お題…『君の望む永遠(WIN)
 
 まあ、パソゲーとはいえ大分騒がれたゲームで、かつPS2やDCに移植が決定なんかもされてるみたいなので詳しい説明は多分不要でしょう……などと書くと無責任だと怒られそうなので簡単に説明を。
 
 主人公、鳴海孝之は高校3年生(ゲーム開始時)で、特にこれといった将来のビジョンを持たないまま日々を過ごしている平凡な高校生。
 多少変わっているという点は、父の転勤に母がついていき、主人公が下宿で1人暮らしを強いられているぐらい。
 ただこれといってやりたいことがないせいか、成績はあまり芳しくなくエスカレータによる内部進学はちょっと無理っぽい……否応なしに人生の岐路にさしかかる高校3年生の夏、物語はそこから始まる。
 
 多重恋愛AVGと銘打ってる通り、第一部と言うよりはプロローグとしてキャラクターの関係を把握するような形の前半部分はともかくとして、第二部からはどうあがいても究極の二股を迫られます。
 あれだけ騒がれて今更という気がしないでもないのでちょっとばらしますと、主人公がデートの待ち合わせに遅刻したせいで事故にあった恋人の遙はずっと意識不明のまま眠り続けている。
 事故以来罪の意識にかられて完全に無気力状態に陥った主人公を必死で支えたのが、遙の親友である水月……それはやがて2人を結びつけ、主人公はゆっくりと日常を取り戻していく……そして、事故から3年。
 意識不明のまま眠り続けていた遙が目覚めたところから第二部が開始……
 はしょって説明しましたが、はっきり言ってこの時点でこのシナリオ詰んでます。(笑)この時点で、明るくハッピーな恋愛モノという意識はどこかに捨てちゃってください。
 ちなみにヒロインは、遙、水月、そして遙の妹茜の3人。この3人のいずれかのエンディングを迎えると、サブキャラ4(5?)人のエンディングが迎えられるようになってます。
 
 さあ、主人公は泥沼をかき分けるようにして誰と時を重ね合わせて生きていくことを決心するのか?
 それとも、ドロドロの愛憎劇から逃亡して違うキャラと新しく人生をやり直すのか?
 
 余談ですが、2001年8月3日に発売され、CGの一部でモザイクが甘かった等の理由で一旦回収騒ぎが起き、10月(?)に修正して販売されました……って、本当にどうでもいいやね。(笑)
 
 
ラオウ:「……何というか、今更どうしてこの対談を?(笑)」
吉 井:「いや、このゲームは危険ですよ。眼鏡娘属性を持つ1人の人間として立ち上がらざるを得ないと言うか(爆笑)」
高 任:「え?『メモオフ2』の主人公とこのゲームの主人公のどっちがヘタレかという事について語り合うつもりじゃなかったんですか(一同大爆笑)」
吉 井:「メモオフ2』の主人公よりこのゲームの主人公の方がヘタレだと思う
高 任:「むう、どう考えたって『メモオフ2』の主人公の方がヘタレですよ、決まってるじゃないですか
ラオウ:「いきなり何を話してますか?」
吉 井:「ラオウさんはどう思います?」
ラオウ:「どっちもヘタレですって…
高 任:「また身も蓋もない…(笑)」
ラオウ:「それ以前に、ゲームの質が違うんですから比べること自体がナンセンスですよ。馬鹿馬鹿しい」
吉 井:「質?」
ラオウ:「メモオフ2』は主人公のヘタレ行動で状況が悪化していくゲームですけど、このゲームは既に状況が最悪なので主人公がどうあがいてもヘタレっていうか、ゲームの設定として主人公がヘタレなんです!(爆笑)」
高 任:「なるほど…相変わらずラオウさんの言葉はいちいちもっともだな(笑)」
吉 井:「第一部で主人公が遙とつきあい始めるのがファーストヘタレですよね?(大爆笑)」
ラオウ:「ファ、ファーストヘタレって…」
高 任:「吉井さん、勝手に日本語を作ったらめーです(笑)」
吉 井:「……ところでお二人が主人公の立場だったとして、第一部で遥に告白されてそれを受けますか?」
ラオウ:「受けません。あの時点で気軽にオーケーを出す神経がイヤ……まあ、価値観の違いもあるでしょうが」
高 任:「遙というキャラ云々の問題じゃないですけど、俺も受けません」
吉 井:「……と言うことは、第二部開始時の状況ってのは、お二人にとって起こり得ない状況だと思いません?」
ラオウ:「ま、そりゃそうですけど…」
高 任:「何が言いたいんですか?(笑)」
吉 井:「それでセカンドヘタレが、遙が眠っている間に水月とくっついちゃった事。この2つに関してはユーザーが全く関与できないでしょ?もう、その時点で、主人公に感情移入できないと言うかなんというか…」
ラオウ:「じゃあ『メモオフ2』の主人公には感情移入できたとでも?(笑)」
吉 井:「そりゃできませんけど(爆笑)」
高 任:「このゲームの場合既に状況が固まっちゃってるじゃないですか。俺としてはその分、この主人公には情状酌量の余地があると思ったんですけど…」
ラオウ:「……どのみち、ゲームとしての出来は……というかテキストの出来は『メモオフ2』よりこっちの方が遥かに出来がいいですからどうでも良いと思いますが
 
 いきなり、大脱線。(笑)
 
高 任:「しかし、このゲームをコンシューマーに移植されるらしいけど……水月シナリオもそうだけど、マナマナのシナリオがどうなるのかって凄く興味があるんですが
吉 井:「18禁抜きではどうにもならないと思います(笑)」
ラオウ:「と言うより、あのシナリオ自体を削られる可能性が高いと思う(爆笑)」
高 任:「む、むう…またこうして1つ眼鏡娘の星が落ちていく(笑)」
吉 井:「こんな星、落ちた方がいいです(爆笑)」
高 任:「何言ってるんですか、コンシューマに移植されるにあたって、ヒロインの1人へと生まれ変わるぐらいの希望を持ってですね…」
ラオウ:「(さらっと聞き流しながら)…ところで、マナマナ恐怖症は克服しましたか?」
吉 井:「まあ、ああいう眼鏡娘もいるってことで……あのシナリオに関しては主人公の行動は無茶苦茶不可解ですけどね(笑)」
ラオウ:「……って言うか、別れ話を切り出した後で、主人公自身が異常だと思っている女に背を向ける神経が信じられませんよね、無防備すぎます(大爆笑)」
高 任:「おいおい…」
吉 井:「まあ、階段から突き落とされても自業自得というか…アパートとかの狭い階段だと受け身もとれませんし」
高 任:「で、気を失った主人公を拉致監禁および極限状態まで追いつめてから洗脳ですか……まるで『螺旋回廊』のシナリオみたいですな(大爆笑)」
吉 井:「あれは……ああ、そう言えばあれってアージュの別ブランド名でしたっけ?」
高 任:「ちなみに年末に『螺旋回廊2』がでましたが、プレイしててあんまり気分の良いゲームじゃないですね(笑)」
ラオウ:「はいはい、話を逸らさない…(笑)」
高 任:「全然関係ないんですけど、『がんぱれ』やってて『別れてくれ』の提案を成功させたことがないんですが……」
ラオウ:「話を逸らすなというのに…」
吉 井:「『果てしなく青いこの空の下で…』のコンシューマー移植が、目を覆うような出来だったという知人からの情報が…」
ラオウ:「だから話を逸らさないでくださいって……」
吉 井:「逸れてませんよ…」
高 任:「確かに(笑)」
ラオウ:「移植の話とかはおいといて、ゲームについて語りましょう」
高 任:「珍しいな、ラオウさんが間違うとは…」
吉 井:「花粉のせいですね、花粉の…(笑)」
ラオウ:「……春なんて嫌いだ(爆笑)」
高 任:「まあ……治療方法が見つかるのが先が、国民全員が花粉症になるのが先かってとこですな」
ラオウ:「だーかーら、花粉症の有志を集めて国有林の手入れのアウトソーシングで一気に解消ですって(一同大爆笑)」
高 任:「次の年にはいっぱいワラビが生えるかも知れませんねえ(爆笑)」
吉 井:「僕、今の話は聞かなかったことに…(笑)」
 
 再び脱線……もちろん冗談なので良い子は真似をしたり実践しようと考えたら駄目です。(笑)
 ちなみにワラビ云々ってのは、山火事の翌年って陽当たりが良くなってそのての山菜がいっぱい生えたりすることがあるのであしからず。ただし、針葉樹林の山でもそういう現象が起こるのかどうかは自信がありませんが。(笑)
 
ラオウ:「……しかし、この主人公ってどういうエンディングを迎えようが、何らかのそしりを受けることは免れないよね?
高 任:「欧米の昔話なんかだと、『ここにある宝箱の鍵をなくしてしまったので新しい鍵を作りました。しかし、その後で昔の鍵が見つかったのです。私はどうすればいいのでしょうか?』などと宣言して、『新しい鍵は捨て、慣れ親しんだ古い鍵を使うべきである』なんて一言で終わっちゃうんですけどね(爆笑)」
吉 井:「何それ?」
ラオウ:「ああ、海外の昔話にはそういうの多いんですよ……夫や恋人が行方不明になって新しい伴侶を迎える段になって発見されるってのが(笑)」
高 任:「根底に宗教を元にした道義的思想が流れてるんですけどね……元の恋人と再びくっついてハッピーエンドにという結末ばかりです」
吉 井:「じゃあ、このゲームだと遙とよりを戻して大団円に?」
高 任:「大団円かどうかはちょっと……でも、それが筋でしょ?」
ラオウ:「どう弁明したって、形式的には主人公が浮気してるんだから(笑)」
吉 井:「あゆに言わせると、『このクソ虫のヘタレっ子』ってとこですか(大爆笑)」
高 任:「いいですよね、あゆ。名字が大空寺というのがさらにポイント高い(一同大爆笑)」
ラオウ:「高任さん、全然意味が不明なんですけど?」
吉 井:「同じく」
高 任:「わからないならそれはそれで良し!(爆笑)」
ラオウ:「……また、どっかにマイナーな眼鏡娘でもいるんだな」
吉 井:「……でしょうね」
高 任:「いや、別に眼鏡娘と決まったわけでは……」
ラオウ:「じゃあ、話を戻しますけど…」
高 任:「聞かないんですか?」
吉 井:「実は聞かせたいとか?(大爆笑)」
ラオウ:「……まあ、ゲームをやった限りでは、事故から一年ほど過ぎた秋口に遙の父親からもう見舞いには来ないで欲しいと言われてるわけだから……主人公が水月とつきあいだしてから長くても精々1年半と言うところだよね」
高 任:「うわあ、またこの人なんか理詰めで考えてきてるよ(笑)」
ラオウ:「ん、どうも人間関係が時間的にひずんでいるような気がして……」
高 任:「じゃあ、真面目に答えるけど……」
ラオウ:「じゃあ…ってなんですか?(笑)」
高 任:「水月が自分の誕生日のカレンダーに赤丸つけるエピソードがありますよね……それらの前後関係を考えると、主人公と水月がつきあい始めてからまだ一年ちょっとだと思います」
吉 井:「……その推理おかしくない?」
ラオウ:「でも……主人公自身がある程度落ち着きを取り戻しつつあった頃に『お見舞い禁止』を言い渡されたわけで…それからまた落ち込んでとか考えると妥当な線かも」
高 任:「うん、茜とかのエピソードとかを見る限りでは、最初の一年の間主人公は誰かに支えられてると言う自覚はない上に、他人とろくな会話を交わせる状況じゃなかったのは間違いないから……自分が落ち込んでるという自覚を持ったのは遙の見舞いに行かなくなってからのことだよね?」
吉 井:「……反論できないって言うか、そんなこと何の関係があるの?(笑)」
高 任:「こういうお話で、主人公の精神状態の推移ってのは重要ですよ」
 
 ちょっとイヤな方向に話が脱線。
 
吉 井:「しかし……いくら何でも『もう見舞いに来ないで欲しい』っていうかな普通?いくら主人公の身体を心配したからって、ちょっと考えれば遙へのお見舞いが主人公にとっての最後のよりどころというのは想像に難くないと思うんだけど…主人公が自殺するとか考えなかったのかな?」
高 任:「あ、父親がそう言いたくなる気持ちは何となくわかる」
ラオウ:「わかるんかいっ!(爆笑)」
高 任:「もちろん主人公を心配する気持ちもあるんだろうけど、多分娘の病室で主人公を見るたびにいたたまれない気持ちになるんだなきっと」
吉 井:「は?」
高 任:「いや、想像してみて……自分だってもちろん娘が心配じゃないというわけじゃあない。でも、娘の入院費はもちろん家族のために、否応なしに自分は仕事を含めた日常生活に帰る必要があり、その過程で娘の見舞いにいけないこともある。他に守るモノがある…そうやって言い訳をして心の後ろめたさをごまかそうとしてるのに、主人公が自分の人生をなげうつようにして毎日一日中娘の側にいる……それは家族にとってどう考えたって辛いよ?主人公を見るたびに自分たちは娘に対して全てを捧げていない事を思い知らされるわけなんだから…」
吉 井:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「何よ?」
ラオウ:「いや……ヨミが深いな」
高 任:「だてに歳は取ってない(笑)」
吉 井:「でも、3人ともいい年してゲームについてそこまで語りますかというツッコミが痛い(大爆笑)」
高 任:「おじいちゃん、それは言わない約束でしょう(笑)」
吉 井:「誰がおじいちゃんですか(笑)」
ラオウ:「まあ、父親の一言で本当に見舞いに行かないようにする主人公も主人公と思わないでもないけど…」
高 任:「まあ……スポーツとかやってたらね、『君のこれからの将来を考えて……』なんつー反吐の出るような台詞を聞く機会が多いのよ。ただ、大抵の人間はその台詞を言い訳にして自分をごまかしていくから別にこの主人公が特殊ってわけでもないよ」
ラオウ:「……身体が故障まみれなのは知ってるけど何回聞いたの?(笑)」
高 任:「秘密(笑)」
吉 井:「……そこ、スポ根時空を展開しない(大爆笑)」
高 任:「あ、でも遙のリハビリシーンはスポ根してたから全然無関係って事でも(笑)」
ラオウ:「リハビリねえ……そういや高任さん、あんたも肘のリハビリしてたな」
高 任:「日常生活を支障なく行うまで2週間と言うところか(爆笑)」
吉 井:「早過ぎる……って言うか、リハビリ違うでしょそれ(笑)」
高 任:「医者に、『なんで、もうそんな自由に動かせてるの!』と言われました(笑)」
ラオウ:「別に日常生活をするために手術したんじゃあるまいに…」
高 任:「まあ、その後2年続けても結局元には戻らなかったけどね。それであきらめもついた……医者はとっくに匙を投げてたけど(笑)」
 
 
高 任:「……ところで、ヒロイン3人の中では茜エンディングが一番罪深いのか?」
ラオウ:「まあ、遙と水月、2人乗り換えるわけですから」
吉 井:「んー、でもシナリオ的に一番さっぱりしてる様に感じましたが(笑)」
高 任:「でも、茜の立場=水月の立場ってことを薄々感じ取ってるのに茜にしか主人公の注意が働かない……まあ、人間余裕がなくなるとそんなもんだな」
ラオウ:「勝手に自己完結しないように(笑)」
吉 井:「あ、でも遙と主人公の子供を茜と主人公が2人で育てていくと決心するエンディングは何となく好きですが(笑)」
高 任;「ああ、主人公はともかく茜が一番素敵なキャラになるエンディングですね」
ラオウ:「そ、そうなのか?高任さんは、ああいうキャラが精神的に好みなのか?(爆笑)」
高 任:「目標が何であれ、何かに向けて腹を据えた瞬間の人間ってのは格好いいよ…」
吉 井:「マナマナ主人公を拉致監禁すると決めた瞬間って格好いいのかなあ(一同大爆笑)」
ラオウ:「……やっぱりダメージでかかったですか?」
吉 井:「……って言うか、主人公が追いつめられて狂気に陥っていく有様があまりにお粗末でしょ?おいおい、そりゃねーだろって感じでちょっと」
高 任:「……まあ、主人公との連絡のためだけに携帯を即日購入したりする時点で気付よってなツッコミ所は満載ですが(笑)」
ラオウ:「いや、主人公はそのころ遙と水月の3角関係に疲れ果ててたから(爆笑)」
高 任:「……俺、このゲームやりながらずっと『燃えよペン!』の漫画を思い出してたんですけどね(笑)」
吉 井:「ああ、わかります…」
ラオウ:「実は主人公のことを影から見つめている第三の女がいて…の話でしょ?(大爆笑)」
高 任:「あれなんか、このゲームだとそのままコラージュで使えるでしょ?」
吉 井:「第三の女って、マナマナですか?(一同大爆笑)」
高 任:「……ちなみにマナマナってのは、先月の対談『チョコキス♪』を参照していただきたい…」
ラオウ:「……マイクに向かって何を言ってますか?」
高 任:「いや、文章を起こすときに忘れちゃうかもしれないから…」
吉 井:「『チョコキス♪』の(仲間内での)評判はどうですか?」
高 任:「へへっ、俺は所詮狼少年よ(爆笑)」
ラオウ:「少年って歳かよ(笑)」
吉 井:「やさぐれてる…(笑)」
 
 注:『マナマナ』…このゲームのサブキャラで眼鏡娘の看護婦、穂村愛美のこと。
 心にトラウマを抱えており、勢い余って主人公『を』拉致監禁して調教してくれるという素敵なシナリオによって、無垢なプレイヤーに眼鏡娘恐怖感を植え付けるという素敵なキャラ。(笑)
 
高 任:「……第2部でね、主人公と水月じゃなくって主人公と茜がくっついちゃってる、もしくはそれに近い状態にあるってのが個人的には自然な流れかなと思うんですけど(笑)」
ラオウ:「何故に?」
高 任:「シナリオを隅から隅まで読むとね、遙の見舞いに毎日通ってたのは主人公と茜の筈なんだよね……で、主人公はいきなり見舞いに来なくなるでしょ?だとすると、その時点で茜がどういうアクションを起こすかと推理したら……結局は、父親が主人公にもう見舞いに来ないで欲しいと言ったことを知るはずだと思うんですよ」
吉 井:「ああ、なるほど…高任君の好きそうなシチュエーションですね(爆笑)」
ラオウ:「推理って言うか、妄想に近いような気もするが(笑)」
高 任:「そうするとね……親友に遠慮して必死で主人公への想いを振り払おうとしてた水月というキャラを汚さずにすむ上に筋が一本通るでしょ。茜の場合は、姉が目覚めたときのためにも主人公を遠ざけておくわけにはいかないという大義名分が与えられている分だけ汚れの度合いが少なくなるわけで話を進める上での設定的にも美味しいかなと……」
ラオウ:「それは高任さんにとってのみ美味しいのでは…(爆笑)」
高 任:「いやいや、第二部って水月との18禁シーンから始まってるでしょ?もう、この時点で主人公の立場が抜き差しならないところまで追いつめられちゃってるじゃないですか。これが、茜の場合だとそういうシーンを入れなくてもすむからかなりその後の展開のフットワークが軽くなると思うんですが」
吉 井:「ユーザーがそういうこと考えてもどうにもならないと思いますが(爆笑)」
高 任:「いやだって、そうすれば修羅場が(一同大爆笑)」
ラオウ:「そう言えばそうだったね、高任さん修羅場が好きだったんだよね!(笑)」
高 任:「だからそういう誤解を招く発言はだなあ…」
吉 井:「で、どの修羅場がお気に入りですか?
高 任:「そりゃあ遙シナリオの水月と茜の口論とか、主人公に向かってにっこり微笑みながら母子手帳を指し示して『やっと遥に勝てたのね…』と呟くバッドエンドの水月とかが最高!
ラオウ:「どこが誤解だどこが!貴様の言うことなど信用できるかあッ!(大爆笑)」
高 任:「…っていうか、このゲームは修羅場を楽しむためのゲームと違うんかい!」
吉 井:「多分違うと思う」
高 任:「そうでしたか(笑)」
吉 井:「そうですとも(笑)」
ラオウ:「まあ、確かに修羅場の3つ4つ起こるのが当然の設定だけどな…」
高 任:「しかし……そういうことを楽しみにしないと、すっごく後味悪いじゃないですかこのゲーム(笑)」
吉 井:「基本的に、いい話として仕上げようとしたんだけど設定がドロドロすぎて腐臭を消すのに悪戦苦闘したって感じを受けますが(大爆笑)」
ラオウ:「個人的には良いゲームに仕上がってるとは思いますが、やっぱりそのあたりで評価は別れるでしょうね……」
高 任:「……まあ、それ以前に主人公のヘタレがやっぱりイヤなんですけど
ラオウ:「なんつーか、サブキャラとのエンディングの方が主人公が生き生きしてるのはまずいだろっていう気はしますけど(笑)」
吉 井:「まあ、第二部の水月はかなり主人公にとってつらいキャラになってますからね……第一部とのギャップというか、主人公と水月との間に流れた時間がすっぽりと抜け落ちてるから感情移入という点ではかなり厳しいモノがあるでしょう
ラオウ:「確かにちょっと『某猫型ロボットチック』なキャラになってますよね。便利な道具というか……(笑)」
吉 井:「メインシナリオの苦しい部分のしわ寄せが全部水月に(笑)」
高 任:「第一部を見る限りでは非常に美味しいキャラなんですけどね…」
ラオウ:「あれ、高任さん水月がお気に入りなの?」
高 任:「何ですかその意外そうな言い方は?」
ラオウ:「いや、ここは男として『マナマナ最高だぜ!』とか宣言してみるのが君のキャラクターかと(爆笑)」
高 任:「ゲームの中だけで言うなら、大空寺あゆがぶっちぎってますが。あの『死ね、ぼけっ、踏め!』の名台詞は忘れようにも忘れられませんな。(大爆笑)」
吉 井:「普通、『あんですと』『猫のうんこ踏め!』のどちらかじゃないのかなあ?(笑)」
ラオウ:「『猫のうんこ踏め!』を罵倒言葉として使うって事は、このキャラの出身地って…(爆笑)」
高 任:「ラオウさん、それは勘ぐりすぎというモノだ……学生の頃、信州育ちの人間と九州育ちの人間がこれに近い言葉を使ったのを聞いた事がある(笑)」
ラオウ:「ふむ、方言じゃないのか(笑)」
高 任:「多分方言とかじゃなくて、各地方の生活から生まれたののしりの言葉だと思うよ。かつての馬の産地とか牛の産地へいくと、それぞれ馬糞とか牛糞に置き換えた言葉が使われていた例もあるし…」
吉 井:「すいません!話がすっごく逸れてます!(笑)」
ラオウ:「……このゲームの発売直後は茜に精神汚染された人が続出していたようだけど、世間的にキャラの人気はどうなんだろね?」
吉 井:「さあ……個人的にはやっぱりあゆですが」
高 任:「水月が第一部の設定通りに筋を通してくれればあゆといい勝負になったと思うんだけど……っていうか、自分を曲げるキャラ嫌い(笑)」
ラオウ:「……おめー、自分を曲げないから人生失敗してるんだろうが(爆笑)」
高 任:「失敗って言うな(大爆笑)」
吉 井:「ラオウさんも、ご自分を曲げるような人間には見えませんが?(笑)」
ラオウ:「ああ、基本的に目的のためには手段を選ばない人間なので」
高 任:「敵にまわすと一番厄介なタイプなので気をつけた方が(爆笑)」
 
 
吉 井:「ところで蛍ですが…」
高 任:「やはり、ゲームキャラで蛍という名前の死亡率は9割を越えるな(大爆笑)」
ラオウ:「ああ、天川さんのことか…なんというか、いい話なんだけど冷静に考えるといつの間にか主人公がメインヒロイン達をほったらかしにしてるところが凄かったね(爆笑)」
高 任:「人間って生き物はとても欲深で、たくさんのモノを一度につかもうとして大切なモノを指の間からぽろぽろとこぼしてしまうんだね(大爆笑)」
吉 井:「この主人公、特にその傾向強いですよね」
ラオウ:「それ以前に、この主人公自分が何を失ったかにも気がついてなかったと思うが(一同大爆笑)」
高 任:「いい話なのはおいといて、このシナリオの主人公もやっぱり無責任ですよね(笑)」
吉 井:「過去のことは忘れて、思いっきり新しい人生をやり直してますし」
ラオウ:「水月と遙はいい面の皮です(爆笑)」
高 任:「まゆのシナリオもそんな感じって言うか、言及されてないし(笑)」
吉 井:「でも、一番無責任なのは大空寺あゆのシナリオでしょう
ラオウ:「それは同感(笑)」
高 任:「いや、無責任も何も……主人公、ただばっくれただけですやん(一同大爆笑)」
吉 井:「結局病院からも逃げ出し、水月のこともほったらかし……あゆというキャラクターは好きですけど、このシナリオの主人公はもう救いようがないでしょ!(笑)」
ラオウ:「……なんつーか、一言で言うとてめえは何様だ?まわりの人間に聖人たることを求められてるぐらいえらいんかい!って感じでしたね」
高 任:「うっわあぁ、キッツいこと言いますな(笑)」
ラオウ:「……はっきり言うけどね、このゲームってとことん主人公が無責任でしょ?もう、後半になると『やってられねえ!』とか『逃げ出したい!』とか心の中でぶつぶつ考えるだけで、最後は結局他人任せになってるじゃないですか!(一同大爆笑)」
高 任:「あー、そのあたりが真面目な吉井さんには耐えられないと(笑)」
吉 井:「どうもお二人ほど弁が立たないんで上手く言えないんだけど、こういうちょっといい話のシナリオは主人公の毅然とした態度が最低限求められると思いませんか?」
ラオウ:「……全体的に主人公が甘やかされてるんですよね」
高 任:「は?」
ラオウ:「さえない主人公が女の子に囲まれて…とか言う意味ではなくてね(笑)、このゲームの主人公はどのシナリオにおいても自ら困難に立ち向かってないのよ
吉 井:「あ、そう、それですよ!」
ラオウ:「高任さんは基本的に熱血信奉者だし、吉井さんは真面目でしょ……多分、そのあたりでこのゲームに対して反発を感じてるんじゃないかと推測したんですが」
高 任:「対談しながらそんなこと考えてたんかい…(笑)」
ラオウ:「いや、だって2人とも歯切れが悪いから……良いゲームと言う割にはどうも納得できてないみたいだし。多分、ゲームの評価の基準になる表の部分じゃなくて、人間としてどうあるべきかという根っこの部分に反発してるからでしょう」
高 任:「なんつーか、嫌味なぐらいに冷静に分析してくれてありがとう(笑)」
吉 井:「なんか、イヤな話になってきましたね(笑)」
ラオウ:「ここまで来ると、ゲーム云々じゃなくて個人の価値観の問題ですって。多分、対談としてはろくでもない対談になってますよ(笑)」
高 任:「じゃあ、話を変えましょ(笑)」
 
 
高 任:「……ところであゆと言えば」
ラオウ:「何がところでなのかがさっぱりわからないが(笑)」
高 任:「いや、最初このキャラを思いっきり勘違いしてたんですよ…」
吉 井:「勘違いって……あ、よめたよ高任君」
高 任:「よめましたか?」
吉 井:「お約束大王の高任君のことだから、遙と事故った車にあゆが乗ってたんだなととか思ってたんでしょ……ってこのシナリオは昔高任君が(大爆笑)」
高 任:「何のことデスかぁ?(笑)」
ラオウ:「……いかにも高任さんが好きそうなシチュエーションだね」
高 任:「…って言うか、あゆの台詞って主人公の置かれた状況を見透かした様な台詞が多いでしょ?こりゃ絶対に事故の責任を感じて主人公の笑顔を取り戻そうと画策してると思いますよ(爆笑)」
吉 井:「わざわざ主人公と同じバイトの職場に?(笑)」
ラオウ:「言葉遣いもわざと?(笑)」
高 任:「だって考えても見てくださいよ、主人公があそこでバイトを始めてから2年は過ぎてるわけでしょ?でも、主人公が落ち込んでいる時期にバイトの面接なんかまともに受かると思いますか?つまり、主人公があそこでバイトしているというのは絶対誰かの息がかかった結果と推理しますって…」
吉 井:「……」
ラオウ:「た、確かに説得力はある(笑)」
高 任:「で、あゆがお嬢様ってのはすぐにわかるでしょ?とすると、あの言葉遣いは故意にそうしていると考えるのが普通ですし、となれば導き出される答えは明らかかと」
吉 井:「まあ、事故の前にどう主人公と関わっているのかってのはどうとでもなりそうだし……」
ラオウ:「あ、こういうのはどうだろう?水月は主人公を支えるために水泳を辞めたと言うことをひた隠しにしてたよね……つまり、あゆも」
高 任:「おおっ、それだよラオウさん!つまりあゆは、主人公の負担にならないようにそれらの全てを心の中にしまっているわけだな。それであのエンディングか…んー、いいねえ(爆笑)」
吉 井:「それはおいしいかも……(笑)」
高 任:「それだと一緒に遊びに行ってあゆが笑わないイベントあたりが必要だね…主人公の『つまらないのか?』とかいう問いかけに、『あたしが楽しんじゃ意味ないのさ…』とか複雑そうな表情で呟かれたら個人的にもう駄目かも(一同大爆笑)」
吉 井:「……高任君が『チョコキス♪』以来絶好調をキープしてる(笑)」
ラオウ:「ある意味で尊敬に値するよね……(笑)」
高 任:「あ、なんかどんどんイメージが湧いてくるなあ(爆笑)」
吉 井:「また、いらん部屋が増えるんですか?」
高 任:「『チョコキス♪』がいらん部屋とでも言いたいんですかっ!」
ラオウ:「…ってあのSS、ゲームの内容と全然ちゃうやんけっ!(大爆笑)」
高 任:「おおむね同じのはずですが?」
吉 井:「(笑いながら)…そうかなあ、本当にそうかなあ?」
高 任:「私の頭の中ではああいうゲームです!」
ラオウ:「それは既に別のゲームだろう(笑)」
 
 価値観の違いにより脱線。(笑)
 
吉 井:「まとめしょうか?」
ラオウ:「まあ基本的に泣きゲーで、ゲームとしては良くできてる……ただ、対談の中で述べたとおり、ヘタレ主人公が嫌いな人はやめた方がいいです
高 任:「……泣きゲーって基本的に人の情に訴えるというか、人としてどう生きるかとかいう重い主題になることが多いと思うんですよ……まあ、たかがゲームにそんなこと考えるなよと言う人もいるでしょうけど、それ言ったら、ただの小説で人生語るなよとかいう話になりますし」
ラオウ:「……つまり何が言いたいわけ?(笑)」
高 任:「いや、ゲームの中で主人公自身が『何々しなければいけない…』とか散々言ってるのに、それを実行できてないって本末転倒じゃないですかね?もちろん、ゲームとしては良くできてるんですけど」
吉 井:「同感です……真面目にそんなこと考えてどうします?っていう意見が多いでしょうけどね、やっぱりプレイしながら引っかかるモノがあります」
高 任:「……ただ、引っかかるモノがあるッてことは、良くも悪くもこのゲームは人の頃に何かを訴える力が強いって事でしょ。それをどう受け止めるかはユーザーの自由だし、そういう意味ではお勧めになるのかなあ?」
ラオウ:「どっちよ?(笑)」
吉 井:「ゲームとして良くできてるのは事実です…」
ラオウ:「歯切れ悪いですね(笑)」
高 任:「……んー、良いゲームであると同時に、ユーザーにある種の不快感を与えるのは間違いないと思うんですよ。ゲームソフトってのは基本的に娯楽でしょ?だったら、わざわざ不快感を得るために購入する必要があるのかなと思ったりするわけで…」
吉 井:「システム云々の不快感とは別ですからね……と言っても、マナマナの話じゃないですよ(爆笑)」
ラオウ:「眼鏡娘に調教されたいんですか?
吉 井:「丁重にお断りします(笑)」
高 任:「あ、修羅場が好きな人には結構お勧めかも
ラオウ:「そんな人高任さんだけだと思う…」
 
 
 お買い得度…… 9(主人公がヘタレでなければ10)
 音楽…………… 8
 操作性………… 7(ゲームの途中でタイトルに戻れないのがちょっと辛いかも)
 再プレイ度…… 8(結構ボリュームあります)
 絶対値評価…… 4
 
 
 ……あの眼鏡娘のシナリオはあんまりだと思うのですが。(笑)でも、対談の中では触れませんでしたが脇役の香月先生がイイカンジですので、眼鏡娘が不作と言う程でも。(笑)
 良いゲームです…それだけは断言できます。
 多分主人公がヘタレってことにこだわりすぎてるだけなんでしょうね……でも、ほとんどのシナリオで主人公にインセンティブが与えられてないというか、いつもいつも主人公の行動が他のキャラが与えるきっかけに誘発されるってのはどういうもんなんでしょ?
 自分の意志で、自分の行動でまわりに影響を与えていく……それがやっぱりゲームとしての基本じゃないのかなあと高任は考えてしまったりするのですが、単に高任が自己中心的って事なんですかね?

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