8月8日(木)
さあ、コミケ初日を明日に控えて我々瀕死連合および、ラオウさんはどういう状況だったかというと……
ラオウさん……8月11日に仕事が入ったせいで予定していた休みが全部パーになり、いろんな意味でかなり精神的にやさぐれ中。
吉 井さん……急な仕事が入り込み、10日(土)の朝の上司からの連絡次第ではコミケを欠席せざるを得ないという崖っぷち。
高 任…………『原さんの仕事人シリーズ』の文章書き直しおよび完結編完成。
『GPM』の同人誌を2冊作るのが面倒になり、ペン入れがある程度終わった原稿が20枚ほどあるので、『吉井さんの原稿見て、組み合わせるページを決めよう…』と投げやり状態。
『チョコキス』の同人誌……SSと表紙、後は下書きが数枚状態。
『ときメモ』……リリカル有沢と如月さんのツーショットイラスト一枚のみ。(笑)
8月9日(金)
この日は朝からサークルのペーパー原稿描いてコピーしたり、銀行に行って小銭を用意したり、サークルの住所看板を作ったり。
一方その頃。
『俺の夏は終わってないんだあっ!』
と、ラオウさんが敢えて一時間ほど夏コミの一般参加していたり。(笑)
吉井さん……お仕事中。(笑)
で、夜。
『ラオウです』
「ん?」
『チョコキスの原稿駄目です。ネーム切り直したら我ながら面白くなくなって』
「うわあ…」
『で、どうしましょ?』
「いや、どうしましょと言われても…(笑)」
『だが、俺も男だ。何か一冊作ると約束したからには約束は守るぞ……ただし、そんなにページはないから無料配布にするけど』
「男だぁ、ラオウさん男だよ!……間に合うかどうかはともかくとして(笑)」
『大丈夫だ!無料配布と言うことなら、俺に考えがある!』
ラオウさんと連絡した後、バイト先より電話。
『高任さん、今からシフト入ってくれません?』
「わっかりました!」
『ああ、バイトだから仕方ないよね』などと寝不足でぼんやりする頭で見苦しくない言い訳を自分自身に与えつつバイトに行く高任。(駄目すぎ)
8月10日(土)
この日、バイトから帰ってきて原稿を書いてるとエアコンのリモコンの調子がおかしく、温度設定ができなくなる。
「今は俺1人だから大丈夫だけど、2人3人と人がやってきたらまずいよな。うんうん、早く直さないと。(笑)」
などと、おそらくは接触不良であるリモコンを分解し始める高任。
『そんなことよりもっと大事なことがあるだろう!』
などという心の声をあっさりとスルーしてしまうほど、いろんなモノから逃げ出したい精神状況だったんでしょう、多分。
『そうだ、せっかくだから(笑)エアコンのフィルターでも掃除しますかね』
そんなコトしてる暇があるなら少しでも仮眠をとるべきなのだが、もちろん冷静な判断力が残っているはずもなく。(この時点で2日貫徹)
そして、1時間30分後。(うろ覚え)
雄々しく唸り出すエアコン。
炊飯器と併用するとブレーカーが落ちるパワーを存分に見せつけ始めた頃、吉井さんより電話が入る。
吉 井:『今、駅です』
高 任:「お待ちしてます」
と、ほどなくして吉井さんとその友人であるH氏(高任とは面識無し)が来訪。
吉 井:『高任君、どう?』
高 任:「ペーパーは作ったし、小銭は用意したし、スペースの住所看板も作りましたから明日の準備はバッチリですよ!」
H 氏:『……いや、見た感じ一番大事なモノ(同人誌)が用意できていないようだけど?』
高 任:「吉井さん、がんぱれの原稿見せてくれます?」
と、H氏のツッコミを聞こえないフリをする高任。
高 任:「んーと……4・2・1の7ページだから、田辺さんの12ページを組み合わせるのはちょっとまずいと」
注・高任の方針として、コピー本は200円まで。100円なら14ページから20ページ。200円なら32ページから40ページ必要。
などと、ページ構成を模索しつつ原稿の仕上げにかかっていた午後3時。
電話のベルが……
「はい、高任です」
『ラオウです、今から表紙にペン入れだぜ!(笑)』
「ラオウさん、アンタすげえよ!」
『んでよ、昨日もいったけど明日の仕事先って君の家からの方が近いんだわ。だから、君の家に泊まるよ。じゃあ、忙しいので切る』
ツーツーツー
吉 井『ラオウさんですか?』
高 任:「……いやあ、今から表紙にペン入れらしいっす(爆笑)」
吉 井:『そりゃ、無理でしょ!……って、結局何の本を?』
高 任:「実はラオウさんに口止めされてたんですけど、『シスプリ』と思わせて、実はラオウさんと2人で『チョコキス』の同人誌を作るつもりだったんです(笑)」
H 氏:『また、そんなトリッキーな…(笑)』
高 任:「で、16ページのネーム切ったはいいけど、そんなに時間無いからネームを8ページに切り直したらお話がつまんなくなったので『シスプリ』ネタでいくらしいんですが」
吉 井:『……どう考えたって、間に合わないでしょう?』
高 任:「大丈夫……とは言ってましたけど(笑)」
そしてしばらく。
高 任:「んー、何かやる気が(笑)」
吉 井:『高任君、高任君、原稿描かなきゃ!』
H 氏:『……手伝いますよ?』
「じゃあ、申し訳ないですがこことここにトーンを……」
と、初対面だというのに、H氏に原稿を手渡す高任。
Hさんへ。
大したおかまいもできないどころか、深夜までお手伝いおよびコピー、製本まで手伝っていただいて申し訳ありませんでした。
そして6時。
高 任:「7時になったら飯でも食いに行きますか?ホッチキスの針も買いに行かなきゃいけないので」
吉 井:『うぃーす』
高 任:「じゃあ、念のためラオウさんに連絡入れときます……」
と、高任は電話のダイヤルを。
『ラオウです!今から表紙のトーンだぜ!(笑)』
「……いや、7時になったら我々飯食いに行きますので。(心の中でがんばれと応援している)」
『了解!』
ツーツーツー
吉 井:『ラオウさん、どうですって?』
高 任:「いや、今から表紙のトーンらしいですが(笑)」
2 人:『……』
吉井さんとH氏が、部屋の中に穴があったらそこで『王様の耳はロバの耳!』などと叫び出しそうな表情をしたまま曖昧に頷いていたり。
10時。
吉 井:『……ラオウさん、大丈夫かなあ?』
表紙を仕上げながら吉井さんが呟きます。
高 任:「んー、ここに来るまで2時間かかりますからね……そろそろ連絡がないと電車が…」
ゴンゴン!
乱暴なノックと共に、ラオウさん襲来。
ラオウ:『くぁー熱い……っと?』
ラオウさん、H氏を見ながら首を傾げています。
高 任:「あ、吉井さんの友人でHさん」
ラオウ:『あ、はじめまして、ラオウです』
H 氏:『あ、はじめまして。Hです』
ラオウ:『おっと、お土産のアイスが溶けてしまう……みなさんどうぞ』
と、和んだところでラオウさんが一言。
『高任さん、はさみとテープ貸して(爆笑)』
と、ラオウさんが『できるかな』のBGMを口ずさみながら、自分の原稿のコピーを切ったりはったり切ったりはったり。(笑)
高 任:「……そういう考えかよ(笑)」
ラオウ:『んー、電車の中で構成を考えるのはなかなか(笑)……高任さん、表紙の写植頼むわ』
吉 井:『あ、高任君。こっちの表紙の写植もお願い…』
8月11日(日)
午前2時。
ラオウさん、明日の仕事に備えて就寝。
午前3時すぎ。
どうにかこうにか完成。
目覚まし時計を6時半に合わせて就寝。
ラオウ:『高任さん、起きるつもりはないのかね?』
高 任:「……はい?」
ラオウさんの声にはっと気付いて顔を上げると6時40分。当然のように目覚ましのスイッチは切られていたりする。
吉 井:『高任君、目覚ましがなるやいなやすごい勢いで起きあがって、スイッチ切ったらそのまま倒れ込むように…(笑)』
と、笑いを堪えながら吉井さん。
高 任:「え?」
助けを求めるようにH氏に視線を向けると、その通りといった感じに重々しく頷かれてしまう。(笑)
これは多分、3人が結託して高任を陥れようと……
ラオウ:『俺は仕事だぁっ!(泣)』
と、ラオウさんがスーツに着替えて出発。(笑)
それに遅れて出発した高任達3人も、駅でH氏と別れて吉井さんとの2人に。
新木場に8時25分に到着。
高 任:「んー、サークル入場は9時までだからまずまずですね」
吉 井:『印刷所の搬入とかあると、遅いぐらいだけど(笑)』
などと呑気に呟いていたのですが、コミケスタッフの『西地区サークル入場者はこちらに……』という言葉を信じて歩いているうちに8時50分。
高 任:「吉井さん、これで遅刻したら暴れてもいいですか?」
吉 井:『……って、この誘導が正しいのなら俺らより後から来たサークル入場者って全員遅刻するわけだよね?』
と首をひねりながら、少しずつ早足になっていく2人。
そして8時55分。
『西地区ですね?』と念を押したにも関わらず、東地区に到着してしまう。
高 任:「すいません、西地区のサークル入場って…?」
スタッフ:『えっ……んーと、ここからだと東地区から入って突っ切ってもらう方が早いです』
などと説明され、釈然としないものを感じつつ入場。
受付もなんとか終了し、高任は西地区2の知り合いに挨拶まわり。(瀕死連合は西地区の1)
吉 井:『高任君、9時30分になったら入り口閉鎖されるからねえ…』
そんな吉井さんの心配通り、一足違いで監禁されてしまう高任。
シャッターの近くでうろうろしている姿は、まるで同人誌を求め開場前からスペースを離れている人間みたいで酷くみっともない。
と言うか、東地区だと確実に『自分のスペースに戻ってください』というスタッフに追い散らされるはずなのだが、何故か一度も注意されない。
まさか、この入り口でうろうろしてる連中が全員監禁されているとは思えないのだが。
そして10時20分。
隣の地区に移動するだけなのに何故か20分もかかって戻ってくると、吉井さんが『何か買いたい本があったんだね?』ってな感じの優しい視線を向けてきたり。(笑)
吉 井:『しかし、ラオウさんも最後の1ページにこのコマを持ってきますか…』
などとラオウさんの本を見ながら吉井さんと話していると、隣のサークルで店番をしていた方がおずおずと声をかけてきました。
お 隣:『えっと、横から割り込むようで申し訳ないですが……ひょっとしてHPで『プリズムコート』の対談をされていたサークルの方ですか?』
と世間の狭さを実感しつつ、高任がプリズムコートについていろいろと語っていたりしていると本日初めてのお客様が。
『対談最高です!できれば、ノーカットで読みたいです』
いや、さすがにちょっとそれはいろいろと問題が。(笑)
何気なく我々が口にする誹謗・中傷の類は絶対にまずすぎますし……(今でも充分にまずくないですか?という疑問はご勘弁を)
なにはともあれ、ああ、瀕死連合のHPは機能しているんだなあなどと高任はあらためて実感しました。
吉 井:『……人が来ないね』
11時頃、吉井さんがぽつりと呟きました。
ときメモのスペースまわりは2年前と同じくイイカンジに寂れていて、少し感傷的になってしまったようです。
吉 井:『ちょっと、挨拶回りしてくるです』
高 任:「はーい…」
と、吉井さんが席を外した途端二人目のお客様が来てしまったり。
後はHPの掲示板に書き込みしてくださった高瀬様、まかべ様……後はちょっと確認できませんでしたが数人来てくださっただけではなく、本を購入してくださったりして、前日の自分自身のやる気のなさを思い出してちょっと後ろめたい気分になったり。(笑)
ただ、それ以上に申し訳ないなあと思ったのは、本来立ち上がってきちんと挨拶すべきなのに、ここ数日の寝不足と栄養不足のせいか太腿が痙攣を起こしていて立ち上がることができなかった事でしょうか。
随分と横柄な印象を与えてしまったのではと後悔してます。
ま、それはともかく、根強いときメモのファンがぽろぽろとやってきたりして、この日最初で最後の(笑)ビッグウエーブが去った後に吉井さんが戻ってきたり。
吉 井:『うおっ?如月さんがいなくなってる!』
高 任:「あ、吉井さん。HPのお客様とかがいろいろと来てくれたですよ(笑)」
吉 井:『もう、これから誰も来なかったりしてね(笑)』
と、冗談交じりに呟いた吉井さんの言葉が真実となって我々の身にふりかかったり。(笑)
午後1時40分。
1時間以上に渡って放置プレイにさらされた吉井さんが、寝不足も手伝って居眠りをぶっこいちゃっています。(笑)
しかも時折身体を痙攣させたりして、悪い夢でも見ているようなご様子。
高 任:「吉井さん…」
吉 井:『……ん?』
高 任:「あそこのサークルの看板、『ガールズサイド』の氷室先生じゃないですかねえ?」
吉 井:『え、どこどこ?』
などとやっていると、何故か40年輩の女性が本を手にとり……肩をすくめて帰っていく。
高 任:「……意図の読めないお客様ですね?」
吉 井:「あきらかに表紙はときメモじゃないからなあ…」
高 任:「如月さんの本が無くなったら、あからさまにダミーくさいですよねここ(笑)」
ちなみに、この時点で机の上に残っていたのは『防衛熊本日記(がんぱれ)』『原さん仕事人シリーズ(がんぱれSS)』『瀕死連合通信』『亞里亞の泣き言』の4つ。
この後、また1人年輩の女性がうちの本を手にとって…(以下略)
高 任:「ところで、この後の吉井さんのご予定は?」
吉 井:「知人と飲み!(笑)」
高 任:「……と、すると?」
吉 井:「3時過ぎにはこの会場を出ないと厳しいかな?」
高 任:「……まあ、確かにもう誰もこなさそうですからね。可能性としては、知り合いのサークルさんが終了間際に挨拶にくるかも知れませんが」
瀕死連合、3時過ぎに早々と撤退。
この後、来られた方がいたなら申し訳ないです。
そして高任の家でシャワーを浴びた吉井さんがいなくなってから、この後のバイトに備えて一眠りしようとした高任の目に映ったのはラオウさんの荷物。
高 任:「そういえば、仕事終わったら一旦ここによると言っていたような気が…(笑)」
この後、ラオウさんがやってきたことと、『んじゃ、俺は帰るよ…』と呟いて帰っていった事はおぼろげに覚えているのですが、はっきり言ってほとんど記憶にありません。(笑)
と、夏コミが終わってから4日も過ぎてこの文章を書いているわけですが……寝不足も手伝ってかなり記憶があやしいです。(特に最終日後半)
何か失礼なことを口走ったり、やらかしてしまったりしてたら申し訳ありません。
対談において、『ヘタレ主人公が云々……』ってな発言を繰り返している高任ですが、もう、7月から8月にかけてはそれを上回るヘタレっぷりでした。
どうして自分の絵はこんなに駄目なのか?
などと、自分の思い浮かべるシーンと目の前の原稿との激しいギャップに頭を抱えては描き直す事を繰り返して……冷静に考えれば、時間をかけても納得できないのに、慌てて描いたら余計納得できないモノが出来上がるに決まっているんですよね。
などと、言い訳を始めることが既にヘタレ。
吉井さん、ラオウさん、Hさんおよびに、瀕死連合の両隣のスペースのみなさま、ご迷惑をおかけしました。
最後に、瀕死連合のスペースに足を運んでくださったみなさんありがとうございます。
8月15日……高任斎。
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