美しさは罪。
 魅羅は内心それに同意しながらため息をついた。他人はみなその美しさにふさわしい付属物を想像の中で作り上げてしまうのだから・・。
 自分を何か壊れ物でも扱うような少年達はおそらく魅羅自身をガラス細工のアクセサリーかなにかと勘違いしているのではないだろうか?
 元々魅羅自身の性格は壊れそうなものなら壊してしまえという性格であったのだが・・今では山より高いプライドとチークダンスを踊っている始末である。
 もはや少女と呼ぶにはふさわしくない雰囲気を漂わせた鏡の中の姿に対して魅羅はそっと呟いた。
「今さら自分では壊せそうもないわね・・。」
 寂しげな横顔は深い森の中で何かを待ち続ける眠り姫を想像させた。
 
 グレースフル・ビューティフル・ゴージャス。(大合唱)
「おはよう、みんな。」
「はいっ、鏡さん。」(*一杯)
 最初はとまどいを覚えた親衛隊だったが最近ではもう慣れてしまった。数の上では伊集院に一歩を譲るものの、団結力と統率力にかけては比類無き集団である。
 そんな集団を引き連れながら気だるげに前髪をかき上げる仕草はどこをどう見ても女子高生には見えない。
「みんな、ここまででいいわよ。」
 微笑みながら振り返った魅羅の耳に親衛隊の踵を打ち合わせる音が響く。
「はいっ。(以下略)」
 親衛隊が立ち去っていくのを確認して、魅羅は肩をもみほぐし始めた。首を左右に動かす姿が妙にさまになっている。考えていることと言えば、今日の夕飯何作ろうかしら?などと所帯じみた考えであるところも、ある意味高校生離れしているかもしれない。
「・・・・相変わらず化けてるね・・。」
「伊集院君と違って庶民ですから。それに、他人の夢を壊すのは良くないことですわ。」
 麗は思案深げに窓の外を眺めている。
「誰かを犠牲にした夢など壊してしまっても差し支えは無いだろう・・。」
「あら、それでは伊集院家の存在そのものを否定なさるの?」
 手厳しい魅羅の返答に麗は口元を軽くつり上げた。
「それも悪くない・・。」
 呟くような麗の言葉は魅羅の耳には届かなかった。魅羅は艶然と微笑みながら麗の方に身体をよせていく。
「・・どこかにいい人を存じませんの?」
「残念だが僕は辞退させてもらおう。」
 少し慌てるような麗の言葉に魅羅はおかしそうに笑った。
「私、同性を愛でる趣味はありませんわ。」
 ぎくりと顔をこわばらせる麗に向かって、魅羅はにこやかな笑みを返した。
「どんなに外見をつくろっても香りだけはごまかせませんわ。・・・ご心配なく、他言はいたしません。」
 動揺を何とかおさめた麗があきれたように呟いた。
「君を包むことのできる高校生などそうはいないはずだが・・・案外身近に隠れているかもしれないよ。」
 魅羅は軽く頷いた。
「あなた程の人が気にかける方がこの学校にいる、ということですの?・・・でも、それではあなたがお困りになるでしょう?」
 挑発するような魅羅の言葉に麗は首を振った。隠すつもりもないのかそれとも隠しきれなかったのかわからない寂しさが瞳に浮き出ていた。
「・・僕には夢など見る自由は許されていないんだ・・。」
 少女の素顔に戻った麗を魅羅は哀れむように黙ってみつめていた。
 
 結局魅羅は何も聞かずに麗と別れた。
 もともと本気で聞いてみたわけではない。しかし、麗にあんな顔をさせる少年が本当にこの学校にいるのだろうかどうかということは気になった・・。
 しかし、そんな雲を掴むような話より今日の夕飯の献立の方が魅羅にとっては大事な問題であった。
「今日は水曜だからスーパーで青果が安いのと、お肉屋さんで豚肉の特売・・・」
 ぼんやりと宙を見つめながら指を折っている姿は物憂げで近寄りがたい雰囲気である。その美貌故同年代の少年にはみつめるのが精一杯という状態、学校以外の場所では弟の世話と家事に追われ、その結果として言い寄る人を遠ざけることになっていたのだが、ミステリアスな雰囲気はその副産物といえよう。ますますもって悪循環である。
 いつの間にか相手を適当にあしらう術だけ身につけて現在に至っている。かなりアンバランスな人格形成の中で育ってきたのも全て人並みはずれた美貌のせいだと言い切って間違いはあるまい。
 べちょっ。
 不意に冷たいモノが魅羅の視界を奪った。湿ったタオル生地の感触に、どことなく不愉快な匂い。それでいて慣れ親しんだこの感覚・・。
 魅羅の身体がわなわなと震え出す。
 この美貌にぞーきんをぶつけるとは天をも恐れぬ所行であろう。無論当事者は事態を認識するといきなり逃げ出していた。そこに偶然通りかかってしまったのは主人公としての宿命か?
 インプリンティング。
 卵の殻を破って初めて目にしたものを親と認識すること、別名すり込みとも言う。ちなみに雑巾を払いのけた魅羅が目にしたのは公人であることは言うまでもない。
 ノーモーションで投げつけられた雑巾を華麗な横っ飛びでかわした公人の着地地点にバケツが転がっているあたりアメリカンコメディは偉大だなあと魅羅はしみじみと頷くのであった。
 ぶつぶつと不満を呟きながら例の雑巾で廊下を拭く公人の手つきを見て魅羅が舌打ちをする。
「そうじゃありませんわ。もっと固く絞って、左脇をえぐり込むようにして、拭くべし、拭くべし・・。」
 魅羅の手際の良さに公人が感嘆の口笛を吹く。それを聞いて魅羅が我に返ったのだろう、慌てて雑巾を公人に手渡した。
「なんで、私がこんなことしなきゃならないのよ!」
 とりあえずこの状況の責任の半分は魅羅にあるような気がするのだが、もちろん公人はそんな思いをちらりとも見せない。やがて落ち着きを取り戻した魅羅は、公人の顔を見て口を開いた。
「あら、あなた確かあの藤崎さんの幼なじみとかいう・・・」
「『あの』の位置が若干気にくわないけど、詩織の幼なじみの高見公人だ。・・しかし、初対面の人間に雑巾をぶつける趣味はあまり良くないと思うぞ。」
「その言葉そっくりそのまま返しますことよ・・。」
 再び言い合いを始める2人。その間隙をぬって少年が1人バケツと雑巾を回収していったことを明記しておく。
 顎がくたびれたのか悪口のストックが切れたせいかはわからないが、唐突に背を向けた魅羅に向かって公人のいらただしげな声が飛ぶ。
「ちょっと、名前ぐらい名乗っていけよ。」
「・・あなた、私を知らないの?」
 第二次戦争の勃発であった。
 
「姉ちゃん、何かいいことでもあったの?」
 弟の1人が何気なく問いかけた質問に対して、魅羅はこめかみのあたりに軽く血管を浮かび上がらせた。しかし、学校での彼女の姿を知る人間にとっては温かさを感じる表情であった。
「別に何も・・はい、コロッケは1人2個までね。けんかしないのよ。」
「・・・でも、今日の姉ちゃん肩こりがほとんどなかったし・・。」
 魅羅はそういえばという風に自分の手で肩の辺りを触ってみる。普段弟たちが交代しながら肩もみしてくれていたため、1人がその違いに気が付いたのだろう。
 ふむ。
 魅羅が天井を眺めながらあの出来事を思い出している間に、魅羅の分のコロッケは綺麗になくなっていた。代わりにとばかりに山盛りのキャベツの千切りが魅羅の皿に盛られているのを発見したときには弟たちは1人残らず台所から姿を消していた。
「こらっ!」
 近所でも有名な鏡さん家の騒動の始まりの合図であった。
 
 ごきり。
 親衛隊が去った後、何気なく首を振ると嫌な音がした。肩の辺りが妙に重く、鈍痛が首筋のあたりを這いのぼってくるような感覚。
「この歳で肩こり持ちだなんて・・・。」
 とほほ、という台詞が似合いそうな状態である。あの日から数日は空だって飛べそうだったのが今やこの有様である。魅羅はため息をつきながら中庭のベンチの1つに腰をおろした。
 ばふっ。
 いきなり視界が白く染まる。むずむずと鼻のあたりを刺激する粉末。
 この美貌に黒板消し・・(以下略)
「またあなたなの?」
 3階からそれを誤って落とした人間は既に姿を消している。涙目になりながら魅羅は公人をきっと睨んだ。これだけの美貌の持ち主に睨まれると本当はかなり怖いのだが、あいにくそれに臆する公人ではないし、今の魅羅は灰かぶり姫のようないでたちである。
 公人は黙って水道の所までぎゃあぎゃあと文句を言い続ける魅羅を連れて行った。魅羅が顔を洗っている間に髪の毛の粉をはたき落とす。ウエーブのかかった髪が水に濡れてさらっと真っ直ぐにのびた。魅羅は蛇口をきゅっと締めると公人の方を振り返る。
「大体あなた、美に対して敬う心ってものがないの?小学生でもやらないような悪戯をよりによってこの私に・・・」
「あんたの向かいから中庭に出てきた俺がどうやってそんな・・・」
 ぎゃあぎゃあ。
 第一印象がお互い最悪だったため、お互いに聞く耳持たない状態である。といっても公人は被害者のような気がするが・・。 
 帰り道。
 魅羅は幸せであった。今なら虹だって渡れそうな気分である。肩が軽い。あの少年はまさに天の配剤といったところである。肩が軽くなると思考能力も元に戻る。魅羅のスキップでも踏み出しそうだった足がぴたりと止まった。
 あの黒板消しは空を見上げた自分に向かって降ってきた・・。
「・・・どうやって謝ればいいのかしら?」
 
「いや。」
 にべもない拒絶の言葉に教室が揺れている。魅羅は公人には自分の言葉が良く聞こえなかったのだろうと思ってもう一度繰り返した。猿に言葉を教え込むような口調であった。
「今度の日曜日にあなたとつき合ってあげるわ・・。」
「いや。」
「・・・・・・。」
 魅羅は無言で公人を教室から連れだし、人気のない屋上まで引きずり込んだ。
「何が不満だっていうの?」
「全部。」
 ぎゃあぎゃあ(以下略)。
「大体今度の日曜は詩織と遊びに行く約束になってる。」
「この私より藤崎さんとの約束の方が大事だというの?」
「鏡さんと約束した覚えはない。」
 魅羅ががばっと公人の肩を掴んだ。
「・・・じゃあ、藤崎さんがいいと言えばいいのね?」
 ・・・何かがおかしい。
 遊園地で遊んだ後、夕暮れ時の映画館でリバイバルの恋愛映画。ふと隣を見ればそこにはうっすらと涙ぐんだ幼なじみの横顔。そんな光景に目を奪われた俺の視線に気が付いて彼女もまた俺の方を・・・・。
 計画としては完璧だったと思う。・・・多少の無理があるとしてもだ・・。(笑)
 遊園地で2回、喫茶店で1回、映画館の前で1回。ちなみにケンカの回数だ。公人は目を閉じて先日のことを思い出す。
「ちょうど良かった。実は日曜日に用事ができちゃったの。(ひそひそと)公人君も隅に置けないわね・・。」
 あっさりと詩織に了承されてしまったことが全ての始まりだった。遊園地では何で楽しそうじゃないの?・・喫茶店ではちゃんと女性の席をひいてやれ、映画館では芸がないわね・・。
 その割には文句も言わずに静かに見ているようである。確かにマナーに関してはわきまえているようである。
 ふと振り向けば・・・・・・うっすらと涙を浮かべた魅羅の横顔。
 魅羅が涙を拭くのを見て公人は慌ててスクリーンに視線を移した。魅羅は公人に見られていなかったかどうかを確かめるようにのぞき込んでいる。
 公人は何気ない様子で笑いをかみ殺すのに苦労していた。
「つまらない映画だったわね・・。」
「・・・そうかな?」
 映画館を出ての第一声がこれである。
 魅羅は腕時計に目をやるといそいそと帰っていった。その後ろ姿を見送りながら公人はぽつりと呟いた。
「まあ、たまにはこういうのもいいか・・。」
 
 ふむ、二度目があるとは思わなかった・・。
 ぼんやりとウインドウを眺めながら魅羅と肩を並べて歩く。急に魅羅が立ち止まって公人の方を振り向いた。
「・・ごめんなさい、ちょっと電話かけに行って来るから。」
 しばらく公人がぼんやりと立っていた場所に慌てて魅羅が走ってきた。
「・・弟が急に熱を出したそうなの。自分勝手だけどここで・・」
 公人はそれを聞いて後ろの雑貨屋で何かを買い、魅羅に手渡した。
「口に合わないかもしれないけど、弟さんにおみやげ。」
 魅羅は自分の手にのせられた桃缶をきょとんと見つめた。
「熱を出したときは桃缶なんだ・・。」
「・・・あ、ありがとう、多分喜ぶわ。それじゃあ、この埋め合わせは必ずするから。」
 走り去っていく魅羅の姿を見て公人は微笑んだ。会う度に違った側面を見せてくれる彼女が微笑ましい。
「埋め合わせってことは・・3度目があるのか?」
 今度はどんな姿を見せてくれるのだろう。
「お姉ちゃん、僕には?」
「これは、風邪ひいた時の食べ物なの!」
「姉ちゃん、僕も頭痛い。」
「嘘つきは夕飯抜き。」
 ・・・公人の桃缶が思わぬ騒動の引き金になっていたとはお釈迦様でも気が付くめえ。
 
 さんざん大声を出した後なのでのどが渇いて仕方がない。公人は身体をかがめて蛇口から流れる水をがぶ飲みする。
 ぽんぽん。肩を軽く叩かれる感触。
「んっ、なんだ伊集院か。珍しいなお前の方から話しかけてくるなんて・・。」
 右手で蛇口を締め、左手で口元を拭いながら公人は振り返った。
「・・・最近鏡君と親しくしてるようだが・・。」
「親しくしてるように見えるのか・・?」
 先程までかみつかんばかりに言い争いをしていたのである。さすがの公人も自分が肩こり解消のため利用されているとは夢にも思っていないようであった。
「・・見えるとも。」
「ケンカするのは仲のいい・・・なんていうつもりかよ?」
「ケンカと言うよりはじゃれ合ってるように見えたがね・・。」
 そう言って眩しい陽差しに目を細めるようにして空を見上げる麗。公人は訝しげに首をひねりながら麗に話しかけた。
「伊集院・・・なんかあったのか?」
 麗は声をたてずに小さく笑うとそのまま公人に背を向けて歩き出した。何故かはわからないが今日の麗は風景にとけ込むようなはかなげな存在感を漂わせていたように公人には感じられた。
 麗は自分の目の前の人影に気が付いて顔を上げた。魅羅の表情は幾分堅めだがそれだけに足のすくむような美しさを漂わせている。
「以前うかがった少年は・・・・高見君でしたの?」
「・・・さて、どうかな?」
 麗はそのまま魅羅の隣を通り過ぎていった。
 この日から魅羅はまたひどい肩こりに悩まされることになる。
 
「高見君、鏡君を送っていってあげたまえ・・。」
 公人は曖昧に頷きながらもちらりと魅羅のいる方を振り返った。
「・・・鏡さんがうんとは言わないと思うが?」
 ここ半年はろくに顔も会わせていない。あからさまに向こうの方で公人を避けている感じだから公人がそう思っても仕方のないところであろう。まあ、元々最悪の出会いだったし自分に対しての興味を失ったのだろうと公人は判断していた。
 騙されたと思って、と伊集院に勧められるままに魅羅に話しかけると、意外にもすんなり了承された。
 闇の中を音もなく舞い落ちる白い粒に気が付いて公人と魅羅は同時に空を見上げた。
 雪。
 不意に自分の左腕が何かに捕まれて公人は視線を魅羅の方に向けた。魅羅は心なしか頬を染めて囁くような声で喋りだす。
「こういうときは肩を抱いて暖めてくれるものですわ・・。」
 公人は何も言わずにコートを魅羅の肩にかけてやった。魅羅はやや不満げな表情を見せたものの、無言で歩き始めた公人の側に寄り添うようにしてついていった。
 ゆっくりと舞い落ちてくる雪を眺めながら麗は呟いた。
「鏡君、僕からのクリスマスプレゼントだ・・。」
 人為的に雪を降らせる確率を高めることは可能である。・・それなりの条件を必要とはするが・・。
 
「古い映画ではよくありますわね、いいところのお嬢さんが貧しい青年との愛を選んで家を飛び出すというのが・・。でも、家を飛び出したところで終わってしまいますけど。」
 魅羅がスプーンでコーヒーをかき混ぜながらそう呟いた。
「世間知らずで、苦労したことのないお嬢さんが貧乏に耐えられるかどうかには賛成しかねるね・・。」
 公人は角砂糖を1つカップの中へ落とし込みながら分別くさく答えた。
「・・・耐えられる人もいるかもしれませんわ。」
 魅羅がかちりと音をたてながらスプーンを受け皿に置いた。
「・・・かもしれないね。」
 そう言って公人がコーヒーをすすった。
 そして沈黙が訪れる。
「鏡さんは爪を伸ばさないんだね?」
「家事の邪魔になりますもの・・・。」
 再びの沈黙。公人は同じようにコーヒーをすするだけである。
「・・・驚きませんの?」
「これだけ長くつき合ってれば自然とわかるから・・。」
 実にあっけない公人の反応に魅羅は馬鹿馬鹿しくなった。どうやら手のひらの上で遊ばれていたのは自分だったようである。
「ああそういえば、いつかの桃缶。弟が喜んでたわ、けんかになったけど・・。」
「・・・鏡さんいったい何人兄弟なの?」
 今まで話したことのない自分のことを嬉々として語り出す魅羅。興味深げに耳を傾ける公人。この日を境に2人のつき合いは一歩踏み込んだものとなる。
 
 いつもながらの美貌に衰えはない。しかし、最近の魅羅にはこれまで無かった親しみやすさが現れ始めている。それを残念がるものもいれば、高く評価するものもいた。けれども、今の魅羅にとってはそんな他人の目はあまり気にならないものらしい。
「高見君、弟たちがあなたにまた会いたがってるの。よかったら今度の休みの日に遊びに来ない?」
「腕白盛りの弟4人相手はちょっときついんだけど・・。」
「大丈夫、今度はおとなしくさせて置くから。」
「それはちょっと寂しいかもしれない・・。」
 
 ・・・宝石はいつも同じ輝き、同じ美しさを誇ってきたわけではない。時には主役、時には脇役。装いを変えて輝き続けてきた。それと同じようにまた彼女も今までと違う輝きを手に入れたのかもしれない。
 そんな彼女を少し羨ましく思うのは僕だけだろうか・・?
(ある日の伊集院の日記より抜粋)
 
「・・・今さらという気がするわね・・。」
「・・・まあね。」
 少し照れくさそうに公人と魅羅はお互いを見つめ合う。場所は言わずとしれた伝説の樹の下。
「言わなくてもわかることでしょうけど、はっきりした言葉が欲しいときがあるの・・。」
「・・言葉の安売りをするつもりはないけど、そう言うことなら・・。」
 その後の2人のやりとりを知るものは伝説の樹とやわらかな春の陽差し、そして微かなそよ風のみであった。
 
                    完
 
 

 さて、ファンの人にどう思われるか少し心配。鏡さんに蹴りをいれた同人漫画はいくつかみましたが、肩こりとか雑巾ひっかけたのははたしてどうでしょう・・。イメージも大分違いますし・・。
 初めてこのキャラ見たときはなんとなく「有閑マダム」なという言葉が浮かびました。何というか雰囲気が高校生離れしてるというか何というか・・。まあ、声優さん達のイベントとかはおもしろかったですけど。会場全てが親衛隊とか・・。
 ただ鏡さんの設定をよく覚えていません。弟は4人だったか6人だったか・・。どっちにしろ大家族ですね。
 昔ゲーム雑誌のショートショートで鏡さんの中学時代のお話しを書かれた方がいらっしゃいましたが、あの話が大好きです。といっても覚えていらっしゃる方がいるかどうか? ああ言う話が書きたかったですね。(笑)文章もお上手でしたし・・。それに較べて私ときたら・・・。
 ちなみに肩こりに対して大声を出すことが与える影響というのはストレスという点でも筋肉使用による血行の面でも効果があるとかないとか・・・。(笑)

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