2007年夏コミ日程、8月17(金)18(土)19(日)。
 おや、今年はお盆休みから外れているのか……などと思ったのですが、どうも深川のお祭りと花火大会が重なり、この上に夏コミまで重なると手が回りませんので日程をずらしてください……と、警察から要請されたのだとか。
 まあ、もともと会場フル使用かつ複数日ってな大型イベントの場合は、会場側の都合で日程その物が消去法になりがちですし。
 
 
知 人:「サークル参加してたら、同人誌買えないとか言ってるけど……ラオウさんに買って貰えば?」
高 任:「無茶いわんでください。あのひとに、他人の本買ってる余裕があるわけないでしょう(笑)」
知 人:「むう」
高 任:「つーか、無計画に会場内を練り歩いて本を探すのが楽しいわけですし
 
 
 ……と言うわけで、今回瀕死連合は抽選漏れしたので、久々に一般参加で同人誌を買いあされる……と、違う意味でちょっとワクワクしてた高任です。
 
 で、吉井さんはというと……
 
吉 井:『んー、面倒だから行かない』
高 任:「なるほど」
 
 と、夏コミ後の知り合いとの打ち上げには参加するのかもしれませんが、コミケそのモノはスルーの方向で。
 
 で、ラオウさんは……
 
ラオウ:『16日の夜中まで仕事の予定……で、17日の夜にそっちにつく』
高 任:「なるほど」
ラオウ:『まあ、初日はいつものアレだろうし、俺としては3日目に参加できれば…』
高 任:「なるほど」
 
 などと言ってたのですが、このときはまだ高任も含め、ラオウ氏は己の計算違いに気づいていませんでした。
 
 それはそれとして、夏コミを控えて日本全国夏真っ盛り……8月16日に至っては、74年ぶりに日中最高気温を70年ぶりぐらいに更新しちゃったり。
 そりゃ、甲子園で高校球児や、監督が熱中症で倒れるぐらいですから。
 しかし、74年前の記録って……まあ、気温だからそれほど誤差はないにしても……でも、この前富士山山頂の気温で実際より4度ほど高いのを間違えて発表しちゃったりしてるし……まあ、暑かったんだろうけど。
 ふふふ、今回の夏コミは『狼は生きろ、豚は死ね』の過酷な環境の夏コミになりそうだぜ……などと思ってたのですが。
 
 
 8月17日(金)
 夏コミ初日。
 ゲーム・同人ソフト・アニメ・FC(小説)。
 
高 任:「……おや?」
 
 高任自身、昨日の猛暑ニュースを聞くまでは今年の夏はそんなに暑くない(まあ、いつもと同じぐらい)……などと思っていたのですが、目覚めてみると明らかに昨日より過ごしやすい気配。
 かつて……『コミケには神様がいて、雨が降らないようにしてくれている』という信仰めいたモノがあり、実際、『うおおっ、台風直撃じゃよ』とか言うケースで、不可解な動きで台風が避けていくこともしばしば。
 3日間開催になってから、雨に降られることが多くなり……まあ、確率の問題なんでしょうけど、コミケ歴の長い輩の間では、『コミケの神様の神通力は二日間しか保たない』というのが定説になりつつあります。(笑)
 
高 任:「……頑張ってるなあ、コミケの神様」
 
 まあ今日は初日だし、肩慣らしと思って10時頃にゆっくりと出発しますかね……と、10時過ぎに家を出て、新木場駅に11時30分頃到着。
 
高 任:「……はいっ!?」
 
 正直、高任は目を疑いました。
 これまでの経験からして、この時間についたならほぼ並ぶことなくそのまま会場にスームスイン出来るモノと思っていたのに、まだ並んでいる列があって、新たな列の中に組み込まれていく有様です。
 
 
 かつての……えっと、有明ではなく晴海のコミケを知っている方など特に、行列に関しては厳しいイメージを持っていることと思いますが、ここ数年(駐車場が使えなくなってから)、コミケスタッフの参加者を会場内に入れる手際に関しては、神の領域に達しつつあります。
 会場が有明に移った当初……まあ、6時前に家を出て会場に7時半につき……入場は11時過ぎという感じだったんですが、最近は9時についても入場は11時前です。
 何故そんなに早く……の、具体的説明は省きますが、まあ、そういう状況だっただけによけいに高任は驚いた……という事で。
 
 で、30分ほど並んで列が動き出し……近くにいた男性と、会話しながら入場、12時5分ぐらい。
 
 とりあえず、次のコミケの申込用紙を買って……
 
高 任:「……初日なのに、何でこんなに人がいるわけ?」
 
 違う、いつもの初日じゃない……などと、便所にこもってぬいぐるみのレバーを突き上げてしまいそうになりつつ、とりあえず冬コミの申込用紙を買って、本日の目当ての某大手サークルに。
 
高 任:「艦長、前方に激しい男幕がっ!」
艦 長:「うむ、波動砲で撃て」
 
 などと、心の中でいもしない某艦長と会話を交わしたくなるぐらいの人混みを抜けて、建物の外へ。
 
高 任:「……にしても、なんでこんなに人が」
 
 などと呟きつつ、カタログをめくって……いつも3日目というか、最終日に配置されていた同人ゲームが初日に配置されていることに気づく高任。
 よくよく見てみると、外壁サークルにもわりとアレなサークルが……どうやら今回の夏コミ、本気で参加者分散をはかったらしい。
 最近高任は、カタログを細かくチェックしない(どうせ、回るときは全ホール絨毯爆撃だから)ため、気づいてなかったわけで。
 
高 任:「……あれ?同人ゲームが今日配置されていると言うことは」
 
 ラオウさんにとって重要ジャンル、いきなり消滅。(笑)
 ちなみに、同人ゲームに関してもジャンルの流行り廃りというのはありまして……昔は電源なしのカードゲームとか、CG集、ちょっとしたパズルゲームなんかが多かったのですが、最近はフリーソフトのゲーム作成ツールが出回っているせいか、アドベンチャーゲームだったり、ビジュアルノベルがメインとなってます。
 ちょっと昔、人気のあった対戦格闘ゲームはコンシューマーと歩調を合わせるかのように少なくなってます。
 まあそれはそれとして、独断と偏見で言わせてもらえば、同人ゲームと言えばやはりシューティング。(笑)
 対戦格闘ゲームが縮小していく中で、シューティングだけはラオウさんのようにコアなファンが。(笑)
 
高 任:「……冬コミでは、何日目予定に…?」
 
 コミケの申込用紙には、ジャンル別コードと共に、何日目に配置されるかの予定が記されています……もちろん、予定なので変更されることもありますが。
 どうやら冬コミでは3日目の予定……とすると、今回の配置が参加者分散を狙ったモノなのか、単にイレギュラーなのかはちょっと判断できません。
 
高 任:「って、今はそんな確認をしてる場合じゃなくて」
 
 目当てのサークルの列に並び、適当にホール内を見て回って……腰が痛かったので2時前に帰りました。
 
 家に帰ると(4時前)、留守電ランプが点滅中。
 
ラオウ:「ラオウです。今から家を出ますので……」
 
 と、東京への到着時間などを知らせるメッセージ。
 電話は1時半頃だった模様。
 あんまり自覚はないのですが、高任にしても、ラオウ氏にしてもこういう部分はかなり几帳面にあたるらしいですね。
 個人的には、何時にそちらに着くか、着いてからそちらに向かう……的な連絡はごく普通の行為だと思っているんですけど。(笑)
 
 で、夜の8時前に予定通りラオウさんが到着。
 
ラオウ:「いやあ、涼しいなあこっち」
高 任:「毎年毎年、この部屋暑すぎるとかぶーぶー言ってたくせに……つーか、昨日までは暑かったらしいが、今日はやたら涼しい。ついでに、日曜日はあんまり天気が良くないとか言ってる」
ラオウ:「え、マジで?」
高 任:「ほれ、今日の新聞だけど、昨日は史上最高気温を更新したとか…」
ラオウ:「いや、そっちじゃなくて、天気(笑)」
高 任:「まあ、いきなり涼しくなったって事は、間違いなく上空に冷たい空気が入り込んでるわけだから……不安定なのは間違いなかろう」
ラオウ:「んー」
高 任:「つーか、今日は日中最高気温が30度越えなかったみたいだし……昨日より10度近く低いらしい」
ラオウ:「や、でも……風は涼しいけど、あんまり湿気含んでないぞ」
高 任:「まあ、日曜になればわかるわ」
ラオウ:「まあな…傘買っとくか」
高 任:「あ、そういえば(ぴー)の新刊買っといたよ、ほい」
ラオウ:「おお、サンキュー……と、カタログ貸して」
高 任:「……はい。そういえば、今日やたら人が多くてな、11時半に着いたのに、30分も並んだよ
ラオウ:「マジで?」
高 任:「うん」
ラオウ:「……あさって、6時ぐらいに出るか?」
高 任:「腰が痛いので勘弁してください」
ラオウ:「腰?」
高 任:「ぎっくりじゃなくて、持病のね……まあ、普段から痛いのが、酷くなると言うか」
ラオウ:「……太りすぎ?」
高 任:「やかましい(笑)」
ラオウ:「……って、初日に同人ゲームがっ!?」
 
 ラオウさん、魂の叫び。(笑)
 
ラオウ:「くすんくすん、シューティングゲームが買えないよう…」
高 任:「つーか、明日は?」
ラオウ:「明日はアキバ……つーか、今日もちょっと寄ってきたけど。今住んでるとこだと、どうしてもパーツとかがな…」
高 任:「金貯めて、秋葉原でマンションでも買え(笑)」
ラオウ:「あ、そうだ……これ頼まれてたやつ」
高 任:「お、すまんね…」
ラオウ:「そういえば、この前実家に帰って、暇だったから剣山(四国第二の高さを誇る山)にのぼってきたよ」
高 任:「へえ」
ラオウ:「デジカメで撮ってきたけど、見る?」
高 任:「どれどれ…」
 
 などと、会話を交わしつつ、夜は更けていくのでした。
 
 
 8月18日(土)
 
 夏コミ二日目。
 それなりにいい天気。 昨日に比べたらさすがにちょっと気温は高いが、まあすごしやすい感じの一日。
 本日のジャンル……音楽・芸能・FC(まんが、ジャンプ等)
 高任および、ラオウ氏は参加せず。
 
 
高 任:「……で、何で今さら虹色ラーメンなどを読み返しておるかね」
ラオウ:「いや、続きが気になって……というか、続きは?」
高 任:「後半無茶苦茶だから、さすがに買ってないよ(笑)」
ラオウ:「買えよ」
高 任:「自分で買えよ」
 
 などと、午前中はまったり過ごし……
 
高 任:「……秋葉原行くんじゃなかったか?」
ラオウ:「暑いから、3時過ぎまで待つ」
高 任:「……」
ラオウ:「……それが何か?」
高 任:「いや、別に…」
ラオウ:「それはそうと……今度の住所、暑くてなあ、一ヶ月の電気代が1万円を超えたよ
高 任:「マジですか」
ラオウ:「エアコン回しても回しても、気温が28度以下にならないと言うか」
高 任:「まあ……パソコンいじってると、我慢するというわけにもイカンし」
ラオウ:「そうなんだよなあ…」
高 任:「じゃあ、明日の夏コミは楽勝やな」
ラオウ:「いや、それはどうだろう?(笑)」
 
 で、ラオウ氏は3時頃家を出て、7時過ぎに帰宅……。
 
高 任:「お帰り」
ラオウ:「ふんふんふーん〜♪」
高 任:「どしたんよ?」
ラオウ:「いや、折り畳み傘を買ってきたんだが……ボタン一つで」
 
 早い話、ボタン一つで柄が伸びて、傘が開くタイプのやつ。
 
高 任:「……」
ラオウ:「何そのリアクション?」
高 任:「……それ、気をつけないとちょっと悲惨な状態になるからね」
ラオウ:「いや、場所が場所だけにコンパクトであることが最重要だから……と、そうだこっちも」
 
 いきなりゲームソフトを積み上げていくラオウさん。
 
高 任:「パソコンのパーツ買うんとちがったんかい(笑)」
ラオウ:「いや、パーツも買ったよ(笑)」
高 任:「まあ、せっかくだから……と、その前にメシは……食いに行く?買い物するにしても、もうすぐ早くしないとスーパー閉まっちゃうから、とりあえず出るぞ」
ラオウ:「帰ってきたばかりなのに…」
 
ラオウ:「……」
高 任:「……どうしました?」
ラオウ:「いや……あそこのラーメン屋(過去のコミケレポートを参照のこと)に客が入っていったから
高 任:「そりゃ、1人や2人は入るだろうさ
ラオウ:「いや、でもさ……開店直後ならまだしも、このあたりだと、初めてってわけじゃないだろ?あの味で、常連なんてありえるのか?
高 任:「ラオウさん……違う視点で考えてみよう。あんなラーメンは、あそこの店でしか食べることが出来ないだろう?」
ラオウ:「な、なるほど…」
 
 などと、お店の関係者には絶対に聞かせることの出来ない会話をしつつ、なし崩し的に餃〇の王将へ。
 
高 任:「おや、満席」
ラオウ:「ここ、流行ってるの?」
高 任:「俺に聞かれてもなあ……というか、土曜日の午後8時前やん。飲食店としては、一番客の入りがよい時間帯だと思うが」
ラオウ:「それもそうか」
高 任:「まあ、駅の向こうの中華料理店が2つほどつぶれてることを考えたら、流行ってるんじゃないの?」
ラオウ:「……え、あのラーメン屋がつぶれてないのに、つぶれたりするの?」
 
 7分ほど待って、席が空いて、無難に飯を食って、本屋にゴー。
 
ラオウ:「……あ、新しいのが出て…」
高 任:「だからここで買うな。この前置いていった単行本、持って帰れや」
 
 まあ、家に帰って、ラオウさんが買ってきたゲームやったり、カタログのチェックしたり、原稿描いたりしないから、のんびりだらだらと……。
 
ラオウ:「……サークル参加してると、今頃はアレなんだろうな(笑)」
高 任:「それは言うな」
ラオウ:「売れる売れないはさておき、オフセットで作ってもコピー本は作るよね?」
高 任:「まあ……なんだかんだ言っても、知り合いと騒ぎながら原稿描くのは楽しいし。修羅場が好きなのか……と言われると、ある意味肯定せざるを得ないと言うか
ラオウ:「病気だねえ」
高 任:「病気じゃないと、サークル参加なんてやってられません(笑)」
ラオウ:「それは……確かになあ」
高 任:「……」
ラオウ:「で、そのゲーム面白いの?」
高 任:「ごめん、めちゃめちゃ面白い……つーか、客観的に判断すればそうでもないのかも知れないが、中毒性が高い(笑)
ラオウ:「……そうか、こっちは?」
高 任:「……このままだと徹夜してしまいそうな勢いだし、そっちをプレイしてみようか(笑)」
 
 で、12時を前にラオウさんは就寝。
 高任は、キリのいいところまでゲームを進めてから……12時半頃眠りにつきました。
 
 
 8月19日(日)
 
 夏コミ3日目。
 多少大気は不安定らしいがなかなかのいい天気。昨日に比べたら気温は高くなったモノの、いつもの夏に比べたらずっと過ごしやすく、かなり恵まれた感が。
 本日のジャンル……ギャルゲー・創作・男性向け創作・論評など。
 
 6時半。
 
高 任:「うむ、新しい朝がきたな」
ラオウ:「……希望の朝がきたよ、などと返さなきゃイカンのか?」
高 任:「さっさと寝たくせに眠そうやな」
ラオウ:「まあ…な」
 
 初日、11時半について列に並んだ……ということが気にかかったモノの、普段のサークル参加よりちょっぴり遅めに出発。
 ちなみに、サークル参加時だと現地に8時半ぐらいに着きます。
 
 最寄り駅にて。
 
高 任:「あ」
ラオウ:「いっちゃった?」
 
 西船橋駅にて。
 
高 任:「ああっ」
ラオウ:「いっちゃった?」
高 任:「次の電車30分ぐらい来ないよ(笑)」
ラオウ:「ええ〜」
高 任:「こうなるとさっき乗り過ごしたのが痛いな」
 
 駅の売店で買った新聞を読んだりしながら、時間をつぶしつつ。
 
ラオウ:「……何やら、ホームがすごく空いてるような印象を受けるんだけど」
高 任:「いや、さっき乗り遅れた電車って、この方面からのサークル参加者にとって最後の電車なのよ。ちなみに、今待ってる電車に乗ると現地に着くのが9時ちょっと過ぎぐらいになって
ラオウ:「……ああ、一般参加としても中途半端な時間帯だと?」
高 任:「じゃ、ないかなあ……最近は良く知らないけど、9時から10時にかけての一般参加の行列ってちょっと少な目だったやん」
ラオウ:「……言われてみると、今日の俺って拠点が無いんだな(笑)」
高 任:「今頃何を(笑)」
ラオウ:「ふむ、この新聞は宅急便の底に敷いて使うか」
高 任:「この状況でも、段ボール一箱分買う気満々ですか(苦笑)」
ラオウ:「段ボール一箱と言っても、大中小と…」
 
 などと馬鹿話をしている間に電車がやってきて。
 
ラオウ:「空いてるねえ」
高 任:「空いてますねえ」
 
 乗車率130%ぐらい?
 いつものすし詰め状態を思うと、すごい楽。なんせ、電車の中で新聞が読めるぐらいでしたから。
 まあ、何はともあれ、新木場で乗り換えて国際展示場に到着。
 
高 任:「何時?」
ラオウ:「9時6分」
 
 『一般参加者はこちらの…』
 
 コミケスタッフに誘導されて、ビッグサイトをぐるりと時計回りに、橋を渡って、水の○学館を過ぎて……並んだところで。
 
高 任:「何時?」
ラオウ:「9時25分」
高 任:「ふむ……何年か前に並んだときよりちょっと後ろという感じか」
ラオウ:「……あの時は確か、入場が11時ぐらいだったな。とすると、11時ちょっと過ぎかな」
 
 ラオウさんの予想、ビンゴ。
 
 さて、晴れてはいるものの、今日は風があってなかなか過ごしやすい……はずですが、行列に並んでいると、風が遮られるわけで。
 でもまあ、高任の印象としては、全然楽。
 
ラオウ:「……(新聞読み終えてから昨日買った傘をオープン)」
高 任:「ラオウさん、行列で日傘は気をつけないと」
ラオウ:「わかってる。まあ、直射日光がないだけでもだいぶん違うし」
高 任:「そりゃそうだが……」
 
高 任:「おや、動き出した」
ラオウ:「10時……前か」
高 任:「ほら、会場前に行列が会場内を移動してただろ、あの分だよ」
ラオウ:「なるほど」
 
 こう、ところてんを押し出すような感覚で……列の並び替えなどのタイムロスを極限まで防ぐために、動いては止まり、整列してはまた動く……という感じ。
 昔の行列を知ってる人にはちょっとイメージが違うかも知れませんが、今はこんな感じです。
 で、11時10分頃に入場…というか、入り口へ。
 
誰 か:「昨日、某企業ブース行って10時から並んだら、終わったのが4時で…」
 
高 任:「……1サークルで6時間か」
ラオウ:「俺は並ばんなあ」
 
 『写真撮影は禁止です。立ち止まると危険です…』
 
高 任:「禁止だってよ、ラオウさん」
ラオウ:「むう」
 
 ビッグサイトへの階段を上りながら、立ち止まらず、振り返らず、背中越しにデジカメで撮影するラオウさん。
 
ラオウ:「ふむ、まあ、ちゃんと撮れるもんだな」
高 任:「……で、待ち合わせ場所はいつものところとして、どうする?1時と3時でいいか?」
ラオウ:「1時は無理だろ…というか、その時間帯でのロスはきつい。2時と3時で、2時は気が向けば……の方向で」
高 任:「了解…というか、会場内をねり歩くの久しぶりなんだよな。ワクワクすると言うか、ちょっと心配というか」
 
 『エスカレーターでは、歩かないでください。故障の原因に…』
 
高 任:「スタッフのアレを聞くと、こうコミケにきたなという実感が」
ラオウ:「いや、コミケには来てるだろ(笑)」
高 任:「いや、なんというか……で、どこから回るの?俺は東館(正確にはホール。東館とかいう人は大抵晴海の頃からの参加者)を絨毯爆撃ですが?」
ラオウ:「俺も同じ」
高 任:「そうか……そうだ、もし『チョコキス』の同人誌を見つけたら…
ラオウ:「ない」
高 任:「いやいやいや……3年前ぐらいだったか、何故かいきなりプリズムコートの同人誌とか出てたようなケースもあるわけだから
ラオウ:「……はいはい、どこで売ってたか覚えておけばいいのね」
高 任:「たのむ……じゃっ」
ラオウ:「じゃっ、また後で」
 
 と、ホールに入って別れる2人。
 
高 任:「やっぱり涼しい……というか、初日の方が人が多かったよな」
 
 とりあえず、列の端から1つずつサークルを覗いていって、行列が出来ているところはパス……という感じに、会場内を歩く。
 ブランクが響くのでは……と多少心配していたのですが、人の流れも見えるし、流れに強く逆らわず、待つべき時は待って、すり抜けるべき時はすりぬける……のも、以前と変わらぬ感じでできるようで安心。
 通路を歩きながら両側のサークルに視線を向けて……ではなく、今回は片側に専念して、1つの通路を往復するやり方で見て回って……いたのですが。
 やはり、一般参加者としてのブランクは思いがけないところで現れました。
 
 ある時刻になると流れるあのメロディー。
 早い話、不審物などないかまわりを点検しよう……とサークルに呼びかけるあれ。
 
高 任:「あれ?」
 
 高任、慌てて時刻を確認。
 
高 任:「やばっ。ペース配分が狂ってるっ!」
 
 まあ、本当なら西ホールの少女系創作に、歴史、旅行あたりのサークルも見て回りたいのですが、今日は東ホールだけにしておこう……と思ったので、念入りな爆撃をしてたのですが、どうも思っていたよりものんびりとしたペースで回っていたらしく。
 1通路往復はとりやめ。
 
 まあ、それにしても……最近、創作(少年)のジャンルの壁が無いというかあやふやと言うか。
 素直にギャルゲーなり、そっちの方に行けよ……などと首をひねりながら、歩いて歩いて歩いて……歩くのはいいんですが、どうもこれはと思うモノに出会えなかったり。
 一応、ちょっと絵柄が気になったのを1冊購入。
 まあ、それはそれとして、ギャルゲースペースまで辿り着いたらもうちょっと……
 
高 任:「あれえ?」
 
 この秋からアニメになるらしいが、予想通りというかなんというか、『キミキス』サークルが激減というか、TLSサークルの方が多いよ、とか……いや、それ以前にギャルゲーサークルから活気が感じらられなかったり。
 
 いや、瀕死連合がギャルゲーサークルのメインストリートから離れた場所で陣取っているから……などと勘違いしていたようですが、考えてみれば、ギャルゲージャンルがあの有様な状況で、ここに活気があるわけないですよね。
 もちろん、マイナージャンルでありながらこのやる気はいったい何なんだ……というサークルはあるんですが、昔に比べたらごく少数なわけで。
 
 というわけで、アイドルマスターの同人誌を2冊ゲット。(笑)
 
 これで本日の買い物がやっと3冊。
 ついでに言うと、昔……ときメモ全盛期の頃のサークルさんを、思わぬ場所で見かけてちょっとばかり遠い目をしてしまいましたが。
 で。人間の心理というのは不思議なモノで……大手サークルを除いて、もうすぐ東ホールのサークルを全部チェックし終わるというのに、まだ俺は3冊しか買ってないのか……などと思うと、心のハードルを無理矢理押し下げようとするのです。
 
 まあ、そんなこんなで『おとボク』の同人誌をぺら見(最初のページをちらりと見る)で1冊購入……後で後悔。(笑)
 東鳩2を1冊。
 で、この手のジャンルには珍しくキャラを掴んでいるように思えた『のだめ』のエロ同人誌を1冊。
 なんか懐かしくなって『エヴァ』の同人誌を1冊……後で後悔。
 
 で、もうすぐ終わり……というところで2時。
 
高 任:「……んー、キリが悪いからパス」
 
 大手サークルを除いて、東ホールを制覇したのが2時10分。
 現在の獲物……8冊。
 ちょっと無理目に買ったのを除けば……3冊。
 
 後は、3時まで外壁サークルを……って?
 
 えっと、高任の常識としては、外壁サークルは時間いっぱいまで(完売なら話は別)……のはずだったんですが、在庫を片づけて帰宅の準備をしてるサークルが。
 さて、高任は11時すぎに会場内に来たわけで……今は2時過ぎ。
 今日は東ホールだけ……で回ってるんですが、3時間で西、東はさすがに回れない。
 いや、言うまい……サークルにはサークルの事情があるんだろうし。
 ただ、昔とは違い……時間いっぱい使って、全てのサークルをチェックして回るってのは、今となっては無理っぽいのかも知れません。
 自分の知らないジャンルで思わぬ発見を……ってのが、高任の楽しみなんですが、知ってるジャンルでさえ、発見できない有様ですし。(笑)
 
 外壁サークルをまわりながら、少しずつまばらになっていくサークルスペースを見ながら……高任の心には、某コマーシャルの歌が流れます。
 
 作るしかないっ〜作るしかないっ〜作るしかな〜い〜よ〜♪
 
高 任:「……本当に欲しいモノは〜♪」
 
 なんだろう、高任はもう一般参加者としてコミケを楽しむことが出来ないのかなあ……などと、ちょっとばかり鬱屈したモノを抱えて、ラオウさんとの待ち合わせ場所に。
 
 ベンチに腰を下ろし、軽いバッグを抱え……ふと思いました。
 
高 任:「ラオウさんってすげえよなあ…」
 
 片や8冊……片や段ボール一箱。
 考えてみれば、高任も昔はバッグがパンパンになるぐらい買い物してたわけで……などと考えてきたら、ラオウさんがやってきました。
 
高 任:「お疲れ」
ラオウ:「いや、まあね」
高 任:「……」
ラオウ:「ああ、もう宅急便で送ってきたよ。残りがこのバッグ」
 
 いや、その残りだけで高任完敗です。(笑)
 
高 任:「そういや、もう外壁サークルが帰り支度してたけど……最近はあんなもんなん?」
ラオウ:「いや、最近は外壁回ってないから知らない」
 
 などと、情報を交換した結果……居残る価値無しとはんだんして帰ることにしました。
 
 2人でブロックタイプのアイスをかじりながらの帰り道、いきなりセミ(最初はわからなかった)が高任の脇のあたりに飛び込んできたのを振り払おうとしてアイスを道路にばらまいたのはご愛敬。
 
高 任:「とりあえず、シャワー浴びて、洗濯して……飯とか、その後でオッケー?」
ラオウ:「いいよ……というか、素麺ある?」
高 任:「ある……と思うけど?」
ラオウ:「いや、なんかこう……鍋一杯に素麺ゆでて、モリモリ食べてみたい気分なんだが。1キロぐらい」
高 任:「いや、1キロは無理……つーか、かなりのボリュームよ」
ラオウ:「そう?」
高 任:「第一、そんなでかい鍋がない」
ラオウ:「じゃあ、何回かに分けて、とにかくもりもりと素麺を」
高 任:「ま、まあ、ラオウさんがそれでいいなら……あ、でも氷がないや」
ラオウ:「コンビニで買う?」
高 任:「氷を買うって、すげえ、心理的抵抗があるんだけど」
ラオウ:「そうか?」
 
 まあ、なにはともあれ家に帰り着き……シャワー浴びて、エアコン効かせて、冷たい麦茶を飲んで、同人誌を読みながらだらしなく寝そべって。(笑)
 
ラオウ:「なんだろう…コミケが終わった後の、こういう事にとてつもない幸せを感じるのは俺だけか」
高 任:「いや、まあ、わかるけどさ(笑)」
 
 そして、洗濯して(この間に冷凍庫で氷を作って)………。
 
高 任:「はい、とりあえず素麺500グラム」
ラオウ:「むう」
 
 などと、二回に分け、700グラムの素麺と格闘する2人の姿がありましたとさ。
 
 
 というわけで、久しぶりに一般参加者としてコミケに参加したわけですが……こう、今ひとつ乗り切れなかったですね。
 まあ、はまってるアニメもなければ、これはと思うゲームの同人誌がよりどりみどりでも無い現状では仕方がないのかも知れませんが。
 でも、昔は知らない漫画、ゲーム、アニメが題材の同人誌でも、これは買わねば……ってのがあったんですけど。
 それと、昔と違って絵が思いっきり下手な人(早い話、高任レベルの)がほとんどいなくなりましたね。だからといって、話が面白くなったかというと……高任の主観では?なんですが。
 
 
 2007年8月                     高任斎  

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