お題:「AIR」(win)
 ご存じパソゲー界2000年の夏の話題を独占して、同じ時期に新作を出す予定だった会社が時期をずらしたとかずらさないとか噂されたゲーム。
 その膨大なテキスト量は見物である。
 
 
高 任:「さて、二つ目いきますか!」
ラオウ:「いかれますか!(笑)」
吉 井:「・・・何のネタですか?」
高 任:「いや、多分わからないでしょうから・・・」
ラオウ:「ええ、わからないでしょう。(笑)」
吉 井:「はあ・・・しかし、今月のお題ってこれだけは高任さんが最初っから強硬に主張してましたね。」
ラオウ:「ま、『偽エア』とか書いてるぐらいだから何か言いたいことでもあるんでしょうけど(笑)」
高 任:「いや、やっぱりここのゲームは一度取り上げとかないと・・・ねえ?」
二 人:「・・・『ねえ?』と言われても。(笑)」
高 任:「んじゃ、軽く感想でも・・」
吉 井:「・・・いい話でしたね。」
ラオウ:「オープニングの階段駆け上がるシーンでプログラムの人が苦労しただろうなあと思った。」
高 任:「・・・・・あんたら。」
 絶対値ゼロゲームに対する典型的な感想だよそれは。
吉 井:「そういや、高任さんは確か発売日にプレイしたとか言ってたよね。」
高 任:「んー・・有給取って秋葉原に買いに行き、その足でわざわざ俺の家までやってきて、てきぱきとインストールしていってくれた知人がいましてね。」
 ちなみに発売日は9月8日(金)であった。
ラオウ:「高任さん、便所借りるね。」
高 任:「(わざとらしく)突然どうしたんですかラオウさん?」
ラオウ:「いやあ、冷えるね・・・」
高 任:「なるほど・・・僕の知人で会社員のラオウさんはトイレに行くんですね?」
吉 井:「・・・あんたかい!?」
ラオウ:「ふっ、認めたくはないものだな・・・若さ故の過ちというやつは。(笑)」
高 任:「過ちも何も、あんた時計2つ貰って見せびらかしてたやないか。」
吉 井:「ほほぉう?(語尾あがりまくり)」
ラオウ:「まあ、あれだけ騒がれとるからとりあえず買ってみようかと・・・」
吉 井:「んで、大の男二人が肩を並べて一応とは言えエロゲーをプレイしたわけですか?それはある意味ちょっと嫌。(笑)」
ラオウ:「ヤな言い方しますね・・・。」
高 任:「それはちょっと違う。ラオウさんたら開始五分で部屋の隅に寝ころんで『はじめの一歩』を読み出しましたから。」
吉 井:「はやっ、ごっつ見切りはやっ!」
ラオウ:「おそらく日本で5本の指には入ると自負している・・・(笑)」
高 任:「なんせ、そのまま俺の家に一ヶ月以上も忘れっぱなしにしたぐらい見切ってましたからね。(爆笑)」
吉 井:「な、何のために有給取ってまで買いに行ったんですか?やってることと言ってることがすげえ矛盾してるような・・。」
ラオウ:「いやあ・・・あの頃疲れてたから。(笑)」
高 任:「実はあの時計が欲しかったとか?(爆笑)」
ラオウ:「(慌てて)違う違うっ!あれは予約もしてなかったのに貰えたからちょっと嬉しかったんであって別にそう言うわけでは・・・。」
二 人:「あーやーしーいー・・・(笑)」
 結論・・・被告人無罪。(笑)
 
高 任:「さて、ゲームの話に戻りましょう。」
ラオウ:「僕も頑張らないとね。(笑)」
吉 井:「ラオウさん、先走りすぎ。(笑)『がんぱれ』はこの次だから・・・。」
ラオウ:「この『AIR』だけどネット上では評価が結構別れてましたよ。」
吉 井:「わっ、ラオウさんたら切り替えはやっ!・・・でもまあ、そうでしょうね。」
ラオウ:「その中での名ぜりふ『俺はエロゲーを買ったんだよ!なんでちょっと良い話を聞かされねばならんのだ』」
高 任:「素晴らしい!・・・実に正直な意見ですね。」
吉 井:「でも、ここのゲームにエロを求める時点で間違ってると思う。(笑)」
高 任:「ていうか、エロを求めたらバッドエンドになるやん・・・美凪とか。」
吉 井:「ん、それはそれでいいんとちゃうかな。あくまでエロも選択の1つとしてエロ抜きでもハッピーエンドにたどり着けるという姿勢は俺は嫌いじゃないよ。」
高 任:「それ以前に・・ここのゲームのエロって何か痛々しくて、個人的にはできれば見たくない。(笑)『ONE』にしろ『KANON』にしろ気分は犯罪者。」
吉 井:「なんか、エロの場面になると絵柄が急に幼くなりますからね。(笑)」
高 任:「でも、今回はちょっとまともでしたか・・ってラオウさん!さっきから何黙って頷いてるんですか!対談に参加してください、参加。」
吉 井:「ま、まさかさっきの『僕も頑張らないとね。』はこれからゲームを頑張るという意味じゃあ無いですよね?」
ラオウ:「ナ、ナニヲイッテルンダイ!ワターシ、チャントプレイシタヨ!」
高 任:「何故日本語が片言?」
吉 井:「ラオウさん、登場人物の名前を言ってみてください。」
ラオウ:「な、何を失礼な!・・・観鈴に美凪に晴子さんに・・・」
高 任:「いや、ラオウさんのことだから名前だけはチェックしてるのかもしれん。(笑)この男のはったりぶりは俺より上をいきますから。」
吉 井:「なるほど!」
高 任:「・・・それで納得されるのもちょっと悲しいものがある。(笑)」 
ラオウ:「・・・日頃の行いだな。」
 あんたがそれを言うか?
高 任:「・・・本当のところプレイしてますよね?」
ラオウ:「1つ聞いてええ?」
吉 井:「なんで芝村を気に入った?(一同爆笑)」
高 任:「よ、吉井さん!ここは、ぼけるところと違います!っていうかその台詞おいしすぎっ!」
吉 井:「いや、もう条件反射で。(笑)」
 やな条件反射だ・・・っていうか何の対談だこれ?
ラオウ:「・・・俺、本気で喋って良いの?」
吉 井:「は?」
高 任:「本気でやばそうな意見はカットするよ・・・多分。」
吉 井:「・・そういえば高任さんがラオウさんのことを『僕も真っ青なぐらいの毒舌の持ち主』などと言っていたような気が・・・」
ラオウ:「高任さんのは毒舌なんてレベルじゃない、あれはただの意見。」
高 任:「毒というのは言葉の裏に潜ませてこそ・・・でしたっけ?」
ラオウ:「そう、表面上は褒め言葉ってのが真の毒舌。」
吉 井:「んじゃ、聞かせて貰いましょうか。」
ラオウ:「このゲームのキャラってさみんな・・・・・・・とちゃう?」
吉 井:「(かなり慌てている)高任君!カットするよね、この台詞!」
高 任:「伏せ字かな?(笑)ってラオウさん、思いっ切り毒が表面まであふれかえって洪水のようになってますが?」
ラオウ:「いや、このぐらい言わんと・・・・・・。」
 以下かなりの時間省略。(笑)
高 任:「(妙に朗らかな声で)・・・いやあ、昔知り合いが『ONE』の感想文をのっけたらね、悪戯が凄くてページ閉じちゃったんだよ。」
吉 井:「そんな楽しそうに話さないで、お願いだから。(笑)」
ラオウ:「まあ、『AIR』に関してはみんな首を傾げているような感じを受けたね。」
高 任:「少なくとも『KANON』的なゲームを求めた人は、みんな猫だまし食らったようなもんでしょう。」
ラオウ:「まあ、神話というか説話あたりに無理矢理女の子をぶち込んだってかんじだよな。2章以降は既にゲームですらないし・・。」
高 任:「んー・・でも何を作りたかったのかはともかく、話としては一番わかりやすかったけど・・・これまでの中で。いや、『MOON』からだけど。(笑)」
吉 井:「なんで二人ともゲームの世界観にそこまでの完全性を求めるかな?」
ラオウ:「別に完璧を求めてはないけど、少なくともシナリオが破綻するような矛盾点はどうにかしないと。」
高 任:「レ〇アースですか?(爆笑)」
吉 井:「伝説の柱システムですね。確かに『このシステムを無くして!』はまずいでしょう。事の起こりからして全てぱあですから。」
高 任:「矛盾をあげればきりがないけど・・・そこまでの矛盾って何がありました?」
ラオウ:「んー?例えば翼人としての魂が人の輪廻の中に取り込まれるとかはどうでもええけど、っていうか輪廻の意味わかっとるかとか言いたいことはいろいろあるけど・・。」
高 任:「いや、みなまで言わなくてもいいです。でも、ダライ・ラマの輪廻説を取り入れてるのかも?僕の『偽エア』もそれが入ってるし。(笑)」
吉 井:「ああ、二人とも空のかなたへ行ってしまった・・・(笑)」
ラオウ:「それが、先月僕の味わったあれですんで我慢してください。」
 何のための対談なのやら・・・
ラオウ:「神奈の魂が人として輪廻を繰り返す・・・と言うことは本来同種族輪廻論を採用してるわけだろ?」
 (注)人の魂は人へ、猫の魂は猫へと輪廻していくこと。
高 任:「ラオウさん、吉井さんが泣いてるからやめましょう。(笑)それに『翼人に心を寄せる人を死に至らしめる』という呪いが、人に近しい存在であることを強制した結果とも言えますし。」
ラオウ:「む、やるじゃない。(笑)まあ、こんなのは重箱の隅をつつくような嫌がらせみたいなもんだし。」
高 任:「『偽エア』書くときに、理論の抜け道は考えつく限りつぶしましたから。」
ラオウ:「じゃあ、『神奈さまの想い深き故に、柳也さまは生命を奪われましょう』ってのは?」
吉 井:「翼人に心を寄せる人を・・であって翼人が心を寄せる人じゃないしね。」
高 任:「おや、帰ってきましたか?」
吉 井:「どうやら呪いが朽ちてくれたみたいで。(笑)」
高 任:「それはね・・・実は作り手が『に』と『が』を間違えたの。(爆笑)」
ラオウ:「なるほどおぉっ!凄い説得力だ!」
吉 井:「コロンブスの卵のような発想ですね。」
高 任:「はっはっは・・つじつま合わせなら大得意。なんせパズラーですから。」
ラオウ:「じゃあどっちの呪いでも良いけど、何故晴子さんは生きてるの?」
高 任:「神奈個人にかけられた呪いは時を経ることで朽ちたよね?つまり、翼人に対する呪いそのものも威力が弱まってたから。・・っていうか、観鈴のお母さんって呪いのせいで死んだんだろ?」
吉 井:「高任君、そんなブラックなネタをさらりと・・・。」
高 任:「士魂号にのる予定だったののみ程じゃないです。(笑)」
 だから今は何の対談をしてるんだと言うに・・って俺が言ってるのか(笑)
ラオウ:「じゃあ、ほっとけば呪いは無くなったの?(笑)」
高 任:「うん、そこがネックなんだけどね。ただ、『無垢なる魂故に朽ちない』呪いでもあったはずでしょ?つまり人としての転生を繰り返すうちに本来無垢であった魂がそうではなくなってきたという解釈もある。」
吉 井:「ふ、深い。読みが深すぎる!」
ラオウ:「なんかだんだんと高任さんを言い負かしたくなってきた。(笑)」
高 任:「俺を言い負かすぐらいの理論武装はしとかないと、ファンの人に突っ込まれまくりますよ。(笑)」
ラオウ:「そういえば『かのうぉ』っていう本の中にスタッフの対談がありましてね。」
吉 井:「買ったんですか?」
ラオウ:「俺、デモが結構気に入ってるんですよ。」
高 任:「確かこの前ラオウさんが忘れていったのがここに。(笑)」
吉 井:「ラオウさん・・・あんたって人は・・・。」
ラオウ:「ユーザーの心に『何か』を残せたら、とか作り手の意図ではなく自分で出した結論が真実、とか『1から10まで語らない』とか言ってましてね。(笑)」
高 任:「作り手側が答えを用意していない謎ははたして謎なのかどうかとは思うが、まあ個人の価値観の問題やろ。」
ラオウ:「俺個人としては、100%の話を考えて実際形にするのは80%。当然物語の根幹はきっちり描き、残りの20%を読者に考えさせると言うのが正しい姿勢だと思うのだが?」
高 任:「ラオウさん、『1から10まで語らない』というのはつまり・・・・・・とでも言いたいんですか?(爆笑)」
吉 井:「高任君、この対談の原稿はちゃんとチェックするからね。」
 さらに削除されるのかな?(笑)
高 任:「じゃあ、そろそろ俺も言わせて貰おうかな。(笑)」
吉 井:「この場で言うだけなら良いです。」
高 任:「いろいろな伏線があるんだけど、その伏線をかき集めると絶対つじつまが合わなくなる。」
ラオウ:「高任さんでもダメですか?」
高 任:「不可能です。あ、電波だったら全ておっけーかも。(笑)」
ラオウ:「そういえば今回は電波飛んでませんでしたね。」
高 任:「だからある意味では一番わかりやすかった。」
吉 井:「あの・・・二人ともここのゲーム嫌いなんですか?」
高 任:「いや、個人的には凄く期待してます。」
ラオウ:「多分歯車さえきちっとかみ合えば、かなりの傑作が出来上がるはず。それだけの雰囲気は漂ってるし。」
吉 井:「えらく屈折してますね。」
高 任:「僕なんか基本的にキャラだけではどうにもならない人種だし・・・」
ラオウ:「でも眼鏡には・・」
高 任:「ひゃっほうっ!眼鏡娘だーい!って違います!(高任以外大爆笑)」
ラオウ:「ぷっ、くくっ、そ、そうかあ?」
吉 井:「高任君、目がマジ気入ってたよ。(笑)」
高 任:「それはともかく・・・一つや二つなら語られなかった伏線と言うのも良いけど、ちりばめられた伏線のうち好きなのをいくつか選んでユーザーが結論出せっていうのは無責任だと思う・・・まあ、言葉のあやとしての表現だったのかもしれんけど。」
ラオウ:「大体、観鈴が全ての記憶を受け継いだからといってどうにもならんだろ。結局次の輪廻で呪いが引き継がれるんだから。」
吉 井:「・・・あっ、そういえば。」
高 任:「ふふっ、そればっかりはどうにも弁解のしようがない。(笑)」
ラオウ:「つまり、この悲劇の終焉は神奈の魂の消滅か、呪いが朽ちるかの2つしかないはずだろ。」
高 任:「このシナリオって途中でどんどん問題がすり替わっていってるから。(笑)空のかなたで待っている少女を助けると言うテーマがまず語られ、なぜそうなったのかが次に語られる。」
吉 井:「(ぼそぼそと)こんな対談になるとは・・・」
高 任:「で、ラストで力技でも何でも良いからこの悲しい運命の輪を断ち切るのかと思ったら、いつの間にか家族愛になってて実は根本的には何も解決していない。しかもあの感じだと翼人の魂が完全に昇華したかのように演出されてるけど肝心のそこらにはほとんど触れられていなかったりする。」
ラオウ:「・・・で、夏はどこまでも続いていくというわけか。(笑)」
高 任:「星の記憶を全てさかのぼるということで翼人の魂が人に輪廻仕切ったといいたいのだろうけど、じゃあ元々呪いって何やねんとか、翼人であることと人である事という設定が無茶苦茶でっせ。」
吉 井:「部分部分で読めば良い話だけど?」
高 任:「全体を通して読むとなんだこりゃ?たとえて言うと泥棒を見て縄をなう『泥縄シナリオ』になってる。」
ラオウ:「所々の良い話で多分みんな気がつかなかったのか、敢えて無視したのか、それとも晴子さん萌えーとか言ってたのか。(爆笑)」
高 任:「良いですよね晴子さん。ま、聖も好きですけど。」
吉 井:「やっとギャルゲーらしいネタに・・。でも人気は裏葉に集中してるんじゃないかなあ?」
ラオウ:「大体主人公って孤児だったんだろ?そこでの意志の断絶や唐突に消えた母の行動が主人公のそれと設定がかみ合ってないし・・・。」
吉 井:「しくしく・・。」
高 任:「吉井さん、ひょっとして退屈ですか?」
吉 井:「あんまり参加できないので少し・・。(笑)」
 しばし休憩をはさんだ後、再開。
ラオウ:「そういえば『ドリーム』の観鈴以外の二人ってあまり立場が無いよね?」
高 任:「なんとか物語として、またギャルゲーとして一貫性を持たせたかったんだろうけど個人的にはこの二人の話は余計だったと思う。キャラの好みはおいといて。(笑)」
吉 井:「ヒロインのみはさすがにまずいでしょう。」
高 任:「うん、だから結局このゲームの製作姿勢が見えてこない。この三人がそれぞれ神奈の魂を受け継いだとか、神奈の先祖である翼人の魂に縁のあるキャラとかならあれだろうけど。」
ラオウ:「ん?多分、神奈が今も空のかなたで新たな悲しみをふりまき続けていることの強調なんだろうけど、大体その呪いが朽ちて初めて輪廻するんじゃなかったか?」
高 任:「いいところに気がつきましたね。(笑)」
吉 井:「誰でも気がつきますって・・・。まあ、輪廻で神奈の魂を全て注ぎ終えなかったと言うことで未だ空のかなたにその魂は縛られているという苦しい解釈もあることはある。」
ラオウ:「そのかわり、ゲームとしての設定はぼろぼろになるけど。(笑)」
吉 井:「確かに何が作りたかったのかなという感じは受けた。」
高 任:「少なくともユーザーの期待に真正面から応えようとはしていなかったと思うんだ。・・・だから次回作でユーザーがどういう反応を見せるかというのがちょっと興味がある。」
ラオウ:「んーどうでしょうねえ?少なくとも前作のような反響は無いみたいだし。」
吉 井:「へ、僕のまわりは『良い話だった』とか言ってたけど。」
高 任:「吉井さん、それは多分『貴方っていい人ね』と同義語だよ。」
ラオウ:「つまりどうでもいい人ってことだな。(爆笑)」
吉 井:「まあ確かに絶対値が低いことは認めるけど・・・。」
高 任:「そういえば『KANON』の曲とかセガカラに入ってるとか聞いてびっくりしました。」
ラオウ:「せがから?」
吉 井:「カラオケシステムです。(笑)」
高 任:「そういえばここも曲と歌い手のミスマッチが・・・(笑)」
ラオウ:「一応、ネットで『この曲最高!』とか言う意見が多かったぞ?」
吉 井:「ま、個人の価値観の違いもあるでしょうから。」
高 任:「基本的に歌い手さんの有効声域と曲がマッチしてない。この歌い手さんは多分肺活量不足だから緩やかな高音域の曲が合ってると思うんだ。えーと挿入歌の『青空』とか。ただ、曲自体は結構好きかなBGMとか。」
吉 井:「何故そんなことがわかるの?」
高 任:「勘違いかもしれないけど、低音で声が伸びてないのと、リズムの良い部分で発声がほんの少し遅れているから。」
ラオウ:「低音の方が肺活量は必要なのはわかるけど・・・?」
高 任:「リズムの良い部分てのは破裂音に近いんですよ。つまり瞬間的に必要とされる空気の量が多くなる。まあ、あくまで基礎ですけどね、わざとああいう風に歌ってるなら俺は知りません。(笑)」
吉 井:「高任君って時々謎な知識を持ち合わせてるよね?」
ラオウ:「多分しなくてもいい苦労をしてきたんだろうなあ。(笑)」
高 任:「勝手に人の過去を想像しないで頂きたい。(笑)」
ラオウ:「大変だったんだなあ・・・」
  しつこいというに。(笑)
吉 井:「そう言えば最後の最後ででてきた少年少女はどう解釈したの?」
ラオウ:「電波。(爆笑)」
高 任:「全部それで説明できたら楽だろうなあ・・・ちなみに俺の解釈は二通り。」
吉 井:「実は高任君って電波な人?」
ラオウ:「まずい、頭にサランラップ巻かなきゃ!」
高 任:「サランラップまいてどうするんですか?電子レンジに入れるのか?(笑)」
吉 井:「大分疲れてきてるから、しょーもないことで笑っちゃうなあ・・で、解釈を聞かせてよ。」
高 任:「超生命論。」
ラオウ:「はい?」
高 任:「いや、正式な名前は忘れた。(笑)つまり、生態系の中である役割を担っていた種族が絶滅すると、その役割を担う新たな種族が誕生するという理論でな。」
吉 井:「やはり謎だ・・・。」
高 任:「ただし、これは最後の翼人である神奈の魂が昇華されたと言う前提の解釈だからね。」
ラオウ:「で?」
高 任:「つまり、この星の記憶を継ぐ翼人という種族の消滅により、この星には新たな生命体が生まれる下地が発生した・・・。で、この星の監視者とも言える新たな存在をほのめかしている。」
吉 井:「・・・電波ですか?(爆笑)」
高 任:「(無視)・・・輪廻とか受け継がれる意志とか、このシナリオってつながっていく『何か』が多く語られているじゃないですか?つまり裏のテーマは『永遠』で受け継がれていく使命と命の存在をラストに持ってくることで、この物語はあくまで『部分語り』でしかないことを強調しているんですよ。翼人の存在もあくまで歴史上の1スパンとして捉えて、新たな時代への幕開けと20世紀最後の年に出されたゲームと言うことで世代交代を暗に表現している・・・んじゃないかなあ。(笑)」
ラオウ:「一応それらしくは聞こえるな・・・電波と紙一重だけど。」
吉 井:「そういや、オープニングデモで1000度目の夏、とかでてたしね。・・・ってちょっと待った、あの意味ありげな台詞はどう解釈するの?」
高 任:「使命を受け継ぐっていうのは大変そうだけど、ある意味やるべき事が決まっているでしょ?つまり、使命から解放された彼らには『過酷な日々』、そして使命を引き継いだ自分たちは『始まり』を。海岸線の向こうとかは歴史の行く末で『今ならわかる』というのはしっかりと使命の引き継ぎが完了したことを表している、と。」
ラオウ:「えーとアルミホイルはどこかな?(笑)」
吉 井:「いや、そうやって聞くと結構深そうですよねこのゲーム。・・・で、『無限の終わりをめざして』ってのは?」
高 任:「彼らもまたいつかは滅びるべき種族だから。つまり歴史自体は無限に続く、もしくはそうあって欲しいのと自分たちがその使命から解放されるときの象徴としての『無限の終わり』なわけだね・・・ってこんな事考えてこのゲームが作られたなんてこれっぽっちも思ってないけど。(笑)」
ラオウ:「んじゃ、もう一つの解釈は?」
高 任:「それは・・・今ここで語るわけにはいかないのじゃよ。(笑)」
吉 井:「・・・ああ、『偽エア』ですか?」
高 任:「まあ、早い話がそう。」
 
高 任:「しかし、このゲームのシナリオの人って苦労しただろうなあ・・・。」
吉 井:「どういう意味で?」
高 任:「言わせるつもり?(笑)」
ラオウ:「まあ、テキスト量はかなり多いな。俺にとってはかったるいだけでしかなかったけど。」
高 任:「多分、第2章の話がメインにあったんだと思うんだけど?でもこれじゃ、ギャルゲーにならねーや、ってんで第一章に話がふくらんだから話の矛盾が凄いことに。」
吉 井:「そうかな?僕は第三章がメインだったんじゃないかなと思ったけど?」
ラオウ:「どっちみちギャルゲーとしての体裁を整えるために女の子が登場したという見方にかわりはないよね二人とも。(笑)」
吉 井:「まあ、当たってるかどうかは知らないけど。」
高 任:「2章だけの単独のお話なら、俺は秀作の評価を下したかもなあ。」
ラオウ:「ゲームの内容とかはともかく、あの文章は感傷的すぎると思うぞ。ゲームにはゲームの文体があるんだろうけど体言止めが多すぎて、文章の勢いを全部ぶつ切りに・・・」
高 任:「そういう編集さんの様な視点は引っ込めなさい。ついでに俺の悪口を言われているようでちょっと・・。」
ラオウ:「悪口なんだよ、気付けよ。(笑)」
吉 井:「噂通り、文章の批評には容赦がないですね。(笑)」
高 任:「しかし、このゲームも突っ込むところがありすぎて訳の分からない対談になってるような気がする。」
ラオウ:「あ、そうそう。」
吉 井:「何ですか?」
ラオウ:「なんで、観鈴は死んだの?っていうか死ななきゃあかんかったの?」
吉 井:「・・・・高任君、頼んだ!」
高 任:「あれはね・・・・多分勢い。(爆笑)」
吉 井:「・・・勢いで殺しちゃいかんでしょ。って時々自分も原稿の中で似たようなことをやっちゃうけど。(笑)」
ラオウ:「何故か納得できるところが怖いな。」
高 任:「でも『MOON』に始まる一連のゲームって話のつながりに矛盾がでてきたところで必ず、お涙ちょうだいのちょっと良い話になってそのままごまかしているような気がするもん。これも、根本的な解決にはなってないことを忘れさせるぐらいそういう話がこれでもかとばかりに続いてるし。(笑)」
吉 井:「そう言われるとそんな気がしないでも無いなあ・・・。」
ラオウ:「確かに所々ワイドショー的な要素が鼻につくな。」
高 任:「まあ演出過剰かどうかはユーザーが決めることやし、仕事でやっているからには多数の意見を採り入れるのがプロだよ。多分僕たちは少数派に入るだろうから元々が無い物ねだりなのかもしれないしね。」
吉 井:「え?ひょっとして俺も入ってる?」
ラオウ:「眼鏡は?(笑)」
吉 井:「はい、少数派です!(爆笑)」
高 任:「んじゃ、そろそろまとめますか。」
 
高 任:「題材としてはかなり面白い・・料理方法はともかくとして。後、涙もろい人なんかは多分泣けるだろうから購入してもいいでしょう。」
吉 井:「個人的にはどっちでもいいゲーム。気が向いたらやってみるのも良いでしょう。少なくともゲームとしての出来は平均以上だと思います。」
ラオウ:「まともな文章読みたい人には勧めません。あのかったるい文体に耐えられる人か、『MMR』を口元半笑いで読める人ならある意味楽しめます。でも吉井さんの言うとおり、このゲームより下は腐るほどありますから。」
 
 
 『AIR』
 お買い得度・・・・6
 操作性・・・・・・6(というか、テキストノベルに操作性もへったくれも・・)
 音楽・・・・・・・9
 再プレイ度・・・・2(多分一回でお腹一杯です)
 泣かせる度・・・・9(結構凶悪に涙腺を刺激すると思います。)
 エロ・・・・・・・2
 絶対値評価・・・・2
 
 ・・・悪いゲームじゃないとは思います。でも、理屈抜きにおすすめできるかと言えばちょっとためらう・・と言うぐらいの出来。
 何年か経つと、良くも悪くもあまり記憶に残らないゲームなのかもしれません。しかし、対談の中で語った内容の半分以上は削除する羽目になってしまいました。ラオウさんもえげつないけど俺も無茶苦茶言ってるし。(笑)で、多分このぐらいなら問題ないだろうと言うレベルにしてみましたが、後は吉井さんのチェックにまかせましょう!
 

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