お題……『GOD OF WAR 2』(PS2)
前の対談でやった、『GOW』の続編。
もちろん主人公はクレイトス。
ゲームの対談を読んだだけの知識しかない人は、『え?クレイトスって崖から身を投げて死んだのと違うの?どうやって続編なんかつくるん?』などと、疑問を感じるんでしょうけど。
まあ、そこは……対談でちょろっと述べた『倒すべき敵はアテナだ』とプレイヤーに思わせるエンディングだったわけで。
『罪を許すとは約束しましたが、あなたを悪夢から解放するとは約束していません』
アテナの台詞に絶望し、崖から身を投げたクレイトス……その彼を救い、『あなたが戦いの神でアレスを倒したせいで、新たな戦いの神が必要となりました。クレイトス、あなたが戦いの神となるのです』
と、いうわけで……2のオープニングにおいて、クレイトスは、妻と子供を手にかけた悪夢にうなされながら、戦いの神として日々を送るはめになり。
すっかりグレてしまいした。(笑)
スパルタの兵士を率いて街から街へと侵略し、戦いの中に己の心を平穏を求めるクレイトス。そんな彼をアテナが諫めようとしますが、もちろんクレイトスが言うことを聞くはずがありません。
アテナ:「…あなたを神にしてあげた私に、逆らうというのですか?」
主人公:「お前に借りはないっ!」
借りどころか、貸ししかないような気もしますが。
まあ、そんなわけで……アテナはクレイトスの神の力を奪い取ってしまいます。
主人公:「アテナっ、いや、オリュンポスの神々よ。お前達はいつもそうだ…都合のいいときだけ利用し、用が済めば切り捨てる……私は、いや、人間はお前達の道具ではないっ!」
神々への憎悪が、クレイトスの中で渦を巻き……そしてクレイトスは決断します。
主人公:「私は……ゼウスを倒すっ!」
かつて、人から神となったクレイトス。
再び人となり、神へと戦いを挑む……それは、辛く苦しい日々の始まりであった。
高 任:「いやあ……無理もないとは思いますが、クレイトスさんグレてましたね(笑)」
ラオウ:「そりゃ、グレるでしょう(笑)」
吉 井:「死ぬような思いをして戦い抜き、これで悪夢から解放されると思ったらアレですし、挙げ句の果てに、悪夢はそのままで神として生き続けることを強いられたわけですからね…」
高 任:「というか……オープニングでアテナが言いますやん。『神にしてあげた』とかって」
ラオウ:「すごいよな。クレイトスに善行を施したと思ってるその精神構造が、さすが神というか(笑)」
高 任:「というか、欧米人的思考が見え隠れしてて、典型的日本人の俺としてはマジでむかつきました」
ラオウ:「お米の国のユーザーが、このオープニングをどう受け止めたか結構興味あるんですけどね……ゼウスなり、アテナに怒りを抱くのは同じでも、怒りの質が違うような気がして」
吉 井:「え?」
ラオウ:「いや……日本人ユーザーは多分アテナに対して、欧米人ユーザーはゼウスに対して怒りを抱く……と思うんですが?」
吉 井:「そうですか?俺はアテナに対しては別に…」
ラオウ:「え?」
高 任:「俺は反対に、ゼウスにはあまり怒りを覚えなかったですね……ああ、権力者は大変だなあとしか(笑)」
ラオウ:「だよなあ……クレイトスが『ゼウスを倒す』という決意を抱く下りは、観念的なモノとして理解は出来るんだけど、直接的な怒りでは無いというか」
吉 井:「倒すべきはアテナですか(笑)」
高 任:「アテナですよ」
ラオウ:「うむ、許すまじ、アテナ(笑)」
吉 井:「なんだろう、この2人…」
脱線。
吉 井:「しかし……両者が互いに理解できる出来ないはともかく、神の力を与えたり、吸い取ったり、軽いですね、オリュンポスの神様は(爆笑)」
高 任:「神話を現代訳すれば、神様は権力者ですし(笑)」
吉 井:「落選すればただの人?」
高 任:「ええ、つまりクレイトスはリコールされたんですね、きっと(爆笑)」
ラオウ:「そこ、妙な解釈しない(笑)」
高 任:「あ、違うな。ゼウスからオリュンポスの剣渡されて、その剣に神の力を全て注ぎ込むのだ…その時お前の隠された力が目覚める…って、言われて素直に力を注ぎ込んだから、自分から解散総選挙を選んだのか」
ラオウ:「それ以上引っ張るな、頼むから(笑)」
吉 井:「というか、『騙されてる、騙されてるよ、クレイトス』とか思いながらゲームを続けるプレイヤーの立場はつらいですね(笑)」
ラオウ:「それは確かに。どう考えても、神の力を残らず吐き出させようという方便としか思えませんし(笑)」
吉 井:「結局アレは……『神同士が争ってはいけない』というルールを守るための方便だったんですかね?」
高 任:「ですかね……というか、クレイトスの身体を剣で貫きながらゼウスが『貴様はオリュンポスの支配者にはなれん…』とか言ってるけど、クレイトスってそんなこと言ってましたか?」
吉 井:「言ってませんよね(笑)」
脱線。
吉 井:「そういえば、前の対談で、近所の大学生にテストプレイさせて、詰まったところにヒントを…とか話しましたよね」
ラオウ:「ええ」
吉 井:「嘘かホントかは不明ですが、洋ゲーの場合、テストプレイさせてプレイヤーが詰まったところはそのままで、普通にクリアされたところはより難しくするのが通常の作業だとか(一同大爆笑)」
ラオウ:「な、なるほど…」
高 任:「謎は全て解けたっ!」
吉 井:「いや、嘘かホントかは…」
ラオウ:「ものすごい説得力あります、それ。(笑)」
高 任:「つーか、テストプレイを誰にさせるかも重要ですな……とんでもないゲーマーがプレイヤーだったら、そりゃ当然『ゲーマーの、ゲーマーによる、ゲーマーのためのゲーム』にもなるでしょ」
ラオウ:「むう…」
吉 井:「まあ、それはそれとして(笑)」
高 任:「……というか、『2』って売れてるんですか?」
吉 井:「さあ……でも、夏に新しいのが出るらしいですよ」
高 任:「え、早いですね?」
ラオウ:「PS3ですか?」
吉 井:「いや、PSPです……日本で出るのかなと思ってましたが、3月頃に無事移植が決定しました」
高 任:「PSPですか…」
ラオウ:「電車の中で、『たとえ神でも、内臓ぶちまけてやる』とか聞こえてきたらすげえやだな(大爆笑)」
高 任:「魅惑の玄田ボイスに合わせて、プレイヤーも叫ぶ(笑)」
吉 井:「警察呼ばれるよ(笑)」
ラオウ:「なんか、さっきまで難しそうな顔してたのに、えらくすっきりした表情になってるからのぞいてみると…」
高 任:「モンスターの口の中に剣を突き刺して抉りこみ、全身に血しぶきを浴びているシーンだったりして(爆笑)」
吉 井:「それは、のぞく方に問題が…」
高 任:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「というか、PSPでだして大丈夫なんですか?」
吉 井:「さあ……なんか、『1』より前の設定らしいストーリーっぽいですけど。こう、ペルシア軍に侵攻を受けている街に、神々の命令を受けて向かうクレイトス…みたいな」
高 任:「ペルシア軍?」
ラオウ:「……ってことは、紀元前500年頃の設定ですか」
高 任:「へ?」
ラオウ:「いや、俺も世界史が専門じゃないからアレだけど……ペルシア戦争だろ?確か、一時はペルシア軍がアテナというか、アテナイの街まで占領して……詳しい話は、そういうのが好きな人に聞いてくれ」
吉 井:「…マラトンの戦いとかですよね?」
ラオウ:「そうです……といっても、4回か5回攻め込んで……の、何十年に渡る期間を、総称してのペルシア戦争のはずですから。まあ、高校で世界史専攻した人間の方が詳しいでしょ、きっと」
高 任:「この3人、全員地理ですもんね(笑)」
吉 井:「その割に、3人が3人とも知識がバラバラですけど(笑)」
ラオウ:「まあ、全員の知識が一緒なら、そもそも対談する意味無いですし(笑)」
高 任:「バラバラすぎても、困るんですが」
ラオウ:「そりゃあな(笑)」
脱線。
ラオウ:「しかし……日本で話題になってないのはともかくとして、『2』を制作する人間はすごいプレッシャーだったでしょうね」
吉 井:「あれだけ話題になった作品ですからね……しかも、監督というか、別の人ですし」
高 任:「そこで妙に力むと絶対こけるからなあ(笑)」
吉 井:「いい意味で、前作を踏襲してくれました」
高 任:「パワーアップはしたけど、あくまでもパワーアップだけにとどめたよ……という感じですな」
吉 井:「大きい枠組みでは、完成したシステムですからね……というか、『1』はすごかったが『2』はもっとすごかったとしか(笑)」
ラオウ:「グラフィックに、ロード時間、その他諸々……うわ、まだ改良できたんか……と、そのあたりについては頭を下げるしかない出来で(笑)」
高 任:「神殿とか、時の軍馬とか……もう、後のステージに出てくる部分のデティール1つとっても隙がないというか。立体マッピングとかしてみましたけど、もう全ての構造物ががっちがち(笑)」
吉 井:「そういや高任君、確かに『2』があるけど『1』の絶対値評価が4ってのはどうよ?」
高 任:「いや、体操競技みたいに点数をつけるスポーツではああいうケースが多いというか。後で演技する選手の評価が高ければ高いほど、前半で演技する選手の点数をおさえるというか」
ラオウ:「まあ、そうしとかんと点数差がつかないからな……簡単すぎるテストで100点がいっぱいだと、順位の意味ないし」
吉 井:「いや、そうじゃなくて4点って…」
高 任:「5の下は4しかないでしょう」
吉 井:「……」
高 任:「吉井さん、お忘れかも知れませんが、絶対値評価は5点満点です。ふざけんな、しゃらああっぷという出来のゲームの点数も高くなるシステムですよ?10点満点で5点や6点のゲームは0点に、0点や10点のゲームは5点に」
吉 井:「ああ、そういえば…」
高 任:「あれは、このゲームがプレイヤーの心にどれだけ残るか……という目安ですから」
ラオウ:「わかりやすく言うと、感動するか、傷を残すか(笑)」
高 任:「プレイヤーの心に、傷1つ残せないゲームに価値なんかないっす(大爆笑)」
吉 井:「高任君は、ホントに極端だから…」
ラオウ:「まあ、最初からプレイヤーの心に傷を残そうとしてゲームを制作されても困るけど(笑)」
高 任:「それはそうだけど……でも、『へえ、ほぉ、ふーん』で終わっちゃうゲームより、『なんじゃこのゲームはっ!ここダメすぎっ!』とかいうゲームの方が、俺はやってて楽しいです」
吉 井:「んー(笑)」
注……対談の後につけている点数。あれは、3人で相談してつけている点数ではなく、高任個人が判断してつけている点数です。
高 任:「しかし、なんといってもメモリーカード1つに10個のセーブポイントってのはありがたかったですね」
ラオウ:「『1』は4個でしたから(笑)」
吉 井:「あれは間違いなくユーザーの要望によって、改善された部分でしょうね」
高 任:「俺は『2』の場合、メモリカード2枚使って、セーブポイント19カ所使いましたが(笑)」
ラオウ:「また、例によって細かくか」
高 任:「いや、ここから先に進むと後戻りできないポイントでセーブしたら、ちょうどその数になって(笑)」
吉 井:「変わったと言えば、アクションボタンが変化しましたね…」
ラオウ:「あれ、すごく戸惑ったんですよ……吉井さんは、『1』をプレイしてから『2』までに期間が開いたから良かったかも知れませんが…」
高 任:「よし、宝箱をあけるぞ『R2』ボタン……あれ?(笑)」
ラオウ:「やったよ……というか、宝箱みたいな余裕のあるときはいいですが、戦闘中でせっぱ詰まったときに、あれを押し間違えると…(笑)」
高 任:「俺も、あまり期間があいてませんでしたから、戸惑いました…『R1』押さなきゃいけないのに、『R2』押して……あれ、バクったか?とか」
吉 井:「な、なるほど…」
ラオウ:「というか、俺の場合は『1』の後半にさしかかった状態で『2』を始めましたから(爆笑)」
吉 井:「ど、同時攻略ですか?(笑)」
高 任:「それは戸惑うでしょう、いろんな意味で」
吉 井:「操作だけじゃなく、技も(笑)」
ラオウ:「そうなんですよ……よし、ここで必殺の…あれ?(笑)」
吉 井:「打ち上げとか、空中つかみのタイミングなんかも、微妙に違いますからね、『1』と『2』じゃ」
ラオウ:「まあ、アクションが苦手なのはわかってますから、イージーモードで」
高 任:「というか、今回のタイタン(ベリーハード…2周目から登場)モードって無茶じゃないですか?」
吉 井:「ゴッドモードがハードに格下げされてましたからね……アレは、本当に神の領域としか(笑)」
高 任:「俺、最初のシーンの雑魚キャラに瞬殺されましたよ(爆笑)」
ラオウ:「いや、それは…」
吉 井:「でも、クリアする人は平気でクリアしますからね…」
高 任:「というか、このゲームってどういう風にコントローラー持ったらいいんでしょう?戦闘中に、縦にしたり横にしたり、持ち替えたりして、取り落としそうになると言うか」
吉 井:「……」
ラオウ:「……ごめん、お前ちょっと今からプレイしてみ?」
中断。
ラオウ:「……お前、変(笑)」
高 任:「何となく自覚はしてましたが」
ラオウ:「右手だけでプレイしてるようなもんやんけ、お前(笑)」
吉 井:「不器用なのか、器用なのか…」
高 任:「というか、左手でレバーを左右に動かす操作じゃ間に合わないし、右手の親指のボタン連打だと速度が足りないから、そのたびに持ち替えて…」
吉 井:「というか、ラオウさん」
ラオウ:「はい?」
吉 井:「対談というか、言葉でどうやって伝えたらいいんでしょう?」
ラオウ:「時として、言葉激しく無力ですからね…」
高 任:「だって、このゲームってものすごい機敏な操作を要求されません?左手の親指の動きだと、石化状態から復帰できなくて即ゲームオーバーとか、右手親指の連打だと、扉が開けられないとか…」
吉 井:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「連打は右手人差し指、機敏な左レバー操作は右手に持ち替えて……クリアしたからいいでしょう……っていうか、連打に関しては『1』よりも『2』の判定がやたらシビアですよ。『1』では持ち替えたりしませんでしたからね」
このゲーム、コントローラーを持ち替えてプレイする仲間を募集中。(笑)
あ、でも言われてみれば左手親指の関節の動きが、悪いような気がする…。
ラオウ:「……それはそうと、微妙に難易度が上がったんですかね?」
吉 井:「純粋な謎解きに関しては、『2』の方が簡単だったんじゃないでしょうか?結局その場で解決できるモノばっかりでしたし」
高 任:「謎解きというか……微妙に『何をしたらいいかわからない』部分があったように感じましたが(笑)」
吉 井:「そう?」
高 任:「アトラスの体内で、足場が完全に沈むシーンとか、一度死ぬことを前提にしてませんかね?」
ラオウ:「壁がぱっと砕けたから、あ、あそこに行かないと……と思っても、立ち位置が悪かったから間に合わずに死んだよ(笑)」
吉 井:「まあ……アレは、そうですね」
高 任:「というか、オープニングでそもそもゼウスに殺されるんだけどな(笑)」
脱線。
ラオウ:「しかし、今回もクレイトスは外道でしたね(笑)」
高 任:「『貴様の使命だ、誇りを持って死ね』あの台詞、サイコー。好きな声を録音できる目覚ましを買おうかと思ったぐらい(爆笑)」
ラオウ:「イヤな目覚めやな(笑)」
吉 井:「というか…えげつないですよね、あれ」
ゼウスに刺し殺されたが、大地の女神ガイアの助力もあって死者の国から生還したクレイトス。
まあ、時の女神の元へと辿り着き、時を操る力を借りて、ゼウスに刺し殺される直前に戻って、あらためてゼウスと対決する……と、文章で書くと、既に死者の国から生還しているなら、何故わざわざその場面に戻らなければいけないのかと思うかも知れませんが、一応、理由があります。
とにかく、ゼウスによって虐げられたタイタン族の力を借りながら時の女神の元へと辿り着く……というのが、与えられた目的。
で、その途中で……女神の元へ辿り着くための扉の鍵、それは神殿を守る神官の血だったりするわけで。
そりゃ、神官は死にたくないから抵抗するわけですが、クレイトスさんは先の台詞を言い放ちつつ、神官の頭をそこに叩き付けて……以下略。
ちなみに、1人じゃないです。
高 任:「『なんと書かれている、読め』……って、そりゃ途中から読みたくなくなりますよね」
ラオウ:「神官の血を捧げよって、自分が殺されるって事ですから」
吉 井:「2人目の神官は、クレイトスを女神の元にいかせまいとして自ら身を投げて死のうとしますけど(笑)」
ラオウ:「結局死ぬなら、俺のために死ね(爆笑)」
高 任:「今まさに断崖から身を投げようとした神官を、自らの命をかけて救い出すクレイトス……一見美談です」
吉 井:「でも助けた後で、台座に頭を叩き付けて撲殺(大爆笑)」
高 任:「もうちょっと、楽に殺してやれんのか、クレイトス」
ラオウ:「……というか、例によってクレイトスをはじめとしてたくさんの人間が時の女神の元へ赴こうとしてるけど、他のやつはどうやってあそこまで辿り着いたんだろ?」
高 任:「クレイトスより後に出発したはずのスパルタの兵士とか、女神の直前まで来てましたし」
吉 井:「……結局、時の女神の元へと向かおうとする人間一人一人に、違う道が示されてるんじゃないでしょうか?」
ラオウ:「まあ、そんなとこですか」
高 任:「いや、実は神官の一族が何万人ぐらいいて、時の女神へ向かう人間が来るたびに、順番に殺されていく(大爆笑)」
ラオウ:「イヤな一族だ…」
吉 井:「システムとして必要な残虐さと、物語として描かれるクレイトスの性格が微妙におかしいような気もしますけど」
高 任:「……というか、人間にされて内臓を巨鳥についばみ続けられる苦しみを与えられた男(ついばまれた内臓は時間が経つと復元する)とか、そんなもんいましめから解き放ってやればいいだけの話じゃないんですかね?」
ラオウ:「……わざわざ、オリュンポスの業火の中に叩き込むしなあ(笑)」
高 任:「これで、この男は永遠の苦しみから解放された…いや、ちょっと待って(笑)」
ラオウ:「『私を解放しろ』と叫ぶ人質に向かって、『よしわかった、魂を解放してやろう…』などと、ナイフ片手ににやりと笑うキャラクターならまだしも」
吉 井:「ラオウさん、それ怖すぎです」
ラオウ:「というか高任さん……まさか、ギリシャ神話のプロメテウスを知らないなんて事はないよね?」
高 任:「え、そりゃそのぐらいは……あっ、あれってプロメテウスかっ!?」
ラオウ:「気付くの遅いよ(笑)」
高 任:「え?じゃあ、クレイトスのモデルって、ヘラクレスなん?」
ラオウ:「いや、ヘラクレスは解放するけど、殺しはしないよ……えっと、このゲームって結構ギリシャ神話を歪めたエピソード満載なんだけど、ひょっとして気付いてない?(笑)」
高 任:「プロメテウス殺したら、人類的にまずくないですか?(笑)」
ラオウ:「まあ、そこはゲームだから」
吉 井:「ギリシャ神話の話はパスの方向で(笑)」
ラオウ:「わかりました」
高 任:「えっと……ほら、時の軍馬のところで、男の顔をドアに挟んでアコーディオンとか、さすがにちょっと顔を背けたくなったんですけど(笑)」
吉 井:「どこのヤクザさんかと思ったよ(笑)」
ラオウ:「アコーディオンって…」
高 任:「多分わかる人には、それでわかります」
ラオウ:「そういや…最後のゼウスとの戦いでも、ある程度戦った後に『ゼウス、降伏する』とか言って、だまし討ちにしますよね……『1』は基本的に胸がすくような爽快感が先立ちましたけど、『2』では所々で嫌悪感を覚えるのが、微妙に気になったというか」
吉 井:「…そうですか?」
高 任:「……」
ラオウ:「……実はこの3人の中で一番腹黒いのは吉井さんだったりして(笑)」
吉 井:「いや、それは…」
高 任:「これから、スピリチュアルチェックを始めます…(爆笑)」
ラオウ:「え、それなんのネタ?」
脱線。
高 任:「……というか、結局シナリオのせいだと思うんですよ」
吉 井:「え?」
ラオウ:「まあ、アクションゲームだから……でごまかすことも可能な程度の問題かも知れませんが、シナリオに関しては、『2』はいろんな意味で終わってますね」
吉 井:「エンディングが終わってるのは同感ですが?」
高 任:「というか、エンディングのアレは……洋ゲーの悪い面が、ギュッと濃縮還元されたような(笑)」
吉 井:「素晴らしい出来のゲームなんだけど……『エンディングは見るんじゃなかった』ってのが本音ですね(大爆笑)」
ラオウ:「というか、『3』作る気満々のエンディングですよね」
吉 井:「ですよねえ(笑)」
高 任:「結局、死者の国から生還してるのに、わざわざゼウスに刺し殺される直前に戻って対決するってのは、あのエンディングのための無理シナリオですよね?」
ラオウ:「だよなあ……タイタン族の力を借りて、ゼウスを倒すだけなら、それで十分なんですよね。時の女神云々ははっきりいって…(笑)」
吉 井:「神の力を奪われた今、そのままではゼウスを倒せない…のはわかるんですが」
高 任:「ゼウスに殺された……で、死者の国から生還して時の女神の元へと向かうんじゃなくて、死者の国から生還するために時の女神の元へと向かうというストーリー展開ならわかるんですが」
吉 井:「……そういや、前の対談で高任君が言ってた『またお前かぁっ?』を呼び出した敵にしたって、思いっきり生き返ってますし(笑)」
高 任:「生き返ってますよね……『グフフフ、時の女神に赴く道中で、貴様と相まみえることが出来るとはなあ』とか言ってますけど、お前その前にどうやって生き返ったんだよ、とかツッコミ入れたくて仕方ないというか」
ラオウ:「まあ、ギリシャ神話の世界観において、いろんな概念が俺らのそれとは違っているのはわかってるけど…やはり、首を傾げたくなる部分が」
吉 井:「ひょっとしたら、キャラの台詞を日本語訳する過程で、なにか間違ってプレイヤーに伝わってるのかも……実は、あのスパルタの兵士も死んでるとか」
高 任:「時を操る能力云々なら、生と死の境目に位置しているとかいう設定でも無理ないはずなんですけどね……つまり、時の女神に会うまでの過程が全部死者の国における出来事みたいな感じで」
ラオウ:「いや、それだと、ギリシャ神話の設定がおかしくなるから(笑)」
高 任:「まあ、このゲームの欠点は、エンディングだけというか(笑)」
吉 井:「エンディングさえ見なければ、心地よい達成感に包まれたままなのに」
ラオウ:「そうですね……エンディングというか、ラスボスのゼウスを倒して、アテナが飛び込んできた……で、ゲームの電源はつけたままテレビの電源を切る(大爆笑)」
高 任:「で、トイレに行ったり、長かった戦いの記憶を反芻しながらお茶を飲んだりして、時間をつぶす……こういうのは、ちゃんと説明書の正しい遊び方に書いてもらわんと(笑)」
吉 井:「書けない書けない…っていうか、それはまだエンディングじゃないよ(笑)」
高 任:「え?」
吉 井:「ほら、そこから一旦また戻って…」
ラオウ:「ああ、そうでしたね……また過去へさかのぼって、あの最低のエンディングに(笑)」
吉 井:「というか……クレイトスが悪夢に悩み続けた10年とか、ゼウスがタイタン族との戦いに踏み切ったあたりとか……歴史年表無茶苦茶じゃないですか?」
ラオウ:「まあ、アクションゲームで、洋ゲーですから」
高 任:「うん、そう思うとこのぐらいは許せる」
吉 井:「逆に言うと、そう思わないと許せない」
ラオウ:「ゲームの出来が素晴らしいだけに…」
脱線。
吉 井:「そういえば……『1』であった、あのボーナスゲームが『2』でもありましたね(笑)」
高 任:「俺、最初気付かなかったんですよ……というか、2周目で気付きました」
ラオウ:「まあ、上から落ちてきて……そのまま下に潜るルートがあからさまですし。わざわざ周囲を調べて、衝立を壊さなきゃ見つけられませんしね」
吉 井:「というか……『1』よりパワーアップしてましたね(笑)」
高 任:「ションベン小僧ですか(爆笑)」
ラオウ:「あれって、大丈夫なんですかね?そりゃ、17歳以上推奨だけど(笑)」
ここでいうボーナスゲームは、もちろん美女を相手にCSアタックのアレ。
前作では、ベッド脇の机の上の花瓶がカタカタ揺れて、最後に落ちて割れる……だったんですが、『2』では視点が側の小便小僧の像に移りまして。
CSアタックを成功させると……まあ、小便小僧の像が大量の尿(お風呂だからお湯だけど)をどっぱぁーと放出。
高 任:「つーか、笑った……腹がよじれるぐらい笑いました」
ラオウ:「ああいうセンスは、是非日本人に見習って欲しい(笑)」
吉 井:「というか、失敗したときの美女の台詞の方がやばいと思います(笑)」
ラオウ:「……アレ、どんな原文だったかかなり興味があるんですけど」
高 任:「日本語訳で悪ノリしたか、元々の原文が洒落にならない内容だったのをあの程度にしたかの2択ではないかと」
吉 井:「……原文がアレ以上に洒落にならない内容だったに一票(笑)」
ラオウ:「……でしょうねえ(笑)」
高 任:「そしてやっぱり大量の経験値(笑)」
ラオウ:「でも、あそこで経験値稼いでも、全部オリュンポスの剣に吸収されるから、一緒でしょ」
高 任:「そりゃね」
ラオウ:「そういや、ワイヤーアクションというか……目標に武器を引っかけて、反動つけて飛んだり、回転したり……新アクションですが」
高 任:「……『2』って事で目新しさを出そうとしたんだろうけど、回転させる方は必然性が感じられなかったな……剣を使っての壁登りなんかは楽しかったですが。某ゲームの登山隊に是非とも欲しい逸材(笑)」
吉 井:「イカロスの翼とか…どうですかね?」
高 任:「羽根を出すと滑空することが出来る……けど」
ラオウ:「アレは、戦闘シーンで奥行きを広げたかも知れませんが、アクションという意味ではあまり意味がなかったような」
高 任:「というか、あのイカロスはショックでしたわ(笑)」
吉 井:「そりゃショックですよ」
ラオウ:「……というか、あの男から翼をもぎ取ってからしばらくゲームを続けて…『えっ?さっきの男って、あのイカロスなん?』と気付いて愕然としましたよ(笑)」
高 任:「まあ、勇者扱いだったり、愚者の象徴だったりする人物ですが……あんな幽鬼じみて描かれた作品は、俺の知る限りこのゲームが初めてじゃないでしょうか」
吉 井:「まあ、大抵は美形に描かれてますからね」
ラオウ:「お前は死ねッ、ここで死ねっ、死ねっ、死ねっ……そりゃ、あのイカロスとは思いませんでした(笑)」
高 任:「どっちかというと、カ〇ジやア〇ギ等の、福本先生漫画で登場してきそうなキャラです(爆笑)」
吉 井:「確かに」
ラオウ:「相手の攻撃を跳ね返す肩当てとか……なんかシューティングゲームみたいで、ちょっと楽しかった」
高 任:「タイミングずれると、まともに食らう(笑)」
吉 井:「アレがあると、敵によってはこっちから攻撃を仕掛ける必要がなくなりますし」
高 任:「というか……盾を使って、結界光線を跳ね返すステージで、あの…壁から、火球が飛んでくるようになるじゃないですか」
ラオウ:「ああ、あったな…」
高 任:「俺あそこで悩んだんですよ……むう、これはここで何とかしなきゃいけないと思って、壁に向かって攻撃したり、飛んだり跳ねたり、落ちたり(爆笑)」
ラオウ:「先に進めよ」
高 任:「いやあ、敵を倒したらいきなり壁から火の玉が出るようになるわけでしょ……これは、ここをなんとかせねばと思いません?」
吉 井:「先に進んだステージで、相手の攻撃を跳ね返す肩当てを手に入れて、ああ、あそこで使うんだなと」
ラオウ:「というか、像を台の上から蹴る方でちょっと悩んだよ俺は……物理法則完全に無視してるだろ、あれ。物体はあんな風には動かん(笑)」
高 任:「ああ、あれですか……あんなの、段差の部分に板きれでも置けばすむことですよね?クレイトス、お前は猿か?などとぶつぶつ言いながら、悩みました(笑)」
吉 井:「それは、倉〇番に文句を言うようなモノだよ、高任君」
高 任:「そりゃそうですけどね…」
吉 井:「というか、死体を担いだぐらいでジャンプできないのか、クレイトス(爆笑)」
ラオウ:「それこそ、ゲームと割り切りましょうよ…」
高 任:「でも、イメージで言うと、70キロのバーベル担いでジャンピングスクワット……出来るよなあ。クレイトスさんならなおさら(笑)」
吉 井:「もう、あの部分がどうしてもわからなくて……仕方なくネットで調べましたよ、自力で完全クリアしようと思ってたのに」
高 任:「じゃあ、あそこだけですか?」
吉 井:「あそこだけ……っていうか、ジャンプできないなら、そっち側に死体を下ろせばいいだけやん……などと、もどかしいったら(笑)」
ラオウ:「『1』と違って、もどかしい謎が増えましたよね。なんでわざわざそんなことしなきゃならん?って感じの」
吉 井:「ゲームだからってのはわかってますけど…」
高 任:「出口のない部屋での戦闘とか、倒した相手の身体が串刺しになって、その重みで鎖が下がって……え、ホントにこの部屋って脱出不可能だったの?とか」
ラオウ:「あそこから鎖に飛びつけば、降りられたはずだよね(笑)」
高 任:「プレイヤーの好みにもよるだろうけど、クレイトスに状況を与えて、そこからの解決法が、いまいちすっきりしないモノが多かった……と、俺は思ったんですが」
ラオウ:「というか、結局それもひっくるめて、シナリオに問題があるのが原因だろうね………基本的に、ストーリーってのは論理的思考の積み重ねだから、それがおかしい人間が謎を用意したら解決方法もおかしくなるのは当然だろ」
高 任:「な、なるほど…」
ラオウ:「まあ、アクションゲームのアクションの部分で、ほぼケチを付けるところがないから、そういう話になるんだけど」
ちょい脱線。
高 任:「個人的にはね……眼前に迫る、万余の敵兵。それにむかって一人つっこんでいくクレイトスの姿が見たいというか」
吉 井:「それは、某無双でいいんじゃないかと(笑)」
高 任:「いや、某無双だと勝てそうですやン……あれは、バズーカ一発大掃除というか、でたらめに強い上での爽快感で、クレイトスのそれとは別物というか」
吉 井:「バズーカ一発って、何のネタでしたっけ?(笑)」
高 任:「忘れました(笑)」
ラオウ:「クレイトスも、でたらめに強いはずなんだけど、負けるんじゃないか……という、脆さを常にプレイヤーに連想させる所があるね、確かに」
高 任:「でしょ……戦車に乗ってひき逃げしまくるとか、圧倒的な能力差で敵を蹂躙するのも、それはそれでゲームとしての正しい楽しみ方とは思いますが、死ととなりあわせの楽しみも捨てがたいというか」
吉 井:「スペ〇ンカーとか?(大爆笑)」
ラオウ:「死と隣り合わせすぎです(笑)」
高 任:「ででっで、でれでれでーでー…」
吉 井:「懐かしい……っていうか、DLして遊べると思うけど」
高 任:「……友達の家で、二面ぐらいまで行った記憶が」
ラオウ:「下に下がっていく台の上でジャンプしたら死ぬんでしたっけ?」
高 任:「死ぬよそれは。コウモリの糞で死に、ダイナマイトが爆発する音でショック死する、ゲーム史上最弱の呼び声高い主人公で……いや、某エロゲーであれを越えるかもしれない主人公がいたか(笑)」
吉 井:「いるの?」
高 任:「まあ、ジャンルが違うんで比較は難しいですが……やつは、散歩すると死にますから、確実にスペランカーの主人公より虚弱(爆笑)」
ラオウ:「おいおい」
高 任:「18禁シーンも、常に死ととなり合わせだし(笑)」
ラオウ:「……エロゲーとして成立するのか?」
高 任:「ま、ちょっとばかりオーバーに言いましたけど、簡単に死ぬのはホント」
吉 井:「でも、昔のゲームの主人公って割と虚弱だったような……公園の噴水で溺れ死ぬ海賊とか(爆笑)」
高 任:「やったことはないですけど、キャプテン〇ルバーですか?猫に噛まれて死ぬやつ」
ラオウ:「よ、よくわからんが……昔のゲームは、失敗即死亡が多かったから。耐久力とか、残機とかの概念がない漢(おとこ)仕様というか」
吉 井:「今それやると、非難囂々でしょうねえ(笑)」
高 任:「でしょうねえ…アレはアレで味があったんですが」
ラオウ:「つーか、高任さん。『GOW』でなんかパロディ書いてくれんの?」
吉 井:「書くの?」
高 任:「基本的に、俺は主人公が格好いい話しか書かないですよ?スパルタの街を守るために、仲間を救うために……そういうクレイトスさんはもはやクレイトスさんではないような(笑)」
吉 井:「ダメだよ、クレイトスは格好良くてもいいけど、大前提として外道じゃないと(爆笑)」
高 任:「いや、だからその外道がちょいとひっかかるというか…」
ラオウ:「本音は?」
高 任:「ギリシャ神話調べるの、面倒くさい(笑)」
ラオウ:「(低ボイスで)腰抜けが(大爆笑)」
吉 井:「ラオウさん、その台詞が言いたかったんですか?(笑)」
高 任:「え、じゃあ『臆病者ではないっ』とか返さないとアカンの?」
ラオウ:「じゃあ、書けよ」
高 任:「臆病者でいいです……つーか、どう書いてもごっつい長い話になるだろ、文庫本一冊分を優に越える分量の」
吉 井:「それは、読むのが大変だね」
高 任:「いや、書く方がもっと大変だと思います、吉井さん」
ラオウ:「いや、高任さんちょっと考えてみ」
高 任:「何を?」
ラオウ:「もう、高任さんの趣味全開で、ギリシャ神話とか深く考えずに日本人の琴線に思いっきり触れるような格好いいクレイトスさんを書き上げてだな、それを読んだ誰かにゲームを購入させて『だまされたあっ!』などと叫ばせてみたくないかね?(爆笑)」
高 任:「それは、そそるな(笑)」
吉 井:「いやいやいやいや……とにかく、外道で。それ以外のクレイトスはクレイトスと認めないよ俺は(笑)」
高 任:「まあ……ほぼ無条件でお勧めはするけど、エンディングだけは見ない方が、としか言えませんよね(笑)」
吉 井:「確実にお勧めなんですけどね」
ラオウ:「そういや、高いところ怖いのは大丈夫だったのか?」
高 任:「時の軍馬の鎖の上が怖かった……でも、あそこは絶対落ちないようになってるし」
ラオウ:「そ、そうか……あそこの風景は多分、プレイヤーを魅せるための風景のはずだが(笑)」
高 任:「後は、ボス戦闘がちょっとしょぼい……というと語弊があるな。『1』のヒュドラ並の格好いいボス戦がなかったのが残念」
ラオウ:「まあ、見映えのする敵かどうかってのがあるからな、それは」
吉 井:「そういや、クリア後のミニゲームとかやたら充実してますけど、触れなくていいんですか?」
高 任:「本編だけで充分に楽しめます」
吉 井:「それはそうだけど……っていうか、PSPで出る新作が楽しみで楽しみで」
ラオウ:「……俺は携帯してまでゲームをやろうとは」
高 任:「それは同感…」
吉 井:「いや、PSPはハード的に絶対に買いだと思うけど……多分、メーカーが今ソフト開発に一番力を入れてるのではないかと」
ラオウ:「……何だろう、吉井さんが嬉々としてクレイトスを操作している光景が今ひとつ思い浮かばない(笑)」
お買い得度 …… 9
操 作 性 …… 8
音 楽 …… 9(前作に比べて、重厚でいい感じ)
再プレイ度 …… 7
外 道 度 …… 9
絶対値評価 …… 5(調べてみたら、久しぶりの満点)
『1』に比べると、良い部分も悪い部分もあります。
しかし、それはプレイヤーの趣味に合うかどうか……というレベルの問題でしょう。幅広いユーザーに対して、良い部分(薬)と同時に悪い部分(毒)を与え(もちろん全てで大満足という人もいるでしょうが)、感動と心の傷を残すこと間違いなし。
つーか、エンディングは絶対に心に傷を残します。(笑)
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