ:「それは現実世界と夢の世界というゲームの構成による弊害じゃないのかなあ?ゲームの構成とシナリオの配分を失敗したって言うか、シーンの切りかわりが激し過ぎるからお話がその度に寸断されたからだと思うし」
高 任:「あれは、夢を毎晩見るんじゃない方が良かったと思う。現実世界においても夢の世界においてもある程度まとまったイベントの長さがあればシナリオが分断されるような印象は多少防げたはずなのに」
吉 井:「ワンシーン毎に夢から覚めましたからね……涼のシナリオもあれがなければもっと勢いが出たと思いますが(笑)」
ラオウ:「腕相撲の勝負の夢で二晩も三晩も引っ張られるとは思いませんでした(笑)」
高 任:「話は変わりますが、腕相撲って実力が伯仲すると危険なんですよね」
吉 井:「は?」
ラオウ:「骨がきちんとできてる大人ならともかく、スポーツをやってる少年の場合、筋力だけが先行して疲労骨折するケースも(爆笑)」
吉 井:「ラオウさん、それは嘘でしょ?」
ラオウ:「俺じゃないけど、実話ですよ。それに、高任さんと俺が腕相撲したとき、マジで手首の骨がずれそうになりましたから(爆笑)」
高 任:「こう、ゴゴッと重苦しい振動が伝わって……」
吉 井:「説明しなくていい、説明しなくて!」
 
 ちょっと脱線。
 
高 任:「さっきも一平の件でちょろっと述べましたが、このゲームってキャラクターを構成するであろう重要なファクターをエンディングでさらっと出しすぎてませんかね?
ラオウ:「と、言うと?」
高 任:「例えばしんちゃんのバッドエンドで、『好きな女の子を守れるぐらいに強くありたい云々…』という発言がありましたよね?あれはせっかくの幼なじみキャラなんだから、小さい頃主人公にかばってもらってた想い出プレイバックなどのイベントを盛り込むことでシナリオの核に組み込むことができたと思うんですよ
吉 井:「高任君って、そういう子供の頃の想い出って好きですよね(爆笑)」
高 任:「だって、あのシナリオって二人が惹かれ合う必然性に乏しいでしょ?全ての行動に理由を付随させろとは言いませんが、ユーザーを頷かせる最低限の動機付けは示しておかないと感情移入もへったくれもないと思うのですが」
ラオウ:「高任さんの言い分はわからないでもないが、ひょっとするとそういう考え方自体が男女の性別の壁なのかも知れないよ?」
吉 井:「ラオウさん、それ言うと話が完全にストップしてしまいます(爆笑)」
高 任:「そりゃこの現実世界でね、『あの人のどこが好きになったの?』とか言う問いかけに明確な答えができないのは全然構わないんですよ。それは各個人の心の問題ですから。でも、こういうゲームだの小説だのの表現の場においては、受け取る側ってのは不特定多数でしょ?とすると、それなりの目安というか、明確な動機付けってのか必要になりますよね?」
ラオウ:「自分の思いこみだけで文章書いて、読み手を置いてけぼりにするのが得意な人間がえらそうな口を叩くじゃないかね(大爆笑)」
高 任:「いや、わかってるって事とできるって事の間には乗り越えなければならない巨大な壁があって(汗)」
ラオウ:「……本来、行間を読ませるという情報提供のレベルと、心の機微を全部描き出してしまう情報過剰のレベルの境界ってのは書き手にとって永遠の命題だろう」
吉 井:「はあ、そうなんですか(笑)」
ラオウ:「例えば涼のシナリオで……小さい頃人間不信だった涼というキャラクターをいつも無邪気な愛情を注いでくれた主人公の存在が救ってくれた』というファクターをね、実際に涼の口から喋らせるか、それともそれを推測させるだけの情報だけ提供して後はユーザーの想像に任せるかってのは紙一重の問題だと思うよ?
高 任:「ラオウさん、それは違う。あの場面ではね、主人公は涼というキャラクターの本当の気持ちが知りたいわけなのよ。そういう不安な状態の主人公に対しては、『お前が俺を救ってくれた』とか、『俺はお前を愛している』という様な台詞は絶対必要だったと思います。王子様ってのは、ここぞの場面でお姫様を不安にさせたら駄目なんですよ(爆笑)」
ラオウ:「こ、この男はまた見てきたような表情でそういう事を言う(笑)」
高 任:「でも、涼以外のキャラって主人公を不安にさせまくってません?しんちゃんなんか、チャドの正体をばらしたくないという方向で最初は口をつぐんでたのに、何ら必然性のない場面でそれをばらしてしまうでしょう……あ、草薙先輩のシナリオはそうじゃないのか、失礼(笑)」
吉 井:「……一平がパーティーについて黙っていた理由も意味不明だが(大爆笑)」
高 任:「あれもね、ジャックが最初にパティをパーティに誘って、でも彼女に心が惹かれていく過程でああなるのならあの心理状態もまだ納得がいくんですが…」
ラオウ:「…って言うか、パティはあれだけ有名なパーティの事を何故知らない?(笑)」
高 任:「主人公が、うっかりさんだから(大爆笑)」
吉 井:「しかし、このゲームの場合ラオウさんのいう情報過剰なレベルにはほど遠いと思うんですけど」
ラオウ:「あ、ただ高任さんにクギをさしておきたかっただけだから、このゲームに対しての評価じゃないです(笑)」
高 任:「な、何のために……」
ラオウ:「……高任さんの勢いを所々で寸断しておかないとえらいめにあう様な気がするし(一同大爆笑)」
吉 井:「策士ですね、ラオウさん(笑)」
高 任:「じゃあ、パワーあげましょうか?」
ラオウ:「抑えてたのか?(笑)」
吉 井:「(話題を変えるように)…そ、そう言えばアメデオのHPでキャラクターの人気投票とか、『ファーストライブ』と『シエスタ』のどっちが面白かったですかというアンケートが行われて……
高 任:「そんなの、『ファーストライブ』に決まってるじゃないですか(笑)」
ラオウ:「私もそう思いますが?
吉 井:「……
高 任:「あ、いいです。その沈黙で答えはわかりましたから(爆笑)」
ラオウ:「……ちゃんと両方プレイしてるのかな?」
高 任:「実情は知らないけど、販売本数は今作の方が多いんじゃないかなあ?」
吉 井:「そう言えば、俺、『シエスタ』のプレイ終了後に久しぶりに『ファーストライブ』やってみたんですけどね……やっぱり、初手からむっちゃ面白いんですよね。つかみからオッケーって感じで(大爆笑)」
高 任:「でしょう?一旦ユーザーの心をつかんでしまえば、後はもう思いのままですからね(笑)」
ラオウ:「……違う見方をすれば、『ファーストライブ』にはつけ込む隙がなかったけど、『シエスタ』には隙があるだけに面白いと思う人間が多いのかも知れない。こう、いろいろと想像できるという、ユーザーに与えられた自由度の高さというか……
高 任:「あ、そういうことは全然考えてなかったです」
吉 井:「ちなみに、キャラクター人気は一平と涼の二人が激しい争いを……」
高 任:「……まあ、他の三人は特にキャラクター立ってないし。個人的にはああいう内面に大きな闇を抱えてそうなキャラクターは好きなんですけどね(爆笑)」
吉 井:「それ言い出したら、5人とも心の中に闇を抱えてそうですけど(笑)」
ラオウ:「高任さん、また頭の中でろくでもない想像をしているな?(笑)」
高 任:「聞きたいですか?」
ラオウ:「聞きたくないって言ったら勘弁してくれるのか?」
高 任:「人の話はちゃんと聞くようにって怒る(大爆笑)」
ラオウ:「アンタに言われたくないよね(笑)」
高 任:「それは違うぞ。俺は人の話はもちろん聞くんだけど、それに対して三倍ぐらい言い返すから結果として人の話を聞いてないように思われるだけであって…(大爆笑)」
吉 井:「まあ、高任君らしいと言えばらしいよね……」
高 任:「じゃあ、軽く不満点を挙げてみますかね(笑)」
ラオウ:「軽くなのか?」
高 任:「まず、ゲームの初日に主人公の読書感想文を一平が読み上げるシーンとかありましたよね?『私はKが愛する人を残して命を絶った理由が理解できません…』とかいう作文…」
吉 井:「あれは漱石の『こころ』でしょ?読書感想文だと思うんですが」
ラオウ:「あ、そういえばそうか。むう、純文は学校の宿題でさえまともに読んでないからなあ……(笑)」
高 任:「……少なくともあのイベントで主人公の価値観の一端をうかがい知る事ができますよね?でも、そういう部分が全然シナリオに反映されてないと思いません?俺は夢の中で一平が軍の兵士という設定になってるのを見た瞬間、凄く期待したのに」
ラオウ:「何をだ…(笑)」
高 任:「いや、どう考えたってこの設定だと主人公を残して戦場に行くとかさ、自己犠牲のイベントがあるはずじゃないですか……もちろん、それは一平のシナリオに限ったことではなくて、他の四人にも言えることなんですが」
ラオウ:「……高任さんの感性が一般的とは思わない方が(笑)」
高 任「いや、それはともかく(笑)」
吉 井:「自分の感性が一般的じゃないことは自覚してるんだ(爆笑)」
高 任:「こういうイベントでユーザーに与えた情報を他のシーンで活用しないとその場限りの捨てイベントになるじゃないですか。ただでさえ情報が少ないんですから、捨てイベント(情報)を作ったら全体としての流れが余計にできてこないと思いません?」
ラオウ:「つまり、愛する人…ここでは主人公を残して死にに行くような一平に対してあの作文の存在をクローズアップさせなきゃいけないと?」
高 任:「夢と現実の世界で物語が分断されてるんですから、余計にイベントとイベントをつなげる努力をしないといけなかったはずなんですよ
吉 井:「高任君、深読みしすぎ(爆笑)」
高 任:「いや、深読みも何も当然でしょ?例えば『ファーストライブ』音先生のイベントで、『良く鍵をなくすからたくさん合い鍵を持ってるんだ…』とか言って、その合い鍵をひとまとめにしたモノを主人公に見せたりするシーンがあったでしょ?あれとかは何気ないワンシーンのようで音先生というキャラクターの性格を良く示してるじゃないですか?」
ラオウ:「すまん、そこまでは覚えてない…」
吉 井:「え、そのイベントがどうして音先生の性格を……」
ラオウ:「吉井さん、吉井さん。合い鍵は分散させないと、なくすときは全部なくしちゃうじゃないですか(笑)」
吉 井:「ああ、そう言えば!(大爆笑)」
ラオウ:「吉井さん、音先生なみにうっかりですか?(笑)」
高 任:「もちろんこれだけじゃないけど、前作のイベントはね、お約束満載のようでいて、実際はちゃんと各キャラクターの性質やその内面を充分に説明、強調して掘り下げていたと思うんですよ」
吉 井:「まあ、どのキャラにも何かしら抱えてているモノがあったね。生徒会長には家庭環境があったし、カイルは海外留学だし、平太君は外見が幼く見えることにコンプレックスを感じていたりなんかの…」
高 任:「そうそう。そうして各キャラクターの個性が生き生きとしていたからこそ、各イベントにつながりができたし、主人公が心惹かれる理由、また各キャラクターが主人公に心惹かれていく理由などのすべてがパーフェクトだったんです」
ラオウ:「パーフェクトか(笑)」
高 任:「あれは傑作だと何回言えばわかるんですか!もしあれがただ単にお約束をちりばめただけのゲームだったら俺はあそこまでプッシュしません!」
ラオウ:「ごめん高任さん、俺、君のことちょっと勘違いしてたわ(大爆笑)」
高 任:「あのね(笑)」
吉 井:「……とすると、今回のシナリオって不満ありまくりなんですよね?」
高 任:「ありまくり……って言う表現はちょっと違うな。えーと、そう、シナリオの詰めが甘いというか、演出のきめ細やかさが欠けてたとでも言えばいいのか。体操競技で言うところの、宙返りはちゃんとできてたけど、膝が割れてたとか、つま先が伸びてなかったという感じがもっとも俺の気持ちに沿ったモノだと思う(爆笑)」
ラオウ:「……それはあくまで君の感性でって事だよね(大爆笑)」
高 任:「…って言うか、幼なじみキャラで昔の想い出イベントがないってどういうことやっ!俺は納得いかんぞっ!(一同大爆笑)」
吉 井:「それらしき断片は出て来るじゃないですか」
高 任:「吉井さん、そういうのはね……ある誰かのことを『優しい人』の一言ですませるようなモノです。実際は違うでしょ?『あの人は、こうこうこういう人で、こんな時はこんなことをして、あんな時はあんな事をする優しい人ですよ…』と説明するでしょっていうか、そう説明しないと誰だって納得しないし、人間性というモノは見えてこないじゃないですか」
吉 井:「……もう、誰にもとめられないんじゃよ」
ラオウ:「なまじ正論を語ってるだけになあ……つーか、どうしてこうトップスピードに入るのがはやいのか(笑)」
高 任:「アランだってそう!あのシナリオではアランというキャラクターが充分に見えてこないと思うんですよ」
ラオウ:「アランのファンに殺されるぞアンタ(笑)」
高 任:「あのバッドエンドで出てくる婚約者なんてものは、現実世界でもっと前の方に持って来なきゃいけないと思うんです。で、婚約者に言わせるんですよ。『ダーリン、私と、この娘のどっちが大切なの?』って台詞を!その場面で敢えてアランが主人公を選択するとかのイベントを作らなきゃいけないでしょ?」
ラオウ:「いや、でしょ?と言われても(笑)」
高 任:「そういや、おまけのキャラクター観賞でアランの婚約者って出てこなかったな…どういう事なんだろう?」
ラオウ:「相変わらず話の切り替えが急すぎる(笑)……しかし何というか、アンタの話を聞いていると本当にゲームの隅から隅まで楽しんでるなあと感心してしまうよ(笑)」
高 任:「馬鹿にしてないか?……って、話を戻しますけど、しんちゃんもそうでしたが、アランのシナリオも主人公が彼らにとって特別な存在であるかどうかの確証が希薄すぎるからその手のイベントが必要だと思ったんですが(笑)」
吉 井:「アランがプレイボーイなだけに、主人公が確かに選ばれたという確証が欲しいってとこですか?(笑)」
高 任「もちろん。そうすることによってドラマが生まれますし、もっと別の方法で内面を掘り下げたいのなら宗教戒律なんかを盛り込んで、奥さんを複数人持つことができるという価値観で育ってきたという設定をくわえたら、アランがあれだけ女の子に声をかける理由とかも納得できるし、そういうアランに対して主人公が『私は、自分の好きな人にとって唯一無二の人でありたいの!』などと叫ばしてご覧なさい!もう、それだけでシナリオに波ができていくらでもやりようがあった筈なんです!」
吉 井:「本気の恋に臆病という性格付けは弱いですか?」
高 任:「その性格付けなら、アランが他の女の子のデートしてるイベントを見せる必要があるでしょう。言葉だけじゃなく、あるライン以上にアランが女の子に対して深入りしないという現実を主人公の目に焼き付ける必要があるはずです。そうじゃないと、アランにとって主人公は本当に特別なのかという事が全然実感できませんやん!」
ラオウ:「おめー、感想日記で『アラン最高』とか書いてたやん(爆笑)」
高 任:「キャラとしては使い勝手最高ですよ。でも、ドラマが、ドラマが足りない!第一、アランがどうして主人公に心を惹かれたのかが弱すぎる!」
吉 井:「まあ、アランのデートイベントは最高に笑わせて貰いましたけど(爆笑)」
ラオウ:「個人的にあれはどうにかシナリオを調節してラストに持ってくるべきだったと思うが(笑)」
高 任:「いや、アレで終わるよりはラストの手前に持ってきてもう一ひねり入れた方が……やはりキャッチコピーに『シンデレラ』の言葉を使っている以上、その後に主人公を夢から覚めた状態に持っていくのがお約束だと思うよ……」
吉 井:「高任君!」
高 任:「はい?」
吉 井:「その類い希なる妄想力を駆使して、ここは一発SSでも書き下ろしてみないかい?(笑)」
ラオウ:「吉井さん、せめて想像力と言ってあげた方が(爆笑)」
高 任:「……シナリオはいくらでも湧いて出てきますが、まともに書こうとすると無茶苦茶長くなりそうなのと、一番の問題は文体ですな。何というかこの手の文体はチャレンジしたことがない上にどうすりゃいいのか見当もつかなくて……下手に手を出すとファンを馬鹿にしてるような印象を与えるかも知れないし」
ラオウ:「そうか、シナリオはいくらでも湧いてくるのか(爆笑)」
高 任:「そりゃ、これだけ極上の食材が用意されていたら。(爆笑)……ただ、どっちかというと、夢の世界の単独シナリオの方が文体の上でも書きやすいような気がする」
吉 井:「まあ、高任君の好きそうなバッドエンドが多いし(笑)」
ラオウ:「高任さんの好みで言うと……皇子の腕に抱かれながら死んでいくデライラですか?(笑)」
高 任:「んー、ラストシーンは好きなんだけどそこに至るまでの過程がちょっと……個人的にはチャドのシナリオをいじってみたい」
吉 井:「チャドと言えば、チャドのハッピーエンドって凄く納得いかないんですけど?オリジナルと出会って……とかいう問題じゃないと思う(笑)」
高 任:「いや、そういう事じゃなくて。あの話に関しては癒し手がやってはいけないこと…とかちゃんとおいしそうな設定が出てきてるじゃないですか?」
吉 井:「ああ、ヒーラー(癒し手)のタブーとして、死者の蘇生とか、限界を超えた治療とかですね…」
ラオウ:「死者の蘇生はともかく、限界を超えた治療がタブーって事は『ハーメルンの〇イオリン弾き』の治癒魔法に近いモノを想像したな」
高 任:「そうそう。あの一文を読んだ瞬間、俺の予想としては傷ついて瀕死のチャドをエステラが必死に治療する場面があるんだろうなと思ってたんだよ」
吉 井:「あ、自分の命を賭けて怪我を治そうとするというお約束ですか、盛り上がりそうですね」
ラオウ:「ただ、その盛り上がり方はどっちかというと熱血のフィールドだろう(笑)」
高 任:「(いろんな意味で聞いてない)…さっきもちょろっと言ったけど、チャドが自分の正体をばらすにしたって、懸命に治療するエステラに向かって『ごめん、僕には治療してもらう資格がないんだよ…』とか呟いたりすると思っていたのですがって言うか、そうじゃないと2人で過ごすことになる最後の時間と言うだけでは正体をばらす必然性が出てこないと言うか……だって、そのまま姿を消す予定だったんでしょ?」
ラオウ:「人の話は聞きなさいって(笑)」
吉 井:「……高任君ってさ、ゲームをプレイしながらそういうことを考えてるわけ?」
高 任:「いや、つまりはこのゲームがプレイ中にそういう余計なことを考えてしまう出来でしかないと言うことなんですよ。『ファーストライブ』をプレイしている時は、俺の頭の中は真っ白でしたよ(一同大爆笑)」
ラオウ:「はっはっはっ、確かにあのゲームやりながら俺は部屋の掃除が完了してしまいましたからね。何というか、じっとしていられないと言うか(爆笑)」
吉 井:「休憩を挟まないととてもじゃないけどあれは。(笑)連続プレイは精神と身体への負担が大きすぎますって(一同大爆笑)」
高 任:「でしょう?それから考えたって、間違いなくユーザーに対して放射される熱量の違いは明らかじゃないですか(笑)」
吉 井:「でも、それはあまりにもハードルが高過ぎ(笑)」
高 任:「大体、他にも言いたいことは……(以下略)……」
 
 エンドレス。(笑)
 
高 任:「……と、思いついた不満を挙げようとするとまだまだあります(笑)」
吉 井:「まだありますか?(笑)」
ラオウ:「対談って言うよりは、高任さんの独演会だなこりゃ(大爆笑)」
吉 井:「でも、基本的に僕もお約束は大好きなので、高任君にそう言われると洗脳されてしまいそう(爆笑)」
高 任:「洗脳とは失礼な(笑)」
ラオウ:「洗脳以外のなにものでもないだろう(笑)」
高 任:「あのサイドストーリーなんかも草薙先輩のシナリオに組み込んで、自分に宿る力の存在価値を見いだすために夢の世界に行く……ぐらいの展開の方がいいような気もしますが」
吉 井:「……他人との接触を拒むようになり始めた昔の記憶イベントとかがあると、もっと効果的のような気もしますが」
高 任:「そうそう。草薙先輩にとって主人公の存在がある意味で救いにならなきゃいけないと思うんですよね……ただそれをやると、やっぱり前作の生徒会長とかぶり過ぎちゃうから敬遠したんでしょうねえ」
ラオウ:「吉井さん、何気なく高任さんのペースに巻き込まれないでくださいな!俺、ひとりぼっちはイヤなんですけど!(一同大爆笑)」
 
 ちょっと脱線。(笑)
 
ラオウ:「(時計を見て)……まだ続くんですか?
高 任:「シナリオとグラフィックが前作の約二倍だから、前作の約二倍ほど続けるのが筋でしょう?(大爆笑)」
ラオウ:「違う、それ多分っていうか絶対違う(笑)」
吉 井:「と言うか、高任君の話す内容ってシナリオの内容に触れまくってるから書けない部分が多すぎると思うけど」
ラオウ:「さすがに発売直後のゲームの内容を細々と語るのは問題があると思うよ……あの感想日記はさすがにまずかろう(爆笑)」
高 任:「うん、だから内容については一平と涼しかまともに書いてなかったでしょう(笑)」
ラオウ:「そんだけ書いたら、ネタばらしとしては充分だと思うが」
吉 井:「ところで、さっきは言い忘れたけどキャラ人気投票でアランとしんちゃんが最下位争いをしていたりするから(笑)」
高 任:「むう…アランのエンディングは結構好きなんですが(笑)」
ラオウ:「そうか?」
吉 井:「個人的にはしんちゃんのエンディング好きですけど、アランは別に…(笑)」
高 任:「……あ、二人ともさては薔薇を育てる手間暇のことが全然理解できてませんね?」
ラオウ:「は?」
高 任:「薔薇の栽培で家産を潰したなんて逸話が結構西洋社会ではあるでしょ?」
吉 井:「青い薔薇を作るとかのあれ?」
ラオウ:「そりゃ、お金はかかるよね(笑)」
高 任:「違います違いますって言うか、二人とも根本的に勘違いしてます。あれは金がかかると言うよりも、薔薇栽培には時間がかかりすぎて本業がおろそかになるって事ですからね」
ラオウ:「ほう…」
高 任:「第一、温度変化はもちろん、葉を育てる時期、花を咲かせる時期は2週間刻みで与える肥料が何種類も変化したりするし、さらに薬液散布も何種類もあって……とにかく一日も目を離せないんですよ薔薇ってのは」
吉 井:「……で?」
高 任:「つまり主人公のために自ら薔薇を一輪育てたって事は、主人公以外の女性に目を奪われないっていうか、そんな時間もないという事で、しかも赤い薔薇の花言葉を考えたらあれは『君だけを永遠に愛す』という熱烈なラブコールなんですよ?
吉 井:「……それ絶対に深読みしすぎだって(大爆笑)」
高 任:「いや、その後のプロポーズを考えると間違いないでしょう?確かにちょっとマニアックなお約束だなあとは思いましたが(笑)」
ラオウ:「ちょっと待て、あの薔薇の花とかはお約束なのか?」
高 任:「すんごいうろ覚えなんですが、週刊マー〇レットが本当に週刊だった頃、そんな漫画を病院の待合室で読んだ記憶があるのですが……(爆笑)」
ラオウ:「すいません、今のはどこが面白かったんでしょうか?(笑)」
吉 井:「ラオウさん、週刊マーガ〇ットは今でこそ隔週ですが昔は本当に週刊だったんです(笑)」
ラオウ:「そんなもん、知るかっ!
高 任:「そう言えば、もう10年ぐらいは読んでないような気がする。今も隔週なんですか、あれ(笑)」
吉 井:「……多分(笑)」
ラオウ:「ま、まあそれはともかく……あのエンディングにそんな深い意味は隠されていない方に100円賭けるぞ俺は」
高 任:「よし、のった!(笑)」
吉 井:「……って、誰が答えを知ってるんですか?(爆笑)」
高 任:「そう言えばそうですね…」
ラオウ:「……ところで、夢の世界のスージー・パティ・デライラ・エステラの4人がそれぞれ主人公に似ているって事は、この4人はみんな似ているってことなのかな?(笑)」
高 任:「あ、4人のそれぞれの世界はパラレルワールドと思った方が良いと思います。精神感応力っていうか魂の写し絵とかの語句から考えるに、世界に1人と考えるのが普通ですし…」
吉 井:「なんか、さっきから着々と高任君の頭の中でろくでもない世界観が構築されてるような気がするのは勘違いでしょうか?(笑)」
高 任:「やはりスージーとサーシャの物語を……(爆笑)」
吉 井:「プレイが終わった後考えたんですけどね、涼がいきなり主人公によそよそしくなって『実はスージーのことが忘れられないんだ!』とか言い出したらどうなるのかなーなんて心配したんですが(一同大爆笑)」
高 任:「吉井さん、そのネタいただき!(笑)」
ラオウ:「そのネタではどうあがいてもギャグにしかならないと思うが(笑)」
高 任:「間違いなくファンの人にケンカ売ってしまうから笑い話だけにしときましょうね(笑)」
吉 井:「高任君、こっそりと僕のためだけに書いてくれない?(爆笑)」
ラオウ:「しかし……このゲーム世界の一番の謎は、『お祖母ちゃんは一体何者なのか?』という一点に尽きると思うのですが」
高 任:「夢の世界で主人公に向かって話しかけてきたしなあ……思念体として存在してるのか、それともお祖母ちゃんの死はあくまで現実世界における消滅という意味に過ぎなかったのか……」
ラオウ:「バシャール(宇宙存在)と会話でもしてるのかアンタは(笑)」
高 任:「いやあ、恋愛モノも好きですが、そういう故郷を失った呪われた一族というか、秘めた力などのお話も好きなモノで(笑)」
吉 井:「……そういえば、主題歌の歌詞って全部書き上げてみてくれない?」
高 任:「んーと、そこらにメモがあったな……」
 
 この後、高任が書き出した歌詞を見て3人のうち1人が悶絶したことを明記しておきます。(笑)
 
高 任:「……さて、まとめますか」
吉 井:「少なくとも前作のように手放しでお勧めとは言えないよね。まあ、なかなかの出来だとは思うけど(笑)」
高 任:「心の中の高いハードルを取り除いたとして……やはり少し物足りないと思いますが。まあ、イベント単独で見るなら結構楽しいんですけどね
ラオウ:「個人的にはあまりこういうゲームが好きというわけではないのだが……やはり、『ファーストライブ』は高任さんの言うとおり本物だったということか(爆笑)」
吉 井:「……『ファーストライブ』の出来が良すぎたことに、このゲームの不幸があると思う
高 任:「多分このゲームの方が好きって人はもちろんいるとは思うんですが……個人的にはやっぱり不満の残る出来です」
 
 
 お買い得度…………7
 操作性………………7(テキスト読み返しクリックが小さいのが気にかかるのと、場面切り替えの音楽フェードが皆一様で、シーンの性質に合わせて一工夫が欲しかったところ)
 音楽…………………8
 再プレイ度…………6
 恥ずかしさ…………8(前作と比べたら……)
 絶対値評価…………2
 
 
 さて……今更ここに何を書けばいいものやら。(笑)
 もう、言いたいことのほとんどは言ってしまったような気もするし。
 ただ、1つだけはっきりしていることは、高任はこのゲームを無条件でプッシュできないって事です。

前のページに戻る