お題・・・『果てしなく青い、この空の下で・・・』(以下『青空』)(WIN)
 2000年6月末に発売されたパソコンの18禁ゲーム。この年の夏に発売される予定だった某大作(ぱそゲー界2000年の売り上げナンバーワン)とだぶらないようにいろんなメーカーさんが発売日を調整する中で、そんなの必要ないわああっ!とばかりに売り出された秀作である。っていうか、某『えあー』を買うよりこっちをやりなさいって。
 
 
ラオウ:「傑作です!」
吉 井:「おおっ、あのクールな(ラブひな好きだけどな)ラオウさんが泣いている。」
高 任:「いや、彼って花粉症なんすよ。(笑)」
ラオウ:「くっそおおぉ!部屋の中にまで侵入してきやがって・・・この黄色い悪魔め!(大爆笑)」
高 任:「(ティッシュを箱ごと手渡しながら)いやあ、この時期に出てきて貰って悪かったねえ。」
ラオウ:「いや、今日『ラブひな』のDVDが出たの。これはそのついで。(爆笑)」
吉 井:「そっすか・・・花粉よりもラブひなですか?」
ラオウ:「何か問題でも?」
吉 井:「いや、(一部の)人としては実に正しい生き方だと思いますよ。」
 
ラオウ:「大体やね、テキストノベルとか銘うっておいてノベルにすらなってないゲームが多すぎる!」
吉 井:「そうそう、ノベルならノベル、アクションならアクション、そしてシューティングならシューティング!を売りにしろっての。」
二 人:「ふざけんな『えなめるぱにっく』!あれのどこがシューティングや!」
高 任:「お願いだから帰ってきてください。」
 
(注・・・「えなめるパニック」18禁シューティングと書くのもおこがましいぐらい凄い出来なので手を出してはいけません。)
 
高 任:「・・・何で二人ともあれに手を出すかな?」
ラオウ:「いや、ちょっと疲れてて。」
吉 井:「いや、どれぐらいダメなんだろうと興味がわいて。(笑)」
二 人:「予想を遙かに超えるだめっぷりでした。」
高 任:「んな、クソゲーの対談するのやめようよ。今は青空、青空。」
ラオウ:「・・・ああ、そうだったね。わかってるけどクソゲーってのは魂を揺さぶるからなあ。」
吉 井:「悪酔いしますけどね。(爆笑)」
 
 上手い!座布団一枚。
 
ラオウ:「で、この『青空』だけど、久しぶりに読めるノベルでした。」
高 任:「何様だ、あんた。(笑)」
吉 井:「ラオウさんが言う『読める』ってのは文章ですか?それとも構成ですか?」
ラオウ:「これは構成が素晴らしい。」
高 任:「まあね、単に分岐していくだけのピラミッドシナリオのゲームとは確実にものがちがう。さすが『トップキャット』だ。」
ラオウ:「ここのシナリオさんはしっかりしてるからなあ。」
高 任:「『メッセンジャー・・・』とか『雪色のカルテ』とか絶品ですね。」
吉 井:「『メッセンジャー・・』って?」
高 任:「ドスの頃のゲームで・・・確か1995か6年だった・・・ああ、『あなた風のような人だから・・・』のゲームです。(笑)」
吉 井:「ああ、あれですか。」
ラオウ:「何でそれでわかるんですか?(爆笑)」
 
 ゲームの中でそういう恥ずかしい台詞があったのよ。(笑)
 
ラオウ:「さっき高任さんが『ピラミッドシナリオ』って言ってたけど、このゲームは一つのシナリオをキャラクター毎の視点に置きかえて見事に昇華させている。」
吉 井:「全員幸せにして、やっとシナリオの外形をつかめるんですよね。」
ラオウ:「そうそう、いわゆる平屋建てとは違う重建築の趣があるんだ。」
高 任:「あんた、『美味〇んぼ』の京極さんかい!(笑)」
ラオウ:「・・・良く覚えてるね。」
吉 井:「それはそうと、これってある意味、高任君の好きそうなゲームだよね。」
ラオウ:「・・・ああ、何となくわかります。」
高 任:「滅びの美学!(爆笑)
吉 井:「高任君、バッドエンドとか好きだからなあ・・・」
ラオウ:「・・・後味の悪さと文学性の高さってのを混同してはいけない。(笑)
高 任:「やかまし。大体、楠木正成から始まるマゾ的ヒロイズムってのは日本人の中に脈々と受け継がれてきた王道なんだって。」
 
 (注・・・独断と偏見です)
 
ラオウ:「この男、気に入ったバッドエンドのセーブデータを残してやがるからな。(笑)しかもこのゲームに限った事じゃないし。」
吉 井:「それってある意味怖い人かも。いきなりゲームを立ち上げて、主人公の腕の中で血まみれになって息絶えていく幼なじみとか眺めるわけなんだから。(爆笑)」
高 任:「いや、別に主人公の腕の中で服毒自殺する幼なじみでもいいんですが?」
ラオウ:「・・・」
吉 井:「・・・」
高 任:「二人とも何故ひく?」
ラオウ:「高任さん。」
高 任:「何よ?」
ラオウ:「一応全員助けてるよね?クリアの仕方教えてくれたし。」
高 任:「もちろんみんな助けてるとも。(笑)」
吉 井:「・・・」
高 任:「もちろん、みんな見殺しにした経験もあるとも。別に特別シナリオは始まらなかったが。(爆笑)」
 
 (注・・・全員クリアすると特別シナリオが始まる。後、プレイ時間が短ければ(?画像かもしれないけど)エクセレントクリアとしておまけが始まったりするのだ。)
 
ラオウ:「ひどいー、あんた鬼や。」
吉 井:「このゲームのバッドエンドって凄い痛いから、絶対にみんな幸せにしてやりたくなるはずなのに・・・」
ラオウ:「この男には逆方向に働いてるぞ!」
高 任:「んなこと言っても、このゲームって難しいから大体みんなバッドエンドの経験があるでしょ?」
吉 井:「そりゃ、まあ・・・確かに死んでいく幼なじみを何度も何度も・・・(笑)」
ラオウ:「ちょい待ち。」
吉 井:「はい?」
ラオウ:「文乃のバッドエンドって見たこと無いんだけど?何せ最初からクリアできたし。」
吉 井:「・・・そういえばそうかな。」
高 任:「ああ、文乃シナリオはサービスでしょう。他のキャラは選択が面倒だし。藍と悠夏をクリアするのなんてチャート表作っちゃいましたよ。(笑)」
ラオウ:「この男は・・・」
高 任:「だから、バッドエンドを見るのが一番難しいのは文乃かと。(笑)もう、あからさまに間違えた選択を立て続けに選ばないといけないから。」
吉 井:「で、そこまでして見たバッドエンドのお味はいかがでしたか?」
高 任:「うーん、デリーシャス!(大爆笑)」
ラオウ:「非道すぎる。」
高 任:「いやそれは冗談で、実は凄い後味悪かった。ああいうのは好きじゃないな。」
吉 井:「高任君がそれを言ってはいけない。(笑)」
ラオウ:「まったくだ。」
 
ラオウ:「この作品は、シナリオ云々より場面とか人物が良く描かれてるのが良い。」
高 任:「そう言えばラオウさん、妙に堂島が気に入ってましたね。」
吉 井:「何故にあんな悪党のエロ親父を?(笑)」
ラオウ:「実際にはおらんかもしれないけど、リアリティのある悪役つーか、身近な悪人というか・・・。(笑)」
高 任:「そりゃまあ、ゲームの悪人が現実にいるとしたら最も想像しやすいタイプではあるわな。」
吉 井:「別にリアリティがあればいいってものでもないでしょう。でもまあ、『隣のお姉さん』的な親しみのもてる小悪党でしたが。」
ラオウ:「悪人に親しみを持ってどうするんですか?(笑)」
高 任:「この前の冬コミで知人が堂島のコスプレしてましてね、最初知人とはわかりませんでしたわ。多分、大概の男性は堂島のコスプレが可能ですよ。(爆笑)」
 
 ・・・見てたら(見てなくても)ごめんなさいTさん。
 
ラオウ:「堂島のコスプレかあ・・・よし高任さん、今度のコミケで君は準竜師のコスプレで対抗するんだ、黒枠持ってな。(爆笑)」
高 任:「(声の調子を変えて)がはははは・・・、こんなに笑ったのは久しぶりだ。」
吉 井:「じゃあ、急いで髪の毛を伸ばさないと。」
 
 ・・・無茶を言わないように・・・っていうか対抗してどうする?
 
吉 井:「先に白状するけど・・・」
高 任:「聞かない方が幸せな気がする。(笑)」
ラオウ:「(鼻をかみながら)・・・まあ、聞いてあげましょう。」
吉 井:「まだ、全部クリアしてないので、よろしく!てへっ。(笑)」
高 任:「またかー!吉井さんいっつもそうや!」
ラオウ:「『がんぱれ』だけと違うんかい。いつになったら対談の完結編が出来るんだ?」
吉 井:「違う、これには深い事情があるんだ!」
ラオウ:「オンラインですか?」
吉 井:「それよ!(爆笑)」
高 任:「おんらいん?何それ?」
ラオウ:「撤退の決まった某コンシューマーのオンラインゲームでね。もう吉井さんたらはまりにはまってホームページの更新が出来なくなるぐらいにはまってるらしい。」
高 任:「・・・や、まあ、いいんだけど。」
吉 井:「ま、まあ、とにかくこのゲームもいつか自力でクリアしたいから危険な発言は無しって事で。(笑)」
ラオウ:「まあ、ストーリーについて語り出すほど野暮な事はしないけどさ。」
高 任:「んじゃ、全員の死に様でも語りますか!」
二 人:「語らんでいい、語らんで。(笑)」
高 任:「(凄く不満そうに)・・・ええーっ?」
ラオウ:「この男は・・・」
 
 ・・・何ですか?(笑)
 
ラオウ:「しかし、まいったね。どのシナリオが好きか?も判断できないわけだし。」
吉 井:「はっはっはっ。でも元々全員のシナリオが複雑に絡んでるみたいだから、単独でそれを語るのはナンセンスでしょう。」
ラオウ:「いや、エンディングとかの読後感というか後味というか・・・」
高 任:「(ぶつぶつと)・・・あの死に様からしてやっぱり悠夏か?いや、雨音の死に様も捨てがたいしなー。」
ラオウ:「誰がお気に入りのバッドエンドの話をしろと言った?」
高 任:「何を言ってるんだ?バッドエンドとハッピーエンドは結末として常に同格であり、現実においては表裏一体のものだろう?それらを合わせて評価するのが正しいゲーマーとしての・・・」
吉 井:「高任君、発言が頭の悪い中学生になってるよ。(笑)」
ラオウ:「・・・まあ、バッドエンドも結末である。と言う意見には賛成だよ。」
高 任:「おざなりなバッドエンドって多いからね。」
ラオウ:「頼むからそれ以上喋るな。」
吉 井:「そういや、今回から原画さんが替わりましたね。」
高 任:「いろいろ忙しいんでしょう。身体のラインとかは今回の人の方が僕は好みですが。(笑)」
ラオウ:「ラインってあんた・・・。」
吉 井:「高任君、胸が大きいの嫌いだから。」
高 任:「いや、そう言うわけじゃなくて・・・なんというか体とのバランスがとれているのが絵柄として好みなんです。」
ラオウ:「何の話をしている?(笑)」
高 任:「あんたは鼻でもかんでなさい。」
ラオウ:「言われなくとも。(笑)」
 
 ・・・花粉症って大変。
 
高 任:「しかし、このゲームは文乃に人気が集まったんでしょうね。コミケの同人誌でも文乃が多かったし。」
ラオウ:「・・・あの死に様からして、高任さんのお気に入りは悠夏かと思ってました。」
高 任:「文乃の言うように他力本願な奴は嫌いなんだ。あのキャラはバッドエンドの時だけ自分の意志で死を選ぶからいいんだよ。(笑)」
吉 井:「(ぽつりと)・・・巫女さん。(爆笑)」
ラオウ:「(笑いながら)ま、まあ、そう言う要素もあるよね!」
高 任:「でも、あのエンディングからしてどうも色物扱いされてるような気がしないでもないが。」
吉 井:「え、そうなん?」
高 任:「ああ、クリアしてないんですか?確かに選択ややこしいし。堂島を殺したらめーですからね、めー。(笑)」
ラオウ:「しかし、受け狙いの巫女さんとは違ってこのゲームは舞台が舞台だから。」
高 任:「・・・違和感はないけど、シナリオとしての必然性はあったのか?一応バッドエンドに関しては必然性がばっちりなんだけど。(笑)」
ラオウ:「作品全体を通してみれば、必然性はあるね。『ヤマノカミ』そのものをどうにかするというシナリオなら、巫女に取り憑くとか小細工が必要だけど、このゲームはあくまで超常現象に付随したサブストーリーがメインだから。」
高 任:「ゲームの中で語られるシナリオは、世界観の構築要素でしかないと?」
吉 井:「くわー、二人についていけない。(笑)」
 
 ・・・まずゲームをクリアしなさいって。(笑)
 
ラオウ:「しかし、このゲームは難易度はともかくユーザーフレンドリーだよね。」
高 任:「スキップ機能ならぬ、次の選択肢までのジャンプ機能はあるし。」
吉 井:「各しおり毎に30のセーブデータがあるし、文章の自動送りや、縦書き横書き選択等。」
ラオウ:「そのせいで容量を使い切ってしまったのか、オープニングがもう少し何とかならなかったのかなあ?まあ、ちょっと荒いなぐらいの感覚だけど。」
吉 井:「うーん・・・何かの効果を狙ったのかもしれない。」
高 任:「キャラクターボイスを使ってないのに一杯一杯容量を使い切ったゲームって最近では正直珍しいね。」
ラオウ:「しかも、ノベル。でも、あのオープニングで90メガ弱使ってるけど。」
高 任:「オープニングの曲に歌詞がついたエンディングは好きだなあ。曲と声がいい感じでマッチングしてるし。」
吉 井:「そういえば、音楽だけは鑑賞できないよね。なんでだろ?」
ラオウ:「あんまり曲数が無いからでは?いや、調べたわけじゃないけど。」
 
高 任:「このゲームはお勧めです。奇をてらった作りというわけでなく、既存のものを限りなく良質化した結晶のような秀作です。というか、ここのゲームは基本的にはずれがありません。(今のところはね)」
吉 井:「冷静に考えてみたら、メイドさん、巫女さん、猫耳、眼鏡娘、不思議系の五人のキャラ・・・それってすっごい狙ってないですか?(爆笑)いや、高任さんに指摘されるまで全然気がつきませんでしたけど。まあ、それぐらい自然にストーリーが進んでいくんです。秀作です、買いましょう。」
ラオウ:「買え。」
高 任:「それだけ?」
ラオウ:「このゲームがきちんと売れてこないようではエロゲーに未来は無い。あんな『えあー』が売り上げナンバーワンとかでのうのうとしてたらあかんやろ!いや、有給取って買いに行った自分が言うのも何だが。(笑)
 
 
 お買い得度・・・・・・ 9
 操作性・・・・・・・・10
 音楽・・・・・・・・・ 7
 再プレイ度・・・・・・ 9(ただし全クリアした後は?)
 シナリオ・・・・・・・ 9
 エロ度・・・・・・・・ 7
 絶対値評価・・・・・・ 5(最高値5)
 
 
 これを買わないと。(笑)
 上の評価点も本当はもっともっと高得点つけたいけれど、そういうわけにもいかないでしょう。
 何故お買い得度が10じゃないの?・・・だって『がんぱれ』に10つけちゃったし。あの爆発力はこのゲームには無い。が、『がんぱれ』はいくつかの部分で上限を遙かに超えた値をつけたけどむらが大きい。このゲームはほとんど全てにおいて上限ぎりぎり高得点をマークしていると思う。
 優秀だけどあまり話題にのぼらないゲームというのはみんなそんなところがあるのではないでしょうか?どこか突き抜けたゲーム、確かにそれらは話題になりやすいです。しかし、そう言う意味でこのゲームは他に例を見ないほど高いレベルで完成しているゲームです。

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