えー……天地神明に誓って言いますが、高任はいわゆるシスター界の住人じゃないわけでして。
 だから、妹キャラとしてのお気に入りは数人ピックアップできますが、こう『おにいちゃん』とか、『あにくん』とか『あーにきっ!』とか、『もう、この馬鹿アニキ』などという呼びかけに対して光の速さで脳内物質が放出されたりするわけもなく……まあ、慕ってくれるのならばこちらもそれなりに大事にしてあげようじゃないかねという、人間としては至極まっとうな感情を持つことに対してはやぶさかではありません。
 まあ、早い話『パパッ!』などとちっちゃな男の子とか女の子に間違って抱きつかれたときも、苦笑しながらその子供の父親を捜してあげるぐらいの人間なんです(機嫌が普通以上のときはね)……10代の頃にそれをやられたときはちょっとショックでしたが。(笑)
 
 だから、こういうゲームを採り上げたからといって誤解しないでいただきたい。
 
 ゲームの内容を実際よりも高く評価してしまう……という、何かに魅入られるようなファンタジーな瞬間がこの世には実在します。(笑)
 多分、ある程度の人は思わず頷いてしまったり納得してしまうと思いますが、それらの代表的な状況を書き出してみましょう。
 
1・ゲームを定価で買わず、格安で、もしくは知人から貸して(譲って)もらった。
 
2・いろんなモノから逃げ出したいぐらい忙しい。もしくはゲーム以外にやらなければいけないことがある切羽詰まった状況にいる。
 
3・今プレイしているゲームの前にプレイしたゲームがとんでもないクソゲーだった。
 
4・前評判、もしくは耳に入ってきたゲームの評価がよろしくない。
 
 他にもエンディング(のみ)が素晴らしい等の例もいろいろあるでしょうが、まあおおざっぱに分けてこんなモノだと思われます。
 一体何の話がしたいんですかと言われると高任も困ってしまうのですが、このゲームをプレイしたときの高任の状況を少し説明(言い訳)しておきたいなあなんて、心のどこかで自己に対する防御反応が始まっているのかなあなどと、人間の心理は複雑怪奇ですね、まったく。(笑)
 つまり何が言いたいかというと、高任は天地神明に誓ってシスター界の住人じゃ……やめとこ。こういうことは繰り返せば繰り返すほど真実性が薄れるモノですし。
 
 で、シスター界の住人であるところのラオウさんから送られてきた刺客『すきスキお兄ちゃん』(笑)
 『ときメモガールズサイド』の対談を読まれた人ならピンとくるでしょう。そう、ラオウさんとの取引に使われた『あのゲーム』です。
 ここでは詳しく述べませんが……この他にも『おしえてお兄ちゃん先生』とかを含めたその手のゲームを、このクソ忙しい時期にたくさん貸してくれやがったのですコンチキショー。(笑)
 さて、状況を整理します。
 高任はこのゲームをラオウさんから貸してもらいました。
 シャキーン!(フラグ1の立った音)
 夏コミの同人誌やなんかでいろんなモノから逃げ出したいぐらい忙しい。空腹は最高の調味料であると言われているように、ゲームにとっての最高の調味料は逃避行動であると高任は堅く信じています。(笑)
 シャキシャキーン!(フラグ2がそそり立った音)
 運悪く、高任はこのゲームをプレイする前に某メーカーの生誕10周年を飾るゲームを大きな期待と共にプレイして、心に激しい傷を負っていた。(笑)
 キリキリキリキリ…(フラグ3がクレーンで吊り上げられた音)
 そして高任の個人的嗜好の問題なんですが、妹というか近所の子供というか、全幅の信頼を持ってプレイヤーを慕ってくれる性的に未熟な存在に対して言葉巧みに悪戯していく……ってな行動にちょっと嫌悪感を持ってるんですなあ。
 『お兄ちゃん(単なる呼び方)のことが大好きなの!』ってな感じで迫ってくるならまだしも…(笑)
『お兄ちゃん、次は何して遊ぶの?』
『そうだね、お医者さんごっこでもしようか?さあ、服を脱いで(ハァハァ)』
 などと、相手の無知につけ込んで好き放題やるゲームの多いこと……性的な意味ではともかく、高任はそういう存在を大事にしたいという気持ちは結構持ってますので誤解されがち(笑)なんですけどね。まあ、そういうのが好きな人もいるでしょうから、実際に行動に移さない限り高任は個人の嗜好を尊重しますし否定はしません。
 ま、早い話高任にはこの手のゲームに対する偏った先入観があり、あまり良い感情を抱いてなかったんです。
 ガッコン!(フラグ4のスイッチが入った音)
 ……と、まあフラグ4に関しては長年のつきあいであるラオウさんは百も承知。(笑)
 ならば、ラオウさんは何故このゲームを貸してくれたのか?
 彼は非常に頭の回転のいい人物であり、相手の心理の襞を絡め取りながら自分の計算通りに操っていくという事に関しては一流の人物であります。
 これで感想日記を書けというからには、高任がこのゲームに対して高い評価を与えると判断したに違いないのです。もちろん、原稿でてんやわんやになっている高任をさらに追いつめてやろうというダークな気持ちがあったことも間違いないでしょうが。(笑)
 
 と、ラオウさんにゲームを貸して貰った瞬間に、高任の貧相な脳味噌はこういうことを考えたわけでして。
 つまり……これはラオウさんからの挑戦状。
 男として、逃げるわけにはいかない勝負!
 
 いや、原稿とかからは男として面目が立たないぐらいちょおっと逃避しちゃいましたけど。(笑)
 
 と言うわけで心の準備体操のために、まずはいかにもなタイトルで、30分で終わると聞いていた『教えてお兄ちゃん先生』をインストール……どういう話かというと、ぶっちゃけた話、『はじめてのおるすばん』タイプ。(笑)
 ただし、この場合は成績があまりよろしくない双子姉妹の家庭教師……をやる筈なんだが何してるんデスかこの主人公および、女の子達は。(苦笑)
 確かにこの姉妹、頭は確実に悪そうだ。(笑)
 ちなみに、ゲーム起動時の双子姉妹の狙いに狙いまくったボイスと、オープニングの主人公の独白がかなり痛い&面白いのでこれはこれでなかなか楽しかったです。
 さらに、ラオウさんが置いていったゲームによる心の準備体操が延々と続き(爆笑)、そして口直しの某メーカーの10周年記念のゲームソフトをプレイして怒りのあまりに手に持っていた鉛筆をへし折り(笑)……そんな経緯を経てついに『すきスキお兄ちゃん』のゲームをインストール……インストール……
「馬鹿なぁっ!(キバヤシ調)」
 かなり精神的に追いつめられてるせいもあってか、高任は画面に現れたインストーラーを見て愕然としました。
 何故かというと、画面に現れたインストーラーには『蒼の刻印』のタイトルがっ!
 
 前作のインストーラーの使い回しだよアクアハウス!(笑)
 
 せめて、インストーラーのタイトルぐらい書き直そうぜ……などと呟きながらも、高任の口元には笑みが浮かんでいたりする。
 既にクソゲードランカーとして脳が冒されている人間にとっては、こういうお茶目なゲームはかえってポイントが高かったりする。(笑)
 ま、そんなことは抜きにしてとにかくゲーム開始。
 
 それは、この手のゲームにはありふれた設定……内気で、人見知りが激しいけど、何故か主人公だけには心を開き、『お兄ちゃん』と慕ってくれるお隣の女の子。
 主人公は1人暮らし、女の子は母親との2人暮らしで、母親は仕事で家を空けることが多く、主人公に娘を預けていく……などと、金太郎飴も恥じらうほどのオーソドックスな設定ですのであまり気にしない方がいいかと。
 大学を終え、自分の部屋のドアを静かに開ける主人公……それは、主人公の部屋の中で眠っているであろう女の子(みゆりちゃん)を起こさないための心優しい配慮。
 ああ、いいですねえ。こういう心配りというか、誰かを思いやる雰囲気は、心の中が暖かくなるようです……って、いかんいかん。
 男として、ラオウさんの姑息な計算にしてやられるわけには……って、ラオウさんが作ったわけじゃないけど。(笑)
 ま、それはさておき、ゲームはオーソドックスな選択タイプ。
 主人公が学校から帰ってくると、まずは眠っているみゆりを起こすか起こさないかの選択に始まり、みゆりがお風呂に行くのを暖かく見守るか、間近で見守る(爆)かの選択、そしてその後、何をして遊ぶかの選択があって母親が迎えに来て一日が終わる……の繰り返し。
 ただ、ここで高任にとって嬉しいのは18禁路線まっしぐらにするかどうかを主人公が選択できるということ。
 えっちなことしたくなきゃしなくてもいいんです。
 ひたすらみゆりを慈しみ、眠っているみゆりの頭を撫で、一緒にご飯を食べて、ゲームをしたりテレビを見たり……そんな平和な繰り返しでも全然オッケーなのです!
 そして30分後。
 
『お兄ちゃん、人生には冒険が必要なんだよね?』
 と、主人公のピザにタバスコを振り返るみゆり。そしてそれを食べる主人公。(男だぜ)
『辛っ!(当たり前)みゆり、水持ってきて、水!』
『はい、お兄ちゃん、お水…』
 とか囁きながら、口に含んだ水を口移しで……
 
 ……というシーンで、高任は約2分ほど悶絶しておりましたとさ。(この時点で、高任の敗北はほぼ決定的。笑)
 
『お兄ちゃんって……どういうタイプが好きなの?
『……目の前にいるよ?(きらりん)』
『えっ、えっ、ええっ!』
 顔を真っ赤にして主人公の背中を叩き、挙げ句の果てには……
『みゆり(女の子が自分をどう呼ぶかはゲームの最初で選択できます)…今なら総理大臣にだってなれそう…』
 
 悶絶。
 
『ほら、みゆりちゃん…お母さんがお迎えにきたよ?』
『ん…やだ』
『こらこら…』
『じゃあ、キスして…』
『えっ、キスって……』
『な、なんでもないっ!』
 
 悶絶。
 
『……みゆり、きっと素敵な恋をするよ(きらきらきら)』
『うん、きっとできるよ』
『……』
『どうしたの?』
『お兄ちゃんなんか知らないっ!』
 
 悶絶。
 
 ころりん。
『あっ、お箸落としちゃった……』
『仕方ないな…ほら、あーんして』
『え…あ、あのあの…お兄ちゃん?』
『ん?代わりのお箸持ってこようか?』
『……あーん(恥ずかしげに口を開けるみゆり)』
 
 悶絶。
 
『お兄ちゃん、ぎゅってしてくれる?』
『甘えんぼだな、みゆりは…』
『ずっとこうしていたいな……』
 
 悶絶。
 
『ん…お兄ちゃん…大好……(寝言)
 
 悶絶。
 
 まさに無限に続く悶絶地獄。(笑)
 と、こういった感じに、とにかく全編を通じて主人公とみゆりの2人の織りなすイチャイチャぶりが恥ずかしいのなんのって。
 悶絶しっぱなしでゲームがなかなか進まないっちゅーの。
 しかし、こういった方向から攻められるとは思わなんだ。さすがラオウさん、俺という人間を良く理解してるわ。
 などと夢中になっている間に締め切りは刻一刻と迫っていたり。
 
 それでもゲームを進めていると、みゆりが病院に行ったりするイベントがあったり、耳掃除をして貰いながら主人公の何気ない呟き『こういうのってなんかいいよね…』に対して、『……うん、ずっと続くと良いのにね…』
 と、どこか寂しげな口調で呟いたり。
 ああ、そうか……蜜月はいつまでも続かないんだね。
 この時点でオチは全部よめたのですが、時間が止まらないのと同様、印刷所は締め切りを待ってくれませんし、マウスをクリックする高任の手も止まりません。(笑)
 そして、21日目を終えたところでエンディングへと……
 
 みゆりの母親から手渡された手紙から写真がこぼれ落ちる……そこには、身体のやつれを化粧で隠してけなげにほほえむ生前のみゆりがいた。
 かつて、みゆりと2人で歩いた桜並木には青々とした葉が生い茂る。
 こみ上げる熱いモノを悟られたくなくて、空を見上げる主人公。悲しいほどに高く澄んだ空に、白くみゆりの顔が浮かび上がる。
『お兄ちゃん、みゆりね……お兄ちゃんのことが大好きだよ』
 悲しみに震え続ける主人公の指先から、白い手紙が空へと舞い上がった……
 
 てっきりそういうエンディングだと思ってたんですが、高任君ちょっと妄想が先走りすぎ。(笑)
 どういうエンディングだったかは、さすがに秘密。(笑)
 そして、ファーストプレイを終えた高任は、時計を見てある電話番号を……(爆笑)
 
 この時点で、勝負がどうとかラオウさんの思惑がどうとか印刷所の締め切りだとかは高任の頭の中から綺麗さっぱり消えうせたわけですが、ゲームの感想日記と言うからにはやはりゲームの表も裏もきっちりプレイしなければいけません。
『あ、これがゲームのサンプルで、こっちが内容の資料です』
『わかりました。二時間後には紹介記事を書き終えますので……』
 などという、やっつけ仕事をやるようになったら人間おしまいですし。(あくまでたとえ話です)
 と、このプレイだけでゲームの感想日記を書いてしまうのはやはり問題ありなので、2回目は18禁路線に……
 と言うわけで、まずは一緒にお風呂に入ってみたり。(笑)
 そうしたら、おやおや何をして遊ぶかの選択肢に『おいたをする』という選択肢が加わっていたり、学校から帰っての選択に、眠っているみゆりに悪戯する選択肢が現れたり。
 うん……まあ、18禁ゲームだから仕方ないんだけどさ。
 ゲームのえっちシーンの攻略的には、お風呂場でのえっちによって、選択肢が増えていくパターンであり、手でごしごしして貰ったり(どこをだ。笑)、ある程度の選択肢を埋めた状態でオセロをして勝つと、朝主人公を起こしに来たみゆりが顔を真っ赤にしながら『お兄ちゃん、苦しいの?』等というエロゲーのお約束があったり。
 とはいえ、最初は一緒にお風呂にはいるだけとか、軽くキスしただけでみゆりちゃん失神しちゃいますけど。(笑)
 早い話、かなり戦略的に選択肢を選んでいかないと、みゆりちゃんとは最後までえっちできません。
 お風呂場でいろいろしない限りは、キスしただけで失神し続けてくれますので。えっちの完全制覇にこだわるなら、中途半端なこだわりや、偏った選択は逆効果です。
 さて、男性陣にとっておそらくは重要なエロ度ですが、それなりに描写も長く、また、あんなこといいな♪できたらいいな♪って感じに、条件を満たせば日常イベントもあってバリエーションも豊かなのでまあまあなのでは。
 ただ高任の個人的主観なのですが、このテキストを書かれた方はおそらく直接的なえっちシーンよりも、みゆりという中性的な肉体の魅力を描き出すことにご執心のようで、お風呂場の覗きシーンにおける描写や、日常イベントの描写がやたらとエロい。
 リンスの白い液体がみゆりの背中を滑り落ち、薄い双臀の間に消えタイルに流れ落ちる描写にどうしてそんなに文字数が必要なのか?(笑)って感じに、こだわりを見せてくれますので、波長の合う人間にはかなりのエロ度だと思われます。
 
 それはともかく、18禁路線で突っ走ってハッピーエンド……んーと、この感じだと何やらバッドエンドもありそうだなあ?
 と、3回目はかなり特殊なプレイをしたのですが……エンディングで泣けました。
 
 後、忘れていた事と言えば、みゆりちゃんの好感度があり、これはミニゲームの結果や日常の会話イベントの選択で上下するのですが、この好感度によって起こるイベントや選択肢が出てくるのでもちろん高い方がいいです。(イベント狙いの場合は例外あり)
 手っ取り早くあげるには、みゆりちゃんの宿題を解いてあげること。ただし、間違えたりすると好感度が大きく下がります。
 ただ、毎日毎日宿題ばっかりやってると、どんなに好感度が高くても確実にバッドエンドっぽいですけど。
 後は神経衰弱とリバーシ(オセロ)……好感度あげたいなら負ける方がいいです。ただ、オセロに関しては、みゆりちゃんにいろいろして欲しいなら、何かを賭けたとき絶対に勝たないといけませんけど。
 神経衰弱はなかなか強いですが、オセロに関しては某RPGのオセロ仙人には遠く及ばないレベルなので(我ながら例えがマニアックすぎ)問題無しかと。
 
 と、我ながらちょっと駆け足気味の感想日記ですが……最初に挙げたフラグがガッシンガッシン立っていることを除いても、このゲームは面白いと思います。
 もしこのゲームを自前で買ったとしても、原稿に追い立てられて何でも良いから逃避するモノを探している精神状態じゃなくても、このゲームの前にプレイしたのが『ファーストライブ』だったとしても……やはり、高任はこのゲームを楽しんだと思います。
 ただ、残念な点も結構あります。
 まず、みゆりが眼鏡娘ではない……すいません、背後から冷たい視線を感じるので真面目に……ゲームアビリティがあまりよろしくなく、画面の切り替え等では確実にストレスが溜まる遅さ。
 また、バリエーション云々はともかく結局は同じ作業を淡々と進めることになるので、2回目ぐらいからゲームを進めるのがかったるくなることは請け合いです。
 せっかくゲーム開始時にみゆりが自分のことをどう呼ぶかで選択(みゆり・私・僕)するのだから、この選択によってみゆりの性格設定が変化するとか、イベントおよびストーリー進行に変化を与えるなどすれば、もっと長く楽しめたゲームだけに惜しいと思います。
 後、ゲームを進行する上での致命的な不具合に関してはメーカー側から修正ファイルが出ているのですが、それを使ったとしてもちょこちょこと不具合が。
『俺はお兄ちゃんなんだからみゆりのお風呂を覗くわけには……』
 などと決意した主人公が、何故か脱衣所に立っていたり……なんていうのは、『おいおい、意志弱いな』などと笑い話にもできるんですけどね。
 そして、これは人それぞれだと思うんですが……高任はこのゲームで何を楽しんだかというと、主人公とみゆりのふたりのラブラブいちゃいちゃオーラにあてられて悶絶するのを主に楽しんだわけなんですよ。
 もちろんそれだけじゃなくってイベントは結構コミカルであり、みゆりを膝の上に抱いたままテレビを見ていて『はいりはいりふれはいりほー♪』などとコマーシャルソングを歌いつつ、みゆりが『おにいちゃん、なんかお尻にあたるよ…?』『ごめん、大きくなっちゃった…』等という、本来下世話なイベントがこのゲームの手にかかるとびみょーに清潔な感覚に変換されてしまったり。(笑)
 みゆりの表情のかき分けも豊かで楽しかったし、お風呂場において『ほら、みゆりちゃん……ちゃんと良く洗わないと』などと呟くシーンの主人公がしっかりと口元に悪代官の笑みを浮かべていたりすることにも楽しんだわけですが。(笑)
 まあ主人公は大学生で、みゆりは『ひ・み・つ』なのであれなんですが、『別に、お兄ちゃんゲームであろうがなかろうがどうでもいい』んですよね、それって。
 そういう事言うと、多分いろんな人に不快感を与えたりするんでしょうけど。
 ただ、ラオウさんじゃないシスター界の住人であるところの知人に言わせると、『ああっ?そのゲームって本当の妹じゃねえじゃん…所詮はフェイク妹だからつまんね』などと洒落にならない感想をこぼされて、いろんな意味で途方にくれました。
 眼鏡娘好きにもいろいろあるように、シスター界の住人にもいろいろと棲み分けができているのでしょう。うん、そうに違いない。(笑)
 で、最後に1つ。
 ハッピーエンドにおける2人の最後の会話。
『お兄ちゃんは変だろ…』
『てへ…』
 この会話に込められたスタッフの真意を、サシで向かいあって小一時間ほど問いつめてみたいようなみたくないような。(笑)
 結婚しようがどうしようが最後の最後まで呼び方は『お兄ちゃん』……というのがこの手のゲームの心意気というモノじゃないんですかねえ?
 たとえて言うなら、『眼鏡娘最高だぜ!眼鏡こそ女性のの美を増幅するリーサルウエポンなんだ!』公言してはばからない主人公が、最後の最後で『あ、(ぴー)は眼鏡を外しても可愛いよ……』などとヘタレ発言をしてしまう様なモノじゃないんですかねえ?
 
 さて、いろいろと持ち上げたり問題点を挙げたりして主旨が読みとりづらいとは思うんですが、このゲームはやっぱり秀作ですね。
 このゲームは設定云々を抜きにしてとにかく2人が幸せなんですよ。
 はっきり言って、登場人物は主人公とみゆり以外は一日の最後に迎えに来るお母さんだけ(顔グラフィック無し)で完全に2人の世界を構築してますし、いろんな意味で相思相愛の2人なわけで……なんつーか、ほんわかと心の中が暖かくなるゲームというか何というか。
 ありし日のジャイアント馬場さんを見守るプロレスファンの様な暖かい視線を送りつつ、2人の世界をまったりと見守ってあげる感覚でしょうか。

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