お題……北へ。〜Diamond Dust〜(PS2)
 
 前作を振り返ると……あの笑撃的な主題歌と、ミニゲームの『地球滅亡まで2分(だったか?)』のシューティングゲームが高任の脳裏を占めていたりするのですが、(笑)今作は続編とは言っても完全に単独作なので前作をプレイして無くても全然平気……たまに、前作ネタが転がっていたりもしますが。
 
 あらすじというか、状況説明をするとこんな感じ。
 
 東京に住み、東京の大学に通う主人公が2年にあがったばかりの春先のこと、両親が不慮の事故で死亡。
 遺産処理の過程で1人で住むには広すぎる家を処分し、主人公はアパートを借りて1人暮らしを始めた。
 49日も過ぎ、遺産処理も大方終わり……張りつめていた緊張の糸がぷつりと切れた主人公は虚脱感に襲われたまま視線を窓の外へ向けた。
 いつの間にか梅雨は明け……季節は夏。
 
『へえ、なんかちっちゃくて……微妙な車だね』
『フフン、この車の良さがわからんお前はまだまだ青二才って事だ…』
 真面目で無趣味と思っていた父が少年のように瞳を輝かせながら車にワックスを掛けていくのを、興味深げに見守る主人公。
『……でもなんか、二人乗りって感じだな』
『ああ……会社を定年退職したら、アイツとこれで北海道を旅行しようと思ってな』
『へえ……母さん、きっと喜ぶよ』
『まあ……まだ、5年も先の話だが』
『……それまで乗らないつもりなら、俺に貸してくれよ』
『ダメだ』
 
 家を処分する際にかなりのモノを処分したのだが、何故か処分できずにいた車を洗車しながら、大学に入学したばかりの頃、納車されたばかりの車を前にして父とかわした会話を思い出す。
「後4年じゃないか、親父……母さんと、北海道行くんだろ」
 ホースから流れる水とは違う滴が、時折車のボディに落ちては流れていく。
「ちょっと早いけどな……連れてってやるよ」
 
 そして主人公は、形見の車に乗って北海道へと旅立つ……
 
 ……ごめんなさい、嘘です。
 本当は、東京の夏は暑くてたまんないから、北海道の大学に行ってる高校の友達のつてを頼って北海道に避暑旅行というのが真相です。
 ただ、主人公の実家は東京で東京の大学に通っているはずなのに1人暮らしをしてるっぽいので、ひょっとすると上の状況は間違ってないかも知れません。(笑)
 
 
高 任:「……」
吉 井:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「……昔は笑い転げるだけでしたが、『北へ(前作)』の主題歌は心に染みるモノがありますな。いろんな人生経験を経てそれがわかるようになりました(笑)」
ラオウ:「いや、あんまりわからない方が(笑)」
吉 井:「つーか、こんなCDを何故買ってるかな(笑)」
高 任:「身体壊して会社やめてしばらくしてから買ったんですけどね……なんというかデスね、この曲を聴くといろんな事がどうでも良くなるんです(大爆笑)」
ラオウ:「いきなり『北へゆこう らんららん♪』だもんなあ。脳細胞が瞬時に破壊されるというか……でも、声優さんって大変(笑)」
高 任:「俺なら、音入れで絶対ふいて、ダメ出しもらいますな(笑)」
ラオウ:「君、笑っちゃいけない時に笑っちゃうタイプだもんな(笑)」
吉 井:「……というか、『カニがいっぱい、ホタテいっぱい…』とか、『ホッケおいしい、イクラおいしい』とかって、聞きようによっては北海道を馬鹿にしてるのかとも思いましたが」
高 任:「まあ、そんなこんなで前作をプレイしたことのある人間にとって今作の主題歌は一体……ってのが、まず第一に来る興味対象だったと思うのですが(爆笑)」
ラオウ:「いや、それはどうだろう(笑)」
高 任:「そうですか?俺の知人の1人なんか留守電に『今度の曲はダメだぁ〜』だけ吹き込みやがってデスね、最初何のことかさっぱりわからなくて」
ラオウ:「……君の家の留守電に関しては、俺も似たような事やってるので何も言いません(笑)」
吉 井:「でも、今度の曲も大概だと思いますが(笑)」
ラオウ:「タイトルからして、『なんとなく北へ。』ですからね」
高 任:「いやいやいや。これは観光業界における基本戦略なんですよ。例えば韓国旅行ツアー業者」
吉 井:「は、はあ?」
高 任:「海外旅行と言えばハワイだとかグアムなんて固定観念に包まれていた1980年代前半にデスね、身近な海外……つまり、海外旅行に対する意識の垣根を低くするというか、国内旅行の延長みたいな感覚で大プッシュし始めたわけですよ」
ラオウ:「……で?」
高 任:「ちなみに……北海道って遠いよな……なんて意識がありませんか?」
吉 井:「そりゃ、まあ……」
高 任:「前作で、『北海道は良いよ、良いところだよ…』ってな事をアピールしたんですがそれでは足りないという事に気付いてデスね、気軽にいける北海道……それが今作のコンセプトになってるんです
ラオウ:「おいおいおい…(笑)」
高 任:「考えてみ?『なんとなく』やで?北海道ってのは『なんとなく』いけるところなんですよ……なんとなく、なんとなく、なんとなく……ほら、何か身近になった気がしませんか?(一同大爆笑)」
ラオウ:「高任さん、お前ダメすぎ(笑)」
高 任:「失礼な……それはそうと、韓国旅行業者の戦略に関してはその後に転換期が来たんですよ」
ラオウ:「わかった。もうとめんから、心ゆくまで語ってくれ(笑)」
高 任:「気軽にいける北海道…」
ラオウ:「韓国とちゃうんかい(大爆笑)」
高 任:「気軽というイメージ戦略によって確かに海外旅行という意識の垣根は低くなり受け口は広くなりました……しかし、旅行ってのは本来日常ではなくて非日常であるわけで。自らの戦略がその一端を開いたとはいえ、旅行先の選択肢が大幅に増えた時代への変化がデスね、ただ安いとか身近というのが消費者にとってマイナスイメージへと転化してしまったんですなあ……」
吉 井:「(ラオウ氏に向かって)……何が言いたいのかはよくわかりませんが、それなりにためにはなりそうな話ですね」
高 任:「そこで、消費者の心の柔らかい部分をくすぐるべく、ブランド感というか、ちょっと高級感を醸し出す戦略に転じる必要があったワケなんですよ」
ラオウ:「(吉井氏に向かって)……いや、長年つき合ってきた俺の勘が違うと告げてます」
高 任:「つまり、次に出る『北へ。』の主題歌は……『せっかくだから北へ。』(大爆笑)」
ラオウ:「……って、ちょっと待て。今棒高跳び並に、話題と論理がスポーンと飛躍したような(笑)」
高 任:「『旅行先だけど、ここなんてどうかな?』『んーせっかくだから北海道まで足を伸ばしてみましょうよ』なんてカップルの会話が想像できたら、もう観光地競争は勝ったも同然…」
 
 この直後、ラオウさんに蹴られました。(笑)
 
高 任:「……心ゆくまで語ってくれと言うから、心ゆくまで語ろうと思ったのに」
ラオウ:「自分の言を翻したのは謝るが、絶対にお前が悪い(笑)」
吉 井:「なるほど、暴走列車を止めるのには物理的に脱線させるのが一番なんですね」
高 任:「ま、それはそうと……今作の主題歌って、ギャルゲーの曲にしてはえっらい歌詞ですね(笑)」
ラオウ:「……と、言うと?
高 任:「いやあ、だって…『人を思う気持ちなんて流れる雲のように〜♪』ですからね。各キャラのエンディングで『愛の物語は永遠に…』なんて流れる字幕とは正反対というか(大爆笑)」
吉 井:「い、言われてみれば…(笑)」
高 任:「雲が一時たりとも同じ形をとどめていないように、恋とか愛とか思っていた感情は日々移ろい、やがて激しい憎悪となって……(大爆笑)」
ラオウ:「また荒んだモノの見方をしてやがるな(笑)」
高 任:「ま、それは冗談として……今回の主題歌って所々前回主題歌のコードを利用してるから、ある意味アレンジ曲と呼べないこともないっすな」
吉 井:「え?」
高 任:「いや、例えば『嬉しさとか〜♪』の部分は『花咲き乱れる、春と夏が一緒、何かが始まる、彩りの予感』あたりの部分をギュッと圧縮アレンジして、新たなフレーズにしてるわけですよ……楽器とかあったら、説明しやすいんですが、曲を支配するコードを間違いなく意図的に似せてます」
ラオウ:「ほう…」
高 任:「だからどうしたというわけでもないですが(爆笑)」
ラオウ:「自分で作った会話を次々と崩してどうする(笑)」
高 任:「うむ、人って生き物は何かを手に入れることよりも、手に入れた何かを手放すことの方が難しいからな、普段からこうして鍛錬しているわけだよ(笑)」
吉 井:「違った状況で聞けばそれなりに心に響きそうな台詞だけど」
高 任:「……さて、そろそろBGM変えますか(笑)」
ラオウ:「さすがに、『らんららん…♪』がエンドレスなのはちょっと……(笑)」
高 任:「じゃあ、と……」
ラオウ:「……おい」
吉 井:「……さすがに、『ふるさと』なんて聞きながら対談したくないんですけどっていうか、できません(笑)」
 
 
高 任:「……ところで、隠しキャラ二人についての情報公開ってネットとかで規制されてるんですか?」
吉 井:「されてないんじゃないかなあ……まあ、良心があるならあまりおおっぴらにはやらない方が…」
高 任:「良心か……何もかもみな懐かしい(爆笑)」
吉 井:「どこで捨ててきたんですか?」
高 任:「会社(笑)」
ラオウ:「……え、会社にはいるまで残ってたの?(大爆笑)」
高 任:「ラオウさんなんか、生まれてきたときに母親のお腹の中に忘れてきたんでしょうに(笑)」
ラオウ:「いやいや。その代わり俺はありあまる良識というモノを装備してるし」
吉 井:「……」
高 任:「……ちなみに二人目の隠しキャラって言うか、勘のいい人ならファーストプレイでピンとくるはずのまふゆですけど」
吉 井:「まあ……アンテナにひっかかってきますよね(笑)」
ラオウ:「あれって、結局5人プラス1人を攻略したら出てくるんだよね?」
吉 井:「ええ、そんな感じです」
高 任:「なんか、いろんなとこで『衝撃的シナリオ』とかいう話を聞いてたので期待してたんですが、別にそういう意味では全然普通のシナリオですやン」
吉 井:「や、それは高任君だから(笑)」
ラオウ:「まあ、パソゲーやりこんでる人間にはどうってことないシナリオではあるでしょうね……ただ、このゲームがどうして12歳以上対象になってるのかって謎はアレで解けましたけど」
吉 井:「……そういやCEROの12歳以上対象入ってましたね……って、別に12歳以上推奨はまふゆのシナリオのせいじゃないと思いますが」
高 任:「……」
ラオウ:「あれ?12歳以下だと理解しにくい内容が出てくるからじゃないんですか?」
吉 井:「いや、某キャラが『今日は帰りたくない…』とか言って、朝帰りしたりするからじゃないでしょうか?」
ラオウ:「ああ、そういえば…」
高 任:「……」
ラオウ:「吉井さん、高任さんが人間のくせに貝になったフリをしてますよ……(ゲーム箱をあさりつつ)……ほら、CEROってのはこの事だよ(笑)」
高 任:「CERO……なんかの頭文字をとった略なんだろな。12歳以上ってことは…このCはチルドレンですか?」
吉 井:「いやそれは…」
ラオウ:「(吉井さんの肩に手を置いて首を振りながら)……吉井さん、そっとしといたげ(笑)」
 
 コンピューターエンターテイメントレイティング機構の頭文字だとか。(わかるかそんなもん)
 CERO倫理規定に基づいて審査され、それぞれ対象年齢を定めるらしいですが、年齢未満の客がそれを買うことについて規制しているわけではないとか。
 
高 任:「話を戻しますが……何というかあのシナリオで気になったのは、まふゆという存在を受け入れるってのとまふゆの気持ちを受け入れるってのは全然別物だという所なんですよ」
吉 井:「また堅い話題ですね…」
高 任:「思いを受け入れる云々じゃなくて存在を受け入れるというか認めるというか……まさに……日本社会といって差し支えないと思いますが……社会における問題の本質を無視してデスね、恋愛感情という小綺麗な理由で塗りつぶすだけのシナリオってんなら、まふゆというキャラを採るべきではないと思うんですが
ラオウ:「まあ、あのシナリオならそう言いたくなる気持ちも分かるが……高任さんなら、俺の言いたいことはわかるね?」
高 任:「別に良識派を気取るわけでもないですし、そういうこと言ってもアレなのも承知ですけどね……ま、ラオウさんの言うとおりだしこの話はやめますわ」
吉 井:「……もうちょっと軽めの話題を(笑)」
高 任:「そういや俺がこのゲームを購入する前に知人がデスね…『貴様はこのゲームで札幌に永住する運命にあるんじゃよーっ!』などと断言してくれまして(笑)」
ラオウ:「まあ、函館、札幌、旭川、帯広、北見の5地域で眼鏡娘に出会える唯一の地域だし」
吉 井:「……そういえば、何でその5地域というか、5都市が選ばれたんですかね?」
高 任:「ちょっと調べてみたんだけど、多分大学が所在する都市から選んだと思いますわ。主人公の高校時代の友人が北海道の大学に行ってる……ってのがアレですし」
ラオウ:「……後は、北海道全域をカバーするというか、前作とのかねあいも含めた地域バランスか。札幌と小樽とかじゃ偏るし」
吉 井:「そういえば、最初主人公の乗ったフェリーはどこに到着してるんですか?」
高 任:「ん?苫小牧でしょ」
ラオウ:「東京からフェリーと言えば、釧路か苫小牧ですわな」
吉 井:「関西だと、敦賀から小樽が頭に浮かびますけど」
高 任:「大学5年の時、陸上部の遠征が北海道でね……何やら飛行機組とフェリー組に別れて、道具運びに車が必要だからという理由の人間はともかく資本主義とはこう言うことかと(笑)」
ラオウ:「あれ?お前、北海道行ったことなかったのでは?」
高 任:「うむ、その年は旅費もなかったし就職絡みの日程と重なってしまって、遠征を辞退させて貰ったのだ……つーか、飛行機の片道が3万5千円(関西から)かかるとか聞いた瞬間に、俺の中では完全に現実味を失いました。はいはい、金持ちだけで頑張ってねって感じに(笑)」
吉 井:「……高任さんなら、青春18切符で行くとか言い出しそうだ」
高 任:「下手すると札幌まで3日かかるので、野宿したとしてもやっぱり往復で1万数千円かかります(爆笑)」
ラオウ:「まあ、さすがの高任さんでも試合にならんな」
高 任:「……それに、陸上部の連中と同じホテルに宿泊したくなかったんです。某品川駅前の外国人ビジネスマンや観光客が利用する某ホテルのロビーを大学名入りのジャージで闊歩したり、子供のように騒いだりするような非常識な連中とはちょっと一線を画したい(大爆笑)」
吉 井:「……日本の恥ですね(笑)」
高 任:「そりゃ、俺の高校時代の野球部監督みたいに『整列したときに髪の毛の色がバラバラと恥ずかしいから、髪の毛の長さを揃えるぞ…ちゃんと散髪してこい。なんなら、ワシが刈っても良いぞ』とか言って、四国大会前に野球部員の髪の毛をバリカンで刈っていくのはやりすぎだと思うが(一同大爆笑)」
ラオウ:「髪の毛の色?」
高 任:「ああ、丸坊主ってあんまり薄いと青くなるじゃないですか。俺とかは髪の毛が濃い方だから二枚刈りで、薄いヤツとかは三枚刈り……ってな感じ。とは言っても、実際に刈られたのは3人ぐらいですが(爆笑)」
吉 井:「や、笑い話なんですか、それ?」
高 任:「まあ、入部するときにそういうクラブってのは説明されましたからね。ま、遠征時の礼儀作法に関してはきっちり指導されましたし、少々行きすぎの部分はありましたが全体的に見れば教育としては間違ってないと思いますよ」
ラオウ:「まあ……高任さんとこの野球部が特別ってわけでもないですからね。全国を目指すような体育会系の酷いところは本当に酷いですから」
高 任:「……話をちょっと戻しますが、大学の陸上部では試合前日に東京まで青春18切符で行ったときとか、名古屋まで原付で行ったときは当時の主将にめちゃめちゃ怒られましたなあ。『選手のくせに何やってるんだ、バカヤロー』って(笑)」
ラオウ:「無茶苦茶ですな……どっちがとは言いませんが(笑)」
高 任:「金がないと、学生にとって関西から東京は果てしなく遠いですからね」
ラオウ:「お前さっき、北海道がなんとなく行ける身近な場所とか言ってなかったか?(大爆笑)」
高 任:「行けるヤツは行けるし、行けないヤツは身近でも行けない(笑)」
吉 井:「ラオウさんは……北海道に行ったことあったんですよね?」
ラオウ:「ええ、仕事の関係で札幌には」
高 任:「(このゲームに関して)札幌は、眼鏡さんの街なのです(爆笑)」
吉 井:「隠しキャラの笙子も、眼鏡キャラというかサングラスキャラというか
高 任:「うむ。鳩に弁当を食べられてる時のあのポーズは、個人的にポイント高いな(爆笑)」
ラオウ:「なんじゃそりゃ?」
高 任:「いや……(立ち上がって)……こう、こんな感じで、全然弁当箱を守っていないところがなんとも(笑)」
吉 井:「……『虹色町の奇跡』で中華街にいる時の真由美先生のポーズっぽいですね
高 任:「いや、アレは確か左手を腰にあててこうだから……」
吉 井:「あれ……(立ち上がって)……確かこうでは?」
高 任:「ん?……いや、しかし…」
吉 井:「でも……」
ラオウ:「……二人揃ってどこに行くつもりですか?(笑)」
高 任:「いや、この前近所のゲーセンで復活してたので、虹色町に忘れてきた大切な何かを取り戻す旅に(笑)」
吉 井:「俺は眼鏡娘のところてん前髪が許せんかったんですよっ!(爆笑)」
ラオウ:「せめて、対談終わってからにしてください
 
 
高 任:「……と言うわけでデスね、俺を永住させるほどの眼鏡さんがいるならばと思って、初っぱなから札幌に飛び立ったワケですが」
ラオウ:「まあ、選択肢の一番上というか……どうせならこっちに遊びに来たら?というメールを返してくれた高校時代の友人のいる街だからなあ」
高 任:「夏花さん(友人の母親)サイコー(爆笑)」
吉 井:「そう来ましたか…(笑)」
高 任:「俺的には一番魅力に溢れてるキャラなんですが、やっぱりエンディングはないですな……友人との会話で、迷うことなく『タイプだ…』の選択を選んだんですが(大爆笑)」
ラオウ:「エンディングあったらさすがにまずいだろ(笑)」
高 任:「しかし、札幌っていい街ですね(大爆笑)」
ラオウ:「ちょ、ちょっと待て…」
高 任:「ラオウさん、気をつけてモノをいわんと札幌市民180万人を敵にまわすぞ」
吉 井:「あれ?札幌市の人口って180万人なんですか?」
高 任:「確か、2000年の統計でそんなデータを目にした覚えがあるんですけど」
ラオウ:「そうじゃなくて、高任さんの『札幌っていい街』の根拠がこのゲームの眼鏡娘になってないか?(笑)」
高 任:「ラオウさん…」
ラオウ:「何だよ」
高 任:「何かを好きになるってのは大抵ちょっとしたきっかけから始まるもんなんですよ。ラオウさんはそのちょっとしたきっかけさえも否定するわけですか?」
ラオウ:「口元に妙な笑みを浮かべたまま適当な正論を述べるな(笑)」
吉 井:「……」
ラオウ:「なんか今日は、吉井さんの沈黙が痛い(笑)」
高 任:「ところで俺は『北へ。』の続編が出るとか聞いたときは、てっきり『もっと北へ。』とかにタイトル変更して、遙かシベリアとか、オイミャコンを舞台にするとか思ってたんですが
吉 井:「北に行きすぎ(笑)」
ラオウ:「そこでさらりとオイミャコンという都市名が出てくるあたり、地理選択者というか(笑)」
吉 井:「は?」
ラオウ:「人が定住している地域における最低気温観測地です(笑)」
 
 1993年に、マイナス71.2度を記録……高任の昔の記憶ですので、ひょっとするとどこかで更新されたかも知れませんが。
 ちなみに、定住していない場所なら南極のヴォストーク基地の、マイナス89.2度。(上に同じく、更新されてるかも)
 
吉 井:「しかし、前作は北海道と言ってもかなり限られた地域で、キャラ同士のつながりもあったりしたわけですが」
ラオウ:「今作は都市ごとに隔離ですね……文字通り、ギャルゲーの基本形とも言うべきワンショット・ワンキルというか(爆笑)」
吉 井:「すごいイヤな表現ですね」
高 任:「じゃあ、同時攻略可能のギャルゲーは、キャッチアズキャンですか?(一同大爆笑)」
吉 井:「……手当たり次第はどうかと」
ラオウ:「まあ、舞台が北海道というところが『北へ。』のカラーで」
高 任:「んー、『北へ。』の二番煎じ、三番煎じみたいなゲームが出てた様な気もするが……まあ、前作のターニャとか、今作ではスオミが登場するのが、ある意味『北へ。』のカラーの一部と言えば一部とも言えるんでしょうね」
吉 井:「ターニャに関しては狂熱的な支持者がいたらしいですからね……やはり、北海道は北方に開かれた窓口というイメージがあるんですかね?」
高 任:「ターニャですか……また新しいガラスの色を探してるんですかね……ってのはともかく、最初にリピンスキーって名前を見た時は、おいおい、そいつは男性形だぞ……とつっこんだんですが(笑)」
吉 井:「まあ、外国語音痴の高任君が気付くぐらいですから、当然その名前には理由がありましたけど(笑)」
ラオウ:「で、今回はフィンランドと日本のハーフのスオミですが、その名前を聞いた瞬間『フィンランド?』とか連想しちゃったんですが、そのまんまでしたな(笑)」
吉 井:「中学の時の地理で、スオミ(森と湖の国)などと呪文のように覚えさせられましたよね……」
ラオウ:「と言っても、本来はフィンランド南部なんですけどね(笑)」
高 任:「スオミっていうフィン系部族が九世紀頃いた地域がいわゆるアレなんですけど、ノブゴロドを中心にスラブ系人種による膨張が始まった時代でもあるから……本来は、ロシアのカレリア南部も含んだ地域だったかもね」
ラオウ:「いや、カレリア部族もフィン系だろ?だから、同じフィン系部族が分かれて、いわゆる区別するためにスオミ部族とカレリア部族になったのでわ?」
吉 井:「めちゃめちゃ話が横滑ってますけど……っていうか、そんな話全然わからないんですけど(笑)」
高 任:「じゃあ……スオミと言えば……冬編のラストで、『君が望む永遠』の某修羅場を思い出したプレイヤーいないですかね」
吉 井:「俺めっちゃ思いだした(笑)」
高 任:「私はあなたを愛しています。だから私を愛してくれませんか…って、ほぼそのまんまですからね、スオミの夏編のラストシーンは大好きなんですけど、冬編は頭の中にあの修羅場が浮かんで首をひねったり(笑)」
ラオウ:「まあ、努力の報酬をきちんと受けてきた人間は本質的に恵まれた希有な存在なんですけどね……まあ日本では教育というか洗脳というか『努力すれば必ず報われる』的な、綺麗事が声高に叫ばれてますけど。良くも悪くも、あるレベルを超えたスポーツ選手ってのはそういうとこありますし」
吉 井:「そういう意味では、『君望』の水月のあれは人物設定に見合った台詞だったんですかね?」
高 任:「まあ、そういう話はおいといて……スオミのエンディングで親友と共に表彰台に昇るスオミがいて、真っ暗な部屋の中でつけられたテレビからそれが流れてるシーンって、ひどくバッドエンドな印象を受けません?(爆笑)」
ラオウ:「ああ、それそれ。なんか、主人公はかつての恋人の活躍を暗く見守ってるのかな……なんて(笑)」
吉 井:「なんか、今は別れちゃったんだねってなシーン演出ですよね」
高 任:「それいうと、札幌が誇る眼鏡娘(笑)の京子のエンディングも微かにそんな雰囲気ありますよね。かつての恋人の授賞式に花を贈る……みたいな(爆笑)」
ラオウ:「うんうん。シーンとしては決まってるんだけど、つき合ってるならそこに花束を贈るかなあ……とか思うと、やっぱり別れちゃったのかなあなんて(笑)」
高 任:「〜流れる雲のように〜♪(一同大爆笑)」
ラオウ:「た、高任さん……アンタって人は(笑)」
高 任:「いや、これを狙ってこの話題を振ったからな(笑)」
吉 井:「やばい…なんかこのゲームに対する印象が壊されていく…(笑)」
 
 
ラオウ:「そういえば、なんか北海道というか小樽だかどこだか、石〇裕次郎の記念館があるとか愚母から聞いた記憶があるのですが?」
吉 井:「んー、観光ガイドと言ってもいわゆる公共性の強い名所をメインにしてるみたいだからなのでは?」
ラオウ:「……食い物屋って、公共性強いのですか?」
吉 井:「ま、それはそれということで…」
高 任:「あの……攻略に関して次は何をすれば良いか教えてくれる(事もある)『旅ナビ!青春占い』が石原〇次郎なのでは?」
吉 井:「は?」
高 任:「いや、『さぁ〜こいっ!よしっ、バシッと来たぜっ!』なんて台詞回しは、めちゃめちゃ石〇裕次郎じゃないですか。『おいらはドラマー〜♪』ってな頃の…」
ラオウ:「ごめん、よーわからん(笑)」
吉 井:「観光名所といえば……今作において、ある意味北海道観光ガイドとしてそれなりに完成しましたよね」
高 任:「なんせ、連絡先までありますし(笑)」
ラオウ:「まあ、5年10年経ったら、連絡がつかないとこがぽこぽこでてきだすんでしょうけど(笑)」
吉 井:「確か、2003年1月の状況……ってな注意書きがありました(笑)」
ラオウ:「……って事は、ゲームの中に出てくる映像とか背景写真は、多分2002年から2003年にかけて撮られたモノって事ですな」
高 任:「夏と冬の映像撮るのって、めちゃめちゃ手間暇かかってるんでしょうね」
吉 井:「んー、北海道ってハドソンの地元でしょ?そのあたりの絡みがあるのでは?」
ラオウ:「ああ、地元なら取材とかも結構スムーズに行くかもね……単なる推測に過ぎませんが」
高 任:「そういや、北海道ってなんかカップルが名前を刻んだ鍵とかかけていく場所って無かったですか?」
吉 井:「……なんかそういう場所があるのは聞いたことあるような気もするけど、ほんとうに北海道かな?」
ラオウ:「……鍵をかける?」
高 任:「別れないという決意表明なのでは?
ラオウ:「〜流れる雲のように〜♪(爆笑)」
吉 井:「……そのネタ、すっごく後をひきそうなんですけど」
ラオウ:「こういうのって、一旦意識に刷り込まれるとそれを連想させるあらゆる状況で思い出したりしてしまいますからね」
高 任:「ゲームやってて感動の告白シーンなのに、何故か頭の中で鳴り響くあのメロディ(笑)」
ラオウ:「〜流れる雲のように〜♪(笑)」
高 任:「映画や小説読んでても、そういうシーンが来るたびに
二 人:「〜流れる雲のように〜(笑)」
高 任:「……やべえ、自分が仕掛けた罠に自分でかかりそう(笑)」
ラオウ:「そりゃ、自業自得だろ」
高 任:「こうなったら、対談読んだ人間を全て道連れに…(爆笑)」
ラオウ:「俺、君のそういうとこわりと好きだけど、それはやめとけ(笑)」
高 任:「もう手遅れなんじゃよーっ!(一同大爆笑)」
吉 井:「話を戻しますけど、実際の北海道民に言わせたら、全然ガイドになってないとかいう意見になるのかもしれませんが……このゲームを抜きにして、北海道でここに行きたいとかって場所ってあります?」
ラオウ:「……元々旅行が好きというわけでも無いですし、どちらかと言えば人の生活感が滲み出たような場所が好きなんで、観光名所はどうでも良いです(笑)」
高 任:「身も蓋もないな」
ラオウ:「んじゃ、お前は?」
高 任:「俺は……やっぱ、神威岳ですかね(笑)」
吉 井:「……神威岳って、日高地方でしたっけ?」
ラオウ:「吉井さん、ヤツの表情見れば想像つくと思いますが、多分択捉島にある神威岳の事だと思います(笑)」
吉 井:「政治絡みの話は勘弁してください」
高 任:「いや、あのあたりって沖合をながれる暖流とかの関係で夏は霧が発生して植物群にとっては特殊な環境になってるらしくですね、低地に高山植物が生えてたりしてなかなか貴重なポイントらしいんですよ」
ラオウ:「多分間違ってはいないんだろうけど、とってつけたような言い訳だな(笑)」
高 任:「……ごく現実的な希望を言うと、宗谷岬、知床岬、襟裳岬……」
ラオウ:「なんで岬ばっかりやねん(笑)」
高 任:「んー、後は冬の大雪山でゲッター3の偉大さを肌で知りたいな(大爆笑)」
ラオウ:「大雪山おろし……か。地元の人間が聞いたら怒るぞ」
高 任:「ま、あまり人の多いところは好きじゃないので」
吉 井:「コミケは?」
高 任:「吉井さん、コミケに人はいません。あの場所に集うのは、誇り高きハンターです(大爆笑)」
ラオウ:「……その称号に値するのは、ごく一部だと思うが」
吉 井:「相変わらず、どこまで本気なのか良くわかりませんが」
ラオウ:「こいつの場合、いつだって冗談で、いつだって本気なんです。まじめに考えちゃいけません(笑)」
高 任:「あ、俺このゲームをプレイするまで北海道に道の駅なんてのが存在するなんて全然知りませんでした」
吉 井:「……」
ラオウ:「……あのよ、道の駅って北海道だけにあるのと違うからな」
高 任:「ええっ、そうなんですか?」
ラオウ:「この男、怪しげな知識はあるくせにこういう知識はないんだよな…」
吉 井:「(ぶつぶつと)……知識の偏り具合なら、ラオウさんも結構人のことは言えない……」
高 任:「あれ?だって、北海道の道と道路の道をかけて道の駅じゃないんですか?」
ラオウ:「何故そこでかける必要がある(笑)」
 
 ちなみに、『道の駅』とは、市町村など公的な団体が設置している、道路利用者や、地域の方々のための休憩施設だとか。
 
高 任:「ところで、函館の温子ですが」
吉 井:「…?」
高 任 :「最初見たときは、中学生ぐらいかと思いました。まさか二十歳とは(笑)」
吉 井:「主人公と朝帰りまでやっちゃいますし(笑)」
ラオウ:「まあ、外見は北見の果鈴といい勝負ですね」
高 任:「果鈴といえば…」
ラオウ:「展開が早いな(笑)」
高 任:「自分で書いた童話を載せてるHP……あんらんじゅでしたっけ?その中の1つ『うそつきの村』って、めちゃめちゃ精神的な危うさを感じさせる内容だったから、そういうシナリオかと思ったのに、あんまり関係なかったみたいですな」
ラオウ:「……嘘つき?」
高 任:「ほら、花を育てる少年の…」
吉 井:「ああ、なんか自分で育てることに意味があるとかなんとか…」
高 任:「かなり前向きの内容にね、『うそつき』っていう、ネガティブなタイトルを付けるところにシナリオ担当の意図を感じたんですが」
ラオウ:「まあ、言われるとそうだね……表面的に眺めるなら、自分を励ます人間達を『嘘つき』だと思ってる……少なくとも全面的には信じていないってな精神状況を示唆したかっただけでしょう」
吉 井:「そういや自然気胸って具体的には…?」
ラオウ:「まあ早い話、胸膜腔内に空気がたまり、肺を圧迫して収縮させる病気というか、状態の事です」
高 任:「本当に早い話ですな(笑)」
吉 井:「そのぐらいなら俺だって知ってます(笑)」
ラオウ:「俺は医者じゃないから、それ以上を求められても…」
高 任:「まあ……果鈴はいわゆるお兄ちゃんキャラなんですが……どうです?」
ラオウ:「どうです…とはどういう意味かね?」
高 任:「いや、『お兄ちゃん』の炎の3連呼に何か来るモノはなかったのですか?(笑)」
ラオウ:「……5ヶ月ぶりの対談だというのに、やはり君と僕の間には越えがたい大きな川が流れているような気がするのだが」
吉 井:「(ぼそっと)…まあ流れてるでしょうね、轟々と」
高 任:「そういや、果鈴のイベントCGを全部埋めようとすると、冬編を最低6回クリアしなきゃいけないのはどうにかならないモノか(笑)」
吉 井:「ああ、行き先が2カ所で、ほっぺをつねるの選択が3種類のCGでしょ?」
ラオウ:「別に、全部埋めたところで、エクストラメッセージが聞けるだけだから、埋める必要はないと思うが(笑)」
高 任:「……というか、ゲームをクリア(バッドエンド含む)しないと、登録されないでしょ?」
吉 井:「ああ、どこでデートするかを選択してから1日終わらせてセーブしても、登録されませんね」
ラオウ:「……話題を変えるが、果鈴のシナリオって観光名所を回ってメールしなきゃいけないから、北海道旅行をしてる気分になる数少ないシナリオですよね」
吉 井:「冬編はともかく、夏編はあまりうろうろしてるとすぐにゲームオーバー(所持金10万円を使い切ると即ゲームオーバーに)になりますし」
ラオウ:「札幌の眼鏡娘のシナリオも、撮影絡みで稚内方面から知床まで足を伸ばすからアレですな」
高 任:「そういや、道の駅70カ所を全部回るとその場で即エンディングになるんですよね……スオミの攻略中だったからびっくりしたというか(笑)」
ラオウ:「へえ、30日が過ぎたり、金がなくなってのゲームオーバーは見たことあるけど」
吉 井:「北海道旅行の結果、手のひらに残ったのは数百円…(笑)」
高 任:「金がつきた…東京に帰ろう……って、どう考えても帰れんだろそれは(一同大爆笑)」
ラオウ:「友人に金を借りるしか……って、銀行に行けばいいのか」
高 任:「銀行残高があればな(笑)」
吉 井:「そういや、移動の途中で深夜になったら自動的に主人公が車の中で寝ますけど……夏とはいえ、知床あたりだと厳しそうですよね(笑)」
高 任:「まあ、第二次世界大戦の最中に例の労務者刈りで朝鮮半島から北海道の炭坑に送られ、終戦間際に脱走して終戦を知らずに13年ほど北海道で潜伏してた朝鮮人の苦労には及ぶべくもないでしょうが」
ラオウ:「おや、それは初耳」
高 任:「まあ、グアムあたりでずっと終戦を知らずに潜伏してた日本人の記事は大きくとりあげられましたけど……まあ、言わなくてもわかるよね。本質的に日本もアメリカも同じだから」
ラオウ:「素晴らしいですね、報道の自由って(笑)」
吉 井:「……北海道で13年って、めちゃめちゃ厳しくないですか?」
高 任:「俺も何かの本でその事実を初めて知ったときはびっくりしました」
ラオウ:「どうでもいいが、さっきの脱線のネタといい、かなり洒落にならない話題を展開してる気がするぞ」
吉 井:「……確かに」
 
 
吉 井:「……ああ、帯広の明理がまだネタになってないですね」
ラオウ:「函館の温子は、一瞬で話題を変えられましたが(爆笑)」
高 任:「いや、個人的に温子というキャラは結構好きなんですよ。『あのねえ、時間をかけても変わらないから結論って言うのよ』ってなくだりは、きっぶの良い姐さんみたいでかなり好感度高いです……って、別にこのゲームの中で嫌いなヒロインがいるってわけじゃないですが」
吉 井:「主人公の友人も、いい奴ばっかりですからね」
高 任:「個人的には、函館の友人が好感度高いっす(笑)」
ラオウ:「まあ、ゲームの性質上イヤなキャラを登場させるわけにも…(笑)」
高 任:「北海道は良いところですから……って、その見方はさすがに穿ちすぎじゃないでしょうか?」
ラオウ:「いや、真面目に受け取られても困るんだが。ただの軽口に過ぎんし(苦笑)」
高 任:「……個人的には、明理ってちょっと影薄いかな……ってな印象がありますけど?」
ラオウ:「んー……ある意味オールマイティというか、そつのないキャラですからね。人間の長所と短所なんてのは幾つかの例外を除けば紙一重ですし」
吉 井:「プレイヤーによっては、『明理サイコー』ってな人も絶対いるでしょうし」
高 任:「確かに。ま、砂金堀りを楽しむお父さんは印象強いですね……どっちかというと、嫌いな性質を持ったキャラですが(笑)」
吉 井:「……砂金って、そんなに珍しいモノでもないですよね確か?」
高 任:「まあ、昔金鉱脈があった山の方の川で一週間ほど川底をあさって運が良ければ一粒ぐらいは見つかるかも知れないという程度には、珍しくないと思います(笑)」
ラオウ:「高任さんって、そういう言い回し好きだよなあ(笑)」
吉 井:「……何かこの対談って、『北へ。』の対談じゃなくて北海道とかそんな話ばっかりしてるような気がするのですが
高 任:「いや、それはそれで『北へ。』の対談と呼べるのではないだろうか?
ラオウ:「高任さん的な言い回しだと……ギャルゲーの名を借りた北海道旅行パンフという見方だけで考えるなら、この対談の方向性は必ずしも間違ってないかも知れませんね(笑)」
高 任:「しかし、北海道って良いですよね」
吉 井:「いきなり何を(笑)」
高 任:「いや、仮に自分の生まれ故郷をネタにこういうゲームを作れって言われて頭を抱えずにすむ地域ってあんまりないんじゃないでしょうか?」
ラオウ:「別に故郷を蔑むつもりはないが、T県では絶対に不可能だと思う(爆笑)」
高 任:「四国全体なら何とかなりそうですが……それでも、T県のネタは少ないような(笑)」
吉 井:「……多分それは、故郷に対する一種の照れでしょう」
ラオウ:「いや、根本的に北海道とは広さが違うというか……四国と九州合わせた広さでしょ?(笑)」
高 任:「T県で車を2時間走らせたら、隣の県に行ってしまいます(大爆笑)」
ラオウ:「吉井さんの出身地はいいですよ。観光名所に溢れてるじゃないですか」
吉 井:「んー、地元人間にはあんまり実感ないんですけどね……T県もそれと同じじゃないですか?」
二 人:「(口を揃えて)絶対に違います!」
吉 井:「そこまで力入れなくても…」
高 任:「いやね、先輩とか知人がT県を旅するたびに出身者の俺に文句を言ったのですよ……『なんであんなに何もないねん』とか」
ラオウ:「T県に観光名所がないのは俺のせいじゃないっ!」
吉 井:「な、なるほど…いろいろあったんですね(笑)」
二 人:「わかってくれればいいです…」
高 任:「……そういや、このゲームってヒロイン以外に名前の出てくるサブキャラが二人ほど……ひょっとしたらまだいるかも知れませんが、気付いてます?」
吉 井:「んー、1人は知ってますよ……『箕崎芽衣』(みさきめい)でしょ?大学の卒論で温泉の水質を調べてるとかの…」
ラオウ:「……ひょっとすると、どこかは忘れたが砂湯を瓶に入れて去っていったキャラですか?」
高 任:「ああ、それです。あの後、何カ所か温泉巡りをしてチェーンイベントを起こしたら最後に名前を教えてくれるんです」
ラオウ:「ほう…」
高 任:「ま、ところどころでモブとして登場してきますけど(笑)」
吉 井:「もう1人は?」
高 任:「ああ、次に行く場所のヒントをくれるんで楽と言えば楽なんですが、うろうろと北海道巡りをする必要が(笑)」
ラオウ:「それは、めんどそうだ」
高 任:「名前が『北辺鶴』(きたへつる)なんで、なんかエンディングあるのかなと思ったんですが……ちなみに、神戸からの旅行者だとか」
吉 井:「……宗谷岬で、なんか旅行者同士がカップルになったようなキャラが出てこなかったか?」
高 任:「あれは、あの場所単独みたいですね……色々さがしてみましたが」
ラオウ:「……何やらゲーム内において、北海道を満喫したようだね(笑)」
高 任:「うん、これで後は旅行ガイドさえ頭に叩き込めば『この前北海道に行って来たよ…』などと、臆面もなく嘘がつけるかも(一同大爆笑)」
ラオウ:「まあ、高任さんがそういう嘘をついたからといって誰が困るというわけでもないし(笑)」
高 任:「(棒読み)……T県って観光名所がいっぱいで、旅行地には最適ですよ(爆笑)」
ラオウ:「その嘘はいっぱい人に迷惑かけるからやめろ
 
 余談ですが、この対談の後日に後輩のY君が四国というかT県を旅して、『何もないですね…』などと電話で呟いてくれたり。(笑)
 
高 任:「さて、ギャルゲーらしいネタに戻りますが(笑)」
ラオウ:「ふむ?」
高 任:「前作の『ホワイトイルミネーション』にはきちんと目的があったというか……今作のエンディングにおける『ダイヤモンドダスト』……あれって、単なる絵合わせ作業っぽい感じがしないですか?」
吉 井:「……と、言うと?」
高 任:「んー、冬編のラストで二人でダイヤモンドダストを見る……で、その後唐突に相手キャラが告白なりなんなり自分の真情を吐露するわけですが、そこに必然性というか、説得力が乏しいような気がして」
ラオウ:「ああ、それはあるな」
高 任:「俺個人の解釈なんですけどね……このゲームのシナリオ全部じゃないですけど、『偶然主人公と出会えた幸運』ってのを、相手キャラが妙に強調してる部分が多いじゃないですか」
吉 井:「確か……温子とか京子とか、顕著ですね」
高 任:「で、ダイヤモンドダストも北海道の限られた地域で、気象条件が揃わない限り見られない……いわば、二人がそれを見られたのは偶然というか幸運だったわけで」
ラオウ:「……なんとなく言いたいことがわかった」
高 任:「多分……そこらの絡みは当然意図していたと思うんですが、だったらシナリオ上で、相手キャラにとってダイアモンドダストを二人で見るという行為に何か特別な意味を持たせなきゃ……少なくとも、それをプレイヤーに匂わせる表現をしなきゃイカンと思うんですよ」
吉 井:「深い…(笑)」
高 任:「例えばスオミだと、『フィンランドと同じ…』ってな一言を混ぜたら、『あなたがフィンランドに来てくれたらいいと考えるのはもうやめます…』ってな部分の告白はぐっと必然性を増すと思うんです。フィンランドと日本云々じゃなくて、単に幸運を強調する演出でも良いと思いますし」
ラオウ:「……そういう意図が開発者にあったと仮定しての話ですが、それぞれキャラのラストではプレイヤーにそういう部分は伝わって来ないね」
高 任:「笙子あたりは笙子自身に誘わせて…『やだ…ホントに見られるなんて…』とか呟かせた上であの告白なんかされたら俺はもうダメですし(笑)、とにかく他のキャラに関してもその方がゲーム的にはビッと一本筋が通るというか」
吉 井:「筋…って(笑)」
高 任:「だって、そうじゃないと『何故ダイアモンドダストを見に出かけたのか?』ってな説明が付きませんやん。夏の主人公は『なんとなく』北海道に出かけたかも知れませんが、冬は『大好きなあの娘に会いに』行くんであって、主人公および相手キャラそれぞれの思惑が交錯する期間なんですよ。これからの二人の関係の方向性を決めようと決意させるだけの意味合いを持たせないと、ただ単にラストでダイアモンドダストを見てお終い……じゃ、北海道ではこんなモノが見られますってな、絵合わせ作業そのものでしか無いというか……それこそ、『なんとなく』じゃないですか」
吉 井:「……た、確かに説得力はあるね」
ラオウ:「まあ、細事にこだわりすぎるきらいはありますが、この男の言うことは大概迷惑なぐらい説得力ありますからね(笑)」
高 任:「このゲームの完成度の高さを考えたら、やっぱりラストが惜し過ぎるというか……残念に思いますね」
吉 井:「俺も一応あのエンディングに至る経緯にはちょっと首を傾げてましたが」
ラオウ:「高任さんの理屈を俺は認めるが、その説得力がダメコモンセンスである可能性もあるよね(笑)」
高 任:「まあ、自分の感性が世間一般のストライクゾーンからデッドボール気味なのは認めるけど(笑)」
ラオウ:「え、気味?(笑)」
高 任:「ラオウさんなんか、ビーンボール気味やんけ(爆笑)」
吉 井:「……デッドボ−ルとビーンボールの違いって?」
ラオウ:「ビーンボールは狙って投げてるわけだから、私の感性は世間一般のストライクゾーンを本質的に外れてはいないと言うことです」
高 任:「自分にいいように解釈するな(笑)」
ラオウ:「おや?高任さんは自分の感性が世間一般のストライクゾーンから外れていないことが良いことだとでも?」
高 任:「言葉のあやです、ごめんなさい」
ラオウ:「ち、負けを悟って先に退いたか(笑)」
 
 
ラオウ:「……すまん、ちょっと飲み物を所望したいのだが(笑)」
高 任:「唐突にどうしました……はいよ」
ラオウ:「うむ、サンキュ……なんつーか、マジで疲れた……つーか、今日の対談テンポが速い上に長い(笑)」
吉 井:「それ考えるとラジオパーソナリティなんかすごいですよね。曲の紹介を挟む番組ならともかく、喋りっぱなしですし」
ラオウ:「……(お茶飲んでる)……と、笙子のラジオ番組ってやけに堂に入ってるけど、本職さん?」
高 任:「俺に聞くな……あ、そういやラジオ番組の初日に『コーン畑で捕まえて』って曲が流れますやん。あれって、前作の声優さんだよね」
吉 井:「ああ、何か曲の前に『久しぶり…』とか聞こえてきますね……歌自体は、『〜キャッチミーザ、コーン〜♪』の部分しか思い出せませんけど(笑)」
ラオウ:「まさかと思うが、そのぐらいの英語は分かるよな高任さん?(笑)」
高 任:「うむ、トウモロコシ畑を潰して野球場を作るんだな(大爆笑)」
吉 井:「そんな映画ありましたね、昔」
高 任:「ま、キャラBGMにそれぞれ歌があるんですよね、これ……観光名所になんでカラオケボックスがあるのか、最初は不思議で不思議でたまらなかったのですが(笑)」
ラオウ:「……気のせいかもしれんが、あの曲もまた笙子が妙に堂に入ってるというか」
高 任:「あの、ハスキーボイスがたまらんですな」
吉 井:「実は秘かにお気に入りですね、あのキャラ(笑)」
高 任:「いやもう、いろんな意味で殺されるかと思いましたわ……ただ、冬編で別れを告げようと思っていたはずなのに、事前収録したラジオ番組の内容がアレってのは納得いきませんけど(笑)」
吉 井:「……ああっ、そういえば!(笑)」
ラオウ:「いや、告白はするけど別れる……という大人キャラの黄金パターンを狙ってたのでは?」
高 任:「あ、そんなシナリオやられたら俺もうダメかも(笑)」
ラオウ:「いや、とっくにダメだろう、お前(爆笑)」
吉 井:「まあ…エンディングこそアレですが、かなりの高評価ですよね、これって?」
ラオウ:「北海道紹介というゲームデザイン上の束縛をきちんとシナリオに消化できてますしね……もちろん、ギャルゲーそのものを期待した人間にとってちょいと評価は別れるかも知れませんが」
高 任:「主人公が旅行者だから、相手キャラとの間でこれまで積み重ねてきたモノってのはある意味皆無……ってところに、ちょいとドラマ性を否定した感じを受けますよね。もちろん舞台が北海道だから仕方ないんですが、その部分で物足りないと感じるプレイヤーはいると思います
ラオウ:「まあ、ある意味『北へ。』のカラーというか、『北へ。』というゲームが背負った宿命というか……」
吉 井:「解説書の最初に、『北へ行くとなんで切ない気持ちになるんだろう…』とかありましたね……」
高 任:「……ラオウさん。札幌に着いたとき、切なくなりましたか?」
ラオウ:「まあ、いきなり吹雪でしたからね……いろんな意味で切なくなりましたよ(大爆笑)」
吉 井:「よりによって冬ですか…」
高 任:「〜春も夏も秋も冬もね〜♪(一同大爆笑)」
吉 井:「……なんだかんだ言いながら、主題歌の破壊力に関しては前作の足下にも及びませんな(笑)」
ラオウ:「ゲームとしての完成度は今作が上でしょう……ただ、狭い意味でのギャルゲーとしてなら前作が上という人が多いかも
高 任:「〜胸躍る北へスキップ〜♪(笑)」
ラオウ:「……何がしたいんかね、君は(笑)」
高 任:「いや、なんとなく(爆笑)」
吉 井:「まさか、それが対談のオチとか言うつもりでは…」
ラオウ:「まあ、いいけどさ…」
 
 
 お買い得度…… 9
 操作性………… 8
 音楽…………… 8
 再プレイ度…… 8
 北海道度………10
 絶対値評価…… 4
 
 
 さて……対談ではああいうこと言いましたが、このゲームをプレイして実際に北海道を旅行した気分になれるかというと、答えはノー。(笑)
 観光名所によっては動画があったりしますが、やはり観光ガイド以上ではあり得ないわけで……少なくとも高任はそう思います。
 問題は……このゲームをプレイして、実際に北海道に行きたくなるかがこのゲームの目的というか本質の筈。(笑)
 ゲーム的にはまず問題ない出来の良作なのですが、ギャルゲーというカテゴリーに収めて良いモノか?…ってな感じを受けます。つまり、ギャルゲーを期待してこのゲームに手を出すとちょっと期待を裏切られるかも……とだけ明記しておきますね。(笑)

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