お題……『家族計画』(WIN)
 
 両親に捨てられ、預けられた親戚の家では虐待され、懸命に働いて自分を虐待した人間に養育費を全額叩き返すことでつながりを精算する……恩も、借りも、全ての人間とのつながりを否定したい……ってな感じの孤独な魂を持った沢村司(さわむら・つかさ)がこのゲームの主人公なんですが、そんな彼が、バイト先からの帰り道で行き倒れの女の子、春花を拾ってしまったことから状況は一変します。
 次々に集まってくるのは、社会生活を営むには問題ありまくりの人間達。
 ある者は損得勘定から、そしてある者は家族という物に対しての憧れから、そしてある者は他人に依存することでしか自分を維持できないと言う性質から……まあ、いろいろと複雑な思惑が絡まり、彼らは1つの家族として世間を欺きつつ共同生活を始めます。
 このゲームに登場するのは、家族という存在自体が、またある者は家族の意味を、そしてまたある者は家族の意義が欠落した人間ばかり。
 オーソドックスな選択型のテキストノベルであり、いわゆる泣きゲーでもあるのであんまりここでシナリオについて書くのは控えておきますが、前半部分がどこかコミカルな雰囲気を漂わせているのに対して、後半、特に各シナリオ分岐後のシリアスな展開はなかなか涙を誘います。
 シナリオ展開とかはともかく、各キャラが内面に抱えた闇の部分に関してこのゲームはリアリティに溢れてます。
 そこにリアリティを感じてしまうことが、現代の日本という国が内包する哀しさなのかも知れませんが。
 
 分断と統合、それが世界の歴史の全てだという人がいます。
 かつて人種や民族の違いを越え統一された国家が、人種と民族、そして思想の違いから分断を繰り返す時代になったとも。
 分断に分断を重ねていけば、最終的に人は1人である……その寂しさに耐えかねた英雄が国を統合していくのだと、だから英雄はいつも孤独であると、あるロマンチスト……ってすいません、我ながら話が逸れすぎです。(笑)
 最初の、そして最後の拠り所である家族(血のつながりとか言う陳腐な意味でなく)……そこにあるのは幻滅でしかないと思っていながらも、どこか心の奥でそれを求めてしまう……そんな姿が哀しいと思うか、それとも愚かだと思うか……あなたはどっちですか?
 
 
吉 井:「……ラオウさん、泣きゲー嫌いじゃなかったんですか?
ラオウ:「血も涙もないような言い方をするのはやめてくださいよ(笑)」
高 任:「うむ、ここでラオウさんにとって重要だったのはこのゲームのシナリオライターが『某妹ゲー』のシナリオを見事に書ききった人物であるからと言うことは俺の心の中にしまっておこう(大爆笑)」
吉 井:「全然しまってないって
高 任:「うむ、それにしてもともすれば嫌味に流れそうな家族というテーマを時にコミカルに、時にシリアスに仕上げた見事なシナリオです。うん、あの『某妹ゲー』も良かったが、このゲームも良かったですな。ねえ、ラオウさん、『某妹ゲー』は覚えてますよね、もちろん(笑)」
ラオウ:「高任さん、君は何を言ってるのかね?」
吉 井:「えーと、某妹ゲーって、これはメーカーが『ディー〇ー』ですよね……ああ、あれですか?」
ラオウ:「そこ、変な勘ぐりをしないように。何でもかんでも『妹』につなげるのはやめていただきたい。なんせ、対談ということで最近そういう役割をナチュラルに演じてしまいそうになる自分がちょっと恐いです(笑)」
吉 井:「それはただ単に、本来の自分が滲み出てきただけのお話では?(大爆笑)」
ラオウ:「あ、じゃあ遠慮なく毒舌ふりまいても良いんですか?」
高 任:「それは絶対に勘弁してください!」
吉 井:「た、高任君がそこまで必死に止めるなんて……ラオウさんって一体?(笑)」
高 任:「いや、このゲームに出てくる青葉より口悪いです……っていうか、吉井さん。この対談においてラオウさんが巨大な猫をかぶっていることにまだ気付いていませんね(爆笑)」
吉 井:「あ、だから泣きゲーが嫌いなんですか……」
ラオウ:「いやあのね、俺は泣きゲーというかいわゆる『いい話』系が嫌いなわけじゃなくて、はっきり言うと『どこか勘違いした上に技術的になってない』話に嫌悪感を覚えるだけであって…」
高 任:「……具体例は挙げなくて結構です。ええ、お願いですから結構ですとも(爆笑)」
ラオウ:「そう言われると、具体例を挙げたくなります(笑)」
吉 井:「まあ、……作為が必要以上に見え隠れするゲームってのはプレイヤーとしては萎えますけど……そういうのに関してラオウさんのハードルは非常に高そうですね(笑)」
高 任:「と言うか、ラオウさんにとって『いい話』のベクトルは常人から少しずれているような気がします(笑)」
ラオウ:「……ずれてるのは、お前の方じゃないか?『白虎隊』とか『忠臣蔵』でほろりとくる君の感性はちょっと理解できん」
高 任:「それは時代劇の好き嫌いによって変わると思うが、少なくとも『白虎隊』の集団自殺シーンで涙流しながら笑い転げるラオウさんの笑いのツボはかなりダークだと思う(爆笑)」
吉 井:「まあ、日本人は『ほたるの墓』で泣ければ標準じゃないかと……って言うか、あれはほとんど強制というか脅迫観念に近いですが(笑)」
ラオウ:「アレで泣けないと、人間扱いして貰えない雰囲気が漂ってましたもんね(笑)」
高 任:「個人的には、『サ〇ンはV』の漫画の方が泣けるんですが(大爆笑)」
吉 井:「高任君って、現実年齢より10年ほど文化年齢が古い」
高 任:「いや、田舎育ちだから(一同大爆笑)」
ラオウ:「絶対関係ない」
高 任:「でも、テレビ番組の再放送とか田舎にいけばいくほどやたら古くないですか?冗談抜きで、今でも『ドカベン』とか『がんばれ元気』の再放送が大手を振って放送されてますからね(一同大爆笑)」
吉 井:「10年どころか、20年違う(笑)」
高 任:「だもんで、1984年のロスオリンピックの年に、俺の田舎ではやっと東京オリンピックの放送が……」
ラオウ:「めちゃくちゃな嘘をつくなあっ!(一同大爆笑)」
高 任:「……元ネタがわからないなら、まあいいか」
吉 井:「何が?」
 
 
ラオウ:「『事実は小説よりも奇なり』なんて言葉がありますけど、あんなの当たり前なんですよ」
吉 井:「と、言いますと?」
ラオウ:「小説は……いや、小説に限らず何らかの発表物は他人の視線を意識して、もしくは計算しなけりゃいけないんですから」
吉 井:「……は?」
ラオウ:「えーと(何か考えているらしい)……高任さん、魔女先生覚えてる?」
高 任:「ぶっ(吹きだした音)」
吉 井:「何の話ですか?」
高 任:「ぶっ、ぷぷっ……いや、本当に魔女が…いたという話では……ぶははっ」
ラオウ:「……ってそこまで笑うか?(笑)……ま、まあこんな感じで僕と高任さんは、『魔女先生』という言葉だけで何のことか理解できますし笑えたりもします。でも吉井さんには何のことかわかりませんよね?」
吉 井:「そりゃ…」
ラオウ:「それと同じ事で、人が何かの表現に感情移入したりメッセージを受け取るためにはそれなりの共有文化というか、共通認識が必要なんですよ……つまり、小説の中身が一般的現実から乖離すればするほど、作者が読者にそれを伝えるのは技術的に困難になっていくんです」
吉 井:「なにか、無理矢理納得させられているような…(笑)」
ラオウ:「で、嘆かわしいことに技術的に劣っている者ほど一般的現実から乖離したお話を書こうとする傾向が強いんです!そんでもって、人物の感情の動きが独りよがりなお話を垂れ流して、『どうです、いい話でしょう?』ってな輩には蹴りをいれたくなるわけで」
高 任:「ぶはー、ぶはー…(必死に呼吸を整えている音)」
吉 井:「大丈夫ですか、高任君?」
高 任:「な、なんとか…予想もしてなかったので、ツボに入ってしまいました(笑)」
ラオウ:「……例えば、何かの事故で恋人を失った人間の日記がそのまんまの形で発表されたとしましょう……それは、大勢の人間を感情移入させるに足るかどうかってのは疑問ですよ」
吉 井:「それは……」
高 任:「そいつの哀しみが深ければ深いほど、普通の読者にとってはわけわからんでしょうね……だって、そいつの哀しみを根本的には理解できないんですから。足りない部分は想像で補うしかない」
ラオウ:「……そういうことです。もちろん、表現的技巧と話の構成を変化させることで小説としてのリアリティは改善されていきますが、現実的なリアリティからは乖離していきますよね?」
吉 井:「反論はできないんですけど、何かしら納得できない気が(笑)」
ラオウ:「ちょっと勘違いしてる人がいるんだけど、作品的リアリティと現実的な意味でのリアリティってのは別物です」
吉 井:「まあ、それは分かります」
ラオウ:「……テレビのドキュメントなんかでも、視聴者に与える効果を計算して、ある部分だけを強調しつつ構成する……まあ、それやらないと作品にはなり得ないわけですが、その構成が稚拙であればあるほどメッセージが露骨になるわけで、そんでもって個人的には不愉快になるわけで」
高 任:「じゃあ、見るなよ(笑)」
ラオウ:「そりゃ見ないけど、テレビつけてそういうのやってたら腹立つ……これが公共の電波に乗せてまで流すまでの代物か!って(笑)」
高 任:「じゃあ、俺みたいにテレビ見なけりゃいいじゃん。ニュースとののちゃんと仮面ライダー龍騎だけ見てれば充分やんけ(一同大爆笑)」
吉 井:「高任君、その選択は人間としてかなり不十分だと思う(笑)」
高 任:「たまに、いないないばぁっとか時代劇とかハリケンジャーとかサイボーグ戦士なんかも見ますが?」
吉 井:「いないないばぁっ……って、あの幼児番組?」
高 任:「いや、あの番組見てると明日への希望が湧いてくるというか(爆笑)」
ラオウ:「どんな希望だ(笑)」
高 任:「いやあ、あの番組のおねえさんとかぬいぐるみの人って我慢強いなあって。最近は随分マシになったけど、それでもあれほど寒い番組は滅多にない。『さあ、みんなで空を飛ぶよ!』とかのかけ声を無視してぼんやりと立ちつくしたりセットを壊したりするガキどもが最高です(大爆笑)」
ラオウ:「番組収録後、幼児虐待が行われてたりして(爆笑)」
高 任:「ある日突然、メンバーが一新されたりしてな(笑)」
吉 井:「何の話ですか…」
ラオウ:「じゃあ話を戻すけど、わかる人にだけわかればいいってのは、結局同人活動と似たようなモノですよね。プロの作家さんとかが良く口にする『自分の好きに表現できない』ってのは、多くの読者に伝えようとするベクトルと自分の表現したいベクトルの不一致の結果ですよ(笑)」
吉 井:「……えーと、そんな真面目な話は多分誰も期待してないと思うんですけど(笑)」
高 任:「だからといって、俺が延々とかつての『ひらけポンキッキ』は番組として最高だった……いますぐ、前の番組構成に戻せなどと語っても誰も喜ぶまい(一同大爆笑)」
ラオウ:「『できるかなリターンズ』とか(笑)」
吉 井:「かつてのできるかなの内容に近い工作番組なら今もやってるらしいですよ……クソのようにつまんねえという話ですが」
高 任:「俺はのっぽさんとゴンタ君の掛け合いが見たいのであって……」
吉 井:「視聴者が求めているのは工作ではなくて、のっぽさんとゴンタ君がやる工作(笑)」
ラオウ:「そう、重要なところはそこなんです。自己表現云々はおいといて、誰かを楽しませるために、もしくは求めている何かを与えるために表現はあるんです
高 任:「おおっ、なんかラオウさんがごっつい力技で話を元に戻そうとしている(笑)」
吉 井:「元に戻すと言っても、所詮は脇道ですが(爆笑)」
ラオウ:「つまりですね高任さん、君はもっとぐっとくる妹の話を真面目に書き続けてみなさんを楽しませなければいけない義務があって……(一同大爆笑)」
高 任:「そんなオチかよ!
吉 井:「ラ、ラオウさん。それはあくまで対談ということにたいする自分の役割を果たしているんですか?それとも、本来の自分を……」
ラオウ:「(力強く)もちろん、対談における自分の役割を果たしているだけですとも!(大爆笑)」
高 任:「……」
 
 しばらく脱線。
 
吉 井:「しょ、初手からかなり嫌な方向に話が逸れましたが、話をゲームに戻しましょう」
ラオウ:「嫌な方向とは失敬な(爆笑)」
吉 井:「いや、妹云々じゃなくて表現方法論の…」
ラオウ:「だったらいいです(笑)」
吉 井:「……(おそらく心の中でかなり過激なツッコミを入れていたと思われます)」
高 任:「しかし、泣けましたねこのゲームは。違う意味で泣けたゲームなら、この一年で腐るほどあるんですが(笑)」
ラオウ:「いや、泣くのは暴れた後だろう(笑)」
高 任:「ふっ、信じた何かに裏切られることは慣れてます(一同大爆笑)」
吉 井:「慣れてない、それは全然慣れてないって(笑)」
高 任:「世の中にはね、慣れてはいけないことがあるんですよ」
ラオウ:「言うことが全然違うぞおまえ(笑)」
高 任:「いいかげん俺の言動にも慣れてくださいよ。もう、何十年のつきあいになると思ってるんですか(一同大爆笑)」
ラオウ:「慣れられると、多分寂しいぞお前(笑)」
高 任:「さて、家族崩壊などと叫ばれて久しいですが……」
吉 井:「いきなり話を極端に戻しすぎです(笑)」
ラオウ:「高任さんは歳を取る毎に馬鹿になってる気がする(一同大爆笑)」
高 任:「お、俺この前誕生日だったんですけど、また1つ馬鹿になったんですかね?(爆笑)」
ラオウ:「うん(きっぱりと)」
吉 井:「高任君、橋の下で拾われたんじゃなかったの?(笑)」
高 任:「いや、両親曰く橋の下で拾った赤ん坊を医者に見せたら生後一週間以内と判断されたらしくて……それで、その期間の大安の日を誕生日にして役所に届けたとか(笑)」
吉 井:「な、何故わざわざそんな手の込んだ話を…」
ラオウ:「……高任さんのご両親もいい性格してるよな(笑)」
高 任:「いやあ、マジで兄弟の中で1人だけ両親に全然似てないんですよ。こう、顔の骨格が根本的に違うというか……だから、わざとそういう笑い話をすることで真実を覆い隠そうとしてるんだな、と小さい頃は思ってました(笑)」
吉 井:「そ、それは笑い事なの?」
高 任:「あれは俺の幼少期の心に間違いなく黒い影を落としましたね。『やばい、悪い子だと捨てられる』という強迫観念が絶えず付きまといましたし(爆笑)」
ラオウ:「多分、高任さんの両親もそれが狙いだったのでは?(笑)」
高 任:「もしそうだとすると……めちゃめちゃ嫌な親ですな(大爆笑)」
吉 井:「で、真実は?」
高 任:「さあ?(大爆笑)」
ラオウ:「まあ、今となってはどうでも良かろうそんなこと」
高 任:「そりゃそうです。ただ、このゲームに出てくるキャラクターのような環境だったら絶対笑い話にはなりませんけどね」
吉 井:「このゲームで一番悲惨なのは……準ですかね?」
ラオウ:「多分、個人が持つ資質によってそれは変わると思うけど……まあ、母親に毒殺されかかるってのはごっついトラウマになりそうです」
吉 井:「むー、両親の虐待はね……」
ラオウ:「俺、中学生の頃に母親に竹刀でしばき倒されたことならありますよ(笑)」
吉 井:「笑い事ですか?」
ラオウ:「いや、母親が剣道の有段者なら話は別ですけど、竹刀で叩かれるぐらい身体の急所さえ守ればどうってことないですし……ただね、一度だけこれは本気でやばいと思ったのが、母親が俺に向かって包丁を構えてブルブル震えてたときですかね(爆笑)」
高 任:「ぶはははっ!」
吉 井:「お二人さん、そこは絶対に笑うところじゃないです」
高 任:「……って、ラオウさん。なんでそんな切ない状況に?(笑)」
ラオウ:「いやあ、勉強しろってヒステリー起こして(一同大爆笑)」
吉 井:「それ、本当にヒステリーとかのレベルなんですか?」
高 任:「しかし、よりによってラオウさんに勉強しろと……それは、ラオウさんのご両親はラオウさんのことが全然理解できてないね」
ラオウ:「まあ、所詮親子と言っても他人に過ぎないって事を悟れば、期待することもないですし」
吉 井:「……なんか二人とも、けっこう精神的に病んでません?」
二 人:「このゲームのキャラ程じゃないです」
吉 井:「そう言われると返す言葉も(笑)」
ラオウ:「まあ、人間多かれ少なかれそういう経験はしてるはずですよ。そして、そのほとんどは深刻になるほどの大したことじゃないですって……個人の資質によって状況は変わりますけどね」
吉 井:「いや、ラオウさんは精神的にかなりたくましそうです(笑)」
高 任:「たくましいといえば、このゲームの春花もたくましい感じですね?」
ラオウ:「いや、末莉だろう……あの、物事の軽重を見抜きたくましく生き抜く生命力は見事というしか」
高 任:「んー、後半にかけてちょっと精神的に弱かったですよね、そこが残念」
吉 井:「末莉って……ちょっと年齢不詳ですよね。大人の事情ってやつは抜きにして(笑)」
ラオウ:「素直にテキストだけ読むと中学生とは思うんだけどね……何というか、末莉の親戚の息子の精神年齢が幼すぎるというか」
吉 井:「まあ、このゲームで取り上げられてる各キャラの生い立ちって……はっきりいうと、これに類する話は現実にゴロゴロしてるんですよね、悲しい話ですが」
高 任:「しかし、このゲームこそ『いい話でしたね…』の一言で終わってしまいそうな気がしません?(爆笑)」
吉 井:「だからって、脱線ばかりするのも問題ありです」
ラオウ:「とはいえ、このゲームは『ここの構成が素晴らしい……』とか『このシナリオの内容云々……』って事を語ってはいけないでしょう(笑)」
高 任:「シナリオがウリ(高任主観)ですからね……それをばらしたら意味無いです」吉 井:「(何か考えているらしい)……そういえばこのゲームをプレイしていて1つ気になったことがあったんですが
ラオウ:「何がです?」
吉 井:「(真剣な表情で)『ガガンボ』ってなんですか?
ラオウ:「ガ、ガガンボ?」
高 任:「え、ガガンボ知らないんですか?
ラオウ:「そんなのゲーム中に出てきましたっけ……っていうか、知っているのか雷電!(大爆笑)」
高 任:「ラオウさん!あんた田舎育ちのくせにガガンボも知らんのか……って、ガガンボは田舎がどうとかはほとんど関係ないな(笑)」
吉 井:「いや、殺虫剤がどうとか書いてるから、多分虫の類なんだろうなあとは思ったんですけど」
高 任:「んーと、どう説明したらいいのかなあ……こう、アメンボを巨大にしたようなひょろひょろっとした蚊トンボというか……ちなみに、俺がこれまで見た最大のガガンボは20センチを越えてまして、手で捕まえたときの振動が今もこの腕に…って、聞いてませんね二人とも(笑)」
吉 井:「20センチのアメンボ!(動揺したらしい)」
ラオウ:「どんな生物なんだそれは!(何故か興奮しているらしい)」
高 任:「いや、通常は10センチがせいぜいだけど……あれ?ガガンボってそもそも標準語なのか?」
 
 しばらく脱線……その後、これまで見た中で一番でかいムカデやら太郎さんやらの話題に花が咲いてしまったり。(笑)
 
吉 井:「……この後、脱線禁止です(笑)」
高 任:「むう、シナリオのコアに触れず、このゲームを語るとなると……」
ラオウ:「厳しい…」
高 任:「あ、えーと、そうそう。俺はこのゲームに対して巨大な不満があるよ(爆笑)」
ラオウ:「巨大な不満?」
高 任:「いや、劉さんの妹で楓って登場するじゃないですか、勉強と拳法が得意な眼鏡娘大爆笑)」
吉 井:「高任君、みなまで言わなくてもいいよ……多分、そのことに関してはみんなの心は1つの筈だから!」
ラオウ:「(ぼそっと)……多分違う」
高 任:「なんつーか、エンディングがないのはこのゲームのテーマからして仕方がないとは思ってるんだけど、思ってるんだけど……せめてその眼鏡娘のご尊顔を一目見たかったぞおれは!
吉 井:「グラフィック無いもんね……文章中のエピソードだけでも、かなりグッとくるキャラクターなんですが(笑)」
高 任:「グッときますよねえ(笑)」
ラオウ:「(ぼそりと)……このキャラが眼鏡娘じゃなくっても?」
高 任:「ラオウさん、基本的に眼鏡はただ単に妄想エンジンのニトロブースターであって、妄想エンジンの点火装置ではないんだよ
吉 井:「高任君、言ってることが意味不明です(爆笑)」
高 任:「いや、エンジンに火をつけるのはキャラクターそのモノって事。眼鏡かけても嫌なキャラは嫌なキャラでしかない」
ラオウ:「なんか、今ひとつ信用できん(爆笑)」
吉 井:「……じゃあ、攻略可能キャラ5人の内一人を挙げると?」
高 任:「エンディングはいまいち気に入らないが、青葉です」
ラオウ:「眼鏡娘の準は?」
高 任:「2番目……エンディングおよび、シナリオ構成に関しては準が一番お気に入りですが、それとこれとは話が別(笑)」
吉 井:「おや(笑)」
高 任:「ただ、正直に言うと……このゲームの場合そういう風には見てなかったね。話を振られたからそう答えたけど、基本的に1人を除いていい話だ……としか思わなかったから」
ラオウ:「まあ、話の展開上18禁シーンはあるんだけど、ギャルゲーとかエロゲーとかいうジャンルではないわな……ただ、シナリオありきって感じで、ごく正統派のテキストノベルで、このキャラ最高!とかいう感じとは違うと思う」
高 任:「とはいえ、18禁シーンの書き込みレベルは高いと思うが……って言うか、末莉のそのシーンにやたら気合いが入ってる(笑)」
吉 井:「まあ、疑似家族としては末っ子で、主人公の妹という役どころだから(笑)」
高 任:「青葉曰く、魔性の女でもあるし(笑)」
ラオウ:「……」
高 任:「どうしました、ラオウさん?(棒読み)」
吉 井:「どうかしたんですか?(同じく棒読み)」
ラオウ:「いや、二人は俺に何を期待しているのかなと思って(笑)」
高 任:「ラオウさん、ここで考えるべきなのはみんながラオウさんに何を期待してるかですよ(爆笑)」
 
 お互いの価値観(笑)についてちょっと脱線。
 
吉 井:「……そういえば、このゲームってボイス無いね。ある意味、最近のゲームでは珍しいかも」
ラオウ:「……」
高 任:「吉井さん、下手にこのゲームにボイス入れたら台無しですよ。心の機微にあわせた演技が難しいのはもちろんですが、その指示を実行できる声優さんを集め、また納得いくまでやり直すなんてできると思います?」
吉 井:「確実に不可能っぽいし、仮に可能だったとしても予算がオーバーしますね(笑)」
ラオウ:「声優さんのギャラ自体は安いですって……だから、どこもかしこもボイスをつけたがる
高 任:「え、安いんですか?なんか、高いようなイメージがあるんですが…」
ラオウ:「安いらしいよ……ゲーム制作と声優は好きじゃないと続けられないと言われてるぐらい(笑)」
吉 井:「ほろりとくるいい話ですね(笑)」
高 任:「……考えてみたら、底辺のそこ下げは確実に進行してるみたいだけど、声優オーディションの広告を目にする機会は増えたな。他の銀行に比べて規模が小さいのに新入社員の数はめちゃめちゃ多かったかつての(ぴー)銀行みたいなものか(大爆笑)」
吉 井:「そ、それはどういう意味?」
高 任:「いやあ、俺の知人は何人か生き残ってますけど、3年で半分以上がやめちゃうらしいですよ(爆笑)」
ラオウ:「ほろりとくるいい話だな(笑)」
吉 井:「この対談、ほろりときっぱなしですね(笑)」
高 任:「うむ、泣きゲーにふさわしい対談といえよう(爆笑)」
ラオウ:「つーか、ゲームについて全然語ってないだろう(笑)」
高 任:「……えーと、それは実に我々らしい対談ということで(笑)」
ラオウ:「……」
高 任:「どうしました?」
ラオウ:「いや、ひょっとしてそれがこの対談のオチですか?」
高 任:「えーと、このゲームから受け取る想いが人それぞれのように、この対談のオチも人それぞれの心の中にと言うことで……じゃ、駄目ッスよね(爆笑)」
吉 井:「駄目すぎます(笑)」
高 任:「……だって、ネタばれ無しに、話が続かねえっす(笑)」
ラオウ:「結局終わるんかいっ!」
 
 
高 任:「良いゲームです…と言うか、いいシナリオです。音楽も良いです。たまには涙を流して黒くなった心を綺麗にしましょう(笑)」
ラオウ:「んー、俺の心はこれ以上綺麗になったりしないけど、珍しく読ませるシナリオです……って、高任さん、これ見よがしに肩をすくめるのはやめい(笑)」
吉 井:「……二人とも、本当に心が洗われてますか?(笑)」
高 任:「いやあ、僕の場合少々洗ったぐらいでは全然汚れが落ちなくて……」
ラオウ:「……」
吉 井:「……」
高 任:「この状況での放置プレイはひどすぎる(笑)」
ラオウ:「あ、悪い……なかなか自己分析できてるなと思ってたもので…」
吉 井:「ラオウさん、フォローになってません(笑)」
高 任:「……」
ラオウ:「テキストはほぼ問題なし、構成上ちょっと疑問が残る部分はあるものの問題になるほどではないです。そして何よりも、読者の意識というモノをきちんと計算してテキストに取り組んでいる事がわかる数少ないライターさんであり、たまにはこういうまともな文章を読んで置いた方が良いと思います
吉 井:「テキストにしか言及しないところがラオウさんらしいと言うか(笑)」
ラオウ:「んー、内容については人それぞれだと思うんですよ。例えば、感動する人間もいれば、こんなお涙ちょうだいの内容なんか読んでられるか!ってなユーザーもいるだろうし……ただ、テキストレベルが高いって事は表現力が高い分だけ、ユーザーを選ばないと思います
 
 
 お買い得度…… 9
 音楽…………… 9
 操作性………… 8
 テキスト……… 9
 絶対値評価…… 4
 
 
 高任は涙もろいです……そこ、歯茎を見せて笑わないように。(笑)だもんで、こういう内容には弱くて弱くて……いや、本当に。
 個人的に言うと、真純だけはちょっと……ですが、それは高任の持つ価値観との相違が著しかっただけなので安心です。(何が?)
 ……それにしても、ゲームの紹介になってないのは毎度のこととはいえ、今回はそれが著しいですな。

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