『偽チョコ』対談……っていうか。(笑)
雑談の中から抜き出してみたら…。
吉 井:「えーと……高任君にちょっと聞きたいことがあるんだけど?」
高 任:「はい?」
吉 井:「……あの『偽チョコ』は何があったの?(笑)」
高 任:「いや、何があったのと言われても、俺はやるべき事をやっているだけの話で(爆笑)」
ラオウ:「やるべき事と来ましたか」
高 任:「まあ、某アメリカ大統領に言わせりゃ、自分達はいつでもやるべき事をやっているだけらしいから、何かしらの正当性が得られるとかそういう意味合いでは使えない言葉ですけど(大爆笑)」
吉 井:「またさらりとどす黒い台詞が出てくるね(笑)」
ラオウ:「精々、工場排水ぐらいの黒さじゃないですか(爆笑)」
高 任:「どの時代の?」
ラオウ:「言わせるつもり?(笑)」
吉 井:「何の話ですか?」
高 任:「いや、会話の係り結びというか……こうきたらこう返すという形式に則って(笑)」
ラオウ:「つきあいが長いと、ちょっとした会話ってのは空手の型稽古に似たところが出てきますからね……ほら、高任さんと吉井さんの場合、眼鏡娘に関しての会話とかそうですよ。俺、理解できませんから(笑)」
吉 井:「むう、そんなもんですか?」
ラオウ:「お互いの共通認識部分が多くなればなるほど、人間ってのは無意識にそのやりとりを簡略化していくモンなんですよ。もちろん、会話に限りませんけどね」
高 任:「なんか、そういうの聞いてると、ラオウさんって基本的に学者気質なのかな……と思いますわ(笑)」
ラオウ:「……というと?」
高 任:「いや、物事のあり方に普遍性を求めるというか……世の中の現象を系統立てていかなきゃ気がすまない……というとちょっと違うな。うむ、言葉は無力だ(笑)」
吉 井:「高任君も似たようなところがあると思うけど…」
高 任:「いや、俺は違うんですよ。俺は基本的に自分が納得できればいいんです。だから、他人を納得させようとか、普遍性なんてモノをあんまり求めません。早い話、自己完結というか……ラオウさんの説明は、大抵の人間を納得させますが、俺の説明は大抵の人間をさせられないと言うか(爆笑)」
ラオウ:「うむ、それは学者気質じゃなくてマニア気質という(一同大爆笑)」
吉 井:「……(悶絶中)」
高 任:「せ、せめて職人気質に(笑)」
ラオウ:「いや、お前はマニアだ(笑)」
高 任:「マニアって、言葉の響きがなんかやらしいというか…」
ラオウ:「一応は誉め言葉のつもりだぞ……他人がどう受け取るかは知らないが」
高 任:「そこが問題なんだっ!(爆笑)」
吉 井:「でもまあ、『偽チョコ』読んでるとマニアって言葉がしっくりきますね(笑)」
ラオウ:「つーか、なにがあったんよ?」
高 任:「いや、俺はやるべき事を…(爆笑)」
高 任:「それはそうと、読んでくれてるんですか?」
ラオウ:「まあ、所々文章がアレだけどそれなりに読める」
高 任:「ふっ、最初の2ページで壁に叩きつけられた某小説よりマシと言うことか……俺も偉くなったモンだぜ(大爆笑)」
吉 井:「その小説名、聞かない方が幸せなんでしょうね、多分(笑)」
高 任:「あははのは」
ラオウ:「最近はペースががっくりと落ちたようだけど、個人的には春先のハイペースで書けるなら『俺望』とか『偽シス』の続きをどうにかして欲しいというのが正直なところですな」
高 任:「ハイペースも何も、全ての時間を『偽チョコ』につぎ込んだだけの話だが(爆笑)」
ラオウ:「妹にも回そうぜ」
高 任:「や、妹達には俺が時間を回さなくても大丈夫。でも、『偽チョコ』には俺が時間を回すしかない(大爆笑)」
吉 井:「……というか、ここしばらく何も書いてないようだけどどうかしたの?」
高 任:「んー、夏に冬の話を書きたくない……って以前に、心がちょいと荒んでまして(笑)」
ラオウ:「おまえ、いつも荒んでるやん(笑)」
高 任:「いや、そういう方面の荒みじゃなくて……なんというか、こう、優しい視線をキャラクターに注ぎづらい状態というか(笑)」
ラオウ:「……?」
高 任:「えーと、日記の視点とは逆の視点というか……キャラクターの全てを好意的に解釈する、一種の解脱というか(大爆笑)」
ラオウ:「言ってる意味はよくわからんが、何となくニュアンスは伝わってくるな」
吉 井:「優しいと言えば、高任君の書く話って基本的にキャラクターに優しいよね……パロディを書く人間のほとんどは、自分の好きなキャラ以外は結構ぞんざいに扱うモンだけど」
ラオウ:「……吉井さん、それは騙されてます(大爆笑)」
高 任:「俺、結構キャラによってはひどいコトしてますけどね……ただ、それは大抵、心が荒んでるときに書いた話ですわ。やっぱりね、こう、全ての登場人物を暖かく見守る事ができるような精神状態で書きたいというか」
ラオウ:「確かに『偽チョコ』はそんな感じだが、高任さんの書いてる話って、無意識だか意識的だかの悪意が滲み出てるのって結構ありますからね…」
吉 井:「いや、他と比較すると、高任さんの視点ってかなり優しいと思いますわ」
高 任:「そりゃ、根本的に自分の嫌いな話なんか書きたくないですもん。心が荒んでさえいなければ、自然と優しい視点になるものでわ?」
ラオウ:「さあ、それはどうだろう(笑)」
吉 井:「……今さらだけど、高任君って収拾つかないぐらい色々手を出してるんだけど、どうやって書いてるの?」
高 任:「いや、『偽チョコ』とか『偽えあ』とか『みつナイ』とかその他いろいろ……常に同時進行で12、3本の文章ファイルがあって、その日その時の気分に合わせてどれを書くか選ぶ(笑)」
ラオウ:「お、おまえっ、そんな書き方してんのかっ(笑)」
高 任:「荒んでる時は荒んだ話を、楽しいときは楽しい話を……だから楽しいときは楽しい話の回転が速くなってそればっかりに(大爆笑)」
ラオウ:「お前、変(笑)」
吉 井:「……良く解りませんが、それって?(ラオウさんを見る)」
ラオウ:「まあ、やってやれん事はないでしょうけど、効率を考えたら普通は何かを書き上げてから別の話に取りかかるモンだと」
高 任:「下手をすると、突発的に違うゲームの短編書いたり、小説のパロディ書いたり、オリジナルを書き耽ったり、対談の文章起こしが混じったり、後は激情のままに日記を書き殴ったり(笑)」
ラオウ:「……話の前半と後半で、文章のリズムが乱れたりするのはそのせいか」
高 任:「で、2月下旬からしばらく俺の精神状態にとって『チョコキス』の期間が続いたわけですが……つーか、2月下旬からパソコンがおかしくなるまでの3週間ほどで5キロ痩せましたよ(笑)」
ラオウ:「寝食を削りましたか」
高 任:「そりゃ、何をするよりも『偽チョコ』書いてる方が楽しいというか……」
吉 井:「マニア気質(大爆笑)」
高 任:「そういう意味では、パソコンのトラブルが痛かったんですよね……あの時期も引き続いて執筆できてたら、今頃は2月の第2週ぐらいまでは書き上がってたと思いますが」
吉 井:「正直な話、高任君のパソコンが壊れたと聞いたときガッツポーズをしたとだけは言っておきましょう(一同大爆笑)」
ラオウ:「ガッツポーズって……それは、胃に穴が開きそうなツライ状況で、書いている原稿の出版元が倒産したからもう書かなくていいと連絡を受けたときの物書きのようなモンですか?(爆笑)」
高 任:「ラオウさん。そういう特殊な例えはどうかと(笑)」
吉 井:「ほら、高任君が文書データをメールでやりとりするようになったでしょう……最初の2話が2月の下旬で。その4日後ぐらいには5話まで、その1週間後には8話まで……ってな感じで、『さっさと更新しやがれ』というプレッシャーがひしひしと(笑)」
高 任:「別にそういうつもりじゃなかったんですけどね……俺は、ただ書きたかっただけで(笑)」
ラオウ:「あのハイペースの更新は、そういう事でしたか(笑)」
吉 井:「ストックの文章が、ところてんのように押し出されていくイメージです……ああっ、更新したのにまた新しいのが送られてきたって感じに(笑)」
ラオウ:「毎週更新されるから、掲示板でツッコミ受けてましたやん」
高 任:「個人的には毎週1話更新で、来年の2月14日にめでたく最終話を迎えるという形にしたかったのですが……って、電話でそう連絡したはずなのに、何故か一気に3話ずつ更新とか2話ずつ更新とか(爆笑)」
ラオウ:「あ、そうなんだ…(笑)」
高 任:「俺、基本的に掲示板しか見ないから最初気付かなくて……『更新情報を見て猛省せよ』とか言われて、ちらっと見た瞬間のけ反りましたよ(大爆笑)」
ラオウ:「『何故、ここまで進んでる!』って?(笑)」
吉 井:「……一応、俺の仕事の都合もありますので(笑)」
高 任:「夏場はこれまでのストックで回して、のんびりと別のパロディを書き、秋口になったら再び続きを書こうと思っていたんですけど(爆笑)」
吉 井:「高任君、早く次の話書いてよ。もうストックないから(笑)」
高 任:「いつの間にか立場が逆転してるし……さっきも言いましたが個人的には、夏に冬の話は書きたくないというか、ある程度のメリハリが欲しいというか(笑)」
ラオウ:「まあ、何かに憑かれたように書きまくる状態ってのは、精々2ヶ月弱で精神と身体に限界が来るからな(笑)」
吉 井:「『こみパ』の修羅場モードみたいなもんですか?」
高 任:「別に締め切りがあるわけでは……こう、自発的なエネルギー放出期間というか。夏場はポヤッチオとか偽えあとか俺望とか偽ういんどとかを書いて過ごそうかと」
ラオウ:「妹は?」
高 任:「秋になったら秋の季節が舞台のゲームをほのぼのと書いて過ごそうかと」
ラオウ:「聞けよ(笑)」
高 任:「んー、今の心境だと……『にいや、天井裏で不思議な鏡を見つけたの』なんて書こうとしても身体が拒否するというか(笑)」
ラオウ:「体が拒否しても、心で書け(一同大爆笑)」
吉 井:「ラオウさん、それ名言ですわ(笑)」
高 任:「いや、心が荒んでる状態だとああいう話は書けません……自分で書いてて、『ふざけんなっ!』とか思っちゃいますから(笑)」
ラオウ:「ちなみに、次が亞〇亞の回という事が影響してたりするのかね?」
高 任:「殊更に優しい気持ちで書かないと確実にまずいことになる(爆笑)」
ラオウ:「話の筋は決まってるんだろ?」
高 任:「話の筋はとっくに決まってますよ」
吉 井:「……?」
ラオウ:「どうしました?」
吉 井:「話の筋が決まってるって事は、漫画で言うところの下描きがすんでるようなモノと違うの?」
高 任:「吉井さん、『ああ、コミケがもうすぐだから原稿描かなきゃ』という心境と、『コミケなんか関係ない。俺は今これを描きたい』という心境で仕上げた漫画って、多分話の筋が同じでも完全に別物ですわ(爆笑)」
吉 井:「なんか、体よくごまかされたような気もしますが、心にずしりと響く説得力が(笑)」
ラオウ:「……つーか、夏コミまで後1ヶ月ちょいなんだが、そんな精神状態で大丈夫なのかね?」
高 任:「はっはっはっ」
ラオウ:「……」
高 任:「はあ…」
ラオウ:「ちょっ、吉井さん。サークル仲間として何か…」
吉 井:「はあ…」
ラオウ:「アンタら…」
ラオウ:「……そういやさっき毎週1話で1年とか言ってたが……偽チョコって全何話の予定よ?」
高 任:「一応全40話の予定ですが」
吉 井:「40話じゃ、1年保たないけど」
高 任「……外伝(笑)4つぐらいはさんで、多少吉井さんが更新を遅らすとしてちょうど1年と計算してたのですが(爆笑)」
吉 井:「なんかこっそりと言われてる(笑)」
高 任:「まさか、ここまでスピーディに更新してくれるとは(笑)」
ラオウ:「スロウリィに、蓄積されるよりは良かろう(笑)」
高 任:「いや、それって65ccのヤ〇ルトと、10リットルのヤク〇トのどっちがいいって選ばされてるような(大爆笑)」
吉 井:「高任君の書くお話が計算通りに書きあがらないのと同じで、HPの更新も計算通りできないもんなんですよ。世の中ってのは、方程式で動いていくんじゃないんですよ」
高 任:「なるほど」
ラオウ:「……」
吉 井:「ラオウさん、何か?」
ラオウ:「いや、別になんでもないですよ……つーか、高任さん。『偽チョコ』で外伝って何だよ(笑)」
高 任:「本編に混ぜるとテンポが狂うエピソードというか……基本的に、1日1話で進めてるカレンダーエピソード進行ですが、話的に、昔話とかその日に起こったことだけど書くと進行的にまずい事もありますから」
吉 井:「?」
高 任:「たとえば、唐突に安寿が小さい女の子と交流するお話を読まされても読み手にはなんの必然性があるのかって混乱させるだけでしょ?でも、本編がある程度進行してから1月の何日にこういう話があったというのを読むと、『ああ、あの時安寿はこんな事やってたのか…』ってな感じの話をですね(笑)」
吉 井:「……1つは安寿の話なの?」
高 任:「いや、たとえ話ですよ(笑)」
ラオウ:「外伝と言うか、読み手の理解を深めるための補助話みたいな感じか?」
高 任:「まあ、そんな感じ……とりあえず一本目はじょにーと主人公が出会った経緯の話で、もうすぐ書き上がります(笑)」
吉 井:「……今さらだけど、本気だね、高任君(笑)」
ラオウ:「しかし、外伝は抜きにしても全40話って事は、単純に1話最低25枚としても最低でも1000枚か……そんな金にもならん話を書く暇あったら、賞金狙いでなんかの応募作品でも書いたらどうかね」
高 任:「無理(笑)」
ラオウ:「無理か(笑)」
吉 井:「良くわかりませんが、技術が足りないの?」
ラオウ:「んーそれは確かにありますが……それ以上に問題なのは、小説の応募って基本的に大学受験と同じって事ですかね」
吉 井:「は?」
ラオウ:「審査委員とか雑誌とか、傾向を見抜いた上で、それに応じた書き方をしなきゃいけないわけでして……うまけりゃ、面白けりゃオッケーという単純な話でもないし。で、高任さんがそういう話を書く性格と思います?(笑)」
吉 井:「えーと、そういう切ない話はよそでやってください(笑)」
ラオウ:「もちろん高任さんが抜群に上手というならまた話が……って、よく考えたら、高任さんが真面目に書いた文章を久しく読んでないような(笑)」
高 任:「はっはっはっ、僕はいつでも真面目だよう(笑)」
ラオウ:「気分任せの同時進行で、誤字脱字のチェックも無しって事は、一発勝負の書きっ放しってことじゃないのかあ?(笑)」
高 任:「……(視線を逸らす)」
吉 井:「……一発勝負じゃダメなんですか?」
ラオウ:「文章にして初めて気付く構造のゆがみとかありますし、よっぽどの事がない限り、2、3回ぐらいは通して書き直しますって……」
吉 井:「え……って事は、400枚なら400枚を3回書くって事ですか」
ラオウ:「普通は……というか、文章ってのはある部分を書き直したら全体を見直して書き直さなきゃいけませんし。家を建ててる最中に、『ここに窓をつけたい』とか急な注文が入ったからそうするじゃダメというか、全体の設計強度とか計算し直さないといけないのと同じです」
高 任:「……そのまま、素知らぬ顔で窓つけちゃうような悪徳業者もいるけどな(大爆笑)」
吉 井:「あくまでもたとえ話デスよね?」
高 任:「……エロゲーのシナリオというか、主人公と幼なじみが結ばれるシーンで、『男の尻はかきたくない』とかいう理由で勝手に体位を変更したCGが送られてきて、『えーと、CGを書き直すの面倒だからそのシーンだけテキスト書き直しちゃってよ』とかにこやかに微笑むクソ野郎に、『そのシーンに至るまでの話の流れを全部書き直すのとCGを書き直させるとどっちが早いと思いますか?』ってな事を言っても理解してもらえないらしいですからね(笑)」
ラオウ:「よ、よくわからんがホロリとくる話だな」
高 任:「その人、2週間かけて嫌がらせのためにテキスト全直ししてからソッコーで会社やめたという冗談話なのですが(爆笑)」
ラオウ:「おいおい、全直しって事は他のCGがどこかで破綻してるのでは?」
高 任:「その後、真っ昼間なのに真夜中のCGが炸裂したゲームが発売されたとかいう後日談をもって完結なんだけど……本当に冗談なのかと首を傾げてしまうぐらいイヤなリアリティが(笑)」
吉 井:「切ない話ですねえ」
ラオウ:「いや、切ないですか、それ?(笑)」
高 任:「ちょいと話が逸れましたが……今の俺の文体って、小説を書く上でのルールとか破りまくってますから、最初の数枚で落選決定と思いますが(笑)」
吉 井:「ルール?」
ラオウ:「まあ、文章は文章でいろいろと制約がありまして……高任さんの文章では、かなり頻繁に視点変更がおこなわれますけど、実はそれってやっちゃいけなかったり」
吉 井:「え?」
高 任:「テレビの影響だと思うんですけどね……主人公は相手の事情を知らず、相手は主人公の事情を知らない状況で話が進んでいくけど、視聴者は両者の事情を知っているという構成に結構慣れちゃってる世代じゃないですか。基本的に小説って、主人公なり登場人物の主観による文章で進むわけですが、テレビの構成を文章でやるとどうなるんだろうと…」
ラオウ:「自分の技術不足をルール破りの言い訳にしないように(笑)」
高 任:「あははのは」
ラオウ:「とはいえ……文体を改造してからの高任さんの文章は嫌いじゃないのだが。文章の巧拙はともかくとして、なんとなく高任さん独特の味が出てきたというか」
吉 井:「でもルール違反ですか(笑)」
ラオウ:「まあ、堅いとこだと高任さんが言ったように最初の数ページでゴミ箱行きですね……とすると、小説のルールに無頓着なとこに」
高 任:「俺に、眼鏡娘とヘタレ主人公のドタバタコメディでも書けというのですか?(一同大爆笑)」
吉 井:「すいません。なにげなくやばい発言のようなのは気のせいですか(笑)」
ラオウ:「いや、酷な言い方だが眼鏡娘にこだわったら確実に落選すると思う(大爆笑)」
高 任:「俺の知人が『妹ブームは既に終わり、時代は次のネタを探している』とか言ってたが?」
ラオウ:「何を根拠に?」
高 任:「んー、新作アニメの妹キャラ比率がどうのこうの言ってたが(爆笑)」
吉 井:「なんですか、それは?」
高 任:「いや、流行指数的に、新作アニメ、新連載漫画(雑誌による)、ギャルゲー、エロゲー……の順番でブームは流れ去っていくとかなんとか。早い話、エロゲーで妹ゲームが大量生産され始めたときは、既にブームの本体は通り過ぎているとか……まあ、俺には良くわからない理論が世間に溢れているようだ(一同大爆笑)」
ラオウ:「び、微妙に説得力があるのでコメントは控えたいな(笑)」
高 任:「つーか、眼鏡娘云々のコメントを撤回しろ」
ラオウ:「いや、眼鏡娘がダメとかの話じゃなくて、眼鏡娘にこだわったお前がダメだって話だ(大爆笑)」
高 任:「ああ、なるほどな(笑)」
吉 井:「……ごくたまに、高任君はとてつもなく心が広いのでは思うことがあります」
高 任:「マイクに向かって何を囁いてますか?」
ラオウ:「それはそうと……正直、『チョコキス』のゲームの内容自体があまり記憶に残ってない(笑)んだが、青山というキャラはオリジナルだよな?」
吉 井:「ラオウさん、それ忘れすぎ(笑)」
ラオウ:「いや、なんか読んでる内に『こんなキャラいたなあ…』などと洗脳されてる自分を発見したり。そういう意味では、しっかりした文章だと思うぞ(笑)」
高 任:「まあ、漢には自分の世界がありますから……例えるなら、空をかける一筋の流れ星(爆笑)」
ラオウ:「つーか、わざわざああいうキャラをオリジナルで登場させるって事は、シナリオ上必要って事だよな?」
高 任:「主人公を多少ヘタレというか色々と動き回るキャラクター設定にしてあるから、馬鹿実行犯の宮坂と2人じゃバランスが悪いというより話が進まないんでああいうキャラが必要だったというか……ゲームそのままの宮坂と主人公じゃ永遠にボケっぱなしになるじゃないですか。やっぱりツッコミ役は必須でしょ(笑)」
ラオウ:「ああ、なるほどね…(笑)」
高 任:「まあ、そういうジョーカー的な役割を担ってるのは青山に限った事じゃないですが、基本的に必要ないのに趣味(笑)で登場させたキャラは水無月先生ぐらいですな」
ラオウ:「あれはお前の趣味か(笑)」
吉 井:「趣味……にしては、伏線がばりばりとはられているような」
高 任:「いやあ、伏線も何もあのキャラって最初の構想からすれば全くのイレギュラーですし」
ラオウ:「だったら出すなよ(笑)」
高 任:「まあ、ただの捨てキャラ(シナリオ上意味のないキャラ)にするのもなんだなと思って、いろいろと設定を練り直しましたが」
吉 井:「(話題を変えるように)オリジナルじゃないけど、世羽子はどうなのよ?あれは必要あるんですか?」
ラオウ:「え?アレもオリジナルと違うの?(笑)」
高 任:「ラオウさん、忘れすぎ(笑)」
吉 井:「軽音部のメンバーに2人居たでしょう……ベースとドラムスが。そのベースの方で、弥生が居候してるキャラです」
ラオウ:「そういえば……いたか(笑)」
高 任:「一応ゲームの中で2人ともフルネームが出てるんですけどね。ゲーム内では主人公と同じクラス、で、主人公の名字が有崎で世羽子の名字が秋谷ですから多分座席は近い……おおっ、これは使える、と(笑)」
ラオウ:「何のために(笑)」
高 任:「で、弥生のシナリオの中で主人公の家と世羽子の家が結構近く……ってな設定が出てくるから、さらにそのネタを煮詰めていったわけです。それと同時に、温子は同じクラスだとやばいなって事で別のクラスって事に」
吉 井:「それ、質問に全然答えてませんって(笑)」
高 任:「んー、ゲーム対談の時は2人ともゲームをやりこんでなかったみたいだから詳しいこと言いませんでしたけど、麻里絵は主人公の知らない5年の間に色々あったわけじゃないですか。で、みちろーも両親の離婚やら何やらで同じく色々あって……ゲームでは、主人公が麻里絵を引っ張るようにして明日に向かって歩き始めさせるわけですが、じゃあ主人公は5年の間にちゃんと成長したのか?昔と同じままの主人公が麻里絵を過去の呪縛から本当に解き放つことができるのか?昔と変わらないと言うことは確かにある部分で他人を救うことがあるけど、麻里絵というキャラを救うことはできないんじゃないか?……そのあたりに多少疑問というか不満があったので、青山や世羽子というキャラを使って主人公の空白の5年間を書いて、麻里絵と主人公の2人を対照的に表現したいな…と」
吉 井:「な、なるほど…」
ラオウ:「……何やら書き始めた動機は突発的なモノのようだが、やはり細かい設定まで出来上がっているようだな(笑)」
高 任:「細かい設定というと、ちびっこ(結花)の身長は俺的設定で、139.6センチでして、主人公に身長を聞かれたら『140ですっ!』とこっそりと四捨五入して答えながらタックルをぶちかます……ってな設定の事デスか(大爆笑)」
吉 井:「そんな余計な設定はいらないと思う(笑)」
ラオウ:「マニア気質(大爆笑)」
高 任:「俺の設定では、小6から高1まで7ミリしか伸びてないんですよ、ちびっこってば(笑)」
ラオウ:「高任さん、なんか初孫に初めて会ったお爺さんみたいな表情だぞ(笑)」
吉 井:「あまあまです(笑)」
高 任:「ボリュームのある髪型にして、ちょっとでも背か高く見えるようにしてるんですなあ……いやもうちびっこってば(笑)」
ラオウ:「なるほど、これが優しい視線か(爆笑)」
吉 井:「誰か止めて(笑)」
ラオウ:「それはそうと、139というと、確か『シスプリ』のゲーム設定の亞〇亞の身長と同じなんだが、ひとつその半分でいいから優しい視線を向けてくれんか?」
吉 井:「……ラオウさん(笑)」
ラオウ:「いや、台風の中心が一番の安全地帯なんですよ(大爆笑)」
高 任:「まあ、それほど細かく設定を詰めてるわけじゃないですよ……登場人物の家庭環境と、学校周辺から女子校の最寄り駅駅前の地形と、主人公や麻里絵達が住んでいる街の状況とか……」
吉 井:「いや、十分細かいと思います」
高 任:「でも、みちろーの名前はどう漢字で書くのかとか決まってなかったりするんですよ。なんか、みちろーという名前にしっくりくる漢字が浮かんでこなくって(笑)」
ラオウ:「……キャラには影響なそうだし、適当で良いと思うが」
高 任:「みちろーが飼ってた白くて大きな犬の名前とかはあっさり浮かんだんですが(笑)」
吉 井:「それ、本当に必要あるの?(笑)」
高 任:「んー、必要のある無しじゃなくて、なんというか……俺には必要なんですよ(大爆笑)」
ラオウ:「言葉の意味は良くわからないが、とにかくすごい説得力だ(笑)」
高 任:「まあ……頭の中で考えてる背景は、共有できない設定がほとんどですからね」
吉 井:「は?」
高 任:「ヒロインが誰かって話じゃなくて、『偽チョコ』って結局麻里絵のシチュエーションをメインに持ってきて、他のキャラをそれに合わせてるだけですから……弥生や御子のシチュエーションをメインに持ってきたら、自ずと他のキャラの設定も変化しますっていうか、そっちバージョンの設定だと世羽子はあんまり必要ないです」
ラオウ:「……(頭をかきながら)つまり何か?『偽チョコ』は今すぐ別バージョンで書くことができる設定もあると言うことか?」
高 任:「そんな感じ」
吉 井:「……」
ラオウ:「……」
高 任:「例えば紗智とか冴子をメインに持ってくるなら、冴子は紗智や麻里絵と同じ中学校出身という設定を使った方が書きやすいし、綺羅がメインなら主人公の母親と綺羅が実は縁戚関係とかの方が書きやすいし……(以下略)……どのバージョンでも、今書いてるのとは設定が違ってきますかね」
吉 井:「マニアだ…」
ラオウ:「マニアというか、パラノイアというか(爆笑)」
高 任:「んー、結局俺ってオリジナリティーないんですよね……ただ、アレンジ力については多少の自信がありますが」
ラオウ:「いや、そこまでアレンジしたならそれはもう立派なオリジナルと呼べるような気もするが……ただ、いくつものバージョンがあるというのはちょいと問題かも。高任さんの中に、これというたった1つの話がないという意味でもあるし」
高 任:「それを言われるとツライっすね」
ちょっと脱線。
ラオウ:「ところで」
高 任:「はい?」
ラオウ:「いや、ある意味本当に『偽チョコ』ワールドが展開されてる(笑)から、高任さん設定と、本来の設定がどこからどこまでってのが良くわからないのでちょっと聞きたいことがあるんだが(笑)」
高 任:「さっきもちょっと触れたけど、基本的にゲームの中でちょっと出てきたエピソードが基になってる設定がほとんどですが」
吉 井:「えー(口元半笑い)」
高 任:「例えば、主人公と麻里絵は近所に住んでるけど区割りが違うわけで……で、街と街の区割りって基本的にどう分けられてきたかパターンがありますよね?」
ラオウ:「……(笑)」
高 任:「で、夏樹のシナリオで学校の近くには川が流れていて、鉄橋があるということから電車が通ってる事もわかる。主人公も麻里絵も女子校までは徒歩通学……とすると、考えられる地形のあり方ってのは限られてくるワケで……結局、ゲームの中で与えられた情報を分析していくとある程度の環境は見えてくるんですよ」
吉 井:「マニアですね」
ラオウ:「マニアですな」
高 任:「矛盾する部分なり、足りない部分はこっちで補う……と、基本設定がほぼ完成して、後は自分が書きたい話に合わせて設定をいじるだけのコトで」
吉 井:「間違いなくマニアですね」
ラオウ:「正真正銘のマニアですな」
高 任:「……ラオウさんよ。アンタが考えるオリジナルだって、このぐらい設定は詰めてるでしょうに」
ラオウ:「そりゃ、自分のオリジナルならそうだけどさ……他人の作品の設定を分析して再構築してやる馬鹿はあまりいないと思うぞ(笑)」
吉 井:「オリジナルなら、そのぐらいの設定は当然なのですか?(笑)」
ラオウ:「まあジャンルに応じた部分はきわめて詳細に設定を構築しないとどこかで矛盾が生じる可能性が高くなりますね……だが、みちろーが飼ってた犬の名前が必要かどうかってのは(笑)」
高 任:「いや、そりゃ俺だって駅前商店街の店の並びとかまで考えてる訳じゃないですよ?」
ラオウ:「じゃあ、煎餅屋の千虎(ちとら)ってなんだよ?(笑)」
高 任:「うむ、基本的に女子校の最寄り駅から少し離れた裏路地でひっそりと商いをしている煎餅屋の事で…」
ラオウ:「ストーリーに関係あるのかぁ?(笑)」
高 任:「いや、今のところ全く関係ないが……どこかでアドリブをやらかしたいと思ったときに活用できるかなと思ったり、読み手に想像できる部分を残しておくのも書き手の義務でしょう(笑)」
吉 井:「……女子校の最寄り駅って、男子校とは?」
高 任:「一応俺の設定では、男子校はJR沿線、女子校は私鉄沿線なんですが」
ラオウ:「は?」
高 任:「いや、男子校と女子校の最寄り駅が同じなら、男子生徒のあの喜び方はどうかなと。少なくとも違う沿線というか、通学方法が異なってる方が自然かなと思ったので」
ラオウ:「な、なるほど…」
高 任:「主人公の住む街はどちらかというと昔栄えた街というか、元城下町の流れというか、ある理由で戦後の再開発がなされなかった街のイメージで、対照的に女子校のある街は元々広々とした田園風景だったんですが、ある理由でそこを通り抜ける私鉄が開通し、それから急速に開発が進み始めた設定というか……」
吉 井:「呆れるのを通り越して、感心した(笑)」
ラオウ:「……俺としては、『ある理由』って言葉を濁したところが気になるな。多分、やたらと細かい設定が高任さんの中で構築されてるんだろうが(笑)」
高 任:「えーと、偽チョコ公式設定ということで(大爆笑)」
ラオウ:「『偽』なのに、『公式』(笑)」
高 任:「俺に絵心があったら、冗談で設定集とか作ってもいいんですけどね(爆笑)」
吉 井:「『偽チョコを楽しむために』とか(笑)」
ラオウ:「……どうでもいいが、『偽チョコ』書き終えたら、真っ白に燃え尽きそうだなお前(爆笑)」
高 任:「うむ、一応そのあたりも考慮した話になってるから心配ご無用(笑)」
ラオウ:「は?」
高 任:「いや、個人的にはちびっことか紗智とかモリモリ大活躍させたいところをぐっと我慢してるから、燃え尽きたりはしないぞ(一同大爆笑)」
ラオウ:「……って、もしもし?」
高 任:「そりゃね、個人的な希望を述べれば、公園のブランコに揺られる結花に主人公がコートをかぶせると、『誰かを暖めるために自分が寒い思いをするなんて馬鹿げてます…』とかぽつりと呟かせたりだな、『私、ちっちゃいですから…』とか言って恥ずかしそうに主人公と2人で1つのコートを羽織ったり、『や、やっぱり暑すぎます!』などと顔を真っ赤にして照れ隠しにタックルとかいうエピソードとかモリモリ書き込んでみたいさあっ!」
吉 井:「誰か止めて…(泣)」
高 任:「小雪舞う並木道で、『幼なじみってのは色々あるんだよっ!』などと主人公に言われた紗智がデスね、どこか透明感のある哀しい微笑みを浮かべながら『私、確かに幼なじみってルールは良く知らない……でも、友達ってルールなら良く知ってるよ』などとこぼれる涙とともに呟かせたりしてみたいさあっ!」
ラオウ:「もう、誰にも止められないんじゃよ…」
高 任:「でも、それやると全体の話のバランスが崩れるから涙を飲んでカットせざるを得ないんですよ、コンチキショー!(一同大爆笑)」
ラオウ:「そ、そうか……言葉の意味はよく理解できないが、とにかく英断だと誉めておこう」
高 任:「俺の場合、どこかでセーブしとかないと計算ができなくなるんで……1人1殺(笑)のお話ならそれでもいいですが、ノリノリだと絶対にどこかでこの話は破綻します(爆笑)」
ラオウ:「俺、正直なところ、今の状況でもちゃんと結末がつけられるか心配してるんだが(笑)」
高 任:「……そういう発言が出てくるって事は、かなり裏まで読まれてるって事か」
ラオウ:「だって高任さん、ヒント出しすぎ……つーか、麻里絵を追い込みすぎて収拾がつかなくなってるような気配が(笑)」
高 任:「や、やな読者だな、アンタ」
ラオウ:「……そのリアクションからすると、あのシナリオの流れは既定路線か」
高 任:「そういうカマのかけ方はやめてくださいな(笑)」
吉 井:「……青山って、なんとなくラオウさんに似てません?(笑)」
高 任:「多少は参考にしましたが、ラオウさんはもっと性格悪いし」
ラオウ:「ほほぉう?(笑)」
高 任:「吉井さん、青山の反応ならここで『まあな』ですよ?(笑)」
吉 井:「や、ラオウさんならそれを読み切った上で敢えて違う反応を返すかも(笑)」
ラオウ:「それはそうと……安寿と綺羅って、どう処理つけるか決まってる?」
高 任:「一応決まって、あすよ……とはいえ、安寿に関しては今なら多少変更がきかないこともないですが(笑)」
吉 井:「自由自在ですか?」
高 任:「いや、もうある程度の伏線ははってますから、そういうわけにも……(ため息をつきながら)……問題は綺羅ですわ(爆笑)」
ラオウ:「おーい(笑)」
高 任:「綺羅ファンの人には申し訳ないな……とは思うんですがっ(大爆笑)」
吉 井:「それはそうと……今のところ出番の少ない、御子とか冴子は後半になって出番増えるの?」
高 任:「そりゃ増えますよ……そういう予定でシナリオ組んでますし(笑)」
ラオウ:「……」
高 任:「そこ、シナリオの展開を読まないように……つっても無駄か(笑)」
ラオウ:「個人的には、もう少し読者の意識をミスリードさせても良いと思うが」
吉 井:「それ、ラオウさんだけかと」
高 任:「んー、偽チョコを書き終えたら、それを元にしてまた各キャラのパロディを書こうと思ってましてね(一同大爆笑)」
ラオウ:「こ、この男…」
吉 井:「……こんな活き活きとした高任君を見るのは随分と久しぶりのような」
高 任:「よりによって、そのネタが自分自身のパロディってのが哀しいですが(笑)」
ラオウ:「究極の脳内補完というか、マスターベーションだな(爆笑)」
高 任:「ほっとけ……(時計に目をやって)……って、『偽チョコ』ネタだけで何分対談してますか、俺ら?」
吉 井:「僕達、聞いてただけ(笑)」
ラオウ:「言葉のキャッチボールになってないから対談違う(笑)」
高 任:「……なんか、『偽チョコ』ネタだけで対談の番外編が一本書けそうな感じですな」
吉 井:「書けば?(投げやり)」
ラオウ:「巻末対談みたいな形で(同じく投げやり)」
高 任:「そんなこと言ってると、ホントに書くよ?」
ラオウ:「他の作品も書けとかいろいろと言いたいことはあったけど、どうせ恥をかくのは高任さんだけだし、これに関してはもう高任さんを止めたりしません。行くところまで行ってください(笑)」
高 任:「いくとこまでいっていいんですか?」
ラオウ:「まあ、シャボン玉は屋根まで飛んで壊れて消えるモノだから(一同大爆笑)」
高 任:「そうかぁ、屋根までは飛ぶんだ(笑)」
まあ、お遊びネタと言うことで。(笑)
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