さて、12月29日(水)、30日(木)という平日開催を余儀なくされた2004年の冬コミ……毎度毎度、いつもは無遅刻無欠勤でかつ誠実な勤務ぶりを見せている人間が何故か会社の仕事納めの日に限って、親戚に不幸があったり、熱を出して休んだり……
 
 悪い子はいねーがっ!
 
 と言うわけで、例によってコミケを知らない人間にとってはさっぱりなコミケ日記というか。
 
 
 11月某日。
 コミケ当選報告がてら、電話にてうち合わせ。
高 任:「……と言うわけで、吉井さんはなんか描きます?」
吉 井:『高任君は?』
高 任:「野暮な事聞いちゃいけません(笑)」
吉 井:『チョコキスですか(笑)』
高 任:「時間が許せば、チョコキスと偽チョコで出したいなあと」
吉 井:『ついに公式設定集を(笑)』
高 任:「あ、それもありですね……とはいえ、まだ完結してませんし」
 
高 任:「……と言うわけで、あらためてコミケ当選したよとのご報告を」
ラオウ:『なるほど』
高 任:「……つーか、ラオウさん。アンタ今回はちゃんと何か出せよ。考えてみたら、アンタがまともに本出したのって2000年の夏まで遡るやんけ
ラオウ:『前のめりに善処してみる』
 
 12月19日(日)
ラオウ:「……ふむ、とりあえずこれで文章書きは問題ないレベルに組みあがったと思う。ただ、FDドライブが壊れちゃってるからしばらく我慢してね」
高 任:「うむ、さんきゅー」
ラオウ:「もうちょっと感謝しても罰は当たらんと思うが」
高 任:「(聞いてない)うおっ、何か速い!つーか、すっげえ速いっ!(笑)」
ラオウ:「そりゃ、ペン2から一気にペン4だからな……と言っても、文章書くのはあんまり変わらんと思うけど」
高 任:「ひょひょひょ」
ラオウ:「あ、そーだ。漫画の原稿用紙くれへん?
 
 この発言、なんとコミケの10日前。
 
 まあ、チョコキスの同人誌と一緒にマジで偽チョコの公式設定本でも作ろうかなあ……などと、簡易地図とか青山家の歴史とかごそごそとまとめているうちに時間が無くなって企画倒れにしてしまった高任が言うべき台詞じゃないかも知れません。
 
 12月28日(火)
高 任:「それにしても、いつもの修羅場じゃのう、高任屋…」
高 任:「サービスにございます……などと、1人ボケとる場合かぁっ!」
 
 悪代官をプレイしてないと絶対わからない1人ボケツッコミをむなしく部屋の中に響かせながら、この日をいれてコミケまで後2日。
 
高 任:「えっと、30日の朝の7時には家を出るから……29日の24時間プラス30日の7時間の、コピーして製本作業が大体2時間だとして……ああ、そんな計算してる場合じゃなくって…」
 
 夏コミ以来、4ヶ月ぶりのお休みだというのに、高任はちょっと錯乱気味。
 毎日毎日こつこつと計画的に描いておけばこんな事にならないのでは……などとお思いになるかも知れませんが、全くその通りです。
 
 夜の10時。
 プルルル…
高 任:「はい、高任です」
吉 井:『吉井です…』
高 任:「あ、ども」
吉 井:『どんな感じですか?』
高 任:「いや、どんな感じも何も……夏よりは多少マシと言ったレベルで(笑)」
吉 井:『あはは…』
高 任:「いや、描いては破り、描いては破りのいつものパターンで、気がつくと時間がなくて結局、今のを仕上げるしかないという最悪のパターンというか……で、吉井さんの方は?」
吉 井:『いやぁ…』
高 任:「いやぁ…と言うと?」
吉 井:『いやぁっ!……という感じで(笑)』
 
 12月29日(水)
高 任:「……あれ?」
 
 時計に目をやる。
 
高 任:「……4時(朝)」
 
  一発で目が覚めました。
 
 ちなみに、この日は冬コミ初日。
 今年は12月になっても暖かいなあなどと言ってましたが、突然平年並みというかそれらしい冷え込みおよび、太平洋側を低気圧が通過して朝から雨だったり雪だったり。
 なかなかに厳しいコンディション。
 
 夜の7時頃、ラオウさん到着。
 あまりにも長時間、同じ姿勢で原稿に向かっていたせいか、立ち上がった瞬間腹筋と背筋が同時につってのたうち回る高任。(笑)
 
ラオウ:「……えーと、どっか未開文化の歓迎の踊りか何かか?」
高 任:「……(声が出ません)」
 
高 任:「はあはあ……で、どんな感じかね?」
ラオウ:「いや、どんな感じと聞く高任さんはどんな感じ?」
高 任:「いやいや、どんな感じと聞く俺に対してどんな感じと聞き返すラオウさんこそどんな感じ?(笑)」
ラオウ:「……あのね、年末進行の仕事にくわえて、欠席するわけにもいかない忘年会が2回も3回もありやがってね。大きな声では言えないけど、いい迷惑というか(笑)
高 任:「……えーと『ほれ、完成しとるわっ』などと原稿を顔に叩きつけるわんぱくぶりを発揮してはくれないのか?
ラオウ:「高任さんこそ、『完成原稿がこちらにございます』などと、料理番組的なお茶目を発揮したりはしてくれないの?
高 任:「……現実逃避はよそうか」
ラオウ:「うむ、賢明な判断だ……で、正味どんな感じよ?」
高 任:「ああ、とりあえず後は仕上げだけというか」
ラオウ:「……今、何と?」
高 任:「時間が余れば4コマを追加してもいいかなという感じですが」
 
 いきなり何も言わずに高任から机を奪い取って原稿を書き始めるラオウさん。(笑)
 
高 任:「もしもし?」
ラオウ:「えーと、ここの写植をサイズ合わせて飾り文字かなんかでうってくださると非常に助かるのですが(笑)」
高 任:「まあ、やれと言うなら…」
ラオウ:「いや、冗談抜きでペン入れする時間がないので鉛筆書きという事になるのはアレなんだけど、それ以外の写植は既にこのFDにいれてきたのでプリントアウトしてくれたまえ
高 任:「……」
ラオウ:「どうかしましたか?」
高 任:「FDドライブ、壊れってるってばよ」
ラオウ:「……そういえばそうだったな」
高 任:「まあ、写植は基本的にサイズ合わせが面倒なだけだから……」
 
 夜の8時半頃、吉井さん到着。
吉 井:「うお、やってますね(笑)」
2 人:「やってますよぉ(笑)」
高 任:「で、どうですか?」
吉 井:「あっはっはっ」
 この瞬間、高任の頭の中に浮かんだ言葉。
 
 共倒れ。
 
高 任:「……さってと」
ラオウ:「さてと…」
吉 井:「え、何ですか?何故二人して何もなかったように原稿に取りかかってるんですか?」
 
 夜11時。
高 任:「終わった……事にします(爆笑)
ラオウ:「終わってるのか?本当にそれは終わってるのかっ?」
高 任:「さて、コピーに行って来ます」
ラオウ:「高任さん。アンタがトーン作業してた記憶がないぞ」
吉 井:「ラオウさん、他人にツッコミ入れてる場合じゃなさそうですけど」
ラオウ:「いや、それは吉井さんも」
 
 ちょっとギスギス。
 
 コピーして、製本作業しつつ。
高 任:「あ、そういえばガンダムの再放送があったな…」
 
 しかも、ガルマが死ぬ前の回。
 画面を見ずとも、
『殴ったな、親父にもぶたれ事ないのに』
『殴って何故悪いか。貴様は虫けらだ…』
 等の台詞だけで、げらげらと笑うラオウさんと吉井さん……かなりのハイテンション……というか、ラオウさんがペンを置いてテレビを見に。
 
高 任:「……吉井さん、何やらラオウさんが諦めるための良い口実を探す表情をしてるんですが(笑)」
ラオウ:「……というか、冷静に考えるともう無理というか」
吉 井:「よっしゃ、完成」
ラオウ:「えっ?」
高 任:「ふう……ラオウさん1人が逃亡か。コミケ日記でそのあたりはむやみに『強調して』描かせて貰ってもいいかね?」
ラオウ:「……構成を変えてどうにかならないか前のめりに善処してみる」
 
 ラオウさんを残して、高任と吉井さんはコピーに走る。
 ラオウさんの原稿を手伝わないなんてひどい……と思うかも知れませんが、鉛筆書き原稿の場合、他人が手伝えない部分が多すぎるのです。
 
 夜の2時。
ラオウ:「……逃げよう(笑)」
高 任:「えっ、逃げるんですか?」
ラオウ:「無理、絶対無理というか……構成を変えると、つまらんネタに成り下がる。それぐらいだったら…」
 
 12月30日。
 6時半起床。
 何やら朝の5時頃に、『寒いよ、この部屋はどうしてこんなに寒いんだろう…』などと、ラオウさんが目を覚ましたらしいですが。
 一応暖房つけてます。
 何はともあれ、昨日とはうって変わって晴れ。
 
 7時15分出発。
ラオウ:「……あれ、こっちってこのぐらいしか雪降ってなかったん?
高 任:「いや、雨で溶けたのはあると思うが」
吉 井:「俺の方は、雪なんて降ってなかったですけど(笑)」
ラオウ:「俺の方は降りまくってて、昨日こっちに向かって出発するときも雪のせいで電車のダイヤが狂ったり、乗る予定の電車が無くなったりやばかったんですけど」
吉 井:「うわ…」
高 任:「北国ですなあ」
ラオウ:「それはそうと、高任さん」
高 任:「はい?」
ラオウ:「俺、1月2日までやっかいになる予定だから」
高 任:「それは構わないけど、今夜を含めて俺はずっとバイトだよ」
吉 井:「うわあ」
ラオウ:「ところで高任さん」
高 任:「今度は何かね?(笑)」
ラオウ:「キミのダウンジャケット、背中から羽根が生えてる」
 
 何事もなく会場に到着したのは8時30分。
 いや、行きの電車がいつもより激しく混雑してましたが。
 で、アニメだかゲームだかのキャラがプリントされたバス……おそらくはフィルム貼ってその上に……ってヤツでしょうけど、朝っぱらから腰の抜けそうなモノを見せられると。
 
ラオウ:「……アレが、街中を走るのか(笑)」
吉 井:「世も末ですな」
 
 コミケにおけるサークル設営の仕方。
 まず、机の上にこれでもかとばかりに積み上げられたイベントチラシなり印刷所のパンフレットを片づけて、机の上に布をしいて、同人誌並べて、スペースの住所をわかるようなモノを設置して終了。
 
 何故か、鋼の錬金術のイベントのチラシ(同じヤツ)が7枚もありました。
 
 で、カタログを見ながらサークルチェックを始めたラオウさんをしりめに、暇つぶしに持ってきた『漫画川口浩探検隊』を読んで吉井さんが悶絶。
 
吉 井:「(親指を立てながら)OK!」
高 任:「ね、これは買いでしょう?」
吉 井:「いや、探したけど見つからないんだよ」
高 任:「この、仕方なく仕事で描いてますって人と、ノリノリで書いてるワタナベ先生とのギャップの激しさがなんとも…」
吉 井:「現代人には作ることが不可能な罠……って、電気コードじゃん!わかってるわ、ワタナベ先生っ!」
 
 10時開始。
 鞄を手にそして戦士は旅立つ。
 
 同人誌を落としておきながら、大きな顔をして。
 
 で、ラオウさんがいなくなったのを確認して、その旨を記したスケッチブックをスペースに置こうとしたら…
吉 井:「高任君、それはあんまりでわ?」
 などと、心優しい吉井さんが止めたのでやめました。
 瀕死連合の今回の新刊はチョコキス本。
 後は、吉井さんがペーパーというか……熊本防衛日記。
 
 で、開場早々一人目のお客様が。
お客様:「HP見てます」
 と、中身を確認せずに。(笑)
 
高 任:「……今日も、HP関連のお客ばっかりような気がしないでもないですね」
吉 井:「かもね」
 カタログをチェックすると、ここ数年縮小に縮小を続けているギャルゲースペースの中でも端の方というか……イイカンジに人通りが少ない場所。
 というか、今回は2日間開催と言うこともあってなのか、コンシューマーギャルゲースペースは大体2列……その中に、ときメモとかTLSシリーズとかサクラとかシスプリとか。
 そう考えると、チョコキスでその中の1つを確保したのはすごいシェアかと。
 
 と、開場早々のお客様は別にしても、30分、40分ほど経ってからぽつぽつと。
『偽チョコ楽しいです』などと言ってくれると、結構こそばゆい気持ちになりますが、やはり同人誌の中身を確認せずに買って行かれると……後で、後悔したりしないかなあなどと心配になったり。
 10人目ぐらいのお客様が中身を確認してから購入してくれてほっとしました。
吉 井:「……中身を確認せずに買った人はみなHP関係者と仮定すると」
高 任:「チョコキスじゃなくて、偽チョコで漫画描いても全然オッケーって事ですかね
吉 井:「うーん、それはどうかと…」
高 任:「そういえば……熊本防衛日記を渡すのはやめたんですか」
吉 井:「いや、あからさまに興味のなさそうな人に手渡すのが心苦しくなって(笑)」
 
 今年一年『偽チョコ』しか書いてなかったのでその事ばっかり触れられましたが……『対談やってください』という要望がやはりというか。
 やります……というか、1月末予定。
 
 通りかかった人が、何やら我々のスペースを凝視してそれから立ち去ったり。
 
高 任:「むう、やはり手にとって貰うだけのインパクトがありませんか」
吉 井:「いや、さっきの人の視線はこれにむいてました」
 と、吉井さんが机の上に置いてあった『漫画川口浩探検隊』の本を指さしたり。
高 任:「……宣伝になりましたかね?」
吉 井:「DVDはどうでもいいけど、ワタナベ先生に違うシリーズの漫画を描いて欲しいッス(笑)」
 
吉 井:「それにしても……ラオウさん遅いね」
高 任:「いや、なんか今日って人多いですよ、絶対」
吉 井:「このあたりはガラガラだけど(笑)」
 とか話してると、12時過ぎに帰ってきました。
 東の4、5、6、を回ってきて、お腹が空いたので帰ってきたとのこと。
ラオウ:「なんか、今日ってめちゃめちゃ人が多いんだけど。列の中で身動きがとれなくなるんですわ。人が多いんだか、着ぶくれてるのかは知りませんが」
吉 井:「両方でしょう」
高 任:「いや、多分2日間開催だからと思いますが」
 もそもそとパンを食べ、購入した同人誌を鞄に移し替えてさあ出発……といつもなら行くはずなのですが、何やら今日のラオウさんは元気がない。
高 任:「どうしました?」
ラオウ:「いや、疲れた」
高 任:「人生に?」
吉 井:「そういう会話はあまり人前でしない方が」
ラオウ:「というか、原稿書きや仕事や忘年会でここ数日ほとんど寝てないというか、体力ゲージが真っ赤な状態というか」
高 任:「じゃあ、休んでいく?」
ラオウ:「いや、俺はこれから西に行くから(笑)」
吉 井:「行くんですか…」
ラオウ:「なんとなーく、この状況から察するに西の方が手薄かと」
 
高 任:「あ、俺ちょっと画材見てきます」
吉 井:「うん」
 などと席を立ち、会場内の画材販売スペースをうろうろと……いつの間にか、知らない画材が増えてたり、価格破壊がおこってたり。
 
高 任:「ただいまです」
吉 井:「お帰り」
 
 そんなこんなで2時20分頃、ラオウさんが帰ってきました。
ラオウ:「いやぁ……シューティングゲームがなかなか豊作というか」
 などとすごく嬉しそう。
ラオウ:「今日はもう満足。人も多いし、疲れたからもういいや」
 などと言い出す始末。
 
 エロ同人誌よりも、シューティングゲームをこよなく愛するラオウさん。
 
ラオウ:「で、どんな感じですか」
高 任:「いつも通りというか」
吉 井:「いつも通りです……というか、俺ちょっと出てきます」
 
 と、ラオウさんと2人でダラダラしてたら、お客様というかなんというか。
 名前を出して良いか判断が付かないので一応伏せさせてもらいますが、『悪代官』の同人誌を作ったのでよろしかったどうぞ……と、差し入れを持ってきてくださいました。
 
 ありがとうございます。
 データおよび、悪代官用語集、楽しませていただきました。
 後記で触れられてましたが、確かに悪代官2に関しては基本的にシナリオがスターウォーズで、後はガンダムを足しっぱなしにした感じの……前作からパワーアップを図り、常人には理解できないところまで逝っちゃった感がありますね。(笑)
 
 ……で、3時20分頃。
高 任:「そう言えば吉井さん、今日の予定は?」
吉 井:「いや、例によって例のごとくというか……新宿あたりでつれと合流してオールナイトで飲み会かと」
ラオウ:「またそんな寿命を縮めるようなスケジュールを…」
高 任:「……我々にのこされた時間は後僅か、よし帰るぞ!(爆笑)
 
 注…漫画川口浩探検隊の中の台詞。
 
 という事で、3時20分頃に撤収させていただきました。
 もしこの後で来訪された方がいらっしゃったら申し訳ないです。
 
 で、何事もなく終わるかと思われたのですが……帰りの混雑がすごいのなんの。
 おそらくは臨海線の改札の問題なんでしょうが、帰りの切符を持っているのにも関わらず行列が全然すすまないと言うか。
 3時半には開場を後にしたのに、電車に乗ったのが4時過ぎ。
 
 スーパーで寿司買って、慌ただしくそれをつまんでから吉井さんは飲み会に向かって出発、高任はバイトに向けて仮眠、披露の激しいラオウさんは睡眠……。
 
 お疲れさまでした。
 さすがに、今度サークル参加するのは2006年になるのではないかと。
 
 2004年12月31日。    高任斎。

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