お題……『乙女的恋革命(ラブレボ)』(PS2)
 
 身体測定……体重計に足をのせる……カタッ、カタカタカタタタ…。
女教師:「あれ……えっと?」
 ずれてもいない眼鏡の位置を調節する先生に、主人公が告げます。
主人公:「あの、先生。針が一周してるだけです」
 そう、我らが主人公桜川ヒトミ(変更可能)の体重は100キロ。
 おっと、乙女に対してちょっと無神経な物言いだったかな……よし、言い換えよう。
 
 0.1トン。
 
主人公:「あらら、ついに大台突破しちゃった…」
 と、本人はなんの屈託もなく微笑み、まわりの知人に目を向け……目を向け…目を向け…。
 
主人公:「あの、えっと…なんでみんな目をそらすの?」
少 女:「あ、ううん、別に……ほら、健康的って事だよね」
少 女:「そ、そうねっ、健康的。健康的よね」
 
 これが小学校なら、『うわ、すごっ』なんて言われることは間違いないのですが、高校生ともなると表向きはこういう感じに妙な気を遣われてしまいます。
 しかしまあ、なんというか主人公は性格温厚、出しゃばらず、友人を大事にし、人に優しく……だったので、良き友人に囲まれて高校生活を過ごしていました。
 
 そして主人公ヒトミが高校2年生になったとき。
 父親が輸出雑貨を取り扱う社長だったりするお金持ち(プラス親バカ)なので、娘の通う学校に近いところに賃貸マンションをぶち建て、これまた主人公を溺愛する兄を管理人にして、娘をそこに住まわせます。
 
主人公:「登校が楽になったのはいいけど……このマンション、ちゃんと人が埋まるのかな。家賃高いから、今のとこ、若月先生だけだし」
 
 と、主人公の心配をよそに、埋まった埋まった埋まりましたともっ!
 3年生から新入生まで、学園の女子によるアンケートで人気上位5名を独占する、男子生徒がそろいもそろって主人公の住むマンションに入居を決めやがりましたっ!
 わーい、逆ハーレム……などと、喜んだりするような主人公ではありませんが、まあ格好良い男子生徒に囲まれた形になるのは、乙女として悪い気分でもなく。
 というわけで、この男子生徒達が管理人の部屋に挨拶にやってきました。
 
 さあ、1番手。
 人気ナンバー1、一ノ瀬漣(いちのせ・れん)
 何をやらせてもパーフェクト……あの冷めた態度がたまらない、と学園の女子生徒がそろって憧れながら近づくことが出来ず……近づいたところで、さらりと厳しい台詞を吐かれて撃沈するのがオチだが…。
 
 漣 :「(冷めた視線で)……3年の一ノ瀬連だ」
主人公:「(……知ってる。あの目は、なんかひどいこと考えている目。)」
 漣 :「邪魔だ…一人でそんなに(横)幅をとってるんじゃない」
 
 ぐさっ。
 
 気、気を取り直して2番手。
 人気ナンバー2、華原雅紀(かはら・まさき)
 さわやか笑顔の人気者。いつも周囲に気を遣い、気がつけば彼を中心に人が集まっている……そんな彼も、連には一歩ゆずるが、何でもそつなくこなす。
 
雅 紀:「あはは、言われちゃったね…僕は華原雅紀、同じ2年生だよ。君のことはしってたよ、ある意味有名人だから」
主人公:「……」
雅 紀:「ま、確かに君、痩せてるとは言えないけど、それっていわゆる個性だし、気にすることないよ」
 
 ぐさっ。
 
 3番手。
 1つ飛んで、人気ナンバー4、橘剣之助(たちばな・けんのすけ)
 新入生ながら、既に学園の女子生徒が目を付ける有望株……だが、昔から本人は恋愛にあまり興味がないらしく。硬派なところがいいのよっ…とファンの一部で盛り上がり。
 
剣之助:「……ども、1年の橘剣之助っス」
主人公:「あ、はい、どうも…」
剣之助:「……すっげえ…そのサイズの制服ってあるんだ…」
 
 ぐさぐさぐさっ。
 
 す、既に気を取り直しようもないけど、4番手。
 人気ナンバー5、神代綾人(かみしろ・あやと)
 物静かな性格で、木陰や図書室で本を読んでいるような……ちょっと体が弱い、はかなげなイメージ。自分の身体のことがあるからか、他人にとても優しく……その優しさに触れてやられた女子生徒多数。
 
綾 人:「3年の神代綾人です」
主人公:「あ、はい、これからよろしくお願いします」
綾 人:「君……」
主人公:「はい……」
綾 人:「……」
主人公:「……」
綾 人:「じゃ、これからよろしくね」
主人公:「(スルーですかっ!?っていうか、フォローの言葉がみつからなかったのっ?)」
 
 ぐさぁっ。
 
主人公:「(ひどい、ひどすぎるこの人達…なんなの、私ってそんなにダメ?イケてないっ?)」
 
 主人公が落ち込んでいるところに、後もう1人。
 人気ナンバー3、深見颯大(ふかみ・そうた)
 彼もまた新入生ながら、学園の女子生徒のハートをがっちりゲット。前の4人とはちょっと違い、小柄で愛くるしいマスコット的に愛されているイメージ。とはいえ、本人はスポーツ好きで、元気で愛くるしい……あたりか。
 
颯 大:「こんちは!ボク、深見颯大。一年ですっ!」
主人公:「(こ、この子は一体どんなツッコミで私を…)」
颯 大:「ねえねえ、先輩もこのマンションに住んでるの」
主人公:「う、うん、そうだけど…」
颯 大:「やりーっ、結構迷ったけど、ここに決めて大正解」
主人公:「(よ、よかった…なんかこの子だけはフレンドリーだわ……特にあの4人の後だから、和んじゃう…)」
 
 などのやりとりを経て、主人公は『私、もうちょっと体型とかに気をつけた方がいいのかしら?』と、初めて悩んだり。
 
 さてこの主人公、いまでこそ当時の面影もありませんが……親バカの父親が『娘の愛らしさを世間に知らしめたい』と応募した美少女コンテストを総なめにしてしまったほどで、CM出演やらそういう誘いがひっきりなしだった過去を持っており。
 まあ、そういう過去を持っていたからこそ、外見にこだわりたくなかったのかも……。
 
主人公:「よし、明日の朝ご飯は『ちょっと』少な目にしてみよう」
 
 そして次の日。
 男子生徒人気投票があるなら、その逆もあり……女子生徒人気ナンバー1、東条百合香(とうじょう・ゆりか)と主人公がぶつかってしまい。
 
百合香:「ごめんなさい、ぶつかったりして。私、てっきり壁か何かと勘違いしてしまったようで…」
 
 ぶちっ。
 
 悲しみは何も生み出さないが、怒りからは大概のモノが生まれるとの格言通り、主人公は、今ここにダイエットを決意したのであった。
 
 と、ゲームのオープニングを抜粋および脚色しましたが、基本的にはダイエットしつつ彼氏もゲット……という内容です。
 もちろん、上記5名以外にも相手は存在します……お兄ちゃんも含めて。(笑)
 
 さあ、主人公はダイエットに成功し、かつての美貌を取り戻して、百合香を鼻で笑ってやることが出来るのか。(笑)
 1年に渡る、笑いあり、涙あり、そして恋がある、主人公のダイエット戦記が幕を開けた……。
 
 
ラオウ:「いやあ……最初高任さんに言われたときは、そんなに時間のかかるゲームとは思ってなかったんだけど」
吉 井:「予想以上にタフなゲームでしたね」
高 任:「だから言うたやん、時間かかるって」
吉 井:「本来なら去年に対談やる予定でしたからねえ…(苦笑)」
高 任:「ところでラオウさん」
ラオウ:「はい?」
高 任:「痩せました?というか、痩せてきましたね?(笑)」
ラオウ:「まあ、対談ネタがネタだけに、2ヶ月で6キロほど落としてきたよ(爆笑)」
吉 井:「わ、わざわざダイエットですか(笑)」
ラオウ:「いや、結局はダイエットの余地があるだけという話で」
高 任:「吉井さんなんか、痩せる必要ないじゃないですか……ダイエット成功させるより、そっちの方がえらいです(笑)」
ラオウ:「まったくもって、その通り」
吉 井:「いや、普通ですよ、俺?(笑)」
ラオウ:「それはつまり、我々が普通ではないと(笑)」
吉 井:「いや、そんなつもりでは…(笑)」
高 任:「っていうか、マラソン走るような人は普通じゃありませんよ吉井さん(笑)」
吉 井:「し、失礼な」
ラオウ:「ああ、そういえばそれでちょっと聞きたいこととかあったんですよ…」
 
 脱線。
 
高 任:「しかし、この主人公は結局100キロから45キロまで(45キロ以下には痩せない)痩せるわけですが…」
ラオウ:「まあ、1ヶ月5キロで11ヶ月だな(笑)」
高 任:「うむ、うさんくさいダイエット食品や器具の宣伝でうたわれる、1ヶ月で10キロ云々は、間違いなく健康に悪いですから。そりゃ、200キロから1ヶ月で190キロなんてのは話が別ですけど、基本的に、1ヶ月の減量は5キロまで……が、目安です(笑)」
吉 井:「1ヶ月で3キロ…じゃなかった?」
高 任:「というか、5キロ以上になると、どこか無理が出るというか、どこかで無茶をしないといけないと言うか」
ラオウ:「脂肪5キロで、45000キロカロリー……30で割って、1日あたり1500キロカロリー……おい(笑)」
 
 注……体脂肪1グラムを燃焼させるために必要なカロリーは9キロカロリーではなく約7.3キロカロリーと言われてますが、栄養を含めた状況によって変動するので、自力のダイエット時では少し悪い計算をしておく方が無難です。
 
吉 井:「人間の平均的な基礎代謝量が1500キロカロリーだっけ?(笑)」
ラオウ:「人によって違いますけどね」
高 任:「極端な話、水だけ飲んで何も食べなかったら、『それだけで』1ヶ月で5キロ痩せます(大爆笑)」
ラオウ:「や、多分1ヶ月後には火葬場で焼かれてすごく軽くなってるんじゃないかと(笑)」
吉 井:「痩せるにしても、それだと脂肪じゃなく筋肉から落ちていくよ(笑)」
高 任:「というか、それだけやっても5キロしか痩せない……って事わかってないから、ああいううさんくさいもんが売れるんだろうけど」
ラオウ:「まあ、基礎代謝量は1500だけど、1日動いてたら……結局2000ぐらいか」
吉 井:「じゃあ、食事で500キロカロリーは摂取できるね」
高 任:「体重1キロあたり、タンパク質を最低1.1グラムは接種しないと……運動して痩せたいなら、その分負荷が高まって必要な量も増えるけど」
ラオウ:「むう、また蘊蓄が…」
高 任:「じゃなくて、そもそも減量までいかないダイエットってめちゃくちゃロジカルな世界なんですよ。はっきりいって、ちゃんとやったら、ちゃんと痩せます。痩せられないとか言ってるのは、やり方が間違ってるだけ」
吉 井:「……前から思ってたんだけど、高任は何か身近にそういう人間が…」
高 任:「ソンナヒトイナイヨ?(笑)」
ラオウ:「何故、カタコトしゃべり?」
吉 井:「…(笑)」
高 任:「まあ、俺は子供の頃から太ってましたし……でも、世の中にはびこるバカダイエットの存在を知った始まりは、愚母ですな」
ラオウ:「バカダイエットって…(笑)」
高 任:「というか……一昔前に、ゆで卵ダイエットってのがあったんですよ。俺の知るバカダイエット理論では5本の指にはいると思ってますが
吉 井:「……どんなの?」
高 任:「(淡々とした口調で)……ゆで卵は消化が悪く、それを消化するためにはゆで卵1つに含まれるカロリー以上のカロリーを必要とします
ラオウ:「……で?
 
高 任:「ですから、いくら食べても太りません(一同大爆笑)」
 
吉 井:「(床叩いて悶絶中)……っ、…っ!」
ラオウ:「かわいそうな人だ…(笑)」
高 任:「まあ、それが初期のゆで卵ダイエットで……それから何年かして、別のゆで卵ダイエット理論が登場したけど……まあ、こういう理論を信じる人間がいるわけだから、ダイエット業界ってのはぼろい商売だと思うよ」
ラオウ:「確かに」
高 任:「もちろん、例によって、このダイエットでこんなに痩せた……とか言うわけだけど、冷静に考えると、半熟はダメのゆで卵しか食べちゃいけないダイエットだから、ある意味太るほどゆで卵ばっかり食えるかってのがあるよね(笑)」
ラオウ:「そりゃ、食えんわな」
吉 井:「胸焼けしそう……というか、喉に詰まりそう」
高 任:「まあ、愚母も、朝に4個、昼に3個…とかで、1日10個ぐらい食べてたけど……たまご1個のカロリー考えたら、結局摂取カロリーが減ってるだけの話で(笑)」
吉 井:「じゃあ、痩せたの?」
高 任:「そんなばかげた理論に飛びつく人間が、真面目にダイエットなんか出来るわけないでしょう(大爆笑)」
ラオウ:「いや、ばかげた理論に飛びつく人間だからこそ、やり遂げてしまう可能性もあるのでは?」
高 任:「まあ、朝晩の食卓に野菜スティックが並ぶようになったり、こんにゃくのおかずが激増したり、怪しげな液体を食事の前に飲みほすようになったり……ダイエットってのは、家庭を崩壊させるよ(爆笑)」
 
 バカ理論に関して大脱線。
 
高 任:「まあ、これは愚母じゃないけど……そいつのやっているダイエットがいかにでたらめかを諭してたらね、『別に騙されてるわけじゃないのっ。騙されたいだけなのっ!』と怒鳴られました(大爆笑)」
ラオウ:「な、なるほど……」
吉 井:「もう、誰にも止められないね」
高 任:「全員がそうかはしらんけど……多分、こんな方法で痩せるわけがないと本人はわかってるんですよ。わかってるけど……わかってるけど……で、ついやってしまうんでしょうな」
ラオウ:「人の心にイフ(もしも)がある限り商売は成り立つ(笑)」
高 任:「というか、でたらめな方法でもそれなりの困難が伴うじゃないですか……だったら、確実に成功する困難を受け止めた方がいいと思うんですが」
吉 井:「……飲むだけで痩せるとか(笑)」
ラオウ:「カロリー制限だけで痩せる(笑)」
高 任:「そう、カロリーを制限するだけで痩せるのにねえ。別に毎日20キロ走って、筋トレ1時間、サーキットトレーニング4時間とか言ってるわけじゃないのに(笑)」
ラオウ:「そういや、最近というか……某ブートキャンプって何?」
吉 井:「何と言われても」
ラオウ:「そもそも、ブートキャンプってアメリカ海軍のアレでしょ?」
高 任:「まあ、結局はそれです……身体づくりというか、サーキットトレーニングですよ。ステップ、キック、バック、ダウン、とか(笑)」
ラオウ:「バッタ?」
高 任:「まあ、そんな感じの」
吉 井:「なんですか、バッタって?」
高 任:「部活で、サーキットとかやりませんでした?腕立ての体勢で、足の折り畳みとか、両脚の踵をぶつけてからスクワットとか?」
吉 井:「あ、やりましたよ、バッタは知りませんがアヒルとか」
ラオウ:「アヒル?」
高 任:「多分、各地で名前とか違うんでしょうね…競技によっても」
ラオウ:「コマは?」
高 任:「ジャンプして逆回転するやつ?」
ラオウ:「それ」
吉 井:「あ、ありましたよそれ」
高 任:「まあ、俺が見た感じでは……運動不足の人間に、あのメニューはきついというか、危ないような気がするけど(笑)」
ラオウ:「でも、そのぐらいじゃないと痩せないだろ」
高 任:「陽気なアメリカンが、笑いながら『ワンモアセッ』とか言ってるの聞いてると、最後には殺意が湧いてくるとか言ってた(爆笑)」
ラオウ:「殺意か……そいつは、ブートキャンプだな確かに」
吉 井:「なんか、すごく話題が逸れているような(笑)」
高 任:「まあ、日記でも度々触れてるけど、ダイエットに関して言いたいことは色々あるというか」
ラオウ:「……でも、このゲームの場合、そんなロジカルなもんじゃないから気楽にできるよな」
吉 井:「どんな状況であれウォーキングが成功すれば0.5キロの減量……って感じに、ある意味システマティックなダイエットシステムになってるよね」
ラオウ:「ただ、100キロから95キロに落とす5キロと、50キロから45キロに落とす5キロは、現実だと全然違うような(笑)」
高 任:「俺は初めてプレイしたとき、まずは筋トレして基礎代謝を高めてから……とか思ったんですがまったく関係ないですよね。これを成功させたら体重がいくら減る、これが成功したら美顔ポイントがいくつ増える……だから、まあゲームとしての楽しさを損なわないバランスのとれたシステムだから、妙に構える必要はないですし」
ラオウ:「まあ、現実のダイエット理論をきちんとゲームシステムに組み込むと、ダイエットのつらい部分だけをチョイスした修行ゲームになるでしょうし(笑)」
 
 ちょい脱線。
 
高 任:「しかし……あの、主人公のシルエットはいいですね(笑)」
ラオウ:「ああ、あれな」
吉 井:「あれって……多分10キロ単位で切り替わるよね?」
ラオウ:「ウエストに関しては、途中から5キロ単位じゃないですかね?」
高 任:「70キロぐらいで、『おお、痩せたな俺』とか(笑)」
ラオウ:「何気なく、感情移入(笑)」
吉 井:「確かに、70キロになると、ウエストって感じになるよね。それ以上だと、ウエストじゃなくて、腹って感じだけど(大爆笑)」
高 任:「ウエストじゃなくて、腹っ(笑)」
ラオウ:「吉井さん、その表現ナイスです(笑)」
高 任:「50キロぐらいでしたっけ?ウエストにくびれが発生するの(笑)」
ラオウ:「いや70キロでそれっぽくなって、60キロ台でちょおっとくびれる感じだったと」
吉 井:「でも、お腹がぽっこり(笑)」
高 任:「あの、シルエットってパーツで分かれてますよね?体重がウエスト部分に反映されて、下半身は脚の数値、腕は腕の数値に」
ラオウ:「そうだね」
吉 井:「…?」
高 任:「あ、ひょっとして吉井さんは極端に偏ったダイエットとかしたことないですか?」
吉 井:「え?」
ラオウ:「早い話、体重を45キロに落としたけど、脚の数値が0のままだったら、脚のシルエットはそのままなんですよ(笑)」
吉 井:「え、あれって、体重の減少にあわせて、全体的に痩せていってるんじゃなかったんですか?」
高 任:「まあ、普通はゲーム攻略的に平均的に痩せるようにプレイしますから気付きにくいですけどね……ダイエットの仕方によっては、シルエットが不思議な生き物になります(笑)」
ラオウ:「なるよなあ…ウエスト細いのに、脚が最初のままだったら、何か新種のモビルスーツみたいな感じになるし(大爆笑)」
高 任:「も、モビルスーツ…(笑)」
ラオウ:「後、腕とか脚の数値は一旦上げたら上げっぱなしになりますが、体重だけは増やすことができますからね……腕、脚、顔の数値を100にした後、お菓子とかモリモリ食って体重を100キロに戻したら、かなり笑えます(笑)」
吉 井:「それって、脚と腕がすらっと細くて……ウエストだけが最初の状態に戻るって事で……(想像中)……ぶふぅっ(笑)」
高 任:「い、いかん、それは見てなかった…ぶっ、ぶははっ…(笑)」
ラオウ:「まあ、悪趣味な楽しみ方とは思うけど……現実的には、極端な部分痩身は不可能だけど、このゲームの場合はシステム的にそうせざるを得なかったんだろうね」
高 任:「吉井さん、確か俺のセーブデータに脚だけ太い状態が残ってるはずですが、見ます?」
吉 井:「みるみる、見せて」
 
 しばらく悶絶中。
 
吉 井:「……いやあ、あれは気付いてなかった(笑)」
高 任:「腕はあまり目立ちませんが、脚は目立ちますからね……ウォーキング(減量と同時に脚の引き締め効果あり)で減量してるとまず気付きませんね」
ラオウ:「俺も、ひたすらボートこぎ……で、ふとシルエットを見て『なんじゃ、こりゃあっ?』とか叫びましたもん(笑)」
高 任:「みるみる痩せていくけど、脚が太いまま(笑)」
吉 井:「というか、むしろボートこぎだと、腕が一旦引き締まって、その後でモリモリたくましくなっていくような……というより、ボートこぎは腕よりもむしろ脚の筋肉がつくはずですが」
高 任:「というか、主人公がある特定のダイエットにのめり込んで、かつバッドエンドを迎えたら、それに派生したエンディングとかあったら面白いんでしょうけど」
ラオウ:「数年後、ボート競技で金メダルとか」
高 任:「そんな感じ……ボクササイズなら、女子ボクシングチャンピオンとかになって、インタビューで、『この競技始めたきっかけは?』とか聞かれて、主人公が『……そういえば、私って何か別の目的のために頑張ってた様な…』とか自問して終了(笑)」
ラオウ:「なるほど、ダイエット情報に特化したら、ダイエットに関連した会社を興してるとかだな」
高 任:「うむ、そんな感じ」
吉 井:「……半身浴だと、エンディングの作りようがないような(笑)」
高 任:「むう(笑)」
ラオウ:「まあ、それはそれとして……基本的にコミカルな作りになってるんだから、そういう遊びがあっても良かったかもな」
高 任:「モデルエンドはあるんですけどね」
 
 ちょっと脱線。
 
吉 井:「45キロまで減量できるけど…もう、シルエット的には50キロでも同じように思いますけど」
ラオウ:「まあ、主人公の身長がわからないし……つーか、45キロのシルエットより、50キロぐらいのシルエットの方が綺麗に見えた」
高 任:「なんか、45キロの数値が100だと痩せすぎという印象ですけど(笑)」
吉 井:「まあ、主人公にとって高任君の印象は関係ないし(笑)」
高 任:「結局そこですね。自分が気になる相手にとって、自分がどう見えるか……基本的に、刹那的なダイエットに身を投じる人間の重要ポイントがそれですな。健康より、脂肪率より、一番大事なモノは……で、まがい物ダイエット商品が溢れかえってるわけで」
ラオウ:「でも、このゲームって……主人公が100キロでもデートに誘えますよね?(笑)」
高 任:「このゲームで惜しいというか、無理だったんだろうなと思えるとこはそこで……ダイエットの進捗と、気になる相手の攻略がきっちり連動してないんですな」
吉 井:「というか、休日は全部相手とのデートを成功させなきゃ、好感度不足でイベントおこならなくなるよね(笑)」
高 任:「何かのコマンドを何回実行したら起こるイベント…はあるんだけど、ダイエットを成功させたから相手ともうまくいったという実感が、ほぼ皆無……とまでいうと、言い過ぎか(笑)」
吉 井:「ん、んー」
ラオウ:「吉井さんが、悪者になりたくなくてお茶を濁している(笑)」
高 任:「結局、普通の恋愛シミュレーションと一緒で、エンディングを迎えたいキャラを追いかけまくって……その片手間に、ダイエットしてるという印象は拭えないとは言っておきます」
ラオウ:「男前やなあ、高任さん」
高 任:「いや、制作者側のジレンマはわかるよ。だって、それをきっちり連動させたなら、『主人公の容姿が美しく生まれ変わったから、心をひかれたというケースになりそうで』……そんなキャラを、王子様と呼べますか?」
吉 井:「それはそうだね」
高 任:「だから、どのキャラも『頑張ってる』とか、『根性ある』とか、あくまでもイベントの流れで主人公に惹かれていったという形にするため、とにかく『外見じゃないんだ』というのが繰り返されてますし」
ラオウ:「じゃあ、100キロのままでもいいんかい(爆笑)」
高 任:「ラオウさん、それ言っちゃあいけません(笑)」
吉 井:「相手の好みに近づくとデートのお誘いの成功率が上がるような気がします(笑)」
高 任:「どのみち成功するまでロードの繰り返しだから、あんまり関係ないですが……まあ、精々20回連続で失敗するぐらいだから、大した手間でもないし」
ラオウ:「そうか?(笑)」
高 任:「つーか、二人ともゲームの審査なめてるでしょ?このゲームにしたって、百合香とか、わざと嫌みな言い方してますけど、仮にデ〇とか、〇タとかそういう言葉使ったら審査通らないかも知れませんからね」
ラオウ:「マジで?」
高 任:「コンシューマーゲームの、シナリオライターの苦悩をなめたらいけません……ほら、前にチョコキスのネタで偽媚薬の媚の字がカタカナでビになってたとか言ったでしょ?シナリオの内容に関係なく、ただ使うだけでチェックが厳しくなる漢字とかいっぱいあるんですよ。それは、言葉も同様で……仮に審査が通っても、チェックが長引いたら発売時期のずれ込みとかあるから、自主規制に走るわけです(笑)」
ラオウ:「なるほど、それで最近のゲームは骨抜きに(笑)」
吉 井:「だとすると……百合香というキャラは、ああならざるを得なかった?」
高 任:「そりゃ、たくましいとか、がっしりしてるとかならいいですが、ストレートに『太ってる』とか言っちゃうとまずいかも知れませんからね。イジメネタとか、悪口とかやたら神経質で……という話を聞いたことがあります(笑)」
ラオウ:「なるほど……制作者側としては仕方ない部分があると承知で、それでもやはり、ユーザーとしては不満が残ると」
高 任:「ダイエットによる恋愛シュミレーションゲームとしてはね(笑)」
吉 井:「でも……主人公は痩せないと、エンディングが迎えられない」
高 任:「まあ、そこは、王子様が王子様であるために、制作者側が必死で匂いを消すわけですよ……2、3、消えてないキャラもいるけどな(笑)」
吉 井:「というか、颯大って、主人公が痩せていくと、ちょっと寂しそうな表情を浮かべたりしますよね(笑)」
 
 脱線。 
 
ラオウ:「あ、そうだ」
高 任:「ん?」
ラオウ:「最初に言っとくけど、俺、誰も最後までクリアしてないから(大爆笑)」
高 任:「ア、アンタさっき、時間のかかるゲームとか言ってなかったか?」
ラオウ:「いや、勘違いするなよ。キャラをクリアはしてないけど、俺としてはかなりやり込んだ。アイテムとか、3コマ劇場とかほとんど集めたし(笑)」
吉 井:「このゲーム、やりこみ要素多いですからね…」
ラオウ:「さっきの前フリと言い、誤解されるかも知れないけど、少なくとも俺にとってはこのゲームは面白かった。はっきり言って、楽しい」
吉 井:「ラ、ラオウさん…」
高 任:「……うん、まあ、そこなんよ」
ラオウ:「やはりそこか」
高 任:「ラオウさん、マジでクリアしなかったの?それともこっちの気持ちをくんで、わざとそういう風に発言してくれたの?」
ラオウ:「いや、マジで……正直、恋愛シュミレーションという部分に特に興味は覚えなかったというか、もう、ダイエットがらみのイベントというか、ダイエットの動画というか、3コマ漫画が抜群に楽しくて、そればっかりに集中してしまったというか(笑)」
吉 井:「うわあ…」
高 任:「ダイエットのシュミレーション部分と、キャラ攻略の部分を分離させた上でどっちが面白いかというと……という、開発者にとってはすごく不本意であろう本音を語ると、結局さっきのラオウさんの話になっちゃうのが(笑)」
ラオウ:「というか、高任さんは例によって、全員攻略したんだろ?」
高 任:「したよ……まあ、ちょいと変化球も混じってますが、基本的には王道シナリオで、キャラによってはなかなか面白かった……が、やはり、主人公がダイエットする必要性あったのか、などと首をひねってしまいたくなるんだよな」
吉 井:「んー」
高 任:「もちろん、主人公がダイエットする必然性が必要か……と聞き返されたらあれだけど、敢えてこういう主人公を抜擢し、ダイエット云々の要素を取り入れたなら、そこはきちんと必然性を持たせるか、もしくはダイエットしなくても……という、幅広い自由度を持たせるべきではないかと」
 
 ちょっと脱線。
 
高 任:「まあ、さっきも言ったとおり制作者側として無理な相談なんだけど……各キャラの好みの体型というか、数値があって、ダイエットによってその理想に近づけていく……というシステムに、イベント進行システムの二本立ての攻略が出来る形だったら……すごいだろうなあ、と」
吉 井:「は?」
高 任:「いや、キャラ攻略に2つのルートを作るというか、1つはダイエットそっちのけでキャラにアタックし続ける事でイベントが進行していくルート。もう一つが、キャラそっちのけでダイエットに専念……ダイエット進行に合わせて、勝手にキャラとのイベントが進行していくルート……みたいな」
ラオウ:「なるほど、プレイヤーに選択させるわけか」
高 任:「ええ、『どっちの王子様を選ぶ?』と……ジレンマを打破しようと思ったら、どこか極端なシステムにするしかないですからね」
吉 井:「……つまりアレですか。ラストのキスシーンで、主人公の体型が劇的に変わってるんですね?(爆笑)」
ラオウ:「あ、あれ……やっぱり、エンディングはほっそりと?」
吉 井:「ええ……っていうか、イベントCGに登場する主人公は全部痩せてます」
高 任:「実はまだ70キロだったりするんだけどな(一同大爆笑)」
ラオウ:「むう」
高 任:「あ、でも……颯大のCGで、主人公がぽっちゃり系のがあったような」
ラオウ:「そういえば、あの颯大は最初から主人公に懐いてたけど……何、反対に痩せるとまずいキャラ?(笑)」
高 任:「気になるなら、自分で解けよ……まあ、アレも、肝心な部分をスルーしたシナリオのような(笑)」
 
 
ラオウ:「……結局、あのお兄ちゃんの『月刊、俺の妹』で、評価が全部二重丸になったらいいんだろ?」
吉 井:「いや、好感度は必要ですよ(笑)」
高 任:「試したことはないけど、多分。絶対45キロまで減量しなきゃいけないのが……漣だったかなあ。きちんと痩せてないと、ドレスが着られないイベントとかあるし」
ラオウ:「あ、そんなイベントあるんだ(笑)」
高 任:「キャラによってチョコチョコあるんですよ…文系能力が高くないと、外国語が聞き取れないとか、そもそもイベントが起こらないとか」
ラオウ:「なるほど…」
高 任:「『月刊俺の妹』によると、一応キャラによって好みが違うみたいなんですけどね…」
吉 井:「体重はともかく、足と、美顔と、運動系の要求水準の高いキャラの好みは、スレンダーなスポーツ少女なのか、などと考えたりしたけど(笑)」
ラオウ:「……というと?」
高 任:「早い話、体重は55キロ以下ならオッケーとか、腕の数値が81以上ならオッケーとか……もちろん、体重以外の数値は一旦上げたら下がらないから仕方ないけど、結局、体重は45キロ、全ての数値を100にする……だけになってしまう」
吉 井:「そうだよね……せっかく、ダイエットできるんだから、そのあたりがきちんと反映されたらいいと思うんだけど」
ラオウ:「……それは、アレですか?相手が誰でもやることはかわらんと?」
吉 井:「ダイエットに関しては間違いなく」
高 任:「つーか、イベントの方でも夏休みの旅行時点で、好感度がピンクになってないと厳しいから……ダイエットは全部同じ手順で、イベントに関してもセーブロードでデートのお誘いに全部成功、選択肢も全部成功……と、ダイエット手段はやたら豊富だけど、キャラを攻略しようとすると途端に自由がなくなるシステムというか」
吉 井:「まあ、休日はデートを誘いにいって、断られたら即ロードしないと絶対に好感度不足しますし」
ラオウ:「それはつまり……相手が誰であっても、同じダイエット方法の、同じスケジュールで問題なしってこと?」
高 任:「まあ、早い話がそう……だから余計に、その2つが連動してる実感がないというか、結局違いは休日に誰をデートに誘うかだけなんよ」
吉 井:「そりゃ、ある程度の数値がないとイベントが発生しないとかありますけど」
高 任:「連の旅行イベントで、語学能力が低いと高いで、テキスト変わるんですけどね……それで、その後の展開が変わるかというと(笑)」
ラオウ:「むう…」
高 任:「だからひょっとすると……誰も攻略せずに、ひたすらダイエットを追求したラオウさんの楽しみ方が、一番美味しいかも」
ラオウ:「そっち方面は割と楽しめたとか言ってなかったか?」
高 任:「んー……その部分だけを取り上げるなら、まあ、水準に仕上がってたとは思います。でもね、その部分だけを取り上げるなら、このゲームをネタにする必要性はほとんどないというか」
吉 井:「どこが面白かったか……と聞かれたら、やっぱりダイエットだよねと(笑)」
ラオウ:「なるほど、俺は間違ってなかったんだね(笑)」
高 任:「いや、結果論としてはそうかも知れないけど、ラオウさんは鉄板で間違ってますからね(笑)」
 
 ちょっと脱線。
 
高 任:「そもそも、こういう主人公を抜擢するアイデアはいいんだけど……制作者側の縛りもわかるんだけど、アイデアをきちんと消化できてない感が先立つというか。このゲーム面白かったと、断言は出来るんだけど、ゲームとしての総合評価は……と聞かれたら、ちょっとな」
ラオウ:「そうか……じゃあ、割といびつな出来のゲームか?」
高 任:「主人公の幼なじみのシナリオがね、深く書かなかったのか、書き込めなかったのか……あたりに、このゲームの縮図があると思う」
ラオウ:「幼なじみというと、あの丸い男(笑)」
吉 井:「丸い男(爆笑)」
高 任:「いや、彼というか、透君は痩せるから……別人のように」
ラオウ:「え、痩せるん?個人的に、彼の恥ずかしがるポーズはツボに来たんだけど(笑)」
吉 井:「あれがツボですか、ラオウさん(笑)」
高 任:「まあ、痩せて格好良くなった透君に対して、女子がちょっと騒いだりするわけですよ……そのあたりのイベントを、やっぱり書きたくても書けなかったのかなあ、と」
ラオウ:「……まあ、どうしても外見に対する部分を書き込まないと、イベントとしては書けんか…」
高 任:「まあ、俺がプレイしてたときは、その時既に50キロ台で、身体のパーツも軒並み高い数値だったんだけどな、主人公(一同大爆笑)」
吉 井:「……モデル並の美貌でありながら、身を引こうとする主人公(笑)」
高 任:「あのあたりの、ダイエットの進捗状況に対してシナリオの融通の効かなさは、ある意味笑えるんだけど」
ラオウ:「なるほど……それは、連動してないなあ」
高 任:「だから、ダイエットと、シナリオイベントは別物と割り切るしか」
吉 井:「バッドエンドでは主人公がかつての美貌を取り戻して学校中の男子に追いかけ回されるというオチだけど」
ラオウ:「アレもある意味えげつないよな」
高 任:「朝目覚めたら、いきなり痩せてる……わけじゃないんだから、どうせある程度のダイエットが攻略条件になってるなら、各キャラのシナリオに、主人公が痩せることに対しての周囲の反応のイベントってのはやっぱり欲しいよね」
ラオウ:「……各キャラの好みに対しての主人公の充足度によって、イベントを全部変化を付けて書く……のは、結構負担がでかいと思うが」
高 任:「そりゃそうですが……でもなあ、全員のイベントでやれとはいいませんが、『ダイエット何かするんじゃなかった』というちょっぴり暗めのイベントを作るだけで、結構奥行きが出ると思うんですよ」
 
 脱線。
 
吉 井:「そういえば、エンディングのキーワードシステムはちょっと…」
ラオウ:「何それ?」
高 任:「いや、各キャラのエンディングを見るためのキーワードが3つ必要で、プレイ終了時にプレイヤーがそれを入力しなきゃいけないんですよ……で、そのキーワードが、イベントとかで緑色に表示されてるのはいいんですが…」
吉 井:「それが後で必要になる……ってのがプレイヤーに示されないんです」
ラオウ:「……と言うと?」
高 任:「まあ、何日かかけて誰かとのエンディングを見た……で、テキストの中で緑色で示されていたキーワードを入力せよ……と、言われても」
吉 井:「思いっきり忘れました(爆笑)」
ラオウ:「むう…」
高 任:「といっても、キャラにもよりますが……大体が、恋人エンドで1つ、友達エンドで1つ、他のイベントで1つのパターンですから、結局1年と半年分ぐらいはプレイしないと、卒業後のエンディングが見られません(笑)」
ラオウ:「な、なるほど…」
吉 井:「高任君に聞いたけど(笑)」
高 任:「一応、全部メモってましたから」
ラオウ:「それは結局……吉井さん的には、もう一度やり直そうとは思えなかったと言うことで?」
吉 井:「正直なところ、どうしてもエンディングが見たい……と執着するような出来じゃあないな、と」
高 任:「友情エンドか、恋人エンドか、に到達しないと入力画面にならないんだけど……最初に恋人エンド見て、その次に友情エンド見て、キーワードがそろって入力……で、グランドフィナーレみたいなシーンを見ると、『あの友情エンドからどうやってここまで発展したんだろう?』とか、別の意味で興味がわくというか(笑)」
吉 井:「友情エンドから入力可能って事は……あれは、つながってるんだよね?」
高 任:「キャラによっては、どう考えてもつながらないエンディングですが」
 
 脱線。
 
ラオウ:「というわけで、そろそろ本命のダイエットについて語りましょう
高 任:「恋愛シミュレーションゲームなんだけどな、これ(笑)」
吉 井:「ウォーキング、ヨガ、半身浴、揉みだし、ラッピング、ボートこぎ、フラフープ、ボクササイズ、フェイスマッサージ……」
ラオウ:「吉井さん、キリがないです(笑)」
高 任:「まあ、ダイエット方法がやたら豊富ですよね……その労力を、もうちょっとシナリオに回そうよと思うぐらい
ラオウ:「別に、妙な理論が付随してるわけじゃないから、ダイエットに専念すれば、おお、こんな方法が……といろんなやり方を楽しめるというか」
高 任:「確かに、キャラ攻略に走ると休日が丸つぶれになるし……星5つのダイエットなんかできませんからね」
 
 注……このゲームにはダイエットポイントが存在し、平日の場合は星3つ分しか与えられないため、ものごっついダイエットは休日にしかできない。
 でも、休日はデートに誘わないと好感度が不足するので……ダイエットライフを満喫しようとすると、どこかで攻略を諦めなければいけない事が多い。
 
吉 井:「というか、効率優先になると、どうしてもボートこぎですよね」
高 任:「無意識に、『こげよマイケル』とか口ずさみます(笑)」
ラオウ:「それ、どんな曲?」
高 任:「マイケル、ローア、ボーウ〜♪」
ラオウ:「ああ、あれか」
高 任:「まあ、ひたすらこげ、ボートをこぐんじゃあッ……の毎日になりがちで(笑)」
ラオウ:「そして金メダル(笑)」
高 任:「もう、そのネタはいいから」
吉 井:「体重の減少が大きくて、腕の引き締めと筋力増加……まあ、使い勝手のいいダイエットコマンドですよね」
ラオウ:「サウナスーツ着用でレボリューション(コマンド大成功)だと、一回で1キロ減りますし」
高 任:「ボート、ボート、ヒーリング×2、レモンパック……の繰り返しで、1ヶ月15キロぐらいは減量できますし」
ラオウ:「ウォーキングだと、10キロ未満だよな……正直、その差はでかい」
吉 井:「でも、ボートこぎマシンって、休日にしか売ってませんよね?」
ラオウ:「エリザベス(店の名前)ですね。あの店に限らず、平日と休日では売ってる商品が違いますから」
高 任:「まあ、ウォーキングでのんびり減らすのもいいですが……ヨガと半身浴は、数値の調整以外では、使い勝手悪いですね、どちらかというと」
吉 井:「レボリューションって、結局ダイエット知識の数値が高いほど…ですね?」
ラオウ:「おそらく」
高 任:「最初は、根性かなと思ったんですが」
 
 主人公の数値は、体重、顔、腕、足、筋力、根性、ダイエット知識、一般教養、文系、理系、運動系の11種類(お金も含めれば12)。
 単純に体重を落とせば……ではなく、腕と足を引き締め、顔をケアし、ついでに勉強も……で、お目当てのキャラの理想に近づけ……るわけですが。
 
ラオウ:「だから、最初は家の仕事の手伝いをしてお金を貯めて、サウナスーツと、ボートこぎマシンを買って……ダイエット知識を20程度まで上げてから、本格的なダイエットを開始するのがセオリーかと」
高 任:「そりゃ、ダイエットだけならな(笑)」
吉 井:「サウナスーツも、ボートこぎマシンも、休日じゃないと買えませんし(買い物は、平日、休日共に1つの店でしか買い物できません)」
ラオウ:「いやいや、そもそも主人公の目的はダイエットだろ(大爆笑)」
高 任:「ラオウさん…(笑)」
ラオウ:「別に、痩せてあの5人衆を落とすとか決意したわけじゃないだろ……目的を間違えてはいけない(笑)」
高 任:「まあ、いつの間にか目的がすり替えられてるんですよね確かに」
吉 井:「いや、プレイヤーの目的が」
ラオウ:「吉井さん、それはつまりプレイヤーの目的がダイエットなら問題ないって事ですよね?(笑)」
吉 井:「なんか、騙されてる?」
ラオウ:「休日をフルに使って、エアロビの教室に通ったり、水泳したり、金を貯めてエステサロンに通ったり……そうすれば、夏が終わる頃には、主人公は45キロのティーンズモデルですよ(笑)」
高 任:「何事もなく夏休み終わったら、もう攻略不可能だから」
吉 井:「痩せてからでは遅いです」
高 任:「と言うかラオウさん、誰も攻略してないって事は、攻略相手からもらえるダイエットグッズは集めてないんですよね?」
ラオウ:「ああ、やっぱりそういうのあるンか」
高 任:「と、とことんまで、ダイエットを追求したなこの男…」
ラオウ:「面白かったもん」
吉 井:「高任君、ラオウさんの目に一点の曇りもないよ」
高 任:「まあ、こういう風に楽しめ……というのを決めるのは本人ですから(笑)」
ラオウ:「多分、集まってないのは、その手のアイテムだけと思う」
高 任:「かなり無茶なアイテムが多いけどな……刀で主人公の贅肉を切り落とすとか(大爆笑)」
ラオウ:「マジで?」
吉 井:「え、そんなのあったっけ?」
高 任:「いや、コマンド実行時の3コマ漫画の話ですよ。某ロ〇オボーイみたいなアイテムだと、主人公が振り落とされて飛んでいくとか(笑)」
ラオウ:「むう、攻略には興味ないけど、アイテム貰うぐらいまでは頑張った方がいいのか…」
高 任:「基本的に、夏休み過ぎに4つのアイテムがそろいますよ……というか、一番そろえにくいアイテムは、店に10回も20回も通わなきゃいけないアイテムだと思うんですが」
吉 井:「ああ、あれは通った回数なんだ。購入金額かと思った」
ラオウ:「当然そっちはそろえたよ(笑)」
吉 井:「どう考えても、攻略の方が楽ですよ?」
ラオウ:「そりゃ、最初はちゃんと攻略しようと思ったんですが……なんかつまらなんなと思って、面白い方にシフトチェンジしましたから」
吉 井:「そ、そうですか…」
高 任:「そういや、なんか主人公の根性の数値が高いと、アイテムくれない事が多いんですよね……あれが謎と言えば謎で」
吉 井:「ですよね……結局、主人公が根性なしだから手助けしてやろう……という感じなのかな?(笑)」
ラオウ:「しかし、あのダイエットコマンド時に流れる3コマ漫画の太った主人公がやたら愛くるしいというか(笑)」
高 任:「バランスボールから転げ落ちるとか?」
ラオウ:「あれもいいな……というか、成功、失敗、レボリューションでバージョンが違うのに、おまけでは通常のやつしか見られないような(笑)」
高 任:「でしたっけ?……まあ、さっきもちょっと言ったけど、ラオウさんは途中まででも攻略を頑張って、アイテム全部そろえないと」
ラオウ:「いや、キミのセーブデータをもらえたらそれで(笑)」
吉 井:「ゲームのキャラじゃなくて、高任君から貰ってどうします(笑)」
高 任:「そういや、季節毎のお菓子とかも全部集めました?」
ラオウ:「集めましたよ……なんか、秋のお菓子がやたら美味しそうなやつばっかりで」
 
 注……ダイエット、それは辛く苦しいけもの道。そんな日々の中でもちろん主人公のストレスはたまっていきます。
 ストレスというか、ハラヘリゲージというか……まあ、それがたまるとコマンドが失敗しまくって効率が悪くなります。
 そこで、主人公のゲージを下げる手段が……お菓子を食べること。(笑)
 一応、ヒーリング音楽を聴くことで下げることも出来ますが……というか、多分ゲーム攻略的にはそっちの方が正しいんでしょうけど、このゲームで登場するお菓子というか食べものがやたら魅力的。(笑)
 高任はあまりお菓子とか食べませんが、このゲームに出てくるお菓子はちょっと食べてみたくなります。
 
吉 井:「あれって、最初買いだめしとけばいいだろと思ったんですけど…ほとんどのお菓子には賞味期限がありますよね」
ラオウ:「後1週間で賞味期限の切れるお菓子があります…とか教えてくれるし(笑)」
吉 井:「期限を過ぎたら捨てる……とか言われたら、やっぱり食べますよね、無理にでも(笑)」
ラオウ:「モリモリ食べたら、モリモリ太るけどな(爆笑)」
高 任:「ゲーム攻略的には、ハラヘリゲージが大きく減少して、かつ、カロリーの少ないお菓子を食べるべきでしょうけど」
ラオウ:「当たり前というか、制作者の情熱というか執念を感じるというか」
高 任:「なんか、妙にリアルですよね」
ラオウ:「というか、このゲームはやっぱり恋愛云々はただの付け足しで、ダイエット部分に命をかけてると思うんだけど
吉 井:「やたら力が入ってるのは認めますが」
高 任:「確かに、やりこみ要素が半端ではないと言うか……お菓子の種類とかも」
ラオウ:「努力のつぎ込み所をわかってるわ、開発者(笑)」
高 任:「春はイチゴとか、夏はスイカとかアイスとか……季節感もばっちりというか」
ラオウ:「それで、お菓子を食べるときの主人公の言い訳がまた(笑)」
吉 井:「いいよね、このぐらい…ダイエット頑張ってるし(笑)」
高 任:「明日から、また明日から頑張る…(笑)」
ラオウ:「まあ、そういう部分を心ゆくまで遊び倒そうと思ったら、恋愛なんてしてる暇ないです(笑)」
高 任:「というか…やっぱり、愛だの恋だの追いかけてるよりこの主人公は美味しいものを食べてるときの方が幸せなんじゃないか……と思えるぐらい、気合い入ってますよね、そのあたり
ラオウ:「というか、ダイエット器具そろえて、お菓子も集めて……とかやってると金が足りない」
高 任:「というか……お菓子を食べるのに、半日費やしますよね。だったら、ダイエットコマンドで、ヒーリングミュージックを3回聞くのが攻略的には正しい姿なんでしょうけど」
吉 井:「お金もかかりませんし」
ラオウ:「まあ、プレゼントとか金かかるし……キャラ攻略にはいると、金銭面での縛りが大きいか」
高 任:「というかね、ひょっとするとラオウさん知らないかもしれないけど、キャラ攻略してると、ダイエットの手助けだけじゃなく、リバウンドイベントがあるんですよ」
ラオウ:「それは見たような気がする」
高 任:「一人のキャラで何回もあるんですが」
ラオウ:「何回もか?(笑)」
吉 井:「ありますよ、3回か4回……それぞれ順に、1キロ、2キロと、リバウンドする量も増えていきますので」
ラオウ:「それ……やっぱり、避けるとまずいの?」
高 任:「基本的に、お目当てのキャラが『ほら、こんなお菓子を見つけてね。最近ダイエット頑張ってるみたいだし、食べてみる?』みたいな(笑)」
ラオウ:「え、えげつない…」
高 任:「断るとカドが立つし、『い、いただきます…』で、ムギュッと増量……そのかわり、攻略相手が夢に出てきますけど」
吉 井:「あの夢って、結局攻略には何の関係もないよね?CGもないし」
高 任:「ですかね……というか、あのイベントに出てくるお菓子って、かなり無茶な商品ばっかりだったからそっちの方が楽しみというか」
吉 井:「フランクフルト20本セットとか(爆笑)」
ラオウ:「な、何それ?」
高 任:「そのあたり妙に芸がこまいかというか、キャラによってもらえるお菓子の傾向が違うんですよ。辛いお菓子だったり、妙なお菓子だったり」
ラオウ:「とすると…フランクフルト20本は?」
吉 井:「颯大のくれるお菓子は量がすごいです。ジャンボ肉まんとか(笑)」
高 任:「主人公がダイエットしてるのは知ってるはずなのに、あそこまでくると、厚意じゃなくて悪意を感じるというか……そりゃ、フランクフルト20本食べたら4キロぐらい増えるよな(笑)」
ラオウ:「そりゃ……1本200グラムぐらいはあるよな」
吉 井:「寝る前に、しかも一晩で食べるなよ主人公とかツッコミを(笑)」
ラオウ:「何故一晩で食べるか(笑)」
高 任:「お菓子は、一旦封を開けたら湿気る前に全部食べきるのが礼儀とか何とか……カロリー計算も大事だけど、お菓子を作った人間に対して失礼なことをしちゃいけないとかいう、わけのわからん理屈をこの主人公も口にしたりするんでしょうか?(爆笑)」
ラオウ:「何の話よ?」
 
 
ラオウ:「そういえば、百合香って……あの転校生とどういう関係なん?」
高 任:「自分で解けよ(笑)」
吉 井:「デートを誘いにいったら、『今日は髪のケアをする予定なんです…』とか言われました……というか、俺も解いてないです」
ラオウ:「一応、お兄ちゃんだけは攻略しようかなあとは思ったんだが」
高 任:「お兄ちゃんは、他のキャラ攻略しないと無理です(笑)」
ラオウ:「やはりそうか」
吉 井:「で、転校生の時田君は?」
高 任:「……まあ、かなり無理目のシナリオというか、百合香のボディーガードとして雇われてるんですよ」
吉 井:「……?」
ラオウ:「ふーん」
高 任:「反応薄いっすね」
吉 井:「というか……百合香が何故主人公に突っかかってきたかの、動機が知りたかったんだけど」
ラオウ:「ああ、それはありますよね……何のために百合香は主人公に突っかかってきたかってのは、やっぱり誰かのシナリオで明かされたりするわけだろ?」
高 任:「まあ、主人公は昔美少女コンテストで優勝とかしまくってたわけで……そこで2位というか、優勝できなかったのが百合香なんだわ。当然主人公は百合香のことなんか覚えてないけど、百合香は主人公のことを覚えてたわけで」
ラオウ:「おお、なるほど」
吉 井:「そりゃ……今の主人公見たらショックだろうねえ」
高 任:「……すんません、嘘です」
吉 井:「え、嘘なの?」
高 任:「基本的に、シナリオの細かい設定は望まない方がいいと思います、このゲーム」
ラオウ:「……結局、お兄ちゃんもいれて9人か?」
高 任:「まあ、9人全員が同じマンションに住んでたりするんだが(笑)」
吉 井:「そういえば……このゲームって、二股とかできる?」
高 任:「あ、やったことないですね……というか、休日は全部デートじゃないと、夏の旅行とか誘えませんし」
吉 井:「いや、祝日というか、夏休みとか利用して2人のキャラにデートのお誘いとかしてるとどうなるんでしょう?」
高 任:「……夏の旅行イベントをこなしてないと、分岐しないような気がしますが。まあ、今度気が向いたらやってみます」
ラオウ:「がんぱれみたく、争奪戦とか始まったりしてな(大爆笑)」
吉 井:「『その手を放せ』とか言い出すんですか(笑)」
高 任:「いやでも、夏休みもデートでつぶしたら、間違いなくダイエットが進まないような…」
ラオウ:「それはそれで面白そうだが」
 
 
高 任:「さて、評価となると…」
ラオウ:「個人的にはかなりお勧めなんだけど(爆笑)」
高 任:「ダイエットしかしてないプレイヤーに言われても説得力が…
ラオウ:「いや、全部遊んでないのに面白いってのは、すごいような気がせん?」
高 任:「ラオウさん、『物は言いよう』って言葉知ってる?」
吉 井:「でも、どこが面白いかと言われると…」
高 任:「いや、俺が見るに恋愛云々は一応水準レベルですよ?」
ラオウ:「絶対値で言うと?」
高 任:「……1か2ぐらい」
ラオウ:「ほらみろ……つーか、別にどこで楽しんでもいいだろう?」
高 任:「まあ、それはそうですが……って、この対談、恋愛シミュレーションゲームなのにキャラについて何も語ってなくねえですか?(笑)」
ラオウ:「細かいことは気にするな……つーか、そもそも恋愛シュミレーションゲームとして俺や吉井さんに推薦したわけではあるまい」
高 任:「それはそーなんですが、一応ちょっとは語っておかないと…」
吉 井:「別に、ダイエットだけでいいんじゃないかな…そっちはおまけみたいなモノで(笑)」
ラオウ:「そうそう、気が向いたらどうぞ、みたいな感じで(笑)」
高 任:「ええんかなあ…?」
吉 井:「そういえば、某うぃーの某ソフトで……この主人公のシルエットみたいなのがあってプレイヤーが運動すると痩せていったら面白いかも
ラオウ:「あの…バランスとかとるやつですか?重心の位置とか」
吉 井:「それです」
高 任:「現実で体を動かして、バーチャルでダイエットって……いろんな意味で狂ってませんか?(笑)」
 
 もう、ぐだぐだ。(笑)
 
 
 お買い得度…… 8
 音 楽  …… 7
 操 作 性…… 8
 再プレイ度…… 8
 絶対値評価…… 4
 
 
 まあ、面白いです……いや、マジで面白いんですよ。
 主人公が主人公だけに、全体を通してコミカルな雰囲気に貫かれており……恋愛がらみは抜きにしてですが……やりこみ要素は豊富で、いろんな意味でおまけも充実。
 恋愛もダイエットもそっちのけでひたすら金を貯めたり、毎日毎日ゲームセンターに通ってミニゲームを極めたり、紙袋を被った店員や、マグロを抱えた店員をみて頭を抱えたり……ある意味不思議な世界がプレイヤーを待っています。
 対談の中では出てきませんでしたが、エステサロンに通ったり、怪しげな機械を使用したり、世の中にはびこるバカダイエットすらも包括したダイエット方法の豊富さは、一見の価値があると思います。ちなみに、キャラについて対談で何も語ってないから、最初のゲーム説明が長くなっております。(笑)

前のページに戻る