12月28日(金)、言わずと知れたコミケ前日……彼はおそらく必死に戦っていたのだろうと思います。(推測)
プルルルルル……
高 任:「あいよ、こちら高任」
ラオウ:「ラオウです、どうも」
高 任:「おや、こんな時間に。(笑)ラオウさんのことだから早めに睡眠をとっているかと思ってたけど……まあ、初日はあんまり興味がないのか」
ラオウ:「……ん、〇〇と××の新刊をお願いします」
高 任:「……(沈黙数秒間)……は?」
ラオウ:「仕事が押してしまってこの年末はにっちもさっちもいきません」
高 任:「無理ですか?」
ラオウ:「無理ですとも!」
高 任:「や、まあ……仕事なら仕方がないんだけど……今月は対談がモリモリとかほざいた私の立場はどうなるんでしょう?」
ラオウ:「いや、高任さんの立場なんか知った事じゃないです。……それに、某ゲームの発売が延びちゃったし、それはそれで……(笑)」
高 任:「むう……」
ラオウ:「というわけで、私は仕事に取りかかるので電話切ります。おたっしゃで……」
何やら初手から予定が大幅に狂ったのだが、これはコミケを満喫しなさいと言う神のお告げなのだろうか?
とりあえず初日はまったりと過ごすことにしよう……と思っていたのですが、よく考えると高任もやらなきゃいけないことがあったことを就寝直前に思いだしてしまい、結局徹夜でぱたぱたとキーボードを叩き続ける羽目に。(笑)
12月29日(土)
少し雲が多いものの、まず晴天といえる空模様。
取りあえず身体に活力を与えるために、砂糖を溶かしたお湯を1リットルほど飲んでから風呂に入って、体調を整えてから朝の10時過ぎに家を出る。
11時頃にほどなく会場に到着。
いつも通りなら30分ほどで入場できると踏んでいたのですが……何やら駐車場が使えなくなった(?)せいか、いつもとは違う整列および入場のようで、結局入場できたのは1時前のこと。
あんまり暇だったのでパンを細かくちぎって鳩に餌をやっていたのだが、よく考えると列の中に鳥が嫌いな人とか鳥アレルギーなんか持ってる人があったら迷惑だったかも知れない。少し反省。
しかし、初日からこんなに混雑していて明日は大丈夫なんだろうか?
と思いながら、思わぬ所で時間を食ってしまったため慌てて頼まれたサークルへ……行く前に次回の申込書を購入、および素早く中身を確認。必要な書類が揃っていることと、次回の日程に目を通してから目当てのサークルへ。
既に地図を見なくともスペースナンバーさえ覚えていれば、どの位置を示すのか理解してしまっている自分が少し嫌。(笑)
それはさておき、取りあえず仕事でにっちもさっちもいかないラオウさんのために(高任も購入予定なので偽善と呼べなくもない)さくさくと某サークルの列に並ぶ。
おそらくコミケでも有数の手際の良さと思われるサークルだけに、対して並ぶことなく購入を終了。
時間と元気があれば全てのサークルを回ってみたいところですが、とりあえず今日は高任的にメインな『がんぱれ』サークルが配置されている西地区へと向かう。
……相変わらず東地区から西地区への通路は混雑しており、エスカレーターを前にして15分程待ちぼうけ。
何やら、今日の高任は待ってばかり。
とりあえず、本日のサークルカットにて『がんぱれ』の本が出ていると思われるサークルは西地区で約200あまり。
サークルカットには記載されていないけど、『魔人』とか『アンジェ』等に50ほど『がんぱれ』同人誌が潜んでいました。
何というか、前回より『ボーイズラブ度』は高め。(笑)
否応なしにプレイヤーキャラとなってしまう速水と、狙ってるとしか思えない瀬戸口はともかく、滝川の割合が高いのはどういうことだろう?
小説同人誌が多かったためか、全てに目を通すのに約1時間半ほど費やした挙げ句、購入数は8冊。
価格が割高だったので購入はしなかったものの、ヨーコさんと中村のカップリング同人誌および熊本防衛をシビアにかき込んだ同人誌を含めると食指が動いた同人誌は10冊か。(笑)
購入した同人誌の重みでリュックサックを破壊した過去から考えると寂しいが、感傷に浸るまもなく東地区へと移動。
サークルカットに『がんぱれ』の文字が書かれていたサークルおよびその周辺を縦断爆撃。
その甲斐あってか、さらに1冊追加。
後はごみ箱をあさって、印刷会社のチラシを手に入れて撤収。鋭気を養いつつ吉井さんの到着を待つ。
そして7時半過ぎ。
吉 井:「どーも、吉井です」
高 任:「ああ、こんちわー。……で?」
吉 井:「いや、いつも通りなのでそちらに到着するのは日付変更線手前かと(笑)」
高 任:「はあ、了解しました」
電話が終わった後カタログ片手にサークルチェック……とは言っても、おおかたのジャンルわけと目当てのサークル以外は全部見て回るつもりなのであまり関係なし。
チェックが終わると、明日出ている知人のサークルのための差し入れ等を買いに行ってる間に夜は更けていき……
プルルルル
高 任:「はい、高任ですが」
ラオウ:「くすんくすん…仕事が、仕事が(泣)」
高 任:「電話をかける暇があるなら仕事しろよ…っていうか、亞里亞の口まねが出るあたり余裕ありそうだな(笑)」
ラオウ:「本は買ってくれたかね?」
高 任:「なんとか(笑)」
ラオウ:「で、明日なんですが……忙しいよね?」
高 任:「そりゃ、全部見て回るつもりだし、ラオウさんだってそうだろ?(笑)」
ラオウ:「ま、無茶は言うまい……中身を確認せずに購入する愚は避けたいし」
高 任:「まあ、頑張ってくれ」
ラオウ:「ああ、頑張るとも……じゃあねー」
この夜、西の空に流れ星が確認されたかどうかは定かではない
深夜11時45分頃。
ピンポーン。
高 任:「早かったすね……って大丈夫ですか?」
どうやら高任が開けたドアが吉井さんの頭を直撃したらしい。
とにもかくにも部屋の中に荷物を置かせる。
吉 井:「いや、大丈夫。しかし、何とか日付が変わる前に到着したよ……って、ラオウさんは?」
高 任:「仕事だそうで…」
吉 井:「……はっ?」
高 任:「お仕事の関係で駄目とのことですが」
吉 井:「それはつまり、仕事の関係で来られないとの事かな?」
高 任:「早い話がそうです」
吉 井:「対談は?」
高 任:「超常能力に目覚めればあるいは…」
吉 井:「まあ、仕事なら仕方がないよね……と言うことは、明日の出発はゆっくりでもオッケーって事ですか?(爆笑)」
注・コミケ当日のラオウさんの朝は早い。(特に最終日)
高 任:「いや、あんまりゆっくりってのも嫌ですが。そうですね、9時半ぐらいに会場に到着するペースで、ここを8時半前に出るのはどうでしょう?」
吉 井:「んー、まあそのぐらいならいいけど」
吉 井:「対談がないなら、『いただきじゃんがりあん』プレイさせて。もちろん、修正してないバージョンで(爆笑)」
高 任:「とっくにハードディスクから抹消しましたって(笑)」
吉 井:「残念…プレイしてみたかったのに(笑)」
高 任:「あのゲームは、ある程度修正してないとお話にならないんですけど?」
吉 井:「じゃあ、眼鏡娘恐怖症を発症するといわれてる例のゲームを……」
高 任:「1プレイ10時間ほどかかるんですが、正気ですか?」
吉 井:「いや、最後までプレイするとは言ってないよ。途中まで……」
高 任:「忠告しときますが、このゲーム面白いですよ」
高任は2時過ぎまで起きてましたが、どうやら吉井さんは朝の4時半までプレイしていたらしいです。(笑)
しかも、何げなくセーブデータが残されているのは何故?(笑)
やるんですか、今度来たときにまたやるんですか吉井さん?つまり、それまでアンインストールは許さないという決意表明なのですね?
12月30日(日)
7時15分。
目覚ましに先駆けて目が覚めたせいか、寝不足ではあるけれども気分はよい。
ラオウさんがいたら、目覚めてシャワー浴びたら即出発……ってな感じですが、今日はゆったりと朝飯を作ったりする余裕まで。(笑)
吉 井:「……今何時ですか?」
高 任:「7時45分です。まあ、お茶でも入れますんで顔でも洗ってください…」
吉 井:「うい……って、ラオウさんがいたらもう会場に向けて出発してますよね?」
高 任:「俺が学生の頃はラオウさんの家に泊めてもらってたんですけど、もう会場に到着してましたよ。(爆笑)それを考えると、ラオウさんもパワーがなくなったのかなあ?」
なんだかんだで8時20分過ぎに出発し、いろいろなことがあって少し遅れて到着。会場を中心としてぐるぐると回転するように誘導される吉井さんと高任。
吉 井:「……駐車場は使わなくなったのかな?」
高 任:「ありとあらゆるスペースを使って、長大な列を作ってるみたいですな……っと、やっと止まった」
吉 井:「……単純に計算すると、駅を出てから15分ほども歩いているんですけど?」
高 任:「さて、どのぐらい待つことになるやら……」
などと呟いていると、吉井さんの携帯の呼び出し音。
何やら激しく動揺する吉井さんの姿に、
高 任:「そんなに慌てるってことは、女ですか?」
吉 井:「女は女でも、母親からじゃよっ!(爆笑)」
高 任:「そりゃ慌てるわ!(笑)」
吉 井:「……うん、帰省する……今?友達の家」
どうやら、東京ビックサイトは吉井さんの友達の家らしいです。
高 任:「おや?」
吉 井:「……どうしました?」
高 任:「今あそこらへんに、ラオウさんらしき姿がいたような…」
吉 井:「気のせいでは?大体、ラオウさんがここにいるならもっと早い列の中にいるはずでしょう?(笑)」
高 任:「それはそうですが……まあ、これだけ人がいれば外見が似た人間もいますしね……」
そして、11時20分ごろに入場。
高 任:「とりあえず、先輩に挨拶して回りますか?」
吉 井:「そうだね、バラバラに顔を見せるよりはまとめた方がいいだろうし」
等と、漫研の先輩のサークルに顔を見せ、待ち合わせの場所と時間を指定してから高任は単独行動に。
ときメモが発売されてから早8年。
既に数少なくなった知人のサークルに挨拶をすませてから、人波をかき分けるようにして地獄開始。
本日の目標は東地区の完全制覇なのですが……何というか、葉っぱと鍵っ子が渦を巻いて男幕を形成しており、そのおかげでそれ以外のギャルゲー系統サークルは楽々見て回ることができました。
ただ、相変わらずパソゲーサークル付近は、サークルカットと机の上に並べている本の中身が一致していないのが多くて結構楽しい。
個人的には『夜が来る』と『水夏』の同人誌を探してみたかったのだが、サークルカットの半分以上は全滅しているあたりが何ともはや。(笑)
ついでに、『君が望む永遠』の同人誌も期間が短かったせいかこれというものは無し。目に付いたのは、『君が望む永遠』と『TLS2』を合体させた同人誌でしたが、オープニングだけのお話だったのが残念……っていうか、始まったばかりで終わられても困るのですが?どうせなら、3年後に目が覚めて『TLS』のキャラで修羅場を描ききってこそ同人誌の醍醐味だと思うのだが。
『ときメモ』および『TLS』関連では、何となくいつものメンバー(笑)が揃っていたので新刊だけをチェックして、1冊購入。
それはともかくとして、何故か『シスプリ』の同人誌を2冊購入しているあたり、ラオウさんによる高任の精神汚染は進んでいるのかも知れない。(笑)
後は違う意味で楽しみだった『誰彼』と『メモリーズオフ2』の同人誌も、これといって笑えるものは無し……うーむ、高任的にこのコミケはちょっと不作。
そうして東地区(4・5・6)を見終わる頃、時刻は既に1時過ぎ。吉井さんとは3時に待ち合わせなので、すぐさま東地区(1・2・3)へと移動。
とは言えこちらの3分の1のサークルは音楽(アイドル・洋邦楽等)なので、男性向創作と創作(少女)を見て回るだけだから……
ラオウさんに非常によく似た男性を発見…人波にもまれてすぐにロストする。(笑)
何となく気のせいではすまされないぐらいよく似ていたのだが、今ここにラオウさんがいるはずはない。
気を取り直して猫等の動物同人誌を眺めてまわり、心に水分を与えることにする。最近の傾向としては、インコとハムスターの同人誌が増え、犬の同人誌が少なくなった気がします。最近のペット事情を反映してるのかも知れません。
心に水分を補給してから、高任目当てのオリジナルファンタジー系の同人誌を隅から隅まで眺めて……やはり、こういう独特の絵柄がずらりと並んでいると絵心のない高任なんかは何となくウキウキしてしまいます。
ただ、絵柄ほどに独特の世界観を構築してる同人誌は……とりあえず東南アジア風味の戦史物とおなじみの吸血鬼ものに目を奪われたが、生憎見本だけを残して売り切れてしまったらしくて残念。
最後に男性向創作を見て回り……人混みが凄い所は避けて回ったせいか、高任のリビドーを満足させてくれそうな同人誌は見つからず。
約束の時間まで小一時間ほど外周サークルを見て回り、既に何の漫画かわからないほど電波の飛びまくってる『鍵っ子系統』の同人誌を一冊購入。(笑)
午後3時……の少し前。
待ち合わせの場所で座って吉井さんを待っていると、何故かラオウさんがにこやかに微笑みながらこちらにやってくるではありませんか。(笑)
バッグを2つ持ち、いつものラオウさんの戦闘スタイルそのまんま。
ラオウ:「やっほ。何かいい同人誌はあったかね?」
高 任:「……いや、アンタ仕事は?」
ラオウ:「吉井さんは?」
高 任:「ん、コスプレ写真でも撮りに行ってるのでは……仕事は?」
ラオウ:「ありゃ、吉井さんってカメラ小僧なの?」
高 任:「その呼び方は本人からすると激しく抵抗を覚えると思うのだが。吉井さんの場合、F1はもちろん、風景だって撮るわけだから……じゃなくて、仕事は?」
ラオウ:「アンタそれだから人に嫌われるんだ」
ラオウさんの話によると、どうやら30メートルと離れていない場所で行列を形成していたらしい……だとすると、朝に見かけた姿はラオウさん本人だった可能性が高い。(笑)
それから10分ほどして吉井さん登場。
吉 井:「すいませ……あれ、ラオウさん?」
ラオウ:「久しぶりです……って、約2ヶ月ぶりぐらいですか?」
吉 井:「まあ、そんなとこですねえ」
曖昧な微笑みを浮かべながら、何故ラオウさんがここにいるかに触れない吉井さん。これが大人の態度というやつなのか?(笑)
高 任:「……で、吉井さん、この後の予定は?」
吉 井:「いつも通り知り合いとの打ち上げがあるんで……とりあえず高任君ちに荷物を取りに行かないと」
ラオウ:「はっはっはっ……私はこれからすぐに帰らないと(笑)」
高 任:「ラオウさん…アンタって人は(笑)」
ラオウ:「納期を破るか、質を落とさない限り後ろ指を指される覚えはないな」
しかし、駅までの長い行列が少し憂鬱……
ラオウ:「高任さん、この行列って多分切符を買うための行列だわ。電車に乗る行列はあっちの列だと思うのだが?」
高 任:「何ですって?(笑)」
吉 井:「むう、無駄な時間を費やしてしまった…」
慌てて並んでいる列を離れ、ラオウさんの言う行列に並び直して10数分。やっと改札口を抜けて駅の中に侵入……無論行列は駅の中まで続いています。
そこでラオウさん、行列の中にちらほらと見え隠れする紙袋(おそらくは企業ブースで購入した物だと思われる)に顎を向けて不思議そうに呟く
ラオウ:「……ところで、前から疑問に思ってるのだがあの手の紙袋は畳んで持ち帰るわけにはいかないのだろうか?」
吉 井:「……確かに、でかい分フットワーク悪そうですよね」
高 任:「うーん、新札と同じで折り目が付くのが嫌なのでは?(笑)」
ラオウ:「なるほど……それならわからなくもない」
紙袋によってはえっちっちな絵柄があるのですが、会場内ならともかく公共の場においては猥褻物扱いにはならんのかのう……ちょっと心配。
ラオウ:「……しかし、『天使のしっぽ』の垂れ幕が痛すぎる(笑)」
高 任:「コミケの時しか来ないからなんとも言えないが、この駅って普段の装いはどんなもんなんだろな?」
吉 井:「そりゃ、どう考えたってそこら彼処に貼ってあるポスターは一時的な物でしょう…」
高 任:「ところで、あの垂れ幕の中に餓死したペットはいるんですか?」
吉 井:「んーと……放送が終わった瞬間、速やかに記憶がデリートされてるなあ……餓死したのはハムスターだったかな?」
などと馬鹿話に興じている間に、プラットホームへ。
それからほどなくして新木場に到着し、ラオウさんとは方向が違うのでお別れ。
高 任:「うーむ、この駅からの風景を見るとコミケが終わったなあと実感するなあ……」
吉 井:「そう?俺は家に帰って同人誌を読む段になって実感するけど?(笑)」
高 任:「家に帰るまでがコミケですか?」
吉 井:「小学校の遠足と違うんですから……(笑)」
そして高任の家に到着し、これはどうか、あれはどうかとゲーム対談のネタを探している途中に吉井さんの携帯が鳴る。
吉 井「は?6時に高田馬場?」
高 任:「無理です!(笑)」
吉 井:「何か、『無理です』とか断言されたけど……」
などと、今回は最後まで慌ただしく事が推移する。
吉 井:「んじゃ、高任君またね!」
高 任:「ういーす。レポートは後日送りますけど、早くても年明けの週明けになりますよ」
吉 井:「了解!」
……というわけで、今回は盛り上がることなく終了しました。
これを書いている高任的にはまだ年末なんですけど、何はともあれ、あけましておめでとうございます。
今年も暇があったらご来訪下さいませ。
2001年12月31日……高任斎。
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