お題……『西風の狂想曲(PC版)』……以下、『西風』と表記。
……ひょっとすると、狭い意味でのRPGを対談ネタにとりあげたのはこれが初めてでは?(笑)
……えっと、高任の世代のゲーマーだと良くも悪くもファルコムの洗礼を受けている(笑)わけですが、これは元々1998年に韓国メーカで発売された作品(だったっけ?)を日本ファルコムが日本でリリースしたって作品で(PCゲームとしては)それなりのヒットを飛ばしました。
で、つい先日コンシューマに移植されたタイミングで、わざわざPC版の対談をもってくるところが瀕死連合の瀕死連合たる所以というか。(笑)
今、心の中で『ネタがないんですね』とつっこんだ人いませんか?
で、このゲーム原作というか原案というか……早い話、デュマの『モンテ・クリスト伯(厳窟王の方が通りがいいかな?)』をベースに、いろいろやっちゃった(笑)ストーリーなので、あらすじおよび状況説明は無し……ってのはやっぱりまずいですか?
恋人メルセデスとの結婚目前にして、悪魔裁判の名の下に無実の罪を着せられ牢獄に幽閉されたシラノ・バーンスタイン。
何故自分は無実の罪を着せられなければ無かったのか……?
劣悪な環境と強制労働によって1年と持たず囚人が死んでいく中で、シラノは執念と幸運で15年もの間生き延び……さらなる幸運に恵まれ脱出を果たすのであった。
悪魔裁判において、自分を裏切って偽の証言をした親友ルーベン・そしてイスカリオッテ……その裏で糸を引いていたのは、なんと恋人メルセデスの父親、チェザレ枢機卿だという。
そして恋人メルセデスは、シラノが投獄されてから2ヶ月後に別の男と結婚していた事、父親をはじめとする名門貴族バーンスタイン家も反逆の罪で叩きのめされ消滅。
シラノを衝き動かすのは復讐の念?
それとも……変わらぬメルセデスへの愛?
……と言う感じの、原案が原案だけにベタベタなシナリオで。(笑)
高 任:「さて、挨拶というか暖機運転(笑)も終わったからそろそろ行きますか」
ラオウ:「……どうせ、ファルコムの海外プロデュース作品を採り上げるなら、去年出た『月影のデスティニー』の方がいいんとちがうの?」
高 任:「んー、アレはアレでアレなんですけど(大爆笑)」
吉 井:「指示代名詞が大炸裂してますね」
ラオウ:「これで意味が通じるから日本語って便利だよなあ(笑)」
高 任:「まあ、『西風』はつい先日コンシューマに移植されたりしたからタイミングとしてはベストなわけですよ……多分(笑)」
ラオウ:「なんかあざとい計算が見え隠れしてるようだが」
高 任:「あざといってどういう意味ですか?(爆笑)」
吉 井:「……えっとラオウさん。今のは何が面白かったんですか?」
高 任:「ダメコモンセンスはたかだか半月ほど前のネタですが、3ヶ月以上前の週刊連載漫画のネタについてくるところがすごいですな」
ラオウ:「そう思ってるなら使うなよ(笑)」
高 任:「いや、ラオウさんが『あざとい』という単語を使った瞬間、俺の脳内でニューロンがひた走ったわけですよ(笑)」
吉 井:「ダメコモンって事は……ああ、また某改蔵ネタですか」
ラオウ:「まあ、そんなとこで(笑)」
高 任:「で、まあ……俺は最初このゲームが海外プロデュースとは全然知らずにプレイしてまして、いきなりムービー画面にハングル語が出てきたときは腰が抜けるかと思いました(大爆笑)」
ラオウ:「せ、説明書だけじゃなく、パッケージもまともに見ないのか貴様(笑)」
高 任:「……というか、『西風の狂想曲』というタイトルだと、当然某田中先生の作品を元にゲームになったのかと(爆笑)」
ラオウ:「んー気持ちは分かるが……別にアレは某田中先生の作品群の中において…(笑)」
高 任:「しかもファルコムときたら買うしかないなと」
吉 井:「ファルコムに生き、ファルコムに死す世代ですからね、俺ら(爆笑)」
ラオウ:「いや、俺『英雄伝説2』のラストを見て本当に死にそうになったからしばらくファルコムから離れましたよ(一同大爆笑)」
えーと……わかる人にはわかるんじゃないかなあ。(無責任発言)
高 任:「……とは言っても、最近ファルコムって何を出してるんでしたっけ?(笑)」
ラオウ:「さあ?」
吉 井:「……お二人さん、それでファルコムに生き、ファルコムに死す世代とは片腹痛いですよ」
ラオウ:「そんなこと言われても(笑)」
高 任:「ガガーブ三部作完結編の『英雄伝説5』って2000年でしたっけ?」
ラオウ:「買うには買ったが、まだプレイしてなかったり(爆笑)」
高 任:「ラオウさん、後でやろう、暇ができたら見よう……などと溜め込んだゲームやビデオは結局たまっていくだけです」
ラオウ:「それはわかってるんだけど……」
高 任:「ふ、そんなこと言ってると臨終直前になって『わ、わしはまだシスプリのビデオを見てない……』とか言い残してこの世を去ることに(一同大爆笑)」
吉 井:「……(悶絶中)」
高 任:「俺が言うのも何ですが、吉井さん笑いすぎ(笑)」
ラオウ:「お前が言うな(笑)」
高 任:「でも実際、ラオウさんの積みゲーとか積みビデオとか見てると、年々増える一方じゃないですか……積みゲーに関しては俺の部屋にまで(爆笑)」
ラオウ:「……ま、それはそのうち何とかするとして、やっぱし『英雄伝説5』って時間かかる?(笑)」
高 任:「まあ、時間かかると言っても精々『ブランディッシュ4』並ですかね……でも、なかなか良い出来だからやっても良いと思います(笑)」
吉 井:「……(悶絶から復帰)……た、確か『ブランディッシュ』シリーズでしたっけ?プレイ終了後に、これまで費やしたトータル時間を表記されたのって?」
高 任:「なんか、昔日記で書いたようなネタですが、3ではないかと。何か最後の最後に、黒画面の中にトータルプレイ時間……とか、白地で浮かんできた記憶がある」
ラオウ:「そう言われるとそんな気もするが……あの表記はなあ、ゲームをクリアした余韻が木っ端微塵になるというか(笑)」
高 任:「うわあ、俺40時間もゲームやっとんたんかあっ!(一同爆笑)」
ラオウ:「高任さんのプレイスタイルなら約2日(笑)」
高 任:「まあ、人生にセーブ機能なんて無いからな(笑)」
吉 井:「あの時間表記ってゲームをプレイして心地よく昂揚していた気分がいきなり素に戻ってしまいますよね」
ラオウ:「いやいや、アレはアレで親切設定だと思うんですよ(笑)」
高 任:「そうか?」
ラオウ:「だからね、『はい、ゲームはお終い。気分を切り替えようね』という製作者からのユーザに対する暖かいメッセージなんだよ(爆笑)」
高 任:「暖かいメッセージかもしれんけど、状況によってはいきなり心臓に氷水ぶっかけられたような気分になるデス(笑)」
ラオウ:「じゃあ、状況選んでゲームしろよ(爆笑)」
高 任:「状況選んでたらゲームなんてプレイできないですよ。だから積みゲーとかたまっていくんでしょう、ラオウさん(大爆笑)」
吉 井:「まあ……途中で切りあげることができるゲームってのはどこかヌルイんですけどね(笑)」
高 任:「うわわ、明日のために寝なきゃ、でも続きが気になる…ああっ、ああっ、ああーっ!(一同大爆笑)」
吉 井:「高任君、そういう事やらせたらめちゃくちゃリアリティあるね(笑)」
高 任:「んー、日常生活のリアリティと、演技のリアリティはまた別物なんですが……ま、俺の場合は本を読みながらのケースが多いですけど(笑)」
ラオウ:「……高任さんの場合、本当に面白いゲームやってたら途中で時計なんか見ないっていうか、気がつかないよね(大爆笑)」
高 任:「ふっ、その通りですよラオウさん」
ラオウ:「画面を凝視し続けて目が痛い…いや、目が痛い所じゃなくて目の奥まで、さらにガンガンと頭痛までしてきて限界だっ!とディスプレイから目を離して目薬をさす……と、いつのまにか朝なんだよ(大爆笑)」
高 任:「馬鹿なっ!さっきまで10時くらいじゃなかったかっ!?(爆笑)」
ラオウ:「お前何でそんなネタ覚えてるねん(笑)」
高 任:「や、ラオウさんの元原、ここに保管してあるから」
ラオウ:「あ、そうだっけ?」
吉 井:「ディアブロ様ですか(笑)」
ラオウ:「……まあ、若い頃はそういう事もあったかもしれないですね(笑)」
高 任:「……どうでもいいが、俺ら何の話してるんでしたっけ?」
ラオウ:「……えーと、『西風』ってクリアまでどのぐらいかかった?(笑)」
吉 井:「何やら、最短距離で話題を引き戻しましたね」
高 任:「んー(パソコンでちょいちょいとデータを見つつ)ゲームの本筋に関係ない洞窟に行ったり、街のイベントを8割方こなした上で17時間というところですか」
ラオウ:「……また、各セーブに名前つけて細かく保存してやがるな」
高 任:「一応、この対談のために最初から何度かやり直しましたけど、本筋に関係ないイベントをぶっ飛ばして、遭遇戦闘は全部回避して10時間ぐらいですかね」
吉 井:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「何か変なこと言いました、俺?」
ラオウ:「そ、そうか…わざわざ最初から最後まで『何度か』やり直しましたか」
吉 井:「さすがに、何度もやり直そうとは思わなかったなあ…(笑)」
高 任:「さて、ゲームの内容はともかく、これって、ファルコムが日本語訳しただけなんですか?やたら、イベントとか街の住民との会話とかがファルコム色強いんですけど。トミー・タペンスの探偵夫婦とか出てくるし(笑)」
ラオウ:「んー、単純に考えるとハングル語を日本語に訳す……と、当然時間差だったり文化の相違だったりで演出とのズレが出てくる部分があるからそこもいじるわけだろ、個人的には結構いじってると思うが」
吉 井:「……こう言ったら問題あるかも知れませんが、『月影のデスティニー』は、ああ日本のゲームとは違うなあ……って思えましたけど、『西風』に関しては外国のゲームって感じは全くしなかったですね(笑)」
高 任:「だからムービーでハングル語が出てきた瞬間びっくりですよ」
ラオウ:「(高任を無視しつつ)……確かにね。だから、ある意味でファルコムが日本に合わせたすごくいいいじり方をしたのか、もしくは海外プロデュース作品の意味が無くなるぐらいいじってどうするよ、というか、まあ実情を知らないだけになんとも言い難い」
吉 井:「原案が『モンテ・クリスト伯』ってところで、『月影』のいわゆる武侠の世界というアジア観がないから余計にそう感じるだけかも知れませんが」
ラオウ:「ん…『厳窟王』でしたっけ?俺、その本まともに読んでないんですよね。だから、どのレベルまでシナリオがそれに沿ってるのか判断つかないと言うか」
高 任:「沿うも何も……厳窟王って、いわゆる黄金パターンの根っこに位置する作品だから、大概のこの手の作品は影響を受けていると言っても間違ってないと思うけど」
吉 井:「また抽象的な(笑)」
高 任:「まあ、最初プレイしてて『この話どっかで読んだことあるような……』って思ってたんですが(笑)」
ラオウ:「まあ、どこかで見たようなイベントばっかりだからな(笑)」
高 任:「途中で、『なんだよ、これ厳窟王のパクリやんけっ!』とか憤ってましたから(大爆笑)」
吉 井:「高任君、ダメすぎ(笑)」
高 任:「で、原案が『厳窟王』って事に気付いて、あらためて振り返ってみるとシラノがデイモスの魂と融合したあたりは『悪魔に魂をうった…』ってな原作のアレをこのゲームの世界観に融合するための気の利いたアレンジだよなあ……などと、感心したり(笑)」
吉 井:「ああ、そういやそうですね」
ラオウ:「……(笑)」
高 任:「ラオウさん、何か?」
ラオウ:「いや……原作知らないからなんともいえんし、吉井さんは気付いてないみたいだけど、高任さん、今の発言には遠回しな皮肉が込められていたような気がするのだが(笑)」
高 任:「ラオウさん、僕は昔から裏表のない人間として有名で(爆笑)」
ラオウ:「うん、まあ、ある意味裏表無いよな、お前。相手がそれ肉付くか気付かないかはともかく(笑)」
吉 井:「……原作付きのゲームってのが不満なのですか?」
高 任:「いや、そうじゃなくて……じゃあ、『月影…』は映画の『グリーン・デ〇テニィー』の影響受けすぎだろ……とか言うとアレなんですか?(笑)」
吉 井:「(棒読み)アレはアレでアレなんですけど(爆笑)」
高 任:「影響云々じゃなくて、根本的思想を共にするから価値観が似ていて当たり前ですか(笑)」
吉 井:「わかってるなら、そういう発言しないで(笑)」
ラオウ:「いや、俺そんな映画知らないんですが?」
高 任:「最後に、ヒロインが谷底に向かって身を投げる映画(大爆笑)」
吉 井:「高任君、その説明はいろんな意味で問題ありすぎ」
ラオウ:「?」
高 任:「大丈夫、ヒロイン空飛べるから全然平気(笑)」
吉 井:「間違ってないけど、間違いすぎ」
ラオウ:「まあ、いいけど……とにかく原案があろうがなかろうが、問題は面白いか面白くないかが重要な気もするので、話を進めて良いですか?」
高 任:「しかし、武器の耐久力というのはファルコムの伝統ですな(笑)」
ラオウ:「だから、ファルコムのゲームじゃないって(笑)」
吉 井:「んー、別にファルコムのゲームでも武器の耐久力無いのなんかいくらでもありますし、ファルコムのゲームじゃなくても武器耐久力あるのは腐るほどありますやん」
ラオウ:「ディアブロ様もな(笑)」
高 任:「俺が初めて武器の耐久力をシステムに組み込んだゲームプレイしたのがいわゆるファルコムゲームだったもんで(笑)」
吉 井:「少なくとも、最初に取り入れたのはファルコムじゃないと思うよ(笑)」
高 任:「まあ、話はちょいと変わりますが、なんというか俺はですね……『殺陣のリアリティを追求しました…』ってな時代劇とかで、日本刀持った主人公が剣線も適当に相手の刀をうち払う行為が納得できなくて」
ラオウ:「映像としての演出の意味を知らない子供でもあるまいに(笑)」
高 任:「そりゃね」
吉 井:「ところで剣線といいますと?」
高 任:「ああ、基本的に日本刀は重ね造りによって横からの衝撃を吸収し、軽量でありながらかなりの強度を誇る武器なんですが……(うんちく話が続くので省略)……というわけで、集団戦において刀の峰で一回や二回ならともかく、腹でうち払うのはおかしいんですよ」
ラオウ:「ベルセルクのガッツの剣でさえへたるしな(笑)」
高 任:「連載開始直後はインパクト強かったですよね。『鉄板焼きに使えないこともないけどな』……って台詞が印象に残ってます」
吉 井:「どうしてそう、するすると脇道に(笑)」
高 任:「えっと、俺が言いたいのは武器の耐久力を必ず考えろって事じゃなくて、武器の耐久力というものをシステムに組み込むならば、それが戦闘および戦術、戦略として反映されて、かつ面白みがなければ意味がないって事なんですよ」
ラオウ:「最初からそう言えよ。お前の話はいつもいつも回りくどすぎ(笑)」
高 任:「映像の表現として武器の耐久力を無視する……ってのは目的の為の手段じゃないですか。それはそれで良いんですよ」
ラオウ:「まあ、武器の耐久力を取り入れたシステムによって新たな楽しみが得られるのでなければ管理が煩雑になるだけだからなあ……ボス戦で武器が全部壊れたりしたら、死ぬまでの環境ソフトに早変わりするだろうし(爆笑)」
高 任:「リアリティを追求したら、現実のツライ部分だけを抽出したナイスゲームに成り下がったりすることがあるそうです(一同大爆笑)」
ラオウ:「それはゲームじゃなくて、苦行(笑)」
高 任:「それはそれで、ごく一部に大受けするような気もするけど」
吉 井:「特殊な考えを取り入れたゲームは多々ありますけど、それをゲーム的に楽しめるものに昇華できたゲームってのはあんまりないですよね。本来、ゲームデザインってのはそのあたりから出発する筈なんですが」
ラオウ:「で、このゲームに関しては……前半はそれなりにアレなんですけどね(笑)」
高 任:「後半、敵のパワーアップによってそのシステムが足を引っ張るというか……それ以前に、後半に登場する武器が強力すぎて耐久力の意味が無いというか(爆笑)」
ラオウ:「後、タクティカル方式というか……キャラをちょこまかと動かして敵の背後から攻撃するのはいいんだけど、ほとんど効果が目に見えないですよね」
高 任:「そうですね……プレイヤーキャラの攻撃ラインをどう活かし、敵の攻撃ラインをどう潰す……っていう楽しみも、結局はほとんどないわけですし」
ラオウ:「んー、一応敵の視線を移動させる(敵キャラは攻撃された方を振り向く)ことによって、こちらの魔法系キャラに攻撃が行くのを防ぐ……って意義ぐらいはあるが」
高 任:「俺がCPUなら、プレイヤーの回復担当キャラを速攻で潰しにかかりますけどね(爆笑)」
ラオウ:「人間同士のタクティカルはある意味洒落にならんからなあ……制作側としても思考ルーチンを甘くせざるを得ないと言うか(笑)」
高 任:「いや、そういう洒落にならない思考ルーチンを持ったゲームってごくたまにあるんですよ……単なる遭遇戦が死闘に継ぐ死闘(大爆笑)」
ラオウ:「ドアを開けた瞬間に拘束系魔法4発に、十数人のアーチャーが弓を放ってくるようなゲームですか(笑)」
吉 井:「好きな人じゃないと、そういうのって単に苦痛なだけと思いますよ……ちなみに、俺はイヤです(笑)」
高 任:「んー、俺は結構好きです。勝つためにはどうすればいいか……と、真剣に考えなければいけない戦闘ってやっぱりアレですし」
ラオウ:「話は変わりますが……俺的には魔法は味方を巻き込んでこその魔法だと思うんです。エリア内の敵だけにダメージを与えるってのは戦略的思考を放棄させるだけじゃないかと」
高 任:「部屋の中にファイヤーボールを放ってドアを閉めるとか」
ラオウ:「高任さん、その意味わかる人間はかなり限られてる(笑)」
吉 井:「……悪代官の時になんとなく思ったんですか、二人とも焼き殺し系好きですね(笑)」
ラオウ:「いや、別にそんなことは……ただ、基本ですからね(笑)」
高 任:「というか、ラオウさんって基本的に魔法好きだから」
ラオウ:「高任さんの肉弾戦好きにはかないませんが」
吉 井:「なんとなく、二人の性格表してるというか…(笑)」
ラオウ:「筋肉馬鹿の高任さんと、スッキリ頭脳派の俺って事ですか?」
吉 井:「いや、まあ……(なんか言いたそう)」
高 任:「吉井さん、言いたいことは我慢せずに口にした方が(笑)」
ラオウ:「ま、話を戻しますが味方を巻き込む以前にこのゲームの攻撃魔法って使い出が悪すぎるというか……魔法は補助魔法と回復魔法、攻撃は他人任せの戦闘ばっかりだし」
高 任:「魔法大好き人間にとってはあんまり楽しくないでしょうな(笑)」
吉 井:「ボス戦闘になると、完全にタクティカルの意味ないですもんね」
ラオウ:「使う魔法はファーストとブレスアップと回復系。攻撃は同じ場所に留まってひたすら殴り続けるだけという、我慢比べみたいなただ痛いだけの戦闘ですし(笑)」
吉 井:「それはそれで、ファルコムでしょう(笑)」
高 任:「まあ、それはあくまで理想論というか……他のゲームと同レベルには仕上がってるから問題があるってワケじゃないですが」
吉 井:「……なんか二人が、いわゆるゲームのRPGにあんまり興味を持たない理由がわかったような気がします」
ラオウ:「興味の対象がシナリオとか世界観に向かうしかないですからね」
高 任:「シナリオに関して激辛のラオウさんにとってはツライでしょう」
吉 井:「……じゃあ、何でディアブロに?」
ラオウ:「いや、アレはどっちかというとシューティングの感覚というか、難易度の高いゲームに対して無条件に血が騒ぐというか(大爆笑)」
高 任:「ふむ、それは一般に『セガの魂』と呼ばれる血がラオウさんには流れているのだな(笑)」
ラオウ:「いや、それはどうかしらんが(笑)」
高 任:「なら、『英雄伝説5』をやるべきだろう。リアルタイム戦闘システムなんだけど、俺は最後のボス戦でリアルタイム1時間23分も戦い続けてやっと倒したよ(一同大爆笑)」
ラオウ:「マジですか?」
高 任:「おう、ご多分に漏れず徹夜でゲームをやっていて、ラストバトルに突入したのが朝の6時ちょうどでな。6人パーティーだったんだけど、ボスの全体攻撃で3人が即死するような状況だから一瞬たりとも気を抜けないというか、一時停止を使う動作さえも命取りなるから画面を凝視したまま戦い続けて……いやあ、あれほど中身の濃い戦闘は久しぶりですごい充実感でしたよ(爆笑)」
吉 井:「いや、それは多分根本的にレベルが足りなかったのでは?」
高 任:「ちゃんと勝ったから問題なし……大体、大学受験会場とかで『レベルが足りないからちょっと経験値稼ぎしてきます』なんて言えないでしょ?その場に立ったからにはその条件でやり抜かなきゃいけないんですよ、男ってやつは」
吉 井:「違うよ高任君。高任君の『セガの魂』はちょっと違うよ(一同大爆笑)」
ラオウ:「この男、センター試験当日に39度の熱だしながら会場に向かったらしいですからね……一応、口だけの男じゃないとは言っときます(笑)」
高 任:「体温計の先を指先でつまんだら水銀がキュキューッとあがっていくんでこりゃやべえっと思って正確には計ってないですが」
ラオウ:「指でつまんで水銀があがっていくって事は40度ぐらい出てたんと違うの?」
高 任:「いや、大学の時40.4度まで出したことがあって、郵便局にいくまでに死線をなんどか越えそうになった感覚からしてそこまでは絶対いってないと思うし、高校の時出した39.8度の時よりかはちょっと軽めだったような気がするんですよ」
ラオウ:「んー、39度からの0.1度は感覚的にすごい違うからな」
高 任:「センター試験の時は、問題用紙をじっと見てると目が回ってくるぐらいだったから、やっぱり39度ちょっとぐらいじゃないかなあと思うのですが」
吉 井:「それはそうと、40度越えて、どうして郵便局に…」
高 任:「いや、コミケ申し込みの最終日だったんですよ。これは死んでも出さねばと思ったんですが、マジで死にそうでした(一同大爆笑)」
ラオウ:「いっそのこと死ねば良かったのに(笑)」
吉 井:「高任君は馬鹿だ…」
ラオウ:「今さら(笑)」
高 任:「……話がだいぶ逸れましたが、このゲームの戦闘ってぬるいんで、アシュラの剣を手に入れるまではともかく、遭遇戦闘は全部逃げ出して……逃げ切ることのできないヤツはともかく、ボス戦闘だけやってりゃ全然問題ないですよ」
ラオウ:「いや、リアルタイムで1時間20分も戦い抜ける男に言われてもな」
高 任:「後は万能鍵を買い込む事ぐらいですかね、重要なのは(笑)」
吉 井:「ゲームやらないとわかりませんよ、それ(笑)」
何というか、二度と戻れない場所とかに結構重要なアイテムがあったりするのです。だから、いつでもどこでも鍵のかかった宝箱を開けるための万能鍵は買い込む必要が……宝箱などから約10個ほど手に入れることができるので、40個もあれば大丈夫かと。
ラオウ:「さて、シナリオいきますか」
吉 井:「いってしまわれるんですか(笑)」
ラオウ:「……ところで高任さん、これってエンディングいくつあるの?」
高 任:「んー、俺が確認した限りでは大きく分けて4つかと……なんか、個人キャラエンドとかもありそうな気がするんだけど、途中の選択とかも影響してるのかな?」
ラオウ:「そうか、4つもあるのか……って、高任さん、つっこまないの」
高 任:「いや、人間って環境になれる生き物なんで(爆笑)」
吉 井:「4つもありましたっけ?」
高 任:「フレデリックと一騎打ちした後で、メルセデスから手紙が来るでしょう?あそこでメルセデスに会いに行く分岐が1つ。で、会いに行かないケースでゼフィールファルコンを脱退するかしないかの分岐で、脱退しないときの分岐が1つ、で、脱退した後チェザレ枢機卿の命乞いするメルセデスに向かって『許せるわけがない…』と言うか、『フレデリック夫人…』と呼びかけるかでそれぞれ分岐」
ラオウ:「くうっ、さすが高任さん。いい仕事してるわ(爆笑)」
高 任:「いや、それがね。俺、4年ほど昔に初めてプレイしたとき、今心に思い浮かべるのは…って選択肢でエスメラルダの選択肢が出てこなかったような気がするんですよ」
吉 井:「?」
高 任:「エスメラルダに初めてというか、再会したときに選択肢が出て来るじゃないですか。あそこの選択とか、街でのイベントで頼みを聞いてやる選択とかで細かい分岐があるような気がして仕方ないんだけど」
ラオウ:「まあ、そういう細かいさらにいい仕事はネット上で誰かがやってるんじゃないだろうか(大爆笑)」
吉 井:「つーか、コンシューマーで出たばっかりのゲームの分岐をそんなに話して良いんですかね」
ラオウ:「移植に関してカスタムされてるはずだから問題ないでしょう、多分(笑)」
高 任:「個人的には……全てが終わった後でシラノが姿を消すってエンディングと、復讐に復讐を重ねて命の恩人であるメディチを斬り、エステも斬り、クリスも見殺しにして最後は『この殺人鬼め』などと罵られながらかつての仲間達に包囲されるエンディングが好きですなあ(爆笑)」
ラオウ:「え、その復讐のエンディングってどの分岐?」
高 任:「ラオウさんも好きですねそういうの……後でエンディング直前のセーブデータを渡してあげませう(笑)」
吉 井:「エンディングの内容を語るのはもっといけないような気がするんだけど(笑)」
高 任:「とは言っても……『モンテ・クリスト伯』を読んだ人間なら……ねえ(笑)」
吉 井:「そりゃそうですが(笑)」
ラオウ:「というか、本当に王道中の王道ストーリーなんで安心して見られるし、ある意味文句を付けられないけど、意外性はまったくないよね……意外性があるけど、物語破綻しまくりよりは遙かに良いですが」
高 任:「まあホーストなんかの正体も最初はともかく2度目ぐらいからはからバレバレで、街の人の話を聞いてたら深い意味での正体もバレバレですから、某エンドにおいて正体を明かされても『ふーん』で終わっちゃう(爆笑)」
ラオウ:「いや、そこまで裏読みするのはそれなりにすれたゲーマーじゃないと……まあ、わかるけどさ」
吉 井:「……すれるというのは、ある種不幸なことですけどね」
ラオウ:「それはそうと、メルセデスから手紙が来るという緊迫した状況で『今、心に思い浮かぶ女性は…』で4択になったときは『ギャルゲー?』などと呟いてしまいましたが(爆笑)」
高 任:「ですよね。あれは、絶対に個人キャラエンドがあると思うんですよ……って、ラオウさんが知ってるのはどのエンド?」
ラオウ:「いや、シラノがメルセデスに会いに行って…の分岐だけど」
高 任:「ああ、はいはい……っていうか、あのシナリオの流れだと、普通はその選択選びますよね」
吉 井:「確かに。あそこまで引っ張っておいて、そろそろ別の生き方を探すべきかも知れないな……って、ちょっと待てよって言いたくなるというか(笑)」
ラオウ:「それにしても、カーナって……」
高 任:「んー、ラオウさんの知ってるラストシーンでのカーナはそれなりに泣かせてくれるんだけど……4人で旅立つエンディングはすごいよ(笑)」
ラオウ:「……4人で旅立つのですか(笑)」
高 任:「旅立ちと失踪は、アジア的英雄像のラストシーンの黄金パターンですから」
ラオウ:「欧米的英雄は、大概故郷なり、戻るべき場所に帰還して終わるんだよね。あのたりの思想の違いがどこから来るのかってのはちょっと興味があるな」
吉 井:「最近の欧米系の映画はアジアからもいろいろ影響受けてるのか、そうでもないですよ」
高 任:「谷底に身を投げてお終いですか(笑)」
吉 井:「いや、だから…って、あれは欧米系と違う」
ラオウ:「しかし……今、二人の話を聞いて何となくわかってきたんだけど」
高 任:「何を?(笑)」
ラオウ:「原案の設定が活かされてるのって基本的に人物関係だけなんですよね」
吉 井:「ええ、まあ……」
ラオウ:「道理で人物関係の絡みは完成度高いのに、国と国というか国家間の勢力バランスというか、創世期戦争とかの設定がめちゃくちゃなのはオリジナルだからか……高任さんのさっきの皮肉の意味がわかった(笑)」
高 任:「……本筋には関係ないし許容範囲かなーとは思うんですが」
ラオウ:「まあ……シナリオ本筋にあまり関係ないと言えばないんだけど、東部4ヶ国の連合シルバーアローと帝国を含む西部3ヶ国の連合ダークアーマーがそれぞれ白と黒の旗の下に集い、皇帝に反旗を翻した帝国宰相の勢力と戦う……お互いの陣営にそれぞれ神がついてて、西部連合は暗黒神宗教圏で……(ややこしいので以下略)……どう考えてもありえんだろ、それ(大爆笑)」
高 任:「いや、そこは笑うところ……というか、日本語訳でミスッただけと違いますの?所々……特に本に記された文章とかの日本語が変だし(笑)」
ラオウ:「んー、まあそういうことにしとこか……後、暗黒神デイモスを封印したくだりな……ダメすぎ(大爆笑)」
高 任:「あのあたりも、確実に日本語訳を間違ってるんですよね?……旧帝国(ゲイシル、トゥリシス、ガラードの西部連合を統一した大帝国……の筈なのだが創世記戦争の際に黒太子が統一したってことは、元々帝国皇帝とか帝国宰相はゲイシル単独国の筈なのに…)、現帝国(ゲイシル帝国)、東部4ヶ国、50年前の創世記戦争当時の状況と、現在の状況が混同しまくってますし(笑)」
ラオウ:「……後、物語の本質がシラノという主人公の個人的問題について語られたものだから仕方がないと言えば仕方ないんだけど」
吉 井:「は?」
ラオウ:「旧帝国崩壊に結びついた黒太子の失踪とか、イオリーン・ペンドラゴンはシラノの祖父に借りがあるとかオープニングで言ってたし、『昔、どこかでお会いしたことがありませんでしたか?』等と、主人公の意味深な台詞も全部投げっぱなしなんですよね(笑)」
高 任:「冗談抜きで、謎は全て解けません(笑)」
吉 井:「いや、このゲームのシナリオの謎はシラノが何故罠にかけられたかだから……」
ラオウ:「坊やだからさ(爆笑)」
高 任:「うむ、間違ってはないな」
吉 井:「そうですね、間違ってませんね」
ラオウ:「……なんか、投げやりになってませんか?」
高 任:「そういや俺が気になったことが1つ。主人公はシラノ・バーンスタイン(ちなみに、父親はルーク・バーンスタイン)で、名門『バーンスタイン家』の人間なのに、祖父の名前が『バーン・スタイン』だったりするのはどういう事でしょう?(爆笑)」
ラオウ:「イオリーン・ペンドラゴンも高齢だからな、記憶が混乱してるんだろ(笑)」
高 任:「まあ、元々『スタイン家』だったのが創世記戦争の武功で『バーンスタイン家』ができたのかも知れませんが。まあ、これも物語の本質には関係ないんで小ネタにしかなりませんけど……日本語訳の間違いだと信じてます、俺は」
吉 井:「コンシューマ移植で手直しされてるんじゃないですか?」
吉 井:「そういえば、どこかの街で『街を3周したらジェムをやるぞ』とか言われますよね。あれって…?」
高 任:「ああ、アレは文字通り街をぐるぐる回るんじゃなくて、東西南北の門をそれぞれ通過していけばいいだけなんですよ。つまり、街の中心を通る十字路を行ったり来たりするだけで……ちなみに、10周するとダイヤジェムがもらえます。たかだか街を10周するだけで……いいなあっ!(笑)」
ラオウ:「……このゲーム、金って必要なのか?」
高 任:「いや、落ちてる宝箱のアイテムだけで充分」
ラオウ:「遭遇戦闘を逃げ回っても問題ないとか言ってたな?」
高 任:「うん。はっきり言って、遭遇戦闘なんか時間かかって面倒なだけ……ただ、オープニングでのアシュラの戦闘までは戦わざるを得ないけど」
ラオウ:「アイテムは?」
高 任:「最後のボス戦に至るまで、回復アイテムはおろか装備アイテム以外は万能鍵をのぞいて1つも…あ、オープニングのメディチの時に使ったぐらいで後は使わなかったな」
ラオウ:「……はっきり言って戦闘の難易度低すぎだよね、このゲーム」
高 任:「うん、難しければいいという単純な話でも無いと思うけど、緊張感の全くないRPGってのもどうかと思う……時々マップが演出じゃなく空間的に歪んでてそれは難易度高いけど(笑)」
吉 井:「ボス戦はそれなりに…」
高 任:「いや、ファルコムに生きファルコムに死す世代なら防御力は防御力でも魔法防御力の充実に力を注いでから戦闘に臨むだろうから全然問題なし(笑)」
吉 井:「いや、それは問題あると思います」
高 任:「後、大事な装備を持たせたキャラがパーティから離れたら回収不可能ってのは頭を抱えますね(爆笑)」
ラオウ:「某キャラにイベント的に死なれた時は、いろんな意味で大ダメージでした(笑)」
高 任:「死ぬ前に、装備を全部外させるんですよ(爆笑)」
ラオウ:「なんか、高任さんって某ゲームの助っ人キャラの高価な装備を外して売り飛ばしたり、自分に装備させたりするタイプの人間だろ(一同大爆笑)」
高 任:「生きていくってのは、辛いことなんですよ(笑)」
吉 井:「それはそうと、ボスの攻撃って後半は魔法ばっかりですよね」
高 任:「ボス戦に関して言うならホーストが二度目に加わったときとか、魔剣カルスのサブイベントででてきた拳銃乱射暗殺チーム(笑)がきつかったかも……ただし、遭遇戦闘を全て回避した状況で、ですけど」
ラオウ:「ああ……ひょっとして高任さんは、緊張を得たいが為にわざわざ低いレベルで戦ったのか」
高 任:「いや、戦闘が面倒だっただけ。いけるとこまで行こうと思ったら、最後までそれで勝ててしまうし(大爆笑)」
吉 井:「じゃあ、魔法防御力を下げて戦いに…」
高 任:「それは瞬殺されるんじゃないかと。素のシルヴァーナだと、ボスの魔法で5000ポイントほど持っていかれますし(爆笑)」
吉 井:「あれ?5000って事は…」
高 任:「体力増加アイテム無しなら、レベル70ほど無いと瞬殺って事です」
ラオウ:「そういう意味ではゲームバランス悪いのか、これ?」
高 任:「いや、俺が結構特殊なプレイをしたからだと思うけど……結局の所、どれだけ魔法防御力とヒットポイントがあるかってのが後半ボス戦での重要事ですから、そのポイントさえおさえればどう戦うかはおのずと見えて来るというか」
吉 井:「それは、すれたゲーマーの意見だと思うけど(笑)」
高 任:「んー誤解のないように言っときますが、RPGというジャンルで言うなら、そこそこ完成度の高いゲームだとは俺は思いますよ。イベント的には結構泣けますし……ただ、前半はともかく経験値稼ぎが許されるようなシナリオではないですよね」
吉 井:「は?」
ラオウ:「吉井さん、高任さんはゲームの世界観的にそれが許される状況でない限り経験値稼ぎを認めない人ですからね」
高 任:「いや、『一刻も早く(ぴー)を倒せ』とか言われてるのに、のんびりだらだらとザコを倒して経験値を稼ぐってのはどこか間違ってるとしか俺は思えないわけで」
ラオウ:「言いたいことはわかるが、日本のRPGの概念を根っこから揺るがす発言だな(笑)」
高 任:「世界の危機云々というRPGに限定しての話ですが、物語を最短距離で進めてなんとかボスを倒せるというゲームバランスを重視するか、それとも経験値稼ぎをする間に世界はさらに危うくなり敵も強くなるというシステムにするか……前者で言うなら先の『英雄伝説5』のバランスは芸術でしたし、後者で言うなら『黒の剣』あたりですか」
ラオウ:「『黒の剣』とはまた渋いところを(笑)」
高 任:「いや、俺の記憶では確かコンシューマーに移植されたはず……そういやゲームショップで、一般パソゲーなのにエロゲーの棚に並べられてた確率が異常に高かったのは何故だろう(爆笑)」
ラオウ:「あ、そうなん?」
吉 井:「そのゲーム、しらないです」
高 任:「じゃ、RPGじゃないかもしれないけど『宇宙戦艦ヤマト』なんかは最初から人類滅亡まで後何日……って時間的制約があるじゃないですか。寄り道をするならそれなりのメリットがないといけない、戦闘も時間がかかるからできるだけ避ける……あれならすんなりとみんなが受け入れることができるのでは?(笑)」
吉 井:「うーん、高任君の言ってることはわかる、言ってることはわかるんだけど…(笑)」
高 任:「いや、俺も自分がかなり無茶なこと言ってるのは自覚してますよ。でも、日本のRPGってレベルアップの概念があるのに、時間の経過っていう概念が喪失した安易な作りのゲームが多すぎません?テキストアドベンチャーがプレイヤーの選択で状況が変化していくように、RPGの場合時間の経過とともに状況が変化していくべきじゃないですかね?時間かけて経験値稼ぎしてレベルアップして……ゲームからスリルを奪ったとき何が残るんでしょうか?シナリオがとてつもなく素晴らしいとか言うならまだ救われる部分がありますけど」
吉 井:「いや、言ってることはすごく良くわかるんだけど(笑)」
ラオウ:「それはね、ゲームってのは娯楽だから誰もがクリアできるようにしなきゃいけないからだよ(笑)」
高 任:「ま、それ言われるとそこまでなんですけど(笑)」
ラオウ:「まあ、シナリオが存在する限り時間の経過が本来は無視できないファクターってのは俺も同意するけどね」
吉 井:「うう、話が重いんですが(笑)」
ラオウ:「じゃ、この話はここまでと言うことで(笑)」
高 任:「まあ、こんな席で青臭いRPG論を語っても仕方ないですし」
ラオウ:「そういや、作戦会議室の戸棚って何があるん?」
高 任:「ああ、あれは中にエスメラルダの写真が隠してあるんですよ。ただ、そこで選択肢が出てきますが、開けずに放っておくとダイヤが足下に落ちてるのを発見してしまう(笑)」
ラオウ:「あ、そうなん……もうちょっと物語的に重要なモノがあるのかと」
吉 井:「人の秘密をのぞかないのは立派ですが、落ちてたダイヤはネコババですか(大爆笑)」
ラオウ:「勇者は他人の家に勝手に上がり込んで、勝手に家の中を家捜しして見つけたアイテムを持ち去る権利を有してますから(爆笑)」
高 任:「『プリズムコート』でそんなのあったな(笑)」
吉 井:「そういや、他人の家の中にやたらアイテムが転がってましたね……じっと見られてるのに、万能鍵使って宝箱を開けてアイテムを奪っていくあたり、ほとんど強盗というか(爆笑)」
ラオウ:「ん……さっき写真って言ったか?」
高 任:「あれはいわゆるファルコムギャグなので、世界観がどうとか技術水準と文化レベルの不均衡などというツッコミはなしな(笑)」
吉 井:「相変わらず、やりこんでますね」
高 任:「そうですか?ごく普通かと」
ラオウ:「……ひょっとすると、オープニングでまわりに人間に挨拶して回るとかでも何かあるの?」
高 任:「はっきりと確かめてませんが、そこで何かしらの話を聞いてないと物語の途中で某イベントが起こらなかったり」
吉 井:「マジですか」
高 任:「街の人と話すマウスクリックがやたら時間かかる上に面倒なんですけど、まあ全員に話を聞くのはお約束ですから……いろんな街で昔話を全部聞くだけでアイテムがもらえたりしますし(笑)」
ラオウ:「このゲームって街の人間がうろうろとうろつくから話が聞きづらいというか…(笑)」
高 任:「ただ、街で起こるイベントって本筋に関係ないですからね……昔話や伝説の類が幾つか、歌姫シャロンを復活させる、料理人に食材を届ける……(以下略)」
吉 井:「聞けば聞くほど、ファルコムですね(笑)」
ラオウ:「ファルコムですね」
高 任:「でしょ?本筋はともかく、街のイベントは全部ファルコムがいじってるんじゃないかと思うぐらいにとことんファルコムですからね」
吉 井:「どうでもいいけど、ファルコムのゲームやったことのない人には、この会話ってさっぱりなんでしょうね(爆笑)」
高 任:「まあ、いつもの事じゃないですか(笑)」
ラオウ:「いつものと言えばそれまでだけど」
吉 井:「しかし、今さらコンシューマー移植ですか……」
高 任:「あ、去年の始めにはもう移植の話は決定してて作業に入ってたんじゃなかったかな?」
ラオウ:「それが正しいとすると、ちょうど1年か」
高 任:「話戻すけど、マップの中にどうやっても取れない宝箱がいくつかなかったすっか?抜け道でもあるのかと思って、ドット単位で調べてみたんだけど」
ラオウ:「ん、あれは多分取れない(笑)」
吉 井:「ストレス溜まりますよね、ああいうの(笑)」
高 任:「まあそれでなくてもこのゲーム、何気ないところにアイテム転がってますからね。隅々まで探してると手間暇かかって仕方ないです」
吉 井:「でも、戦闘はすっ飛ばし?」
高 任:「人類滅亡まで時間がないですから(大爆笑)」
ラオウ:「まあ、戦わずにすむなら本来はそれに越したことはないよね(笑)」
吉 井:「問題の主旨がずれてます」
高 任:「まあ、現実問題としてはモンスターとかとダラダラ戦うのが大好きってプレイヤーもいますからね……俺は、自分の価値観を語りはしますけど、他人にそれを押しつけようとは思わないですよ」
ラオウ:「まあ、日本のRPGはいわゆるドラクエシステムというか……先駆者ってのは評価されてしかるべきなんですけどね(笑)」
吉 井:「あれは、ファミコンのマシンパワーという制約がありましたし」
ラオウ:「吉井さん、昔人類はファミコン程度のマシンパワーで月に行ったんですよ(爆笑)」
吉 井:「いろんな意味で言葉上のごまかしに満ちてますが、それを考えるとファミコンも馬鹿にできませんね」
高 任:「それはそうとマシンパワーを映像とサウンドだけに叩き込む今の流れはどうにかならないんでしょうか?(笑)」
ラオウ:「いやまあ『この映像ってすごい!』という意見には頷くが、『このゲームの本質ってそこなの?』という疑問を持つ俺は所詮オールドタイプなんですかね?」
高 任:「そういう意味ではこの『西風』って、映像とかサウンド的には落ち着きます(笑)」
吉 井:「映像演出的にはそんな派手じゃないですけど……あのムービーなんか当時としては頑張った方だと」
高 任:「エスケープキーでキャンセルできるっすよ(笑)」
ラオウ:「『料理は目でも楽しむ…』という言葉が示すとおり、ゲームにおいても演出や映像は確かに大事なファクターだとは思います……でも、バランス感覚ってのはもっと大事だと」
吉 井:「いや、シナリオにこだわりすぎのラオウさんにバランス感覚とか言われても(笑)」
高 任:「俺的には、このゲームは映像や演出だけにはしることもなく、シナリオやシステム、武器およびアイテム、そして本筋には関係ない、いわゆる遊びの部分もあり……意外性はないけど、トータルバランス的には良作と評価されてしかるべきではないかと」
ラオウ:「……どこか突き抜けたゲームの好きな高任さんにしてはまともな意見を(爆笑)」
高 任:「いやいや、俺は正統派ゲームを否定してるわけじゃないです。俺に言わせりゃ、映像とサウンドに力入れすぎのゲームの方が異端ですよ(笑)」
吉 井:「どうせ、力を入れるならシナリオに入れろと?(笑)」
高 任:「本音を言えば(笑)」
ラオウ:「ゲームとして派手な演出が必要ってのならともかく……結局はゲームデザインセンスの問題かと」
吉 井:「なんか、後半は思いっきりゲーム論というかRPG論になってたような…」
高 任:「いつもの対談じゃないですか(爆笑)」
ラオウ:「いつものといえばいつものだけど……この対談の内容って、結構敵を作るような気がするぞ」
高 任:「いつもの事じゃないですか(大爆笑)」
ラオウ:「まあ、確かに(笑)」
吉 井:「しかし、RPGまでネタにしちゃったってことは後はスポーツとか(笑)」
ラオウ:「RPG以上にこだわりを持った高任さんがどう転ぶか考えるだけでも恐ろしいですな(笑)」
お買い得度…… 7
音楽…………… 8
操作性………… 6
再プレイ度…… 7
絶対値評価…… 3
高任もラオウ氏もRPGへこだわりが強いというか、いわゆるゲームのRPGに強く幻滅を感じているせいで評価も言葉も湿りがち。
まあ、比較対照論になりますがこのゲームの出来はよいと思います。
前のページに戻る