お題……Memories Off 2nd(メモリーズオフセカンド)(以下2nd)(PS)
 
 
 ……あの時の君の選択は正しかったのか?
 ひと夏の出会いと別れを描いた甘く切ない恋愛ADV
 などと、キャラクターデザインにささきむつみ氏を起用し、(前作の汚名を濯ぐべく)これでもかとばかりに気合いと人数と宣伝を活用して作り上げられた渾身の作品。
 というふれこみで、かなり前評判の高いまま、9月27日に発売されました。ストーリーとしてはこんな感じです。
 恋愛ゲームとしては異色とも思える設定ですが、高校三年生の主人公、伊波健には既に一途で可愛い、白河ほたるという彼女がいます。
 そんな恵まれた環境にいながらも、新たに出会った5人のヒロイン達に心を惹かれていく主人公……いや、別に惹かれる必要もないのに、強制的に惹かれることになってしまうわけですが。(笑)
 何故かっつーと、主人公がどんなに彼女のことばかり大事にするような選択肢を選び続けたとしても、シナリオとして強制的に彼女との仲がこじれていく運命にあるからです。
 『俺は浮気はしてねえっ!』というユーザーの悲鳴を嘲笑うかのように、とにかく何を選択しようとも彼女との仲がこじれます。
 その理不尽さが現実っぽくて素敵……などと思うはずもなく、一部ユーザーの心の傷を抉ること間違いありません。
 全く身に覚えがないけれども、とにかく誤解を解くために謝って、なだめすかしたりプレゼントしたりして彼女の機嫌を……じゃなくて、(笑)主人公は破局を回避するためにこれといった行動をとらず(とれないとも言う)、これ幸いとばかりに新たに現れたヒロインに心を寄せ、新たな出発をはたすといダメ人間シナリオ爆走するのがほとんどです。
 もちろんこじれにこじれた後、なんとか元のさやに収まるというエンディングも存在するのですが、他のキャラクターシナリオにおいては基本的に彼女を捨てます。(一部例外あり…ただし文字だけでさらっと終わるためゲーム的にはエンディングと認めていない感じ)
 つまり、このゲームは浮気を前提とした裏切りの快感とカタルシスの瞬間をどう演出するのかを楽しむ作品であり、女性ユーザー(いないか?)からは総スカンをくうこと間違いなしと思われる内容です。
 しかも彼女に不満はない』と言い切りながら、他の女性に心を惹かれていく理由をいろいろとひねり出そうとする主人公の態度はヘタレ全開であり、シナリオによって強引に状況がねじ曲げられていく自由度の低さは男性ユーザーとしてもかなり抵抗を覚えるところでしょう。
 
 ちなみに、高任は知人から『修羅場ゲーム』との噂を聞いて即購入に踏み切ったわけですが……なんつーか、いい経験させて貰いましたわ。(笑)
 とりあえずこのゲームをプレイする時は、覚悟を決めたうえで、広い心をもって臨んでください。ラオウ氏はともかくとして、身の程を知らない高任も大概テキストに文句を付ける方ですが、このゲームのテキストはこれまでとりあげたゲームとは桁が違います。
 オープニングのテキストを読んだ瞬間、ゲーム本来の趣旨とは違う意味で泣かせてくれること請け合いです。
 
 
吉 井:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「わ、二人ともどうしてそんな視線で僕を見るんですか?まるで、騙されてお金をどぶに捨ててしまった事に対する責任者に向けるような冷たい視線ですね
ラオウ:「……」
吉 井:「……」
高 任:「……ごめんなさい、僕が悪かったです」
吉 井:「……出来のいいギャルゲーと信じてこれを購入したユーザーの悲しみがわかりますか?」
高 任:「いや、私自身は修羅場ゲームとの噂を信じてこれを購入したんですが、その期待を裏切られたモノでつい(笑)」
二 人:「他人を巻き添えにするなあっ!」
高 任:「いや、ひょっとしたら僕だけに期待はずれなのかも知れないと思って(笑)」
ラオウ:「嘘をつくな嘘を(笑)」
吉 井:「叩き系対談からの脱出および、ギャルゲーの王道とかいうあおり文句をぺらぺらと喋ったのはこの口ですか?」
高 任:「ああっ、吉井さん。ドメスティックバイオレンス防止法ができたのを知らないんですか?」
ラオウ:「家庭内暴力と勘違いしてないか?あれは、配偶者による暴力という意味合いで使用されてるんだぞ?(笑)」
高 任:「わあ、また1つ賢くなったよ(笑)」
吉 井:「最近叩き系統の対談ばっかりだったから、久しぶりに胸を張ってお勧めの対談をしようじゃないですかなどと適当な……って、ラオウさんはどう騙されたんですか?」
ラオウ:「いや、亞里亞(シスプリのキャラ)の声優さんが演じるキャラの修羅場が聞けると聞きましてつい……でも、あんなん亞里亞違う(一同大爆笑)」
吉 井:「(ぶつぶつと)……俺だけか、この中でまともな人間は俺だけなのか?」
ラオウ:「(さも意外そうに)……じゃあ、吉井さんはギャルゲーと聞いて何を求めてたんですか?(笑)」
吉 井:「(やけくそ気味に)眼鏡娘ですよ、眼鏡娘以外何があるって言うんですか?だって、高任君が勧めてきたんですよ?(一同大爆笑)」
高 任:「ちゃんと出てくるじゃないですか眼鏡娘は!(笑)」
吉 井:「出てきたらいいというもんと違うでしょう…っつーか出てくるだけでしょう。それに、何ですかこの無茶苦茶後味の悪いゲームは!」
高 任:「俺のせいなんですか?」
吉 井:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「苦しみはみんなで分かち合い、喜びは独り占め……そんな生き方に憧れたことはありませんか?私はあります」
ラオウ:「憧れるだけにしとけ」
 
 吉井さんはともかく、ラオウさんには言われたくないなあ。(笑)
 
吉 井:「しかし高任君。修羅場だけを期待して購入したんだったら…(言葉を選んでいるらしい)…それなりに満足したのと違うの?」
高 任:「ぬるいな」
吉 井:「は?」
ラオウ:「何か懐かしい展開ですな(笑)」
高 任:「こんなん、修羅場違う(一同爆笑)」
吉 井:「ぬるいですか?」
高 任:「おおぬる(爆笑)」
ラオウ:「一体どんな修羅場を望んでいたんだね君は?」
高 任:「なんというか、全体的にぬるい。修羅場のシーンだけじゃなくて、そこにいたるまでの状況描写が甘すぎる。あれでは魂が恐怖に凍えない。だって、なんだかんだ言って主人公って夜に寝てるでしょう?寝れませんよ普通、後悔と恐怖に蝕まれた人間は眠るのではなくて気を失うだけです(爆笑)」
吉 井:「何か、真っ暗な部屋の中で膝を抱えていた想い出でもあるんですか?」
高 任:「いや、一般論です」
ラオウ:「一般違う、それ絶対一般論と違う(爆笑)」
高 任:「主人公がね、ふてぶてしい悪人でもないくせに罪悪感が小さ過ぎる……何というか、そう、心に十字架を背負った気配が感じられん!」
ラオウ:「背負ってるんですか、高任さん?(大爆笑)」
高 任:「だから、一般論だと言うのに」
吉 井:「まあ、深くは追求しませんけど」
高 任:「だから、追求されても何も無いです」
ラオウ:「♪…わーたーしーぃっ、だけのぉ十字架ぁー!(一同大爆笑)」
高 任:「懐かしすぎる…」
吉 井:「好きなんですか、修羅場?」
高 任:「なんか、おそろしく誤解を受けそうな発言は勘弁してください」
ラオウ:「(ぼそぼそと)……なら、修羅場ゲームと知って何故買う」
高 任:「いや……修羅場の瞬間って、なにかこう、凄く純粋じゃないですか
ラオウ:「……」
吉 井:「……」
高 任:「何故黙る?」
ラオウ:「修羅場って純粋か?(爆笑)」
吉 井:「不純にも程があるのような気が…」
高 任:「そうじゃなくて……人の心がバランスの悪いコップとしてね、ちょっとしたすれ違いや誤解の度に一滴ずつ水が溜まっていく過程は純粋じゃないよもちろん。でもね、その溜まっていった水の重みによってコップがバランスを崩す瞬間、誰かに向かって一気に放出される原形質な感情の塊はとことんまでピュアなものだし、それを向けられた人間も塊に立ち向かうためにピュアにならざらるを得ない瞬間と言うか……」
ラオウ:「……」
吉 井:「……」
高 任:「だから、何故黙る?」
ラオウ:「……要するに、このゲームの修羅場は偽物だと?」
吉 井:「そりゃ、偽物であることは確かですが(笑)」
高 任:「魂が入ってない!……何というか、そう、このゲームにはが見えない!(一同大爆笑)」
吉 井:「(せき込んでいる)…ごふっ、ごふっ……その台詞をここで持ってきますか?」
ラオウ:「虹が見えるゲームがあるかどうかは知らんが、少なくともこのゲームをプレイしてると遠くを見てしまう(爆笑)」
吉 井:「何故自分はこんなゲームをやっているんだろうと我に返る瞬間が空しくて空しくて(爆笑)」
高 任:「しかも、主人公がヘタレだし(笑)」
吉 井:「……何というか、このゲームも気合いの入った他の部分よりシナリオのレベルが数段落ちますよね
ラオウ:「台無しって言うか、アストロ球団に混じって試合に参加したお客さんぐらいレベルが違う(一同大爆笑)」
吉 井:「そのたとえがわかる人間はほとんどいないと思うんですが…?」
ラオウ:「まあそれは言い過ぎにしても、プロ野球の選手と中学生ぐらいの開きはあるような気がする」
吉 井:「……ノーコメント(笑)」
高 任:「このテキストって場面場面でレベルが違うし…いきなり電源を落としてしまいそうになるレベルと、まあ普通に読めるレベルが混在してますよね」
ラオウ:「高任さん、あんた騙されてるよ(笑)」
高 任:「何に?」
ラオウ:「多分高任さんの言う『読めるレベル』ってのは、会話だけの部分だろ?このテキストって、状況描写および心理描写がはてしなくお粗末だからそう感じただけと違うか?」
吉 井:「会話だけと言っても、小説としてのテキストとゲームとしてのテキストってのは全然別物だと思うんですが?」
ラオウ:「まあ、グラフィックがありますから当然かと。……でも、全体的に語彙力不足を露呈するように不自然な単語をつなげて文章作ってるでしょう?技量がないなら、読みやすく本質だけを書き連ねればいいのに、ちょっと気取った文章を書こうとして……(以下やばすぎるので削除)」
高 任:「シナリオを担当した人間が複数人(クレジットによると8人)いるのが問題だったのでは?」
ラオウ:「8人もいて、誰か止めなかったのか?(笑)」
吉 井:「おおまかなシナリオを作成してから分担だけしただけなのかな、それともシナリオ別に……?」
高 任:「……場面場面にサブタイトルが付いてるから、場面ごとじゃないのかなあ?そうでないと、この見事なまでにつながりのないシナリオが説明付かない」
吉 井:「まあ、制作日時とかを考えるとやむを得ない事情があったのかも……と言うことにしときませんか?(笑)」
高 任:「そりゃ、ゲームの制作ではシナリオに十分な時間を与えられる事って少ないですけど……つーか、絵と違って、一カ所修正したら全体を書き直さなきゃいけないことをわかってくれる人が少ないとの話です」
吉 井:「時間のなさを人数でカバー(笑)」
ラオウ:「いや、ちゃんと通して書かないとリズムと流れが狂いますよ。どんな文体に変化させようとも、個人が持つ独特の間合いはよっぽどの力量がないと消せません……つっても、このテキストに問題が多すぎますが」
高 任:「……正直なところ、シナリオが悪い以前にテキストが終わってるんですよね」
ラオウ:「『誰彼』なんかは、シナリオの練り不足の典型的な例なんですけど、文章としてはまともでしょ?このゲームの場合、大して練る必要もないシナリオだけにあれですが、文章が苦痛以外の何物でもないです」
吉 井:「……やりたくなかったけど、対談があるからって自分をごまかしながら(笑)」
ラオウ:「シナリオの構成とバランス、それを表現するのが文章力……高任さんも文章力が苦手なタイプですけど、これは……度を超えて酷すぎます」
高 任:「さりげなく嫌みを言われる俺(笑)」
 
 ちょっと脱線。
 
吉 井:「……ラオウさんや高任君に比べたら心が広い方だけど、このテキストは抜きにして、構成的に矛盾が生じてませんか?」
ラオウ:「構成をミスってるというよりは設定に問題があるのでは。プレイヤーとしてゲームに参加する機会が少ない分、読ませるシナリオであることが必要条件の筈なのに」
吉 井:「全体に出来が悪かったら、笑い事ですむんですけどね
ラオウ:「毎度の事ながら、他の部分はかなりの高水準です。声優さんも熱演してましたし(笑)」
高 任:「亞里亞修羅場…(爆笑)」
ラオウ:「高任さんの言っている言葉の意味が良くわからないな(笑)……一応ギャルゲーとして発売されてるはずだが?」
高 任:「修羅場ってのは人間各個人の本質が見えてくるよ、うん。己を知るためには是非若い内に経験した方が傷も浅いし、現実の理不尽さが身に染みるらしいし(一同爆笑)」
吉 井:「一応……修羅場にはなってましたよね?」
ラオウ:「高任さんお薦めの修羅場はどれかね?(爆笑)」
高 任:「ちゃんと、そのシーンの直前でセーブデータを残してある(大爆笑)」
ラオウ:「この男は…(笑)」
吉 井:「バッドエンドコレクター(爆笑)」
高 任:「このゲームのバッドエンドはぬるいです(笑)」
ラオウ:「ぬるいですか……まあ、結局は矛盾をはらんだ強引なぬるま湯ハッピーエンドに行き着いてるから高任さんの好みではないわな」
高 任:「修羅場だけを考えるなら……巴(ほたるの親友)と静流(ほたるの姉)のシナリオがまあまあかな?巴のシナリオの前半部分は、ニトロのつまったガラス瓶を持ってマイムマイムを踊っているような緊迫感が楽しかったけど(大爆笑)」
ラオウ:「『レフェリーに発見されない反則は反則じゃない』などと、意味深な台詞が飛び交いますからね。あの、ぎりぎりのなれ合いとも言える会話は良かった」
吉 井:「相変わらず、黒いですね二人とも」
高 任:「ごくごく平均的だと思ってますが(笑)」
ラオウ:「そうそう、みんな自分に素直になってないだけで(笑)」
吉 井:「……そういう意味では、リアリティのあるシナリオでしたね……自分に対して甘い言い訳を与えて下り坂を駆け下りてゆくような雰囲気が人間の弱さつーか、小狡さを表現してて」
ラオウ:「シナリオ書きには有利に運ぶ状況ですからね」
吉 井:「と、言いますと?」
ラオウ:「高任さんが言ったその2つのシナリオに共通してるのは、両者がともにほたるにとって近い人間と言うことでしょ?(笑)」
高 任:「……実は書き手としては凄く楽なんですよ、そういうの。書かずにすむ部分が多いため、ごまかしがやりやすい(笑)」
ラオウ:「最近やけに特殊な設定を織り込まれたキャラが登場する…いわゆる泣きゲーって多いでしょう?あれはね、ドラマを作り上げるのに書き手が楽だからと睨んでるんですが……まあ、本当の意味では難しいんですけどね」
高 任:「演劇で言うところの、顔と台詞だけで演技するってやつですな。まあ、テレビ向けの演技だとそれ以外の部分をカメラが追うことは少ないですが(笑)」
ラオウ:「特殊な状況がありふれた設定と受け取られるならば……それは、全体としての表現能力の衰退以外の何物でもないです、きっと。そして、このゲームのこの2つのシナリオしかまともに書き上げることができなかったとすれば……ま、そういうことです」
吉 井:「いや、それよりも最初から彼女がいるという状況がゲームとして何よりも特殊な状況なのでわ?そのうえ、シナリオ担当者が8人というの制作する立場としても特殊な状況でしょうし(爆笑)」
高 任:「そうなんですよねー、だからこそ理解に苦しむんですが」
ラオウ:「ま、巴との修羅場は声優さんがなかなか熱演してたじゃないですか?そこからの解決への道筋はともかく、シナリオも良くできてた気がしますし。ほたるがピアノコンクールの決勝でめたくそになるのってあのシナリオだけですからね」
吉 井:「なんかこう、実に高任さん好みの修羅場ですよね(大爆笑)」
ラオウ:「ほたるが攻撃的な性格になるのって、あのシナリオだけですからね……そう考えると、設定の上では変なのかも知れませんが(笑)」
高 任:「欲を言えば、台詞の間を有効に使って欲しかった。ほたるが2人に対して最初からきつかったでしょう?できればあそこは現状を認識するまでは緩やかな台詞で破局までの雰囲気を盛り上げて欲しかった。現実的にはおかしいですけどね、演出的にはその方が良いと思うんですが(爆笑)」
吉 井:「まだ注文を付けますか?」
高 任:「注文の多い料理店(笑)」
ラオウ:「……それは収録した音声データの使い方の問題じゃないのかなあ?一人一人が別収録だったらしいから、会話と会話の間合いは制作スタッフが考慮するモノだし」
高 任:「まあ、主人公そっちのけで喧嘩されるのもあれですが、ああいう場面で女の子が二人して黙り込んだりするときついらしいですよ。何も言わずに、二人がじっと自分の方をにらみ付けてくる(一同爆笑)」
吉 井:「にこやかに強ばった笑みを浮かべられたりするのも恐いとの噂ですが(笑)」
高 任:「ただ、あのシナリオでは親友であるほたるを気遣う巴と、主人公へ『友達宣言』をする巴がちょっと精神的に分裂気味の気がします。あの時点でね、巴がほたるが海外に留学する事を知っているとかの計算高い一面を見せているならともかく……」
ラオウ:「おいおいおいおいっ!また、さらっと腹黒い意見が出てくるなあ(笑)」
高 任:「(多分聞こえていませんでした)……もしくは、あそこで主人公が巴の提案を拒否して一旦関係が途切れた後、何も知らないほたるによって否応なしに顔を合わせる状況とかでその決意が崩れていく分岐ならばより一層エンディングへのスムーズな流れが……」
ラオウ:「ちょっと、止まれ(爆笑)」
吉 井:「高任君、いつもながら走りすぎ(笑)」
高 任:「このゲームの修羅場SSでも書こうかなあ……(一同爆笑)」
ラオウ:「…アンタ、『手を広げすぎて収拾がつかねえ!』とか先月に泣きが入ってなかったか?(笑)」
高 任:「そのうち何とかなるでしょう(爆笑)」
吉 井:「高任さんの書く修羅場って洒落にならないからなあ……ってそう言えば、希(めぐみ)シナリオなんですけどね。ラストで双子の姉妹が殺しあいを始めたらどうしようかと思いましたよ(笑)」
高 任:「……覚えてたんですか?」
吉 井:「いや、昔どっかで読んだような話だなあ…と思いながらプレイしてました。そのせいで、絶対最後の踏切のシーンで、主人公に名前を呼ばれなかった方が呼んだ方を電車に突き飛ばすと思ってましたから(一同大爆笑)」
高 任:「つーか、あのシナリオだとそれが自然な流れですよねえ?何をとち狂って中途半端なハッピーエンドに仕上げたんでしょうか(笑)」
ラオウ:「君の知り合いでいることがちょっと恐くなってきたよ(爆笑)」
 
 
ラオウ:「とにかく、浮気はめーなの(一同爆笑)」
吉 井:「いきなり何を言い出しますか?」
ラオウ:「……このゲームを通じて『浮気はいけません』という道徳教育(爆笑)」
高 任:「道徳教育も何も、このゲームってコンシューマーとして発売されたらまずいと思うんですが」
吉 井:「まあ、主人公の彼女であるところのほたるは、オープニングから素肌にシーツを纏っただけの姿で登場する(素肌が見えるあからさまなCGは無し)し、その後はいきなり独り暮らしの主人公の下宿にお泊まりですからね(笑)」
ラオウ:「……そりゃそうですが、シーツ云々は雨に降られて制服を乾かしてただけだし、お泊まりに関してはただ泊まっただけっつーことで問題はないんと違うの?」
吉 井:「清らかな心でゲームをプレイしなさいって事ですね(爆笑)」
高 任:「清らかったって……つばめは、近親〇姦だろ?(笑)」
吉 井:「……はい?」
ラオウ:「妄想?(爆笑)」
高 任:「二人とも、ちゃんとテキスト読んでないだろ?妻を失ってからのつばめの父はちょっと精神的に病んでいて、つばめに妻の面影を見るだけでなく、妻であることを求めたという台詞がしっかりとあったぞ」
ラオウ:「……ほとんど、読み飛ばしてから気が付かなかったな(笑)」
吉 井:「……ああ、それであのキャラがそこまで追いつめられている理由が納得いくなあ……って、コンシューマーどころか、エロゲーでもやばいじゃないですか?(爆笑)」
高 任:「いや……だから、CGが無いとは言え、大胆なシナリオを書くなあと驚いてたんだけどね。明らかな記述がないとはいえ、それ以外の解釈はできないし(笑)」
ラオウ:「高任さんが黒いだけとか(爆笑)」
吉 井:「そうかも。でも、高任君からそれを聞いて不可解なあのシナリオがちょっと理解できた。でも、全体的にはやっぱりあのシナリオは電波系ですよね
ラオウ:「荷物も無しに逃げてきたのに、どうやって臨時講師の職に就いてるのか不思議だし」
吉 井:「ラオウさん、それ言ったら駄目です。このゲームとして、先生キャラが必要だったんですよ、きっと(笑)」
高 任:「で、このゲームでどうやって若者の道徳教育を?」
ラオウ:「……歴史的に考えると、近〇相姦よりも浮気の方が罪が重いと思うぞ(爆笑)」
 
 どんな歴史だ、それは?
 
高 任:「だから修羅場がぬるすぎるから駄目です。やはり、『修羅場ってのは夜中に夢に見てしまうぐらいの罪悪感と後悔に苛まれるモノである』ということを明確に描き出さねばっ!(一同大爆笑)」
吉 井:「そんなゲーム誰が買うんですか?
高 任:「俺が買います(一同爆笑)」
ラオウ:「好きなんですね、修羅場(爆笑)」
高 任:「だから違いますって…」
吉 井:「このゲームの主人公よりも信用できません(一同爆笑)」
高 任:「疑似体験による浮気の抑止力を…(笑)」
吉 井:「別に原さん(ガンパレードマーチ最大の恐怖)だけで十分でわ?(爆笑)」
ラオウ:「あのゲームの争奪戦は理不尽だから。プレイヤーの責任じゃないことが多いし」
高 任:「現実ってのはもっともっと理不尽に満ちていると思うんですが?(笑)」
ラオウ:「……男が悪者にされることがやけに多いとか?(笑)」
高 任:「いや、少なくともこのゲームでは主人公が悪いと思いますが(爆笑)」
ラオウ:「古代ギリシャの説話みたいに、お互いの気持ちが通じあう指輪とかあったら便利でしょうね。気持ちが離れたら指輪が外れるの」
吉 井:「あ、そういうのがあるんですか?」
ラオウ:「結婚式の指輪交換はそのあたりの習慣からきてるはずです」
高 任:「あれ?習慣はともかく左手の薬指云々ってのはケルトだぞ多分。人間は指を通じて感情を発露するとかの考え方で…左手の薬指が確か愛情でな……ヨーロッパ思想っていろいろ影響しあってるから。それで、薬指に指輪をはめるということで決めた相手以外を愛さないという意思表明になったらしいんだわ……もちろん、その起源ははっきりしないし形骸的に残った風習に過ぎないだろうけど(笑)」
ラオウ:「詳しいな?」
高 任:「……シナリオ書くときに調べたから(笑)」
吉 井:「何のシナリオですか?(笑)」
高 任:「さあ、何のシナリオですかねえ?」
ラオウ:「しかし、この主人公に感情移入できる人間っているのか?彼女がいるけど他の女性に惹かれるってのはともかく、心の堤防が低すぎやしませんか?しかも、そういう選択を無理矢理迫られるし(笑)」
高 任:「主人公の心の煩悶や感情の高まりをユーザーに納得させようとする努力が全くないでしょうこれ。まるで、妖精さんに操られて嫌々モンスター退治をさせられている気分になる(大爆笑)」
吉 井:「『フラン』ですか?」
高 任:「アレに匹敵するぐらいユーザーに疎外感を与えます」
ラオウ:「じゃあ、面白いのでわ?高任さんの感想日記を読んで、ついつい購入してしまいましたよ。まだプレイしてないけど(爆笑)」
高 任:「わざわざ警告してやったのに、なんで地雷を踏むような真似をする?」
ラオウ:「……世の中にはそういう楽しみ方もあるってことさ(爆笑)」
 
 『フラン』をプレイしても、高任に文句をぶつけないように。(笑)
 
高 任:「原さんと言えば、このゲームをプレイしながらわたしゃ心の中で何度も呼びましたよ。カムヒアァァッ、原さんっ!って感じで(爆笑)」
吉 井:「登場と同時に刺しまくり(笑)」
ラオウ:「主人公の彼女が原さんだったら良かったのにね
吉 井:「早ければ、ゲーム開始後1週間も経たないうちに殺されます(爆笑)」
高 任:「しかし何というか……『格好良く行動できない主人公』ってのはプレイしていてむかつきませんでしたか?(笑)」
吉 井:「格好良くと言うよりも、格好悪くしか行動できないことがイヤでした」
ラオウ:「事態を打開するための能動的な選択が不可能無い)ってのはむかついたな。はっきり言って主人公でさえシナリオ担当の操り人形にすぎないから、ユーザに与えられた自由はほとんどない
吉 井:「出来の悪いシナリオをただ読まされるだけでは、いくらその他の出来が良くてもちょっと…(笑)」
高 任:「シナリオが中盤にさしかかるとユーザーは何もできないんですが、何もしないのは主人公も同じで、俺にできることは何もない……とか呟いて、とんでもない状況の中でウジウジしてるだけですからね(大爆笑)」
吉 井:「この主人公って、車にひかれそうになったら絶対にその場に立ちつくすタイプの人間だと思う(笑)」
ラオウ:「いざという場面でのフットワーク重すぎ。そのくせ、彼女がいるのに新たに出会った人間の告白をさらっと受け止めたりするあたりはフットワーク軽すぎるし(一同大爆笑)」
吉 井:「挙げ句の果てに、『僕は、ほたるのことを好きになったことなど無かった。』ですからね。とんでもねー男です(笑)」
高 任:「原さん、お願いします!」
ラオウ:「どすっ!…」っで、一件落着(一同大爆笑)」
吉 井:「この主人公、生きてたらこの後も絶対同じ事をすると思います」
ラオウ:「でもまあ、初期設定とコンセプトからして黒いゲームですからね、主人公がある程度ヘタレになるのも仕方ないのかも(笑)」
高 任:「『ひと夏の出会いと別れを描いた恋物語』というより、『ひと夏の出会いと強制的な別れを描いた裏切りの物語ですよね(一同大爆笑)」
吉 井:「強制以外の何物でもないです…ほたるを気に入ってるユーザは憤懣やるかたなしではないでしょうか」
ラオウ:「何をどうやっても、彼女との仲がこじれていく(笑)」
高 任:「浮気を前提にされると、意地でも浮気プレイなんかしたくない。そう思ってほたる以外は完全に無視したんですが…」
ラオウ:「でも、彼女との仲がこじれていく。(笑)しかも親友には『彼女に冷たい』とか言って殴りかかられるし(爆笑)」
吉 井:「ストレス溜まりますよね。なんつーか、平和な夏休みが神の手によって奪いとられるという自由度の低さが不愉快です(笑)」
高 任:「素直に、主人公とほたるとの物語を綴る分岐があってはいかんのか?無理矢理ドラマチックなシチュエーションをあてがって、挙げ句の果てにキャラの掘り下げは一番ぞんざいな扱いを受けてるよね?」
吉 井:「ピアノと主人公の狭間に揺れ、(物語の根幹に関わるので削除)のことを主人公に言えない……ドラマ的な要素はそれで十分ですよね」
高 任:「それだけあれば、どんぶり飯2杯は食えますよ(爆笑)」
ラオウ:「また、わけのわからんたとえを(笑)」
吉 井:「名前が『ほたる』だけに、こいつ死ぬのか?と最初は思いましたけど?(爆笑)」
高 任:「それなら、どんぶり飯3杯はいけます(爆笑)」
ラオウ:「(ぼそりと)……ギャルゲーをふりかけにして飯を食う男(一同大爆笑)」
吉 井:「(悶えている)…ぶぶっ、…かふっ…よ、余計な設定を付け加えすぎたから、キャラの設定と行動の矛盾が酷くなってるんでしょうね」
高 任:「どっちかつーと、ヒロインの1人というよりはドラマを演出するためにいろいろ使い回された哀れなキャラという気がしないでもない」
吉 井:「……それを言うなら、どのキャラもシナリオ担当のマリオネットでしょう。生き生きとしたリアルな存在感のあるキャラがほとんどいませんし」
高 任:「……つーか、ヒロインの6人が同じ顔に見えるんですが。服装の趣味は似てるし、髪型までもが似ている。まあ、そのうち二人は姉妹だから当たり前ですが」
吉 井:「それは高任君の目がおかしい。ちゃんと微妙に違うじゃないですか(笑)」
高 任:「微妙ったって、垂れ目とつり目の角度が違うだけでは?ご丁寧に前髪をサイドに流す角度と後髪の広がる角度までほとんど同じだし」
ラオウ:「いや、こいつら全員姉妹なんだよ、シスプリみたいに(一同大爆笑)」
高 任:「壮絶な修羅場になりそうですな(爆笑)」
吉 井:「そんなにシスプリが好きですか?」
ラオウ:「どうせがっちりと一分の隙もない設定のゲームにならないなら、突き抜けたコンセプトにした方が楽しい」
高 任:「いやラオウさんだけ楽しんでも(爆笑)」
ラオウ:「俺だけが楽しめないよりも、一億倍はいいです(大爆笑)」
 
 そりゃ、真理ではありますな
 
ラオウ:「……で、薄幸のヒロインほたるはおいといて、他のキャラはどうかね?」
吉 井:「どうかね?と言われても(笑)」
高 任:「見た目はそんなに変わらんし、シナリオを読む限りではほとんどのキャラが精神分裂症気味で……何よりも主人公がか(爆笑)」
ラオウ:「……よく考えると、まともなキャラは巴と静流だけですか?ほたるはほたるでストーカーっぽいし(笑)」
吉 井:「まともも何も……キャラが説明し切れてないからなんとも言えないでしょう」
高 任:「鷹乃は何故主人公を見て微笑んだのか?つばめは結局ただ流されただけなのか?希は何故あの時期にバイトを始めたのか……何せ、説明されない謎だらけですからね」
ラオウ:「謎は全て…解けません(笑)」
吉 井:「……ところで、希望編の希望エンディングって、結局どういうことでしょう?」
高 任:「どういうことでしょう……って、あれは…」
ラオウ:「一言でいうと、『夢オチ』以外の何物でもないと思いますが(爆笑)」
吉 井:「……とすると、希望はただ単に精神が病んでいて、シナリオは主人公が見ていた悪夢って事ですか?
ラオウ:「ユーザーにとっては、悪夢以外の何物でもないですが(爆笑)」
高 任:「あの展開は強引にも程があると思いますが、多分そうなんじゃないでしょうか?」
ラオウ:「まあ、主人公の悪夢に準じたことが現実であったけど、詳しくはユーザーが勝手に想像しやがれって感じの、喧嘩上等シナリオですな。あれを見た瞬間、コントローラを床にたたきつけてしまいましたよ(笑)」
高 任:「電源を落としました(笑)」
吉 井:「天井の片隅を見上げました(笑)」
ラオウ:「……で、このゲームでお勧め対談がどうやったらできるのかね高任さん?」
高 任:「ああっ、怒りの矛先がまた僕にっ!」
吉 井:「……ああ、なるほど」
ラオウ:「何がなるほどなんです?」
吉 井:「……つまり、仲間内での修羅場ゲー
高 任:「……」
ラオウ:「……」
吉 井:「……」
ラオウ:「…うむ、深いゲームだ(笑)」
高 任:「吉井さん。オチとしては50点ですね
ラオウ:「誰よりも何よりも、アンタがそんな台詞を口に出すなあっ!(爆笑)」
高 任:「いや、だからゲームの最後にメッセージがあったじゃないですか。『そもそも僕には選択する余地が残されていたのだろうか』って(一同大爆笑)」
吉 井:「主人公だけじゃなくて、俺もラオウさんも選択する余地が残されていなかったとは……」
ラオウ:「少なくとも、高任さんにはあったよな?」
高 任:「月曜日はしゅら、しゅら、修羅場ぁー♪(笑)」
ラオウ:「確信犯かよ、この男……」
吉 井:「……しかし、『選択する余地があったのだろうか』って一文は、誰よりも何よりもユーザーに喧嘩売ってると思いません?
ラオウ:「ゲームの中では選択できないしね」
高 任:「なんつーか、某ゲームの『百万人が泣いた!』というあおり文句を思い出してしまいますな(笑)」
ラオウ:「そら、泣くわ(一同大爆笑)」
吉 井:「あのゲームは、制作者の意図した意味合いとは別の意味で思いっきり泣けたらしいですな(笑)」
高 任:「あれに比べたら、このゲームは良くできてるよ(笑)」
ラオウ:「高任さん、その姿勢は何か間違ってる」
 
 
高 任:「しかし、シナリオ以外は最高!というゲームが多いな最近(笑)」
ラオウ:「それは、高任さんのやるゲームが偏っているせいだと思うぞ(爆笑)」
吉 井:「……シナリオ重視か、ビジュアル重視かでこのゲームの評価も大きく別れそうですね」
ラオウ:「メモリーズ・オフ……全てを忘れたいってとこですか。素晴らしいネーミングセンスだな(一同大爆笑)」
高 任:「爽やかな顔して、とんでもないこと言いますね」
吉 井:「全てを忘れたいのはユーザーか、それとも製作者ですかね?」
ラオウ:「まあ、個人的にはその他の部分がどんなに素晴らしくても、このテキストだけで買う価値は全くないと判断せざるを得ないです」
高 任:「……ほぼ同感ですが、脳内補完が活発な人とか、初手から二次創作活動狙いの人は買っても良いんじゃないかと」
吉 井:「……シナリオ分岐からのショートカット機能や2枚組のディスクのどちらでもゲームの開始が可能など、かなりユーザーフレンドリーな姿勢がうかがえるんですが……」
高 任:「もっと大事な部分で、ユーザーフレンドリーにしなきゃいけないよね(大爆笑)」
ラオウ:「画像処理なんかはほれぼれするぐらい綺麗ですけどね……せめてその労力の何割かをシナリオに回してくれたらきっと秀作だったでしょう」
 
 
 お買い得度…… 4
 操作性…………10(スキップ機能やテキストの読み返しなど、ほぼ文句無し)
 音楽…………… 8
 再プレイ度…… 3
 修羅場度……… 6(いくらか見所のある部分もあり)
 絶対値評価……−3(ただし、シナリオ期待時)
 
 
 とりあえず、ゲームを起動してテキストを見た瞬間に一暴れ。
 テキストを我慢して読み、主人公のヘタレにもう一暴れ。
 ユーザーが何もできないことに一暴れ。
 展開の強引さに一暴れ。
 修羅場のぬるさに一暴れ。
 シナリオとそれ以外の出来のギャップにわけもなく一暴れ。
 暴れついでに、知人に連絡して『このゲームいいよ、最高!』などと真っ赤な嘘をついて、知人が一暴れ。
 怒り狂った知人が高任宅にやってきて、さらに一暴れ。(自業自得とも言う)
 
 いやもー、暴れん坊将軍もかくやって感じの暴れん坊ゲームです。友人と一緒にプレイすることは控えた方がいいです。
 画像を楽しむためのCG集と割り切った方が無難でしょう。
 無論、そのためにはクリアしなければいけませんが……ちなみに、高任が全クリアするまでにかかった時間は約15時間です。(実質は10時間ちょっとだと思います)

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