お題……『GOD OF WAR』(PS2)
 
 数年前、アメリカのアクションゲームの賞を総なめにし、まさしくタイトルの名前通りこれこそが『神のゲーム』である……とまで絶賛された本作品。
 
 全世界の全てのゲーマーは、このゲームの前に跪けっ!
 
 ……とばかりに、移植されて日本に上陸したのですが。
 なんというか、この対談の本来の趣旨にふさわしく、隠れた名作となってしまっているのは何故だろう?(笑)
 まあ、そのあたりは対談の中で話し合うとして。
 
 舞台はギリシャ神話の世界。
 神々の王ゼウスは、神同士の戦いを禁じていたわけですが……ゼウスの息子の一人である戦いの神アレスは、父親であるゼウスが妹のアテナを可愛がることに腹を立て、アテナの治める街というか……そこに軍勢を率いて戦いを仕掛けます。
 神同士が争ってはならないという決まりがあるため、アテナ自らはもちろん、オリュンポスの神々もアレスの行いを止めようとしてもそれができません。
 しかしそれでは、街を守る人間が、どうして神に抗うことが出来ようか?
 
 そこでアテナおよびオリュンポスの神々は、神同士が争うことが出来ないなら、人間に神の力を貸し与え、その力をもってアレスを倒させればよい、と。
 そして主人公クレイトスは選ばれた。
 彼はかつてスパルタの街を代表する戦士であった。
 最初は数十名を率いるだけの隊長だった彼は、戦いを重ねることで頭角を現し、やがて、スパルタの戦士全てを率いる将軍としての地位につく。
 しかし、自軍を数倍する蛮族との戦いにおいて死の危機に瀕したクレイトスは……己の力では状況を打破できぬことを悟り、戦いの神であるアレスに、生涯初めての、そして最後になるはずだった祈りを捧げた。
 その祈りは聞き遂げられた。
 神々の国からアレスが舞い降り、群がる蛮族を殺し尽くし、クレイトスの命を救ったのだった。
 しかし、祈りが聞き遂げられたとき、それには代償が必要となる。
 クレイトスはアレスの使徒となることを選び……またアレスも彼を認め、最強の戦士として育て上げるために彼を試練(罠)を与えた。
 アレスの指示の元、クレイトスは戦いを重ね……そして今日も、アレスに逆らう村を全て焼き払い、その神殿にある人間を全て殺し尽くし……そこで気付いた。
 今、己に手にかけた女と子供が、自分の妻と娘であったことに。
 
『力を得ようとするなら、その代償を払わねばならない……クレイトス、貴様は今力を手に入れる権利を得たのだ』
 
 アレスの言葉の意味を、アレスの悪辣な罠を、そして自らが犯した過ちを悟って、クレイトスは慟哭した。
 何人の女を抱いても、数え切れぬ戦いに身を投じても、その悪夢が去ることはなかった……そして10年、今やクレイトスの望みはただ一つだった。
 この悪夢から逃れること……ただ、それだけ。
 
『クレイトスよ、アレスを倒すのです』
 
『アレスを倒せば、私をこの悪夢から解放してくれるのかっ?私の罪を、神々は許してくれと言うのかっ?』
 
 もはや、アレスに従うことは出来ない……そこまで追いつめられていたクレイトスは、アテナに対して確約を求めた。
 
『アレスを倒せば、あなたの罪は許されるでしょう……神は嘘をつきません』
 
『ならば…』
 
 両腕に巻き付いた鎖……それにつながる双剣を掲げる。
 冥界の炎によって鍛え上げられた、カオスの剣と呼ばれる……元々アレスによって与えられた武器で、強力だが、その鎖はクレイトスの両腕の肉と骨に絡みつき、外すことが出来ず……戦い続けることを宿命づけられる呪われた武器でもある。
 
『私は、アレスを倒そう』
 
 そして主人公クレイトスの最後の戦いが始まった……行き先はアテネ。今まさにアレスが攻め滅ぼさんとしている街に。
 
 と、ゲームを進めていくことで知らされる情報を構築するとこんな感じで……渋いの一語に尽きます。(笑)
 ただ、ゲームの開始は……『オリュンポスの神々は私を見捨てた…』と、呟いたクレイトスが、切り立った崖の上からエーゲ海に身を投げるシーンから始まったりしますけど。
 
 
高 任:「ふむ、アクションゲームの対談は初めてですが、それを飾るにふさわしい作品と言えましょう」
吉 井:「しかも、隠れた名作ですから、対談の趣旨にもぴったりです(笑)」
ラオウ:「いや、これは全然隠れてないでしょう。めちゃくちゃ有名なゲームじゃないですか」
高 任:「まあ、それを言っちゃあ…」
吉 井:「……」
ラオウ:「…吉井さん?」
吉 井:「いや、あの……このゲームって、もちろん、アメリカなんかでは知らない人間がいないぐらい有名ですけど、日本では本気で隠れた名作になってるんですが…?」
 
二 人:「うそおっ!?」
 
高 任:「これは売れるでしょ?だって、だからこそ、『2』も移植されたわけだし、それにあわせて、『1』のベストプライス版とか発売されたわけですから」
ラオウ:「というか、こんなユーザーフレンドリーな洋ゲー初めてプレイしたですよ、俺は(爆笑)」
高 任:「フレンドリーですよね、このゲーム……洋ゲーにありがちな、『何をしたらいいかわからない』『どうすればいいかわかってもできない』『いろんな意味で無茶』の3重苦から解放されたゲームなんて珍しいの一言に尽きますし」
ラオウ:「三重苦って、アンタ…(笑)」
高 任:「いや、アレはアレで味があるんですけどね……結局、どこかで諦めざるを得ない作品がごろごろしてるのは事実じゃないですか」
ラオウ:「まあ、ゲーマーの、ゲーマーによる、ゲーマーのためのゲームがほとんどだからなあ」
高 任:「……じゃなくて吉井さん、このゲームのどこに、日本人が受け入れられない要素があるんですか?」
吉 井:「いや、何というか…」
ラオウ:「……あ、ひょっとすると、かなり残虐なシーンが炸裂しまくってるから、引く人もいますか?」
吉 井:「まあ、それもあるでしょうけど…」
高 任:「残虐たって……必要なリアルさの範囲だと思いますけど」
ラオウ:「いや、高任さんちょっと想像してみ……君は結婚して、10歳くらいの可愛い娘さんがいるとして……その娘さんが、このゲームやりながら『貴様ら全員、地獄に送り返してやるぅっ』とか叫んでたら、すごく嫌だろう?」
高 任:「すげえ嫌です(笑)」
吉 井:「一応、17歳以上対象ゲームになってますから…」
ラオウ:「まあ、それは冗談として……確かに、親が子供に買い与えるゲームではないような気がしますけど、話題にならないって事がちょっと信じられないんですが?」
吉 井:「まあ、なんというか、主人公が…」
高 任:「……?」
ラオウ:「……あぁ」
高 任:「え、なになに?」
ラオウ:「いや、スキンヘッドで身体に入れ墨入れて防具なしのマッチョタイプ……あたりは、ちょっと日本人の美意識から外れてるのかも…(笑)」
高 任:「そうですか?」
ラオウ:「いや、君は元々一般人のそれから外れてるから(笑)」
高 任:「……クレイトス、格好良くないですか?」
ラオウ:「いや、俺は割と好きだけど(笑)」
高 任:「声が弦田〇章ってのがまた良くて……彼の断末魔を何回聞いたことか(爆笑)」
吉 井:「し、死んじゃダメだよ」
高 任:「大体、アクションゲームに主人公の格好良さがなんか関係あるんですか?もちろん、限度はありますが、結局ゲームの出来が良いならそれでオッケーでしょ?」
ラオウ:「そりゃな」
高 任:「……あ……そもそも、洋ゲーってことで、最初から敬遠されたってのはあるかもしれませんね。いわゆる三重苦洋ゲーで、トラウマ持ってる人は多いでしょうし(笑)」
ラオウ:「あるぞ、俺はいっぱい持ってるぞ(爆笑)」
高 任:「そりゃ、俺だってありますよ……ものすごい速度で画面いっぱいに飛び回る米粒のような鳥を、当たり判定のめちゃくちゃ小さい銃で何羽も撃ち落とさなきゃ先に進めない(しかも、一発では死なない)ゲームとか、向こうが複数人で間断なくこっちに向かって矢を放ってくる中、これまた当たり判定のちっちゃい弓で、敵を全部倒さなきゃ前に進めない上に、向こうの矢が当たると構えが崩れてやり直しになるのに、物陰から隠れて打つのができなくて、相手の射線に身をさらしつつ、こちらより速い速度で矢が飛んでくる中、当たらないことを祈りつつ、狙いを定めて……しかも矢の数に制限が……」
ラオウ:「もういい、わかった(笑)」
高 任:「っていうか、俺が途中で投げ出したゲームに占める洋ゲーの割合って高いですよ(爆笑)」
吉 井:「いや、それは高任君に限らないと思うけど」
高 任:「なんというか、かつてアメリカに輸出されたセガの魂ってどこか歪な形に成長してるとおもうんですけど(一同大爆笑)」
ラオウ:「笑いはしたけど、それは違うぞ高任さん……セガの魂はさておき、あっちのゲームは、昔からどこか無茶というか……アドベンチャーモノで、アイテムを探すのに、1ドットずつずらして画面の隅から隅まで探していかなきゃいけないゲームとかごろごろしてたし」
吉 井:「ありましたね、そんなゲーム」
ラオウ:「しかも時間制限付きで、間に合わなかったらアウト(爆笑)」
高 任:「絶対無理だ」
ラオウ:「個人の好みもあるんでしょうけど、謎解きに失敗したら死ぬのはいいんですが……死を前提にというか、何回か死ななきゃわからない謎ってのはちょっと違うんじゃないかと」
吉 井:「ああ、それは同感です」
高 任:「死ぬというと……プリンスオブペルシャとか?(爆笑)」
ラオウ:「死ぬ死ぬ、あれは絶対に死ぬ(笑)」
高 任:「何もないところで、実は見えない足場がある……何回も死んで、ここと、ここに足場、ここは何もない……なんて、メモとっていかなきゃ絶対クリアできない」
ラオウ:「あった、あった…あれなんか、死を前提に作られた代表格だよな」
吉 井:「それ、3Dじゃない方ですよね?結局、クリアできなかったんですけど(笑)」
ラオウ:「まあ、知人にヒント貰って何とか…で」
高 任:「制限時間1時間……面によっては、いきなり落下する場面から始まって、モノを掴む動作しなきゃ即死亡…そりゃ、一度は死ぬよ(大爆笑)」
ラオウ:「死んだ死んだ……あれ、ステージの6ぐらいだっけ?」
高 任:「ラオウさん、3Dの方はやりました?あれやると、初代の方が可愛いもんに思えます……っていうか、俺は投げ出しました」
ラオウ:「俺も投げ出した(笑)」
 
 以下、洋ゲーに対しての恨みつらみが炸裂する時間がしばらく続きました。
 
ラオウ:「……まあ、やっぱりこのゲームはユーザーフレンドリーですよね」
高 任:「何があったんでしょう?(笑)」
吉 井:「そこまでいう人なら、普通洋ゲーには手を出さないでしょう?」
高 任:「いや、でも手を出した人間は間違いなく絶賛する出来じゃないですかこのゲーム。だったら、それは評判になって、じゃあ、俺もやってみるか……で、どう考えても隠れた名作になるとは…?」
吉 井:「まあ、正確なところはわかりませんけど……あんまり、日本では売れなかったし、売れてないそうです」
ラオウ:「まあ、俺も名前は知ってましたが、元々アクションゲームはあんまり好きじゃないし、対談すると言われなきゃ手を出さなかったでしょうけど(笑)」
高 任:「むう…」
ラオウ:「あ、ちょっといいかな?」
高 任:「ん?」
ラオウ:「いや、予定では、『1』と『2』を一緒に対談するって言ってたけど、分けませんか?」
吉 井:「え、でもそれじゃ対談やりにくくないですか?」
ラオウ:「まあ、対談の中で触れちゃダメとかいうのじゃなくて……そのあたりは、文章にするとき、高任さんに調節して貰えば」
高 任:「ラオウさん」
ラオウ:「なんだい?(目をそらす)」
高 任:「まだ『2』をクリアしてないな、正直に言うてみ?」
ラオウ:「まあ、そうなんだが(笑)」
吉 井:「……」
ラオウ:「じゃなくて、今対談の候補に挙がってるゲームってどれもこれも時間のかかるゲームばっかりじゃないですか。一番大事なのは、生きていくための糧を得る仕事であって、そっちで色々あるとどうしてもゲームに回す時間が……(以下略)」
 
 中断。
 
高 任:「……というわけで、『GOW』の対談です」
ラオウ:「キミのそういう皮肉なところは、人に嫌われると思う(笑)」
高 任:「アンタが言うか(笑)」
吉 井:「まあまあ…」
高 任:「しかし、『オリュンポスの神々は私を見捨てた…』とか言って、いきなり主人公が身投げしたシーンから始まったときはどうしようかと(笑)」
ラオウ:「ユーザー置いてけぼりですからね」
吉 井:「いきなりこっちを置いてけぼりにするお二人さんもどうかと思いますが…」
高 任:「まあ、ギリシャ神話がモチーフらしいですが、ラオウさんがいるから一安心」
吉 井:「そうなんですか?」
ラオウ:「別に詳しいわけじゃないですよ……一般教養程度に」
高 任:「どんな一般教養だよ…(笑)」
吉 井:「確か…ホメロスですよね、書いたの」
ラオウ:「いや、書いたというか……いろんな伝承をまとめて、系統立てたというのが正確なんですけど。あ、ホメロスだけじゃなく、ヘシオドスを加えた二人によって成立ってのが定説で」
高 任:「…一般教養なくてごめんなさい(笑)」
吉 井:「申し訳ないです(笑)」
ラオウ:「高任さんは、読んでたやん……つーか、民話や伝承のまとめ云々に関しては、高任さんの方がよっぽど専門だろ」
高 任:「つーか、ギリシャ神話って、結局は壮大な親子げんかというか、兄弟げんかというか。訳者にもよるけど、読んで面白い話でもないからあんまり記憶に残らない(笑)」
ラオウ:「それ言うと、みもふたもないんだが(笑)」
高 任:「つーか、神の名を借りた時の権力争いが伝承として各地に残った……あたりでしょうね」
吉 井:「ますますみもふたもないよ、高任君(笑)」
高 任:「つーか、そもそもゼウスが父親のクロノスを追放して王の地位につき、神同士で争ってはならないと決めたのは、間違いなく権力争いと、自らの権力維持の場面ですし……ゼウスの兄弟の、ポセイドンには海を、ハーデスには冥界を任せ……なんて、支配地分散というか、王の一族に領地の一部を与え……そのまんまとしか思えないと言うか」
ラオウ:「まあ、その通りではあるんだが……なんでもかんでも、そういう風に分析しちゃうと、夢も希望もないぞ(笑)」
吉 井:「話が横滑りしすぎてます(笑)」
ラオウ:「まあ、オープニングの『クレイトスは、ギリシャで一番高い山から身を投げた…』あたりは、まあ、制作者がちゃんと気を遣ってるなとわかりますね」
吉 井:「へ?」
ラオウ:「いや、あの時代に成立した特徴というか……何かに書いて後に残すわけじゃなく、人から人へ語り継がれていくわけですから……単位なんかあってもあまり通用しない時代ですからね、単純に『山から身を投げた』では、聞き手に与えるインパクトが小さいわけで」
高 任:「なるほど……『彼は、もっとも高い山を越え、最も広い湖を泳ぎ切り、艱難辛苦を乗り越えて…』というやつだな」
吉 井:「ああ、ギリシャ神話の時代ならではの表現ってやつですか……確かに、別にギリシャで一番高い山じゃないだろうとかツッコミ入れたくなりますし(笑)」
高 任:「ギリシャで一番高い山って言ったら……オリンポスだよね?」
ラオウ:「そりゃ、そこからオリュンポスが来てるわけし」
吉 井:「もう、神話はいいです。ゲームの話を(笑)」
 
 
高 任:「クレイトスがアテネに向かうための最初の戦いから始まるわけですが……この、ボス戦のヒュドラがめちゃめちゃ格好いいですよね」
吉 井:「はっきりいって、映画ですよね……というか、このゲームって映像との切れ目がすっごい滑らかと言うか、CSアタックなんかも、PS2でここまで出来るのか……と、感心するしか」
 
注:『CSアタック』…正式名は、コンテキスト・センシティブ・アタック。敵が弱った状態になると、画面にそれを知らせるマークが出現。
 敵の近くで『○』ボタンから入り、一例を挙げると、それで主人公は敵の攻撃をかいくぐって懐にステップイン、そこでまた違う指示が出現し、遅れることなくボタンを押すなり、レバーを動かす事に成功すると、敵のまたの間を抜け、そこでまた指示に従うと、主人公が敵の背中を駆け上がって高くジャンプ、そこでまた指示が現れて成功すると、敵の頭に双剣を突き立て、とどめを刺すようにぐいっとひねり込み……主人公がジャンプして地面に降り立ってから少し遅れて、敵の身体がゆっくりと崩れ落ちていく…。
 もう、うまく表現できないのがもどかしいですが……アクション映画の主人公が、敵を倒しているようなシーンへと、それまで普通に戦っていた場面からロスなく切り替わり、敵を倒す……まるで、映画のような、としか。はっきり言って必見です。
 もちろん、ちょおおっと残虐なシーンになることが多く……敵の身体に馬乗りになり、顔面めがけて剣を振り下ろそうとするのを必死に押しとどめようとする相手との力比べ(ボタン連打で押し勝つ)……敵の手を振り払う、そして顔面に剣を突き立て、えぐりこみ、噴き出る血が驟雨となって石畳を濡らす様は……。
 
ラオウ:「まあ、CSアタックも、絶対にそれを使わなきゃいけないシーンは限られてるし、戦闘の自由度は高いよね」
高 任:「というか、普通に倒すと経験値、CSアタックで倒すとヒットポイントや魔法力が回復したりするから、ちゃんと状況に応じて使い分けないと」
吉 井:「まあ、一面のボスというか、初っぱなからあんな戦闘シーンを見せられて、おいおい、この後どうなるんだよ……と思ったんだけど(笑)」
高 任:「すごさに慣れただけかも知れないけど、正直ヒュドラとの戦いが一番格好良かったような(笑)」
ラオウ:「んー(笑)」
高 任:「ヒュドラと言えば、俺は最初、『この敵何回も生き返るけど、20回ぐらい倒せばいいのかな…』とか思ってました(爆笑)」
吉 井:「高任君、それは、洋ゲーの暗黒面に毒されてる(笑)」
ラオウ:「それはセガの魂じゃなくて、ファルコムの魂だよ(大爆笑)」
高 任:「それで……そういや、この両サイドの踏み段は何だろう…とか(笑)」
ラオウ:「まあ、従来の洋ゲーなら、両サイドの踏み段は何の意味もない……というオチなんだけどな(笑)」
吉 井:「……深そうですね、洋ゲーに対する恨み」
ラオウ:「バランス感覚というか……このゲームって、必要のないモノはないじゃないですか。ここにこれがある……つまり、これを使ってどうにかしなくちゃいけない……と、良い意味で、物事のつながりを考えさせる感じですね」
吉 井:「まあ、ちょと面倒な場面だと、そこに辿り着いた時に、全体の位置関係を教えるように視点が切り替わったり、その部分が白く光ったりしますし」
高 任:「しかし……俺らがユーザーフレンドリーって感じると言うことは、向こうのゲーマーにとっては物足りないって事ですか?(笑)」
吉 井:「テストプレイで近くの大学生にやらせて、つまったり、わからなくなる部分を徹底的に調べて、ユーザーが気付くように、そういう部分を付け加えたらしいですが」
ラオウ:「……一瞬感心しかけたけど、それはゲーム開発では当たり前のことでしょう?つまり、普通の洋ゲーは、そういう事やってないって事ですか?(爆笑)」
 
 脱線。
 
高 任:「で、ヒュドラを倒してアテネに向かって船で……って、今思うと本来はポセイドンが支配している海をヒュドラが邪魔して航海できないって……力を貸してくれるぐらいなら、ポセイドンが自分でやっつければいいのでは?(笑)」
ラオウ:「ヒュドラは魔獣であって、神様じゃないからなあ(笑)」
吉 井:「……実は、ポセイドンが弱いだけでは(笑)」
ラオウ:「……話の筋にそって、対談した方がいいんですかね?ネタばれとか…?」
吉 井:「謎解きならまだしも、結局アクションゲームですから(笑)」
高 任:「じゃあ、アテネに着いたとこから順に……と言っても、門が壊れてるから回り道を探してという定番ですし」
ラオウ:「でも、道を作るためとはいえ……巨大な石像を倒して、梯子代わりにするのは(笑)」
吉 井:「実はこっそりと、クレイトスもアテネの街を結構破壊してますよね(大爆笑)」
高 任:「って、肝心なことを忘れるところでした、アテネの街というか港についてすぐのボーナスステージは、絶対にネタにしないと(笑)」
ラオウ:「あれか(笑)」
 
 船が、港に着き……クレイトスがベッドに視線を向けると、そこには妙齢の魅力的な女性が2人。
 CSアタックに入れるマークが、二人の女性の上で光ってるのは一体…?
 とりあえず、ベッドに近づいて話しかけてみると……
 
美 女:「クレイトス、こっちへ来てぇ〜」
 
 お、おおううっ……17歳以上推奨ってのはひょっとして。
 一応、もう一人の女性にも話しかけてみると。
 
美 女:「おねがい、クレイトス…」
 
 やったらあっ!(喜)
 
 ベッドの上に飛び乗り、がっつりと『○』ボタンを押すと、クレイトスは二人の美女を抱き寄せ……うわ、うわうわうわ…あれ?
 何故か、視点がベッドの上からベッドの側にある台の上に載った花瓶へと。
 『×』ボタン、『△』ボタン、『レバー右回転』……もちろん、指示はその都度変わりますが、CSアタックを成功させていくと、台の上の花瓶が震えだし、そして最後には台から落ちて割れる。
 まあ、そりゃ、そんなシーンを思いっきり家庭用ゲーム機で披露するわけにもイカンよな、うんうん。つーか、昔のフランス映画の演出みたいだね。
 などと自分を納得させるように頷くユーザーの前で、あっと驚く光景が。
 敵を倒したり、モノを壊したりした時に手に入る赤い光(レッドオーブ…経験値)が大量に発生しクレイトスの身体へと吸い込まれていくではありませんか。
 
 一体、何の経験値なんだっ!?
 
 おそらく、ユーザー総ツッコミの、別の意味で必見シーン。
 
吉 井:「まあ、アレは…アレですよね(笑)」
ラオウ:「…っていうか、何の経験値なんですか、アレ?(笑)」
吉 井:「しかも、すごい大量な経験値」
高 任:「まあ、抜き手差し手も修行の内、と昔の剣術者が書き残してますし」
ラオウ:「他人との呼吸という意味では確かにな」
高 任:「というか、あそこで延々と経験値稼ぎが出来ません?」
吉 井:「いや、最後は5ずつしか入らなくなるし…普通に敵を倒した方が(笑)」
ラオウ:「2人とも、何回もやったんですね…」
 
 脱線。
 
高 任:「まあ、アテネの港といっても、同じ場所を行ったり来たりで、アレスが街を破壊してるシーンまで辿り着くわけですが…」
ラオウ:「まあ、正直なところ……『あれを倒せと?』ってとこですよね(笑)」
高 任:「霞ヶ関ビルが暴れてるようなもんですよね、あれ(爆笑)」
吉 井:「でも、『待っていろアレス、必ず貴様を…』とか言ってますし」
ラオウ:「まあ、あのあたりは結局、アテナに言われたとおり神官を探して動き回るだけですからね…」
高 任:「あ、でもアテネの街の広場の……左前方の二階かな?あそこの宝箱に、どうしてもたどり着けなかった」
吉 井:「ごめん、そこまで細かいところは覚えてないよ」
高 任:「まあ、全部とらなくても最大までレベルアップできるし」
 
 宝箱にはいくつか種類があり、まず経験値であるレッドオーブが手に入る赤く光っている箱、体力が回復する緑の箱、魔力の回復する青い箱(緑と青、一定間隔で切り替わる箱もあり)、そして、6個集めると体力ゲージ上限が増えるゴルゴンの目、もしくは魔力ゲージの上限が増えるフェニックスの羽根が入っている宝箱。
 その他、イベントを進めるために必要なアイテムが入ってる宝箱など。
 
ラオウ:「そういや、あれって体力なり魔力が上限までいくと、宝箱ってどうなるの?」
高 任:「あ、経験値の宝箱に切り替わるみたい、普通の宝箱よりかなりいっぱいもらえる……まあ、結局、ほとんど経験値使わなかったけど」
吉 井:「高任君、それは…」
高 任:「いや、剣を3段階ぐらいレベルアップさせて……後は、魔法もそのままで、どのぐらいまで経験値貯められるのかなあ、とか。結局、3万とか4万ぐらいまで貯めた記憶が(笑)」
ラオウ:「そういや、鍵を持った女がバルコニーから落ちて死んだじゃないですか…」
高 任:「死にましたねえ…クレイトスに勝手に脅えて」
ラオウ:「というか、ヒュドラのステージもそうだったけど……『お前が何をしたか知っているぞ。この獣め…』とか言われまくるのはいいんですが、その時点ではまだユーザーは主人公の過去を知らないじゃないですか」
吉 井:「何やったんだこの人…とは思いますけど(笑)
高 任:「つーか、この主人公かなり外道だなってのは、ゲームやってるとわかりますし(笑)」
ラオウ:「まあな」
高 任:「ほら、アテネの街でゼウスから魔法を授けてもらいますよね、サンダーボールみたいな感じの、離れた敵を倒すやつ」
ラオウ:「ああ、あれか……どうすればいいかはわかってるんだけど、他のルートはないのかと思って結構悩んだ(笑)」
吉 井:「『おい、私は渡らねばならぬ、そのレバーを放して、橋をかけろ』のシーンですか?(笑)」
ラオウ:「橋を渡したら化物が来て殺されるから嫌だって言われて、主人公の『腰抜けめ…』の台詞が印象的でしたね(笑)」
高 任:「俺ね、あそこは多分順番を間違えたんですよ……本来、そのイベントの後に、ゼウスの魔法を授けて貰うんでしょうけど、俺はゼウスに魔法を授けて貰ってからそのイベントを見たんです」
ラオウ:「え……ああ、なるほどな。先にすすまず、曲がっちゃったのな?」
高 任:「そう……で、普通はアレでしょ。防御的にはレバーを操作したら橋が架かる方が正しくて、レバーを押さえてないと橋が架かってしまうのは不自然だなと思ったんです。だから、その方法が反対に盲点になったんですよ」
吉 井:「……あぁ」
ラオウ:「俺は、さっきも言ったけど別に意味で悩みました……おいおい、まさか。まさか、それはないだろう、と(笑)」
吉 井:「ごめんなさい、速攻で向こう側の男を魔法で殺して橋を架けました(一同大爆笑)」
高 任:「吉井さん、外道(笑)」
ラオウ:「見損ないましたよ、吉井さん」
吉 井:「ええっ、外道扱いですか?大体、二人とも殺したんでしょ?」
ラオウ:「というか、モンスターを倒すときに2発か3発当てる必要があったから……なるほど。ここはまず男に向かって魔法をぶつけて、『化物ではなく私に殺されたくなかったら、そのレバーを放せ』と強迫して、橋を架けさせるのか……と思っただけですが?」
吉 井:「むう…」
高 任:「1発で死んじゃいますからね(笑)」
ラオウ:「あのシーンに関してはめちゃめちゃ後味悪いというか…」
高 任:「多分、開発者は『ひゅ〜っ、クールでイカスぜ』とか言ってたんでしょうね(一同大爆笑)」
 
 クレイトスの外道ぶりを示す行動は他にもたくさんあり、船室の鍵を持った人間がヒュドラに飲まれ……ヒュドラを倒した後、クレイトスはその口の中に飛び込み、今まさに腹の中に落ちようとしていた男を引っ張り上げます。
 
 男 :「た、助けてくれたのか…?」
主人公:「お前を助けに来たわけじゃない…」
 
 と、男が首にかけていた鍵をもぎ取る……まではいいんですけど、その後引っ張り上げた男をわざわざ腹の中へと突き落とします。(笑)
 
 ちなみにこの男、最終ステージの直前の冥界からの脱出でも登場し……下に落ちまいとして壁にしがみついている男の足を掴むことで、クレイトスは消滅を逃れ、脱出に向けて男の身体をロープ代わりによじ登ろうとする……まではいいんですよ。
 
 男 :「(しがみついた男がクレイトスだと気付いて)…ま、またお前か…?」
主人公:「……」
 
 クレイトス、いきなり男の背中に剣を突き立てます。
 何故そこまで……というようなことを、やりまくるわけです。
 ちなみにこの男……『2』でも登場します。敵が冥界に漂う魂を召喚して戦うのですが、そのなかにこの男がいて。
『また、お前かぁっ!?』
 男の絶叫に大爆笑したのは、高任だけではないはず。
 
高 任:「そういや、その直前のシーンにツタからツタへジャンプして飛び移るシーンがあったじゃないですか?落ちたら即死亡の」
ラオウ:「落ちるも何も…」
高 任:「いや、俺あそこで100回以上死んだんですよ」
吉 井:「ええっ?」
高 任:「いや、なんか二段ジャンプにならなくて、距離が足りずに、『うおおっ!』という断末魔を次から次へと(笑)」
吉 井:「スーパー忍とか、ストライダーとか、鼻歌交じりにプレイしてたはずの高任君が何故?(笑)」
高 任:「というか……俺、このゲームの謎解きでは大丈夫だったんですけど、どうしてもクリアできない部分が4カ所ほどあって……仕方ないから一度ネットで調べたんです」
ラオウ:「ほう?」
高 任:「そうしたらね、誰も俺が詰まってるところでは詰まってないみたいで攻略方法が1つもなくて(爆笑)」
吉 井:「た、高任君…」
ラオウ:「で、その二段ジャンプがその1つだと?(笑)」
高 任:「いやあ、これはきっと俺の気付かない回り道があるんだろ……と、思ったんですけどね」
吉 井:「まあ、謎解きと言っても……結局はゲーム後半のパンドラの箱というか、神殿の部分がメインですよね。後は、敵を倒して、向きを変えたり、組み合わせたりするだけで」
高 任:「ラオウさんは、なんか詰まったと事か?」
ラオウ:「……ああ、1つだけあるな。一応自力で解いたけど」
吉 井:「俺も詰まったのは1つだけかなあ、仕方ないから調べた……というか、高任君は結局謎解きは平気だったの?」
高 任:「そりゃ隅から隅までクリアしたわけじゃないですが……そういえば、ポセイドンの娘を喜ばせれば、魔法のアイテムがもらえるらしいあたりのクエストは、解く前に先に進んじゃいましたが」
吉 井:「…ありましたっけ?(笑)」
ラオウ:「まあ、俺も高任さんも、洋ゲーの経験値はそれなりにありますし(笑)」
 
 脱線。
 
高 任:「まあ、アテネの街を行ったり来たりして、ロープで宙づりになった神官を助ける……で、アテネのステージは終了で」
ラオウ:「特に面倒な部分は……なかったよね?」
高 任:「魔物が出てくる穴を、像でふさぐとか……俺、最初右と左を間違えて二度手間になりましたけど」
吉 井:「何故…?」
高 任:「いや、洋ゲーなら、右にある像を左に持っていって、左の像を右に持っていかせるのはセオリーでしょう?(爆笑)」
ラオウ:「こ、この男…洋ゲーの暗黒面に支配されている(笑)」
高 任:「まあ、それまで建物の中をうろうろしてたのが、だだっぴろい砂漠へと」
ラオウ:「……けどなあ、アテネについて、神官を探しなさいって言われて、神官探したら、戻って門を開けて貰う……何だろう、神同士が戦ってはいけないというルールも拡大解釈している以前に……自分に仕える神官ぐらい、アテナ自身が守ってやれよとか思ったりしませんでした?(笑)」
吉 井:「まあ、アクションゲームでそれを言い出したら…」
高 任:「まあまあ……何はともあれ、砂の嵐に囲まれた砂漠ですよ」
吉 井:「砂漠の中を漂うセイレーンって…」
ラオウ:「まあ、砂漠の海と言うことで……というか、セイレーンの出てくるゲームはこれまでいっぱい見てきましたけど、こんな怖いセイレーンは初めて見たかも(笑)」
高 任:「顔の半分が口ですからね(爆笑)」
吉 井:「夢に見そうでした」
ラオウ:「まあ、このステージもつなぎのステージというか…」
高 任:「はい、ここでつまりました(笑)」
ラオウ:「どこで?」
吉 井:「つまるような場所ありましたっけ?」
高 任:「いや、ベルトコンベアの部屋で……次から次へと出てくる敵を、500匹ぐらい倒してみたんですが(笑)」
吉 井:「10匹ぐらいで気付こうよ、これは無限に湧いてくる敵だって」
高 任:「というか、テレビの調子が悪くて、壁というかドアに気付かなかったんです……『しまった、脱出不可能って事は、この部屋はデストラップだったのかあ……くそう、ユーザーフレンドリーと思って油断していたぜっ!』て感じに(爆笑)」
ラオウ:「洋ゲーのトラウマじゃなくて、呪われてるぞお前」
高 任:「まあ、テレビの調子が良くなったらすぐにわかったので、詰まったとは言わないかも知れないけど……でも、敵に邪魔されまくって踏み台を運ぶまでにリアルタイムで30分ぐらいかかりましたよ」
吉 井:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「あの、何か?」
ラオウ:「吉井さん……この男、本質的には詰まってるのに、どうも腕力でねじ伏せてるようですが?」
吉 井:「そうみたいですね」
高 任:「え?」
ラオウ:「あれだろ、運んでる途中に敵に攻撃されたりして、それを倒してる間に踏み台が元の位置以上に押し戻されて……を延々繰り返してたんだろ?」
高 任:「あれは、洋ゲーにありがちな、プレイヤーの忍耐力を試されるイベントだろ?」
ラオウ:「壁の端…画面でいうと奥に、踏み台が戻されないように引っかける部分があるんだよ。そこに引っかけて、敵を倒して、踏み台をけ飛ばしてまた引っかけて……で、スムーズに行けば2分もかからんぞ」
高 任:「マジで?」
吉 井:「というか……そこを使わずに、クリアした人間ってかなり少数だと思う」
高 任:「クリアしたから問題なし(笑)」
吉 井:「いや、ゴッドモード(ベリーハード)だと、その方法では絶対無理だと思うけど」
ラオウ:「……ゴッドで、クリアしたんですか?」
吉 井:「いや、アレはちょっと…スパルタン(ハード)でお腹いっぱいというか(笑)」
 
 ちょっと脱線。
 
高 任:「で……アテナを倒すためにパンドラの箱を探せと言われて、神殿までやってきたわけですが」
吉 井:「高任君、倒すのはアレスでアテナを倒しちゃいけないよ(笑)」
高 任:「いやあ、あのエンディング見たらアテナを倒したくなりません?CSアタックで、出来る限り残虐に(笑)」
ラオウ:「なるよなあ……真の敵はアレスではなく…(笑)」
吉 井:「いやいやいや、ちょっと待って…」
高 任:「まあ、神殿を背負ったクロノスの身体から、3昼夜をかけて崖を登り切って神殿へ……って(笑)」
ラオウ:「クレイトスの強靱さは今更語るまでもないけど、そんなことを出来る人間がクレイトス以外にも、毎年何人もいるという方が驚きというか(笑)」
吉 井:「アクションゲームでそういうツッコミを入れても」
高 任:「というか、そういうツッコミ入れないと、ネタがないですって(笑)」
ラオウ:「それはさておき、パンドラの神殿で、グルグル回転するから、これはてっきり12の謎が、とか思ったんですけど(笑)」
高 任:「3つですみましたね」
ラオウ:「アルテミスのところでちょっと悩んだんだよな……ほら、床のスイッチを押すと、どんでん返しみたいな感じで扉が回転するところ。スイッチから扉は距離があって、自分でスイッチを押すにしろ、隣の部屋から持ってきた重りをのせるにせよ、回転するのは一瞬だから」
吉 井:「扉の近くから、スイッチに向かって重りをけ飛ばすだけなんですけどね(笑)」
ラオウ:「そうなんですけど、あそこで10分ほど立ち往生して」
高 任:「10分ぐらいで悩むとか言うなっ!」
ラオウ:「だって、何度も言うけどこのゲームって、洋ゲーとは思えないぐらいにさくさく進むんだもん(笑)」
吉 井:「まあ、アルテミスはそこだけですよね……制限時間内に、敵を全部倒せとかありますけど」
高 任:「つぎのポセイドンで詰まったんですよ、俺……3日ぐらい」
ラオウ:「なるほど、それは激しく詰まってるなあ(笑)」
吉 井:「あれ……でも、他の人が詰まったりしない所って言ってたよね……だとすると、反対にどこで詰まったのか…?」
 
ラオウ:「……デスローラーに立ち向かったとか?(一同大爆笑)」
 
高 任:「そこまで無謀じゃないよ(笑)」
吉 井:「というか、梯子が見えて、よじ登る場所がない通路いっぱいに転がるローラーがあれば、ローラーを橋代わりに、向こうに渡る以外の選択肢がないです」
ラオウ:「じゃあ、どこで?」
高 任:「ほら、水中で次から次へとやってくるフィルターみたいなのが侵入者を捕らえて壁で押し潰すとこ……どうしても、2番目の避難区域にまでたどり着けなくて」
吉 井:「ああ、あそこ……あれ?水中通路で、時間内に辿り着かないと串刺しにされるところの後だよね?しかも、2つ目の避難区域ってことは、R1ボタンでためて泳ぐのに気付かなかったわけでもないよね?」
高 任:「いや、どうしてもそこに辿り着くまでに後ろからやってくる迫り来るフィルターに捕らえられてそのままプレスされて『うおおっ!』の断末魔を、多分数百回ぐらい(爆笑)」
ラオウ:「……というか、どうやってクリアした?」
高 任:「いや、あのフィルターって、同間隔でやってくると思ってたけど、何回に一回か、間隔が広いときがあるでしょ……そのタイミングで飛び出してギリギリで何とか。そこをクリアしたら、次は普通にいけたし」
吉 井:「……?」
ラオウ:「……?」
高 任:「なんですか?」
吉 井:「あれって、間隔の違いとかありましたっけ?」
ラオウ:「別にそんなこと考えずに、普通にクリアできましたが…?」
高 任:「あれ?」
ラオウ:「高任さんの気のせいでは?」
高 任:「気のせいで、何百回も死ねるかっ!(爆笑)」
ラオウ:「いや、気のせいじゃなかったら、何百回も死ぬまでそれに気付かない高任さんに問題があるし、普通にクリアできた俺らは?」
高 任:「……クリアしたから問題なし(笑)」
ラオウ:「……まあ、いいけど」
 
 
高 任:「ハーデスでまた詰まりましてね」
吉 井:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「言いたいことがあるならはっきりと口に出して言おう」
ラオウ:「いや、何というか……お前がどこで詰まってるのか、反対にわからんと言うか…(笑)」
高 任:「とりあえず、メカミノタウルス(鎧をまとったミノタウルスです)との戦いで、リアルタイムで3時間ほど戦ってました(笑)」
ラオウ:「あのな……このゲーム、必要のないモノはないから」
高 任:「いや、『なるほど、門番ならこのぐらい強くて当然だよな……鎧を破壊するだけのダメージを与えてからが本番だ…』と、戦ってる内に、それがあることをすっかり忘れて」
ラオウ:「ああ、そうかい…」
高 任:「ひょっとして、普通の攻撃では破壊できないのかな……ある程度ダメージを与えたら棒立ちになるけど、これは、ひょっとして、この間に何かしろって事かな……足下をすり抜けて向こうに行くのか、違うな……などと気付いたときには、既に3時間経過(笑)」
吉 井:「もっと早く気付こうよ」
高 任:「いや、ミノタウルスと戦う前に、後方の木材ミサイルを使ったのよ。それで、門の封印よりちょっと上の部分に当たって砕ける映像を見たから、ああ、これは、何かやってから門を破壊するために使うんだな……と思いこんでいたの。だって、ミノタウルスにぶつけてもしゃあないやん。主人公の武器は木材を砕くし、どっちが強力かというと…」
ラオウ:「はいはい、もういい……で、どこで詰まった?」
吉 井:「え?」
ラオウ:「いや、高任さんが詰まったと言うからには、時間じゃなくて日単位のはず(笑)」
高 任:「というか……俺はバイオハザードでまっすぐ歩けない上に、ちょっと高所恐怖症の気があるんですよ」
ラオウ:「なるほど、あそこか」
高 任:「…っていうか、このゲーム高所恐怖症の人間には厳しいです、落ちたら即死亡のあれは、手が震えて、ますますまっすぐ進めません(笑)」
 
 まあ、上空からの視点で、木材の上をクレイトスがゆらゆらと歩いていくんですが……それを邪魔するように、まあ木材の上を舐めるように刃のついた扇風機の羽根が回転している感じ。
 
吉 井:「死んだの?」
高 任:「死にましたねえ」
ラオウ:「つーか高所ダメだっけ?」
高 任:「そんなに厳しい症状ではないよ……つーか、階段突き落とされてからの後天的なモノだから」
ラオウ:「つーか、それじゃクリアできんだろ?」
高 任:「そこはまあ、自己暗示でなんとか。まあ、多少マシになる程度で、しかも元々手先が不器用だと……最初の刃はゆっくりだから、追いつかれる前に逃げ切ったけど、次の部分でどうしても間に合わなくて……数十回死んだところで、主人公の移動速度と、刃の回転速度を計算して、これは物理的に逃げ切れないってわかったから……ああ、これは、何か別の方法があるなと考えて」
吉 井:「……(笑)」
ラオウ:「……(笑)」
高 任:「……何か?」
ラオウ:「いや、続けて(笑)」
高 任:「それで、足場を踏み外したら手でつかまりすよね……これだっ、と思いまして」
ラオウ:「ああ、その手もあるのか…」
高 任:「いや、ワザと踏み外してもダメなんです、どうも木材の上を舐めるように動いているみたいで、主人公はそのまま真っ逆様に(笑)」
ラオウ:「ダメじゃん」
吉 井:「というか、逃げ切れなくて、下がダメなら上しかないでしょ?ジャンプしてかわすのなんて、アクションゲームの基本だし」
高 任:「いや、それも試したんですよ」
ラオウ:「…ですよ?」
吉 井:「……え?」
高 任:「刃がきた、ジャンプ……かわした、着地で、そのまま落下(爆笑)」
ラオウ:「なんでやねんっ(笑)」
吉 井:「立ってる位置でそのままジャンプして着地して何故落下?」
高 任:「レバーにはまったく触れずに、ただジャンプボタンを押す……なのに、着地でそのまま落ちていくのが5回も続けば、ああ、こういう足場ではジャンプしてはいけないんだな。そりゃそうか、足下不安定だし……と思っちゃいません?」
ラオウ:「……?」
吉 井:「レバー触らなかった?」
高 任:「まったく」
ラオウ:「……というか、どうクリアしたんよ?」
高 任:「ジャンプして着地がずれるなら、二段ジャンプでレバー操作して、空中の位置を調節してから着地……するんじゃないですね、どうやら?」
ラオウ:「それ、めちゃめちゃ難易度高くないか?」
高 任:「そこをクリアするまで3日かかりました(笑)」
ラオウ:「お前のゲーム、なんかタイトルが微妙に違うとか、パチモンじゃないだろうな?(笑)」
高 任:「まあ、苦労しましたが、クリアしたので問題なし(笑)」
ラオウ:「まあ、いいんだけど…」
吉 井:「詰まる詰まらないはともかく、ハーデスのステージは、やっぱり灼けた鉄球が転がってくるアレじゃないかと(笑)」
ラオウ:「怖いですよね、アレ(笑)」
高 任:「……つーか、避けるだけなら簡単だけど、壁の扉を開ける(ボタン連打)がね、迫り来る鉄球を見ながら『早く、早く』とか焦りまくり」
ラオウ:「一撃即死亡と思ってたんですが、そうじゃなくってほっとしました」
吉 井:「ハーデスのステージも、謎解きそのものはそれほどじゃなかったですよね?」
ラオウ:「というか……アクションがメインだったと」
高 任:「あのステージは二度としたくない。高いとこ、いや(笑)」
 
 まあ、その3つの試練というかステージをクリアすると、パンドラの神殿の中央部が割れて、巨大ロボット……じゃなくて、塔がせり出してゼウスの山へたどり着くことができ、その最上部に目的のモノ、パンドラの箱があると、盛り上がる演出で。
 
高 任:「あのはめ込みパズルは懐かしかった(笑)」
吉 井:「え?」
高 任:「いや、昔の洋ゲーではけっこうありましたから、あれ……つーか、同人ゲームのパズルなんかでも割とあの手のモノは(笑)」
ラオウ:「まあ、ばらばらの石材ですが、持ち上げることが出来ないんだから、最上部の空白をどう埋めるか……を考えたら、もう答えになるというか」
高 任:「どれを、どう回転させるかだけですし」
ラオウ:「というか、もう片方のネックレスを手に入れるための部屋はなあ…」
高 任:「部屋のあちこちに血のシミがあって、穴が開いている、おまけに入り口は閉じこめられるのが目に見えている仕掛けがあるし……TRPGなら、絶対そんな部屋には入りません(笑)」
吉 井:「どう考えたって、下から串座しコースですから……まあ、入らないわけにはいかないですけど」
ラオウ:「あれは、踏み台をジャンプした瞬間に串刺しになるぐらいのギリギリでしかクリアできなかったんですが、もっと楽なルートとかあるんですか?」
吉 井:「いや、俺もギリギリでしたから……最初は踏み台に飛び乗って緊急避難とか思ってたんですが、踏み台その物が破壊されて、結局は串刺しにされて死亡ですし」
高 任:「床に開いてる穴の間隔を見て、なるほど、こことここが中継場所だなとか、ルートを考えてたんですが、関係ないみたいです。下から針が出た瞬間に、地面に足をついていたら即死亡ですね……とにかく、急いで踏み台を運んで、上の段に飛び移るだけ……の部屋ですね」
ラオウ:「そういや、ネックレスを1つはめ込んだら、向こう側からつきだした壁から踏み台が伸びて、なるほど、もう一つでこっちの踏み台から足場が伸びて渡れるようになるんだなと思ったのに」
吉 井:「伸びることは伸びますが、伸びたり縮んだりですからね」
高 任:「縮む必要ないだろ、と(笑)」
ラオウ:「もう、このあたりになると謎解きでも何でもなく、単なるアクションゲームですよね……3重扉のとことか」
高 任:「というか、床に亀裂が入っているなら、壁を壊す要領で攻撃だ…と思ったんですけどね」
ラオウ:「おいおい」
高 任:「というか、その時もテレビの調子が悪くて……扉があけられる事に気付かなかったので。まあ、それさえ気付けば……後は、落ちないだけですし」
吉 井:「でも、ちょっとでも躊躇すると間に合わないよね、あそこ」
高 任:「5回ぐらい失敗しました」
ラオウ:「あそこが5回ですむのに、なんでしょーもないとこで詰まるかな…」
高 任:「さあ?」
ラオウ:「まあ……それでついにパンドラの箱に辿り着いたのはいいけどねえ」
高 任:「その箱を、アテネの街に持ち帰りなさい……できるかっ!(大爆笑)」
吉 井:「あのクレイトスをして、じりじりと押して進む大きさと重量ですし」
ラオウ:「で、どうするのかと思ったら、クレイトスがパンドラの箱を手に入れたことに気付いたアレスが、石柱をパンドラの神殿がある方角に投げ、クレイトスはそれに胸を貫かれて死亡…アレスの部下がパンドラの箱を持ち帰る(笑)」
高 任:「俺、最初どこで間違ったのかなと思いました(笑)」
ラオウ:「俺も思った…凝ったゲームオーバーだなと」
吉 井:「それは洋ゲーの呪いです、ラオウさん」
高 任:「まあ、冥界からの脱出って……回転する柱の上をすすみ、しかも所々で刃が回転してて……落ちたら即死亡」
ラオウ:「大丈夫だったか、高任さん」
高 任:「下が真っ赤だったから、あまり高さの感覚を感じずにすんだけど……あのステージも2度としたくない。つーか、見たくない(笑)」
吉 井:「もう、あのあたりはユーザーに対する嫌がらせのように、延々と続きますからね……正直、あの部分だけはちょっとマイナスポイントというか」
ラオウ:「まあ、謎解きでも何でもなく、戦闘シーンもほとんどなく、ただ延々と集中力を要求される修行ステージ……は、まあ、冥界からの脱出だからある意味演出なんでしょうけどね」
高 任:「というか、山登りというか柱登りが。回転する柱に刃がついてて、触れたら即落下、最初からやり直し……ああ、賽の河原ってこんな感じかなあと(爆笑)」
ラオウ:「なるほど、確かにアレは賽の河原だな(笑)」
吉 井:「それで、最後はアレスと戦うんだけど……パンドラの箱って、主人公が巨大化するだけですか?(笑)」
ラオウ:「アレスは何のために……アレスが使ったらさらにでかくなるのか?」
 
 
高 任:「まあ……一応ストーリーにそって話してきたけど、結構時間食ってるな」
ラオウ:「つーか、本当の意味でゲームについて対談してないような」
吉 井:「じゃなくて、二人そろって洋ゲーに対する恨みをぶちまけたせいではないかと(笑)」
高 任:「しかし……『大丈夫、やって見ろ』の一言ですみそうですよね。イージーモードならクリアできないって事もないでしょうし、はっきり言って面白い、と
ラオウ:「うん……だからこそ、吉井さんが言った『あまり話題になってない』ってことが引っかかるんですよね」
吉 井:「まあ、それは俺も不思議なんですが」
ラオウ:「ここまでネットなんかで情報が氾濫する時代でしょ……どこか、俺らの気付かない問題点があって……じゃないとつじつまが合いませんよ?」
高 任:「まあ、妙なつまり方さえしなきゃ15時間ってとこですよね……とにかく、1ステージのヒュドラ戦と、CSアタックの映像、そしてボーナスステージの大量の経験値は必見かと(大爆笑)」
ラオウ:「……クリアする必要はないと、訴えているようにも聞こえるが」
吉 井:「高いレベルで安定はしてますが、微妙に……前半にウエイトがかかってますよね?
高 任:「ヒュドラ戦レベルの戦いが中盤にもう一つ、最後のアレスの戦いがあのレベルだったら、間違いなく全体的に引き締まるんだけど……ヒュドラ戦の出来が良すぎたってのも妙な言い方だし(笑)」
ラオウ:「まあ、アクションゲームに詳しいわけじゃないけど、主人公の使う鎖のついた剣のアクションは新鮮だったし、敵を打ち上げ、剣を投げて空中で敵を捕らえて叩き付ける、距離をとって魔法とか……下手な格ゲーなら裸足で逃げ出しそうなぐらい、幅のある戦い方が出来るし、またそれをシステムがきっちり支えてるし」
吉 井:「……正直、けなす部分を探す方が難しいというか(笑)」
高 任:「隠れた名作は何故隠れてしまったのか…?」
ラオウ:「話題になってないと言っても、プレイした人間は少なからず絶賛してるんでしょ?」
吉 井:「それはそうなんですが…」
ラオウ:「だとすると……やはり、それを買う時点で、何かためらわせるマイナスポイントがあるとしか」
高 任:「買っちゃってる人間が、それを考えてもなあ(笑)」
吉 井:「んー?」
高 任:「……あ」
ラオウ:「何?」
高 任:「えーと……基本に戻ろう。パッケージのセンスを確かめ……これか(笑)」
ラオウ:「ん?」
吉 井:「……」
高 任:「いや、先入観を捨てて……このパッケージを見る。これ、センス悪くないですか?」
ラオウ:「むう、言われてみれば……どちらかと言えば、クソゲーの香りの漂うパッケージだな(笑)」
吉 井:「あおり文句がまた…」
高 任:「それほどじゃないかも知れないけど……このぐらいしか理由が思い浮かばないです」
 
 脱線。
 
高 任:「しかし、あのエンディングのアテネは許せませんな」
ラオウ:「『罪を許すとは言いましたが、あなたを悪夢から解放するとは言ってません』……そこだ、クレイトス。CSアタックでぶち殺せっ!(一同大爆笑)」
高 任:「神が許さなくても、俺が許すっ!(爆笑)」
吉 井:「まあ、そのあたりは『2』で(笑)」
高 任:「というか、ラオウさんどこまで進めてます?」
ラオウ:「『1』で出てきた蛮族と戦って、その先の神殿あたり」
吉 井:「まだ全然ですね」
ラオウ:「え、わりとボリュームあったんですけど」
高 任:「いやいや、『2』はいろんな意味でパワーアップしてますから。まだまだ先は長いですよ……うんざりするぐらい(笑)」
ラオウ:「うんざりって(笑)」
高 任:「いや、お腹いっぱいの所に、フルコースが並べられるようなイメージで」
ラオウ:「なるほど、楽しみだけど同時にうんざりするのね(爆笑)」
吉 井:「……このゲームの細かい設定あたりは、『2』の対談で語ると?」
高 任:「そうですね」
 
 
高 任:「まあ、お勧めですよね
吉 井:「自信を持ってお勧めできます
ラオウ:「まあ、これが洋ゲーかなどと思ってもらったら困るけど(大爆笑)」
高 任:「というか、ラオウさん……このゲームで何か、書いてくれん?これは多分、ラオウさんの重厚な文体でないと、世界観を支えきれないと思うんだが」
ラオウ:「ゲームする時間のない人間に、なんて事いいやがるかな、この男は……つーか、自分で書けよ」
高 任:「ギリシャ神話調べるの面倒くさい……つーか、誰が読むんだか(笑)」
吉 井:「読むよ、書いてくれるなら俺は読むよ、正直読みたい(笑)」
高 任:「いや、このゲームなら誰か書いてるでしょう」
ラオウ:「(無言で首を振る)」
吉 井:「(首を振る)」
高 任:「え?」
ラオウ:「このゲームで、二次創作の小説を書く人間は結構な変わり者だと思うぞ……悪代官で書いちゃうレベルじゃないと」
 
 
お買い得度……10(ベストプライス版も出たし、これを買わずして…)
操 作 性…… 8(ボタンいっぱい、フル使用)
音   楽…… 7(世界観に比べて、まだちょっと軽いかも)
殺 戮 度……10
再プレイ度…… 6(通してプレイとなると…?) 
絶対値評価…… 4(敢えてこの評価……何故なら『2』があるからだ。)
 
 
 くはあ……このゲームの前だと言葉をなくしますね。
 己のボキャブラリーの貧困さを呪うというか……ちょっと伝えきれる自信がないです。 アクションゲーム大好きってわけでもない高任をしてここまで魅了するんですから、好きな人にはたまらないんじゃないでしょうか?

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