メネシスはふとラボの天井を見上げた。
その隙に、海燕は彼女のいれたお茶を金魚鉢に流しこむ。
たちまち、プカプカと背泳ぎを始める金魚たち。
今日も、メネシス・ラボは平和だった。
「……あんたも、用心深いねえ。」
呆れたように呟くメネシス。
「一服盛ろうとした人間の台詞じゃないな…」
と、涼しげにきり返す海燕。
「別に、死んだりしないわよ……」
「一服盛られる事に気が付かないようでは、長生きできない稼業なんでね。」
「戦争屋ってのも物騒だねえ……あんたも、何を好きこのんで傭兵なんかやってんの?」
メネシスは新しくお茶を入れ直しながら、何気ない口調で海燕に尋ねた。と同時に、カップをそっと海燕の方に差し出す。
それをそのまま金魚鉢へと流しこみながら、海燕は小さく微笑んだ。
「メネシスは、なんで化学をやってる?多分、それと似たようなものだろ……」
金魚が動かなくなったのを見て、海燕はじろりとメネシスを睨んだ。
「死なないのか?」
「気を失ってるだけ……のはず。」
なんとも頼りない返事である。
いやーな雰囲気を切り替えるように、つい、と眼鏡のフレームの位置を調節して、メネシスはため息をついた。
「最近動物実験用の素材を見つけるのがホネでねえ…」
「だからといって、通りすがりの人間を素材にするな。」
ローブからのぞくメネシスの表情にちょっと傷ついた印象が窺えた。
「ふーん、アンタ通りすがりでこんな所まで来るんだ。」
メネシスのラボは、普段あまり人の来ないカミツレ地区の森林区の中にある。あまり通りすがる人間はいないであろう。
「……傭兵だからな。」
お互いの顔色を窺うような雰囲気の中、メネシスは、三度お茶をいれ直した。
海燕はそれを黙って飲んだ。
それをじっと眺めるメネシスに気が付いて、海燕は妙な顔をした。
「どうかしたのか?」
「……何で分かったのさ?」
「傭兵だからな。」
メネシスは、頭を覆っていたローブをそっと後ろに外し、クセの強そうな髪の毛を外気にさらした。
「すごいとは思うけど…それって悲しい生き方をしてきた証拠だよね…?」
「そうか?」
「だって、信頼出来る人がいなかったって事でしょ。」
「メネシスにはいたのか?」
「あたし?」
意外なことを、という風にメネシスは自分の顔を指さした。一瞬だけ床の上に視線を落とし、そして呟く。
「あたしには、ガリレア先生と、化学があったから……」
「俺には戦場と、剣があったさ……」
海燕はお茶をすすって、腰の剣を軽く叩いた。
どちらからともなく、小さくふきだす。
「似たもの同士……なのかね?」
「かもな…」
ラボの中に暖かい空気が満ちていく。
一人きりではない、人と人との触れあいの中で生まれる雰囲気を味わいながら、メネシスは自分が学生だった頃を思い出していた。
「よりによって同期にあんなのがいるとはな……」
「才能と覚悟の違いって奴だろ……俺はあそこまで自分を捨てようとは思わないけどな。」
ぼそぼそと雑音が聞こえてくる。
化学の開祖、ガリレア門下に突如現れた二人の俊英。
その1人であるメネシスは、眉をひそめてそちらを振り向いた。
「あたしが女捨てて、アンタ達に迷惑かけたかい?」
こそこそと姿を隠す学友達……いや、学友と呼ぶのも情けない。
「まったく…人のうわさ話してる暇があったら、実験の1つでもやったらどうだい…」
「あなたみたいに、たびたび爆発を起こされても困るんですけどね…」
書物を小脇に抱えた青年の名前はミハエル・ゼールビス。穏やかな笑みを浮かべた瞳の奥に、巨大な知性が見え隠れしている。
「実験するにしても、もう少し考慮を重ねてから……」
「うっさい!次に実験やる人が助かるからいいの。先生の後を私達が受け継いで、私達の後をまた新しい誰かが受け継いでいく……学問ってのはそんなもんでしょ。」
ミハエルは肩をすくめた。
メネシスにとって、ミハエルだけが学友と呼べるのであり、そして常に半歩先を行くライバルでもあった。
とはいえ、メネシスはかなりの学年を飛び級しているため、年齢的にはミハエルよりも幼いのだが。
「受け継ぐ、ね……あなたはあなたの道を行けば良いと思いますが。」
「それ、嫌みなの?」
年齢による社交経験の差が、メネシスをいらただせた。つまりは、ミハエルに馬鹿にされていると思ったのである。事実、成績はミハエルの方が上なのだから、精神的に幼い彼女がそう思ってしまっても無理はないのだが。
「いや、そういうわけでは……」
「ふん、これから死ぬまで競争だからね。」
歩きさっていくメネシスの後ろ姿を見送りながら、ミハエルは穏やかに微笑んだ。
「先生の業績をトレースする必要はないと思うんですけどね……」
誰かの研究を体系立てていくのは、こつこつと努力する人間に向いている。だが、メネシスの才能は、化学を発展させるために必要不可欠な創造力に満ちあふれていた。
無論失敗も多い。だが、それは道無き道を行く困難であり、その差が今の成績に現れているのだが、彼女はそれに気が付いていないようだった。
ガリレア老は、自分の門下生にこの二人を見いだした時、満足げに頷いたという。
……これで化学は安心だ、と。
その結果、自然とこの三人が研究室で語り合う回数が増えていったのは当然だった。そう、あの研究室にも同じような暖かい空気が……
「メネシス…?」
「…ん、ああ、すまないね、ちょっとぼーっとしちゃって。」
昔のことだった。
両親にまるでゴミクズのように捨てられた自分に、思い出せる過去があるだけでも幸せだとメネシスは思う。
無差別テロによって友人と家族を奪われてやけになったミハエルが、メネシス達の前から姿を消した。それに少し遅れて、ガリレア老がこの世を去る。
そしてメネシスは、スィーズランドを捨てた。
メネシスと共に次代の化学を背負うはずであったミハエルは、風の噂で聞いたところによると、どこかのテロ集団に身を落とし、ボルキアの皇太子を爆弾で吹き飛ばしたあげく、国際的指名犯となって追われているとのことらしい。
ガリレア老が若い頃研究に明け暮れたというこの森林区の一角で、メネシスは1人化学の発展のために研究を続けている。
それを出来るのが、今のところ自分しかいないのだから。
ガリレア老の跡を継ぐ……それだけがここ数年の彼女を支えてきた。
「さて、俺はそろそろ帰るよ。」
「……悪いね。」
海燕がラボを出ていくと、室内を冷えた空気が支配する。メネシスは、フードをかぶり、言い訳じみた口調で呟いた。
「化学……あたしはそれでいい。」
いつの間にか元気を取り戻した金魚が、狭い金魚鉢の中を自由に泳ぎ回っていた。
「本当にありがとうございました、メネシス先生……」
「ああ、いいからいいから……もう、病気なんかするんじゃないよ。」
あらぬ方向を見つめながら、メネシスはしっしっと追い払うような仕草をする。
担当の医者が匙を投げ、ひょんなことからメネシスが診ていた患者が全快したのである。何度も何度も頭を下げてお礼の言葉を繰り返されても、どう言葉を返していいのやら分からない。それ故に素っ気ない態度をとるしかないのだが、かえって照れ隠しのように思われるのだろう。
森林区周辺住民はともかくとして、メネシスに対する病院の患者達の評判はおおむね良い。
患者が何度も何度も振り返りながら帰っていくと、メネシスはため息をついた。
「お疲れさまです、メネシス先生。」
「病気がなおりゃあ、ぱっと帰ればいいのに……こっちは仕事でやってるんだから。」
頬杖をついて口を尖らせたメネシスに向かって、テディは温かい口調で言った。
「あら、メネシス先生はいつからお医者様に…?」
「……言葉のあやってやつ。」
ふてくされたように呟き、メネシスは窓の外へと視線を投げた。
窓から、多くの人間が玄関を行き交うのが目に入った。ここ、ドルファン国立病院には、今日も多くの患者が来院しているようだった。
時々メネシスはこうして病院に赴き、患者を診ている。
最初は薬の相談を受けただけなのだが、医学は思ったよりも化学の道に通ずることがわかったので、呼び出しも含めると、平均して月に2回ほど出向いていることになる。
もちろん、患者を受け持つことはほとんどなく、さっきの患者は例外中の例外だった。
「しかし、この病院は来週から忙しくなるだろうねえ……」
「…どうして、そう思うんですか?」
メネシスの呟きに反応して、テディが怪訝そうに首を傾げた。
「戦争やってるのが、帰ってくるだろ?」
「あ、ああ…そうです、ね。」
悲しそうに目を伏せて呟くテディ。
彼女にとっては、戦争の勝ち負けよりも敵味方の死傷者の方が気がかりなのだろう。
「私…戦争は嫌いです。」
「心配しなくても、好きな奴はそうはいないよ。」
「みんなが嫌いなのに、どうして繰り返されるんでしょうね…?」
「好きな奴がごく一部いるんだろうさ……」
会話を終了するかのように言い捨て、メネシスは立ち上がりながらふと海燕の瞳を思い出した。
あれは……多分、そこ以外では生きていけない無器用な瞳。
メネシスは、そんな瞳を持った人間をもう1人知っている……いや、知っていた。
「……いつになったら、帰ってくるんだろうねえ。」
「…え?…戦闘が終われば帰ってくるんじゃないですか?」
きょとんとしたような顔つきのテディに背を向け、メネシスは自分のラボに帰るために病室を後にした。
かっと照りつける太陽に手をかざして、メネシスは空を見上げた。今年の夏は観測史上まれにみる冷夏だったのに、ことのほか残暑が厳しい。
この異常気象により、農業が大きな被害を受けているという話だった。
「やな雲行きだねえ……」
ぽつりと呟いたメネシスの言葉を聞きとがめた数人が、怪訝な表情を浮かべて空を見上げた。
空には雲一つない。
メネシスは不思議そうな視線をものともせず、病院側が用意してくれた乗合馬車の待つ入口へと歩いていった。
そんな彼女の姿を見て、1人の男が足を止めたことに気が付くはずもない。
男は、神父の格好をしていた……
「メリークリスマス!!」
「似合わんぞ…」
真っ赤な衣装に身を包んで出迎えたメネシスに向かっての第一声がこれである。まあ、去年のクリスマスに無理矢理人体実験のモルモットにされたことを思えば、理解できないこともなかったが。
「……そんなに変かい?この衣装。」
「いや、衣装じゃなくて……クリスマスを祝うのがだ。」
「そりゃ、あたしは神様なんか信じちゃいないけどね。」
「気分だけでも……という奴か?」
「ま、たまにはね……」
メネシスは海燕をラボの中に招き入れ、椅子に座らせた。
「飲み物は何に……?」
「あるなら、白ピュエリを貰おう。」
「薬、混ぜていいかな?」
「………」
「冗談だよ……ほら。」
海燕にグラスを手渡すと、メネシスは差し向かいに座ってグラスを持ち上げた。そのグラスを暫く眺めていた海燕は、やがてため息と共に液体を飲み干した。
「…えっ?」
ガタッと立ち上がるメネシス。
「ま、クリスマスプレゼントだ。」
「はぁ…もっと強烈な薬を混ぜとくんだった…。」
その後30分ほど海燕の身体の検査をおこない、二人は再びテーブルを挟んで向かい合わせに座っていた。
メネシスがどこからか調達した食材を使用した料理を消費していく。
やがて、沈黙を破るようにメネシスが口を開いた。
「あんたってさ…家族とかっているの?」
窓がカタカタと風を受けて鳴った。
森の中のこの建物で、風が強いのは珍しいことだった。
「…メネシスは?」
「…あたし捨て子だから。そういうのってないの…そう…ないの…」
「なるほど。」
うなずいた海燕から視線を逸らし、メネシスはカタカタと鳴り続ける窓の方を見つめながら言葉を続けた。
「先生に拾われるまで……いろいろとたらい回しにされてね。」
一旦言葉を切り、メネシスはグラスの中の液体を飲み干す。
「だから…あたしって誕生日はおろか、自分が何歳なのかも分からないの…」
「……」
「と、ゴメン。こんな事聞かせるつもりはなかったんだけどね…」
黙り込んだ海燕を気遣うように、メネシスはその場を取り繕った…繕いきれない部分が多かったが。
「その…名前は?」
「さあ、誰が付けたんだろうねえ…ネメシスだったら洒落にならなかったんだけど。」
東洋人の海燕には分からないと思ったのか、そう言って微笑むメネシス。
「復讐の女神ねえ…東洋の国には、カーリーって名前の復讐の女神がいるが。」
「アンタの故郷の神話かい?」
「いいや…ドールという国の神話だ…。」
海燕の遠い瞳が、さらに遠くなる。
「戦場から戦場へと…ここより西はなさそうだけど、この後どうすんの?」
メネシスは類い希なる頭脳は、正確にこの国の行く末を見ていた。もちろん、海燕もまた生臭い争いの中で生きてきた戦争屋だけに、メネシスの言葉の意味は理解している。
「春になったら考える…」
「…そう、そこまで分かってるの。」
メネシスは目を伏せた。
海燕の瞳に、自分の無力さを思い知らされた。
そう、あの時と同じに……
「ミハエル!」
「………。」
「復讐なんて馬鹿なことを考えるのはやめて!」
「……あなたには分かりませんよ。家族や友人を奪われた気持ちは。」
そう言い残して去っていったミハエル。
雪の中、ただ立ちつくしていたメネシスは、後になって自分が涙を流していた事に気が付いた。
そう…あれは多分、恋だったのだろう……
「メネシス……」
「えっ、な、何っ?」
慌てて、流してもいない涙を拭いメネシスは立ち上がった。
「雪だ……」
窓の向こうに、ちらほらと白い雪が風にまかれて踊っている。
「……この国でも、雪は降るんだ。」
スィーズランドを離れてから初めて見る雪は、ただ美しかった……
1月25日。
メネシスは、ミハエルと対峙して叫んでいた。
その手には、爆弾としての機能を失った木箱がある。
「…なんで、何でこんな爆弾しか作れないの?アンタは、先生に一番近かったはずなのに……」
「あれから何年経ったと思っているんです、メネシス。まさか、私がずっと化学の勉強を続けていたとでも思っていたんですかあなたは…?」
ミハエルは微かに微笑んだ。
その寂しげな表情は、血塗られた手を持つ男にはふさわしくなかった。
「あなたの目の前に立っているのは、血に飢えた…1人のテロ屋にすぎません。」
「復讐は……終わったの?」
静かで、何かと決別するような強い意志を秘めた言葉。
メネシスはきっと顔を上げて、もう一度ミハエルに繰り返した。
「復讐は、終わったの?」
「……ええ、とうの昔にね。」
「これ以上、化学を汚すことは許さない。」
「あなたに許可に貰う必要はありません。」
メネシスの脇を抜けて、海燕が一歩踏み出した。
「いいのか、メネシス?」
「お願い…彼を楽にしてあげて……」
うつむいたまま海燕の袖を掴んだメネシスの指が震えていた。
「甘く見られたものです……元八騎将が1人、血煙のゼールビスともあろうものが……」
くっくっと笑いながら、コートをひらめかせて杖の様な武器を取り出すミハエル。
「その罪状…血で贖って貰いましょう!」
海燕の視界を黒いコートが塞いだ。
そして、コートごと突き抜けた攻撃を繰り出すミハエル。
ギリッ。
杖の先端に仕込まれた刃が、剣の刃を滑っていく感触に、ミハエルは慌てて飛び退った。
「なるほど…テロ屋だな。攻撃に、騎士としての誇りも重みもない。」
「傭兵風情が、なめた口をっ!」
柔和な表情をかき消し、風を巻いて襲いかかるミハエルを、海燕は無表情のままさばいていく。その攻防は、メネシスではとても目で追えない。
めまぐるしく二人の位置は変化し、やがて海燕は壁を背にした。
「もらったあっ!」
軽く左右へのフェイントを交えてから渾身の突きを繰り出すミハエル。その攻撃が白い壁にめり込んだ瞬間、背中に冷たい汗を流した。
ぞくりとした感覚に、身体が硬直する。
「なっ…」
右の鎖骨からあばら骨まで斬り裂き、海燕は低く囁いた。
「ヴァルファを抜けてから3年…鍛錬が足りなかったようだな。」
「な、なるほど…そうかも、しれません…」
「ミハエル!」「ゼールビス神父!」
床に崩れ落ちたミハエルの元に、メネシスとルーナが駆け寄った。
「ミハエル……」
「メネシス…先生に会いに行ってきますよ……門前払いされるかもしれませんが…」
「復讐がすんだなら…どうして戻ってこなかったの…?」
ミハエルはゆっくりと右手を宙にかざして呟いた。
「血塗られた手は…いくら洗っても綺麗になりませんでした……それだけです。」
「ミハエル、勝ち逃げするつもりっ!」
ミハエルの瞳に、優しい光が灯る。
「私は、あなたの才能に……嫉妬してましたよ…」
ゆっくりと閉じていく瞼を、メネシスはじっと見つめていた。
『これで良かったんだ。』と、何度も、何度も心の中で繰り返しながら……
この日、非公式ではあるが雪が降ったという記録が残されている。
そして春……ドルファンは再び鎖国政策を採ることに決定した。
夕日があらゆるものを黄昏色に染めていた。
「出てけって言われて、そのままおとなしく出ていくとはね…」
「冗談でも、『行かないで!』とか、言ってみろよ……」
「出来ることと、出来ないことがあるからね。」
「そういうことだ……」
肩に小さな鞄を担いだ海燕の姿は、この国にやってきたときと寸分違いがない。
無論、メネシスがその姿を知るわけがないのだが、ずっとこうして戦場から戦場へと流れてきたと直感で分かっていた。
多分、どこに行っても荷物を増やしもしないし、減らしもしないのだ……
そう思うとたまらなくなり、メネシスは、自分の耳飾りを1つ外して海燕に渡した。
「あげる。」
「へ?」
髑髏の耳飾り…おそらくはメネシスのオリジナル一点モノだろう。
海燕はそれを指でつまんで持ち上げた。
「傭兵にこれか……不吉すぎやしないか?」
「いいじゃない、あんた死神って呼ばれてるんだから。」
口を尖らせたメネシスに、海燕は頭をかいた。
「ま、邪魔になるものでもなし…」
ガランガランガラン……
出航を知らせる鐘の音が鳴り響いた。
「さて、時間だな…」
背を向けかけた海燕に向かって、メネシスは言った。
「私は、化学に生きるよ。」
「……?」
何のことかわからない表情で、海燕が振り返る。
メネシスはそれに構わず、自分自身に言い聞かせるようにもう一度言った。
「私は化学に生きるよ。」
「……ああ、頑張れよ。」
そう言って、海燕はメネシスのイヤリングを揺らして見せた。
「あんたもね…」
メネシスもまた、耳に残ったイヤリングを揺らして見せる。
二人は、お互いに背を向けるように同時に振り返った。
お互いの姿を見ることなく、歩き始める二人。
無意識のうちにイヤリングをもてあそびながら……
完
このゲームでエンディングが納得いかねえワースト3のうちの1つ、メネシスです。(笑)
なんじゃあ、あのエンディングはっ!
わざわざ眼鏡外して、あんなキャラにしてしまうというのは、我々眼鏡娘ファンに対する挑戦か?それ以前に、あの怪しいキャラの雰囲気が好きな人をも愚弄するエンディングだと思ったのですが、どうでしょうか?
高任の独断と偏見からして、あの状況ではラブラブエンディングはあり得ないはずなのです。それ以前に、あのエンディングでは何がやりたいのか、どういう結末なのか完全に意味不明。(笑)
で、こんな感じに仕上げてみました。(爆笑)
メネシスが捨て子なのは事実ですが、ガリレア先生云々は嘘です。でも、そういう環境じゃないと、メネシスの年齢はクレアよりも上になるような気がして……
まずゼールビス。
ゲーム開始時点で、既にヴァルファをぬけてます。
と言うことは、テロリストとしていろいろやったあげく、ヴァルファで将軍まで昇り詰めるまでの時間。大学にもいってたわけだから…
やめます、あまり考えない方がよさそうですし。(笑)
このお話を書くときに決めたのは、メネシスは飛び級かましまくって、ゲーム開始時点で22歳ぐらいと言うこと。(笑)
でも、エンディングで見せたあの顔立ちなら14歳ぐらいですね。(爆笑)
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