「ねえ、みさきちゃんのお兄さんて格好良くて素敵だよね・・・。」
 瞳をきらきらと輝かせながら私の目の前で弥生が意味ありげに微笑んでいる。私に何か頼み事をするときにみせる弥生の癖だ。
「そう?弥生も変な趣味してんのね・・・まあ、私のお兄ちゃんだから趣味が悪いとまでは言わないけど・・。」
 弥生は机の縁に手をかけて私の顔を下からのぞきあげてくる。もし、弥生に尻尾がついてたら今間違いなくぶんぶんと何かを期待するように元気よく振られているように思う。
「みさきちゃん、お願い。今度私に紹介して!ねっ?」
 弥生は自分から視線を逸らした私の肩を掴んで前後に揺すりだす。・・・・・正直なところ気が向かない。後一ヶ月もすれば私はこの学校を転校する・・・・もちろんお兄ちゃんも。・・・・・・でも多分それだけじゃない。・・・・だって弥生はかわいいから。
「わかったわよ・・。」
「え、本当?ありがとうみさきちゃん!」
 弥生は自分の魅力に気が付いていないのだと思う。それが尚更オトコノコにとってはたまらないのかもしれないけど。別にクラスの男子の反応を見てればこのぐらいのことは誰にだってわかる。・・・・弥生以外は。
「じゃ、行くわよ弥生。」
 私は弥生の手を取って教室の出口に向かう。・・・つもりなのだが何故か弥生が泣きそうな顔で首をぶんぶん振りながら両足を踏ん張って抵抗する。
 私はやたらいらいらした感情をもてあまし、それを弥生にぶつけてしまった。
「どうしたのよ?」
「え、だってまだ心の準備ができてないもの。」
「弥生にはいつまで経っても心の準備なんてできないわよ。ほら、おいで!」
 私は無理矢理弥生を引きずって教室を後にした。
 二年生の教室が並んだ廊下をお兄ちゃんの姿を探して歩く。弥生は私の後ろに隠れるようにしてついてきている。・・・・・嫌なことは早くすませたい。こんないらいらした感情を抱えたまま時間を過ごすなんてまっぴらだ。
 ほどなくお兄ちゃんの後ろ姿を発見し、私は軽く深呼吸した。こんないらいらした気持ちのままお兄ちゃんに話しかけたくはない。・・・・だってお兄ちゃんは鋭いから・・・余計な心配をかけたくない。
「お兄ちゃん。」
 背後から声をかけられて慌てたようにこっちを振り返る。
「ん、なんだみさきじゃないか。どうしたんだ?」
「偶然お兄ちゃんの姿を見かけたからちょっとね。」
 弥生が痛いくらいに私の背中をつつきまわす。・・・・・わかったわよ。
「どうしたみさき?」
「え、なんでもないよ。・・・そうだお兄ちゃん、この娘私の友達なの紹介するね。」
 私は背後霊の両肩をがっしりと掴んでお兄ちゃんの方につきだしてやる。
「わ、私南弥生です。よろしくお願いします。」
 弥生はぺこっと頭を下げると再び私の背後霊になった。
「じゃあ、そういうことで。じゃあね、お兄ちゃん。」
 私は早々に教室へと戻った。あれ以上自分のいらいらを抑える自信がなかったから。
 
「はーやっぱり格好良かったね。」
 弥生の視線があらぬ方向を見つめている。いつものトリップ状態に入ったのだろう。
 私は相変わらずいらいらしている。・・・本当は自分でもわかってる。これは嫉妬という感情。・・・だって私には弥生のようにはっきりと口に出してどころか、そんな素振りさえ見せることができない。・・・・だって兄弟だから。この私の気持ちは不毛な感情。いくら水と栄養を与え続けても収穫できるのは苦しみだけ・・。
「・・・・ね?みさきちゃんもそう思うでしょ?」
「・・・・・何が?」
「もう、聞いてなかったの?だからみさきちゃんのお兄さんは格好良いんだってば・・」
 どうやら私に向かって延々とお兄ちゃんの良さを話し続けていたらしい。・・・弥生に言われなくてもわかってるわよ。
「・・・・そんなに言うほどどこがいいんだか。」
 私の言葉に弥生が口をとがらせる。
「・・・・じゃあ、みさきちゃんはどんな人がいいの?」
 ・・・・お兄ちゃんに決まってるじゃない・・・・絶対言えないけど。
「そうね・・・柳沢先輩なんかいいんじゃない?」
「どんなところが?」
 弥生が身を乗り出してくる。・・・・いいわね、お気楽で。
「まず、頭がいいでしょ、・・」
「みさきちゃんのお兄さん、先学期の試験で学年トップだったじゃない。」
 弥生がにこにこと反論する。
「スポーツもできるしね・・」
「クラブに入ってないけど、球技大会で大活躍してたねみさきちゃんのお兄さん。」
「顔もいいし・・・」
「みさきちゃんて可愛いよね。そのお兄さんの顔がいいのは当たり前だね。」
 私は弥生に背を向けて窓の外を見つめた。弥生はしつこく私に話しかけてくる。正直少し独りにしといて欲しい。
「・・・なんかみさきちゃん、お兄さんのことを意地でも認めたくないみたい。・・・・ひょっとして仲が悪いとか?」
「そんなことっ!・・そんなことあるわけないでしょ。ただ、私はお兄ちゃんの日常生活を知ってるから・・・。」
 ・・・しまった。やぶへびだったわ。
「普段、先輩ってどんなことしてるの?ねえっみさきちゃんってば!」
「・・・・私ちょっとトイレ。」
 私は慌てて弥生から逃げ出した。
 
 正直弥生がうらやましい。弥生の恋は・・・今のところ単なるあこがれに過ぎないかもしれないけれども、少なくとも誰かに話したりできる。そして努力すれば報われる可能性がある。転校したって二度と会えないと言う訳じゃない・・その気さえあれば会いに来れる。
 ・・・・私は、いつでも会える。望めばいつでも話もできる。・・・だからよけいにつらい、決して実ることのない恋。・・・・・何かの奇跡で実ったとしても決して祝福はされない隠し続けなければならない関係が待っているだけ・・。私はともかく、お兄ちゃんにそんな思いをさせたくない。
 小説の中では、恋には楽しいことと苦しいことが同居するなんて書かれてるけど・・・私の恋は苦しさだけを私に与えてくれる。
「おい、みさき。」
 背後から声をかけられて私は飛び上がりそうになった。他でもないお兄ちゃんの声、聞き間違えるはずなどない。
 ゆっくりと振り返った私の目にうつるお兄ちゃんの顔。怒ってるというより困惑した表情。もし、私がこの気持ちをうち明けたらお兄ちゃんはこんな表情を私に見せるのだろうか?・・・言えないけど・・。
「何考えてるんだ?おれたち転校するのに紹介するなんて・・。」
 ・・・好きで紹介したわけじゃない・・・。
「お兄ちゃん声が大きい。・・・断り切れなかったのよ・・・だから、お兄ちゃん後はよろしくね。」
 私はお兄ちゃんに背を向けて駆け出した。
 ・・もしお兄ちゃんが弥生によろしくしたら私はどうしたらいいのだろう?ううん、弥生に限らず他の誰かと・・お兄ちゃんもいつかは誰かに恋をする。・・もうしてるかもしれないけれど、少なくとも今まで誰かとつき合ったことは無いと思う。
 いつかお兄ちゃんの恋人に私は笑って自己紹介し、楽しそうにおしゃべりした後自分の部屋で声を殺して泣くことになる。
 それで、全ては終わる。・・・・でも本当に終わることができるのかは自信がない。
 人間って死のうと思えば死ぬことができる・・・実行するには困難が伴うけど。でも自分の心は殺そうと思っても死なないから・・・。だから、私はこの感情を抱えて生きる。
 ・・・ただそれだけ。・・・・それだけのこと。
 
 弥生のせいで最近よく眠れない。
 部活で目一杯体を動かしてくたくたになっても反対に目がさえてしまうような気がする。
 いろいろ考えすぎるからいけない。今日はちゃんと眠らないとまたお兄ちゃんに心配をかけてしまう。目が闇になれてしまって電気もついてないのにうっすらと天井の模様が見える。
 壁を挟んだお兄ちゃんの部屋の方から何か物音がした。
 お兄ちゃんまだ起きてるのかな・・・枕元の時計に目を凝らすと私が電気を消してからまだ1時間も経っていないことに気付いた。
 私はちょっと安心してため息をついた。でもこのままだとやっぱり眠れないような気がする。
 ・・・仕方ない最後の手段だ。
 私はベッドから起きあがると、掛け布団だけを手にして壁の方に歩いていく。背中を壁に預けながら布団をかぶる。この壁の向こうにはお兄ちゃんがいる。そうするとなんだか気分が落ち着いてそのまま眠れる事が多い。
 初めてこうして眠ったのは中学生の頃だったかな・・。でも気をつけないとあの時みたいにお母さんが起こしに来て怒られちゃう。・・・なんて寝相してるの?って。・・・本当は眠りについたときから動いてなかったんだけどね。
 また、背中の方から物音がして、私は何となく安心して目を閉じた。
 ・・・・・・おやすみなさいお兄ちゃん。
 
 耳障りな目覚ましを止めようとして、目を閉じたまま手を伸ばす。
 ・・・・あれ?・・私の右手が二度三度と宙を掴んでやっと意識が覚醒する。・・そうか、ベッドで寝てたんじゃないから起きないと・・。
 大きく伸びをしてカーテンを開ける。うん、今日もいい天気ね。
 おとぎ話のお姫様はベッドの中に小豆が一粒紛れ込んだだけで背中が痛くて眠れないらしいけど、私はなんてことないや。
 昔はお兄ちゃんと一緒に寝てたけど、今はこれが精一杯。・・・でも今一緒の部屋で寝ようとしても眠れないだろうから、壁一枚はさんだこの距離が私とお兄ちゃんの適正距離に違いない・・・うんそうだね。
 あんまり考えるのはやめよう・・・今さらと言う気がするし、今日はこんなにいい天気だから。
 
「弥生、何してんの?校門の辺りでうろうろして・・・。」
 校門の前でうろうろしていた弥生に声をかける。
「あ、みさきちゃんおはよう。・・・・・今日はお兄さんと一緒じゃないの?」
 ・・・はあ、女の友情なんてこんなものなのね・・・。
「お兄ちゃんはいつも起きる時間がばらばらなの。時間がそろったときだけ一緒に来るけどいつも一緒というわけじゃないって。・・・・それにもう子供じゃないんだから。」
 いい天気だというのに朝っぱらからどっと疲れるような思いをさせてくれるわ・・。
「ええ?でも私はあんなお兄さんがいたら、毎日一緒に行くと思うけど?」
「あ、そう。じゃあ弥生にあげるから弥生のお兄ちゃんにしてよ。」
 ・・・・そんなことができるなら苦労はしないけど、と心の中で呟きながら弥生の頭をぐりぐりしてやる。・・・いつもよりちょっと力が入っちゃったかもしれない。
 人目も気にせず校門前で弥生とじゃれ合っていた私の頭をぽんと叩く温かい手。
「みさき、遅刻するぞ。・・・ほら、弥生ちゃんも急いで。」
 お兄ちゃんがそう言った瞬間予鈴が鳴り、私と弥生は慌てて自分たちの教室に駆け込むことになった。・・・なにやってんだか。
 
 どこか遠くで先生の声がしている様に感じる。最近は授業なんか頭に入らないから、聞こうとする努力も放棄しているし先生も何も言わない。また、お兄ちゃんにでも教えてもらおう。
 ・・・お兄ちゃんはなんでもできるから・・。
 私の買いかぶりじゃないと思う。それなのにお兄ちゃんは誰ともつき合わない。ひょっとすると理想が凄く高いのかもしれない。
 もし、近親者の結婚が認められている時代や国に生まれていたら・・・
 もし、お兄ちゃんと私が他人同士だったら・・
 幾度と無く繰り返した無意味な仮定と自問。
 むなしくなるからしたくない。・・・・でももしそうだとしてもお兄ちゃんは私を選んでくれる保証なんて無い。だったら血のつながっている今の方が幸せじゃないなんてとてもいえない。
 兄妹だから側にいられる。・・・それでいい。
 でももっと側にいたい。・・・だから苦しい。・・・それだけのこと。
「ねえ、弥生。私って可愛いと思う?」
「うん。・・・・・でも今授業中だよ。」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 高校生にもなって廊下に立たされるなんて思いもよらなかった。
 弥生はああいったけど、私はお兄ちゃんに選ばれるぐらい可愛いのだろうか?
 ・・・どうせ転校するんだから試してみようかな?相手の人には悪いけど・・。
 
 夕焼けの赤が川面に反射して目の前が鮮やかに彩られている。赤一色の世界はやがて夕暮れの蒼色にとってかわり闇の中に沈んでいくのだろう。
 私は何をやっているのだろう?クラブまで休んで・・・、こうやって膝を抱えて河原に座って・・・。
 柳沢先輩がのぞみお姉ちゃんのことが好きなのは薄々わかっていたけど・・・あそこまできっぱりと拒絶されるって事は・・・私、可愛くないのかな?でも、そんなことより私ってひどいことをした。あんなことをしちゃいけなかったのに。
 膝小僧の間に額を押しつける。・・・・できるだけ小さくなってしまいたい。消えようとしても消えないならできるだけ小さくなって人目に触れたくない。
 ・・・私って嫌なオンナノコだよね、お兄ちゃん。
 こうしていても仕方がないし、そろそろ帰ろうかな。
 腰を上げようとした時、草を踏むような微かな足音を耳にして身体が硬直した。
 ゆっくりと振り返った私の目にうつったものは静かに遠ざかってゆくお兄ちゃんの後ろ姿。
 お兄ちゃんはいつから見ていたのだろう?・・・また余計な心配をさせてしまった。
 ・・・私が早く大人にならないとお兄ちゃんも安心できないよね。・・でも大人になったら今の気持ちはどこに行くのかな?
 人は死んだら骨になって残っていくけど、死んだ心はどこに行くのかな?ひょっとすると心は死なないのかもしれない。心は変わっていくものだから・・・。
 きっと私のお兄ちゃんへの気持ちも形を変えて残っていくにちがいない。・・・・それがいつになるかわからないけれど・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「お兄ちゃん、たまには一緒に学校にいこっ。」
 次の日の朝、私はお兄ちゃんの腕を掴んで玄関を出る。
 微かにお兄ちゃんの口元が微笑んだように感じた。
 
「のぞみお姉ちゃんの意地悪。私が辛いの嫌いなこと知ってるくせに・・。」
「ごめんごめん、ついいつもの癖でね・・。」
 夕飯を作るのを手伝って貰っておいてこんな言い方はひどいかもしれないけれど、のぞみお姉ちゃんがお兄ちゃんの好みに合わせて味付けしたことをわかってるだけについ愚痴をこぼしてしまった。
 家がお隣で姉妹のように育ってきた。・・・ように、だけどね。この差は大きい。
 万有引力の法則っていうのかな?恋愛感情にもその法則があてはまるのかもしれない。だって、のぞみお姉ちゃんはお兄ちゃんのことが好きだから。見てればそのぐらいはわかる。私は隠すことにはベテランだけど鋭い人にはわかっちゃうかもしれない。
「じゃあ大輔、私帰るね。おじさんとおばさんがいないからって夜更かしするんじゃないのよ。」
 手慣れた手つきで後片づけをすませ、エプロンで濡れた手を拭うのぞみお姉ちゃん。その言葉に何となく気恥ずかしさを感じて引き留めようとしたのだけれど、のぞみお姉ちゃんは困ったように用事があるからと言い訳して出ていった。のぞみお姉ちゃんが閉めた扉の音が私の耳にやけに大きく響いた。
「まったく・・のぞみのやつ母さんみたいなことを・・。」
「世話好きだからね・・。」
 おそらくのぞみお姉ちゃんの想いは届かない。理由はわからないけど確信に近いものがある。待ち続ける恋をするかぎり、のぞみお姉ちゃんはお兄ちゃんにとって家族のようなものだから・・。
 
 段ボールをガムテープで止めて、中に入ってる物のリストを貼り付けた。ほっと一息ついて何気なく振り返るとがらんとした室内の様子に少し驚きを感じる。
 本当は全部何もかも持っていきたかったけれどそういうわけにもいかない。捨てる物を選んでいるときおそらく複雑な表情をしていたのだろう。お兄ちゃんが近づいてきてぽんと私の肩を叩いて言った。
「みさき・・想い出だけ持っていこう。」
「想い出?」
 お兄ちゃんは笑って頷く。
「明日は、2人でこの街にさよならを言いに行こう。」
「・・・うん・・。」
 明日のためにほとんどの荷物の整理を終わらせた。これだけの荷物がこの部屋の中に詰まっていたのかと思うと少々変な気持ち。
 ベッドも分解してしまったから、床の上に直接敷いた布団に潜り込みながら私は電気を消した。
 
 朝早くからお兄ちゃんと2人で家を出た。近所の公園、昔よく遊んだ空き地・・だった住宅、ザリガニをとった小川だった用水路。季節が移り変わるたびにその姿を変えてきたに違いない思い出の場所。でも、心の中の印画紙に焼き付いた風景は今も鮮やかに蘇る。
 ふと私の目に見えた私の隣を歩くお兄ちゃんの手。
 小学生の頃、何か急に恥ずかしくなってお兄ちゃんの手を振りほどいてしまったことがある。それから、お兄ちゃんとはずっと手をつないでいない。
 私は軽く深呼吸してから、自分の指でお兄ちゃんの手をすくいとった。
 少し驚いたようなお兄ちゃんの顔。でも何も言わずに優しく握り返してくれた大きな手の温かさを多分私はずっと忘れないと思う。
 最後にやってきた青空高校。2人並んで校舎をじっと見上げた。
「みさき・・弥生ちゃんに転校のこと話したか?」
 私は黙って首を振った。
「だったら・・・。」
 お兄ちゃんに体の向きを変えられた。そしてこっちに向かってやってくる弥生の姿。
「・・・でも・・。」
「離れても友達は友達だよ・・。心の距離を離さなければね・・。」
 弥生に泣かれてしまった。でも最後には笑ってくれた。こんな簡単なことならもっと早く言っておけば良かった・・・。
「お兄ちゃんには誰かいないの?」
「んー?のぞみのやつは母さんから聞いて知ってるし、柳沢は先生から聞いてしまったしなあ。後は別に・・。」
 考え込むお兄ちゃん。
「ふーん、お兄ちゃんって友達いないんだ。でも、いい年して彼女の1人もいないなんて心配だなあ・・。」
「まあ、縁がなかったんだろ・・。」
 私はさっきからずっとつないでいた手をゆっくりとはずした。
「もう、お気楽ねえ。大体お兄ちゃんは・・・。」
 駆け足で私から逃げていくお兄ちゃんの後ろ姿。この距離が私とお兄ちゃんの距離。
 それでいいんだよね、お兄ちゃん。
 
 
 

 途中でどうにもオチの付けようが無くなってしまいました。(泣)ともすれば18禁というかそれ以上にいかねばどうにもならん状態のままだらだらと続く文章です。まあ、私には縁のない話ですが当事者にはなかなかつらいことなんでしょう。近親婚の禁止って結局は種の存続から生まれた法律だと思ってるんですが?血の濁りってやつ・・。
 法律にはあまり詳しくないんですが、近親相姦自体って罪になるんでしたっけ?おそらく全体社会における強迫観念だけの問題だと思ってましたが・・。
 それらに押しつぶされる様な恐怖を抱えた人に出会ったら、やっぱり私はそう言うしかないと思うんだけど人徳がないから却って怒られるかもしれません。
 歴史上、珍しいことでも何でもないと思いますけどね・・。他人に迷惑をかけるわけでも無し、まあ、親には迷惑かけるかもしれないけれど、わざわざ2人違う場所で自殺したりするぐらいなら・・・ねえ。
 まあ、あくまで両思いに関してですけど。
 話題が重い・・・。さて、気を取り直してちょっと文体変えてみました。(笑)やっぱり計算なしに書かれた文章はダメですね。文のつながりが無くて日記みたいなお話です。
 ただ、やっぱりみさきって良いキャラだと思います。帰り道で手なんか握って赤面させて先に帰らせたりするのに一時はまってました。着替えとか夢落ちイベントはどうでもいいです。(笑)

前のページに戻る