夏コミの3日間の行動とか、感想です。対談というか、記憶に頼るところが大きいのと、多少創作入ってますので、『どこからどこまでが真実だ?』などのツッコミはご遠慮願います。(笑)
ちなみに前線基地は、高任の家です。
コミケを知らない人、ごめんなさい。
平たく言うと、日本における最大規模の同人誌即売です。昔はともかく、今は夏と冬の年二回開催。
8月9日(木)…コミケ前日。
電話。
吉 井:「高任君、明日時間があったらW製作所お願い。(笑)」
高 任:「W製作所っ!(驚)」
吉 井:「いや、時間があればでいいから。」
高 任:「はあ、まあどうせ東館は全部まわるつもりですから。」
吉 井:「じゃあ、明日の夜に。」
注・正しくは東地区。…館というのは晴海時代からの名残です。
ラオウ:「……ラオウです。なーんか体調まずいです。」
高 任:「夕飯でもいたんでたんですか?(笑)」
ラオウ:「いや、冗談抜きで体調がおかしいんですけど。なんか頭もふらふらするし。」
高 任:「それはいけないな。明日は苦しい戦いになりそうだね。」
ラオウ:「休むという選択肢は、無いんですか?(笑)個人的に、明日は同人ゲームしかまわりませんから。ダメそうなら休みます。」
高 任:「まあ、無理しちゃいけませんから。ダメと思ったらゆっくり休んでなさい。」
ラオウ:「そうします。」
高 任:「じゃあ、明日は例の場所で2時集合ね。」
ラオウ:「アンタ、全然分かってねえっ!」
高 任:「30分過ぎたらいつも通り見捨てるから。」
ラオウ:「……吉井さんは?」
高 任:「仕事の関係で、合流は明日の晩になるかと。」
ラオウ:「了解。じゃあ、このぐらいで。」
高 任:「良い夢を。(笑)」
8月10日(金)
高任の目の前に地平線まで続いていそうな列が並んでいます。そうです、吉井さんに頼まれたW製作所のサークルの列なんですけど……
高 任:「よし、時間はないな。(笑)」
ゴメン吉井さん、ここには友情より大事なものが転がってるんです。ええ、そこらかしこに転がってましたとも。(笑)
1時30分。例の場所。
高 任:「おや、ラオウさん。全部まわったの……ってなんじゃあっ!そのはち切れそうなリュックわ!(笑)」
ラオウ:「いやあ、結構あったな。(笑)」
高 任:「相変わらずジャパンマネーの底力を見せつけるような買い物を…」
ラオウ:「だって、ここ日本だし。海外と違って後ろ指刺す人間もいないですって。」
高 任:「今日ここに集まっている人間に後ろ指さされるようになったら、それはそれで人間としてちょっとやばいでしょう。(笑)」
ラオウ:「で、高任さんはどうだったの?」
高 任:「いやあ、『魔人』とか『アンジェ』とかに散らばっててね。『がんぱれ』を扱っていたサークルは2、300ってとこかな。」
ラオウ:「ふーん、面白いのあった?」
高 任:「所々光るものはあっても、1冊丸ごとお勧めってのはなかったな。……そういや、何時に来たの?」
ラオウ:「着いたのが11時20分頃で、入場が11時30分かな。」
高 任:「こっちは9時20分に着いて、入場が11時だったりして。(笑)」
ラオウ:「おいおい、意味ねえぞ……ってこら。アンタのリュックも結構重そうに見えるぞ?」
高 任:「ああ、原稿用紙200枚ほど買い込んだから。同人誌は……えっと20冊ぐらいしか買ってないよ。9割方、『がんぱれ』だけど。」
ラオウ:「…『ぐらい』かなあ?それって一般的に言って『ぐらい』なのかなあ?(笑)」
高 任:「いやいや、ラオウさんの量を考えたらこのぐらい大したこと無いですって。」
ラオウ:「……で、どうします?」
高 任:「今日は帰りますか?」
ラオウ:「これから全部まわってもいいけど……体力温存しときますか。」
高 任:「それ以前に、もう荷物持てませんやん、アンタ。(笑)」
6時、高任宅。
吉 井:「今新宿です。」
高 任:「それで?(笑)」
吉 井:「制服のお姉ちゃん追いかけに行って来ます。(笑)」
(吉井 注1:これは高任君の記憶違いです。吉井は既に制服の追いかけ
は終了し,友人達とありふれた飲み屋で飲んでいました。)
高 任:「またですか!」
吉 井:「予定が決まったら……7時頃電話します。」
ラオウ:「吉井さん…なんて?」
高 任:「制服のお姉ちゃんを見に、飲みに行くそうですが。(笑)」
ラオウ:「吉井さんのあれも、病気だねえ。(爆笑)」
高 任:「病気というか何というか……制服よりも中身が大事でしょう。」
ラオウ:「まあな。……おっと忘れるところだった。はい、『隠れ月』。」
高 任:「確かに。ほほう、表紙の眼鏡キャラ率は4割ですか。」
ラオウ:「アンタって人は……」
ちなみに7時に電話はありませんでした。(笑)
深夜の1時15分、高任宅。(笑)
ぴんぽーん……
吉 井:「あーはっはっは……」
高 任:「ああっ、吉井さんがすっかりイイカンジに出来上がっている!(笑)」
ラオウ:「制服のお姉ちゃんを見に行って酔っぱらってどうするんですか?酔っぱらってたら、見に行った意味がないでしょうに!(笑)」
高 任:「ラオウさん、それ突っ込むところが違う。」
吉 井:「高任君、W製作所どうでしたか?」
高 任:「いやあ、売り切れてましたよ!」
吉 井:「やっぱりそうですかあ。」
高任、息を吸うように大嘘ぶっこき。(笑)
いや、噂によると売り切れてはいたらしいんだけど。
高 任:「しかし、『がんぱれ』の同人誌って、ほとんどやおいは無かったですよ。」
ラオウ:「嘘ぉっ?あの感じだと半分はそんな感じに見えたけど?」
高 任:「いやいや、単なるカップリングだけって感じのやつばっかりでした。個人的には速水と狩谷のが気合い入ってましたよ。(笑)」
ラオウ:「買ったのか?」
高 任:「もう、サークルのお姉さんから、『アンタ、これを買うんですか』光線でまくってたけど、それを軽やかに受け流して購入です。」
しかも、『GPM女性向けオンリーイベント』のチラシを渡されてしまう高任。(笑)
ラオウ:「おいおいおい、男性向けはないんか、男性向けは!18禁じゃないって意味の!(笑)」
高 任:「だったら、この中村と茜のカップリングが凄い新鮮で……」
ラオウ:「そりゃ、すげえや…じゃなくて、人の話を聞いとんか?(笑)」
高 任:「いや、基本的にギャグですってば。まあ、とりあえずこの同人誌でも……?」
吉 井:「くかー……」
ラオウ:「ああっ、吉井さん寝てる。(爆笑)」
高 任:「我が生涯に一片の悔い無しっ!って感じの、幸せな寝顔ですねえ。制服のお姉ちゃんに囲まれてる夢でも見てるのかも。(笑)」
ラオウ:「こんな傍若無人な吉井さん初めて見た。(笑)普段おとなしいだけに、ギャップあるわー。(爆笑)」
高 任:「(遠い目で)……同人誌作るときは、結構頻繁にありましたけどね……」
結局この日は対談になりませんでした。(笑)
8月11日(土)
吉 井:「……おや?」
高 任:「おや?じゃないです、おやじゃ。(笑)」
ラオウ:「吉井さん、起きた?」
高 任:「起こした。(笑)」
吉 井:「……んー2日目?別に目当てはないんですけど…?」
ラオウ:「アンタの腕時計の目覚ましでみんな起きてしまったんですが。(怒)」
高 任:「さすがに、独り幸せそうな顔で寝ているのが心情的に許せなくて。(笑)」
吉 井:「むう……(どうやら良くわかっていない様子)」
ラオウ:「吉井さん。今日は少年漫画のジャンルがあるんですよ。吉井さんは『エイケニスト』としてやらねばいかん事が山積みですよ。」
高 任:「……昨日『エイケン』の同人誌見つけたけど…あの漫画って、あの絵柄だから『エイケン』なんですよ。(爆笑)」
ラオウ:「上手くなるとダメ?」
高 任:「どこにでもある、18禁の同人誌でした。(笑)」
ラオウ:「…深い漫画だなあ。(笑)」
吉 井:「じゃあ、いらない……どうせ、今日は無いですよ……。」
ラオウ:「寝るなあっ!」
吉 井:「(もぞもぞしている)……。」
高 任:「(カタログをめくりながら)……冷静に考えると、俺も今日は出番無いなあ。」
ラオウ:「ああ、かつては外周大手及び芸能系を除いたサークルを全てまわりきるのを日常としていた高任さんがそんな発言を。」
高 任:「とはいえ、興味のないジャンルを全部まわるのもなあ。(笑)と、言うわけで今日はラオウさん独りで行って来なさい。(笑)」
ラオウ:「暇なら俺のまわる予定のサークルに並んでくれよお。」
高 任:「おや、吉井さん既に熟睡モードに。」
男の戦いはいつだって独りきり……そうだろうラオウさん?
そしてラオウさんは戦場に。(笑)
哀愁漂う背中が素敵すぎ。
しかも何か天気悪そうだし。
で、数時間経過。
吉 井:「おはようございます……相変わらずキーボード叩き続けてるんですか?」
高 任:「SSが1つ書き上がりましたよ。(笑)やっぱ気分がのってると、すすみが早いっす。」
吉 井:「まじですか?」
高 任:「やっぱり他人の作品読むと、インスピレーションが刺激されまくるというか何というか。というわけで、滝川×新井木です。(爆笑)」
吉 井:「どこに刺激されたんですか……?」
高 任:「今は、この夏コミのレポートをちょいちょいっと。」
吉 井:「記憶をあんまり改竄しないでくださいよ。(笑)」
高 任:「アルコールで記憶改竄してる吉井さんに言われたくないです。(笑)」
吉 井:「(時計を見て)……ああ、ラオウさん並んでますね。(笑)」
高 任:「男ですねえ。18禁の同人誌を求めるエンドレスファイター……男の中の男です。(爆笑)」
吉 井:「エ、エンドレスファイター……なんか、全然意味的には間違ってそうなのに、何故か納得できる響きがいいですね。(笑)」
高 任:「男子たる者、ああでなければ。」
僕達両名はだめみたいっす。
吉 井:「……ところで、何故コミケの落選封筒を机の上に飾ってるんですか?前に来たときはそんなもの無かったはずですけど。」
高 任:「いやあ、やっぱり申し込むときはこの封筒を見ながら念を込めるようにしてですねえ……」
吉 井:「普通、落選封筒の念を込めたら落選しませんか?」
高 任:「……」
吉 井:「……」
高 任:「おや?」
吉 井:「おや?じゃなくて。」
高 任:「あれ?」
吉 井:「あれ、でもなくて……ひょっとしてこれまでの落選封筒保存してたりするんですか?」
高 任:「ええ、もちろん。」
吉 井:「そんなもん、びりびりに破って捨ててしまいなさい。(笑)」
高 任:「いや、この封筒は高校球児にありがちな甲子園の砂みたいなもので。」
吉井さんが、床に散らばっている『がんぱれ』の同人誌に目を付けました。
吉 井:「おや、結構ありますねえ。」
高 任:「……全く記憶にないわけですか?」
吉 井:「『ファーストライブ』の同人誌はないんですか?」
高 任:「これと言ったのはみつからなくて。第一、あのゲームは既にシナリオが芸術ですからね。同人誌でいじるのは至難の業ですよ。(笑)」
吉 井:「ま、取りあえずちょっと見させてくださいね。」
やがて、吉井さんが一枚のチラシに手を伸ばしました。
吉 井:「何?この『GPM女性向けオンリーイベント』のチラシは?(笑)」
高 任:「さあ、どこで紛れ込んだのやら……(苦笑)」
吉 井:「男×女と女×男って違うんですか?(爆笑)」
高 任:「違うみたいです。例えば、瀬戸口×ののみとののみ×瀬戸口では、前者は瀬戸口が鬼畜っぽくて、後者はののみのわがままを優しく聞いてあげるお父さんのような印象だとか。(大爆笑)」
吉 井:「むう、奥が深い。我々男性サークルも見習わないかんなあ。」
高 任:「いや、それはどうかと。(笑)」
吉 井:「しかし、このチラシ……凄いなあ。」
高 任:「すごいっすよねえ、『オールキャラギャグおよびシリアス本の販売は可能』という注意書きが素敵すぎる。(笑)」
吉 井:「多分チラシの文章がまずいんだろうけど、素直に読んだら『男×男』以外のカップリングは認めないという前提になってるよこれ。(大爆笑)」
高 任:「ところで、冬コミの申し込みですけど……ジャンルはどうします?」
吉 井:「(考え込みながら)……なんか、『シスプリ』で申し込んだら丸く収まりそうなのが凄いイヤ。(笑)」
などと、これからの方針についてちょっと語っていると、雷が。(笑)
高 任:「……一雨来そうですねえ。(爆笑)」
吉 井:「ラオウさんは無事でしょうか。(笑)」
まもなく、ずばばばば……と凄まじい音をたてて降り出す雨。
高 任:「雨が降ると涼しくなりますねえ……」
吉 井:「そうですねえ……」
俺ら、鬼です。(笑)
しかし、実はこの雨は千葉県の一部を局所的に襲った大雨で、コミケ開場では夕方にぱらっと小雨が降った程度とか。(笑)
高 任:「で、吉井さんの今日のご予定は?」
吉 井:「夕方から知り合いと一緒に……飲みに行くから、昼過ぎに一旦ここ出ます。帰るのは夜中って事で。(笑)」
高 任:「なるほど。」
吉 井:「しかし、高任君って文章書くときにディスプレイ見ずに、手元しか見てないんだね。」
高 任:「別にブラインドタッチと原理は一緒でしょ。画面を見ながら文章を修正するか、変換の際にそれを確認するかだけだから、そんなに変わりませんよ。」
吉 井:「まあ、文書作成とか書類の打ち直しならともかく、頭の中にある文章を起こすならそれでもいいのか。」
などと話していたのですが、気が付くと
吉 井:「これですか!高任さんが、絶賛していた『妹ゲーム』は!」
高 任:「そうです、これをプレイしたら『シスプリ』なんかメじゃないっすよ!(笑)」
吉 井:「こ、これは凄いって。一日あたり4回の会話?」
高 任:「しかも、毎日内容が違いますし。『妹日記の朗読』なんか悶絶ものですよ。(爆笑)」
吉 井:「そんなものまで!ゲーム本来の趣旨とは違うところで、大ブレイク!(笑)」
などと、対談のネタにしようかなと、吉井さんを引きずり込もうとしていたり。(笑)
吉井さんたら、2時間近くはまりまくり。(笑)
高任宅、4時前。
ラオウ:「何?こっち雨降ったの?」
高 任:「推定1時間30oの雨が降りまくり…ってそっちは降らんかったんですか?だとするとちょうどいいときに帰ってきましたな。」
ラオウ:「夕方頃にぱらっと……あれ、吉井さんは?」
高 任:「制服のお姉さんを見に、飲みに行きました。(爆笑)」
高任、大胆な一点読み。(笑)
(吉井 注2:これは誤解です.日記をみればわかりますが「制服のお姉
さん(アンミラ)を見た後,飲みに行った」が正解.制服のお姉さんと飲みを両
立できる飲み屋はなかなか無いのです.ちぇっ.)
真実はいつも闇の中。
ラオウ:「まあ、大した数はなかったです。(笑)」
高 任:「そんな重そうなリュック床において、すっごい説得力がないですけど?(笑)」
ラオウ:「じゃあ、シャワー浴びますんで、借ります。」
高 任:「今度返してね。(笑)」
ラオウ:「古っ!」
高 任:「バスタオルそこに出すから使って。」
ラオウ:「ういっす。」
大量の人が行き来するコミケでは、埃が凄いです。
やっぱり日本の気候風土にはお風呂が一番ですなあと思ったり思わなかったり。
コミケ後の風呂が最高と言う意見が、コミケ後の打ち上げが最高という意見を抜いたとか抜かないとか。(嘘)
ラオウ:「くわー、やっぱりシャワー浴びると生き返るわ。」
高 任:「冷蔵庫に麦茶冷えてる。」
ラオウ:「へいへい。」
高 任:「で、どうよ?」
ラオウ:「まあ、いつもどおりっていうか、3時間待ちのサークルがきつかったというかなんというか。(笑)」
高 任:「Kですか?」
ラオウ:「まあ、その通りで。あそこは売り子の手際が犯罪的なまでに悪すぎるからなあ。まともな売り子に変われば、多分待ち時間は半減すると思う。」
高 任:「手際はともかく、せめて立ち読み不必要な人間に対する購入窓口を作るだけで全然違うはずだが。」
ラオウ:「本が分厚いからか、見本誌もまわさんし。」
などと、2日目も局所的にすっごいことになってたそうです。
そしてダラダラと時は流れて、高任宅、夜中。
ぴんぽーん。
吉 井:「あーはっはっは……」
ラオウ:「そのまんまか!(爆笑)」
高 任:「やばいっ、ループしてるよループ!(爆笑)」
吉 井:「いや、酔ってませんよ全然。」
高 任:「誰もそんなこと聞いてないです!しっかりして下さい。」
ラオウ:「酔っぱらいはいつもそう言うんだ。」
そして1時間後。
吉 井:「くかー……。」
ラオウ:「……力つきたか。」
高 任:「……何しに来たんでしょう、この人。(笑)」
ラオウ:「寝ましょうか、明日早いし。」
高 任:「そっすね。」
ラオウ:「(しみじみと)明日は地獄だなあ……」
高 任:「いつものことですって。(笑)」
注・コミケというのは大概最終日が一番混雑します。そりゃまあ、げに恐ろしきは、男性向けえっちっちの威力というものでしょう。(笑)
均等にばらければいいのにと言う意見とか、女性向けをたまには最終日に持ってきてと言う意見もありますが、これは、『問題が起きそうなジャンルほど最後に持ってきてる』んですね。だって、初日に問題あると、残りが中止になって大惨事だし。(笑)
そう、つまり男性向けとかは『危険分子』と見られているのです……なんか、書いててむかついてきたな。
でも、大概バカやってるのは男性だからぐうの音もでねえっす。(笑)
と、言うわけでこの日もまともな対談が出来なかったり。(泣)
8月12日(日)
高 任:「うーん、絶好の夏コミ日和ですね。」
吉 井:「まだ、薄暗いですけど?(笑)」
ラオウ:「大体、夏コミ日和ってどんな天気だ?」
高 任:「そりゃ、太陽がカッと照りつけてて、それでいて草木の香りを含んだ、フランス貴婦人の脚のステップを連想させるさわやかな風が吹き渡り……」
ラオウ:「全然違うやないけ。」
吉 井:「汗にまみれた悪臭漂う風なら吹き抜けるでしょうけど。(爆笑)」
ラオウ:「あんまり太陽に照ってもらったら困るんだけど、今日みたいな雷雨になりかねない天気もちょっとなあ……」
吉 井:「でも、吹き抜けるのは汗にまみれた悪臭の風。(一同爆笑)」
コミケ(最終日)の朝はいつもハイテンション。(疲労と寝不足)
高 任:「ま、この天気のせいか割と涼しいですね。」
ラオウ:「多分朝の内だけと思うぞ。妙に蒸し暑くなったりしなければいいんだけど。」
吉 井:「しかし、何故にこんな朝早くに出発するんですか?個人的には、まだ眠ってる時間ですよ。」
ラオウ:「今日は『シスプリ』をはじめ、時間がいくらあっても足りませんからね。」
高 任:「おいおい、何気に『シスプリ』がメインなのか?(笑)」
ラオウ:「無論『シスプリ』だけじゃないけど。」
吉 井:「……男ですねえ。」
ラオウ:「漢(をとこ)?」
高 任:「否っ!断じて否……って、ラオウさん。何気なくリュックを2つ持っているのはどういうこと?(爆笑)」
ラオウ:「男として、最終日のリュック2つは、標準装備やないか!」
吉 井:「男ですねえ。」
高 任:「漢(をとこ)ですねえ。」
既に会場周辺の駅のホームには人が溢れかえっています。
吉 井:「朝っぱらから、ご苦労だねえ。」
高 任:「吉井さん、俺ら同類ッス。(笑)」
ラオウ:「むう、毎年毎年人が増えてるような気がするのは気のせいか?」
高 任:「多分気のせいじゃないと思うが。」
現地到着。
海が近いので潮の香りが……するわけねえ。(笑)
吹き渡る風にのって、あのむせかおるような汗まみれの体臭があたりに漂ってます。でも、小雨がぱらついているので、多少緩和されてました。(笑)
高 任:「朝早くに来たのに、『東の駐車場が一杯』ってどういうことじゃっ!(笑)」
ラオウ:「むう、今日の入場者数は初日の2倍と見た。」
吉 井:「男って悲しいですねえ。」
ラオウ:「ああっ、あの『断熱シートを背負った男』に見覚えが!」
高 任:「……ああ、初日にもいましたねえ。3日間野宿ですか?、せめて服ぐらい着替えろよ。(怒)」
ラオウ:「徹夜するなと言われてるのにねえ……漫画読んでる割には、想像力のない奴が多いなあ、まったく。」
吉 井:「耳が痛いですな。」
ラオウ:「(おそるおそる)……経験者?」
吉 井:「大学1年の時に1度……2度としませんっていうか、したくないって言うか。あれは怖いです。生半可な神経では耐えられんというか何というか。(笑)」
ラオウ:「何があったんですか一体?」
吉 井:「何というか……悪意の塊というか、人間の嫌な部分をむき出しにした連中が多いというか……」
高 任:「大学1年というと、晴海のC館に収容されたんですか?」
吉 井:「ういっす。館内放送で、『徹夜組の方々をこの館に収容するにあたって(ぴー)千万円の費用がかかってます。』とか流れるんですけど、その度に館内のあちこちから冷やかすような拍手とか、『そんなん知った事じゃない』とかの冷笑が響いてくるんですよ。あれは、本当にちょっと耐え難かったですよ。」
ラオウ:「……きっついなあ。」
注・晴海で開催されていた頃のお話。徹夜の人間を防犯上のため、C館へと収容してたらしいです。
ちなみに今は、徹夜は野放し状態。その規模は数千人に及ぶとも言われ、防犯上の問題からこのイベントは毎回綱渡りのように運営されてます。
ラオウ:「しかし、C館ですか。晴海の頃と言えば、『セラムン館』を思い出しますね。」
注・『セラムン館』:その名の通り、1館まるまるセーラームーン。あそこで地獄を見た高任の友人も多い。
吉 井:「(遠い目で)……戦場でしたね、あれは。」
ラオウ:「(遠い目で)……地獄でしたねえ…。」
高 任:「良かった、僕は興味が無くて。(笑)」
吉 井:「高任君は、違う戦場を駆け抜けてたでしょうに。」
ラオウ:「走ったらめーですからね。」
高 任:「走るスペースもないって。(爆笑)」
吉 井:「走るって言うと、去年の夏コミで開場と同時になだれ込んだ人間のせいで怪我人が出たとか言ってなかったですか?」
高 任:「売り子してたんで知りません。」
ラオウ:「いや、巻き込まれたのは売り子なんだが。(笑)」
高 任:「笑い事じゃないっての。まあ、走るなって言っても走るんだからどうしようもないな……。」
ラオウ:「初手から徹夜してるやつらだからなあ、注意しても守るわけないって。」
吉 井:「いやあ、走るか横に逃げるかしないと、押しつぶされそうになって危険なんですよ。」
ラオウ:「ああ、そういう側面もあるんですか。しかし、あの人津波は見ていてあんまり気分の良いものでもないのだが。」
高 任:「個人的には、某アイドルグループ系のコンサートの会場整理が一番怖かったですが。(笑)」
吉 井:「どんなの?」
高 任:「いやあ、女の子がみんな同じ方向を向いたままどどーっと押し寄せるんですよ。あれは凄い怖いです。」
ラオウ:「そりゃ、怖そうだ。でも、ここの人津波は男ばっかりだから、女性から見たらそのぐらいインパクトがあるんだろうなあ。」
高 任:「そういや、『走るな!』と言う言葉遣いがどうとか言う意見もあるしな。あれは工事現場と同じなんだけど、分からないんでしょうねえ。」
ラオウ:「走らないでください、とか言ってたら間に合わないからね。大声が出せて、短く簡潔に、が基本だし。」
吉 井:「丁寧語では、大声が出せないし。でも、女性って妙に人混みを歩くのに適していない靴を履いている人が多くないですか?」
ラオウ:「まあ、おしゃれする気持ちも分からないでもないが、運動靴が無難だと思うけどなあ。」
高任もそう思います。
吉 井:「しかし…後から後からとぎれることなく人がやってきますねえ。(笑)」
ラオウ:「そういや、この冬から駐車場が狭くなるとか聞いたが、その分の人数はどこに持っていくんだろう?この3日の内1日ぐらいは試験的な運用をすると思っていたのだが?」
吉 井:「東の駐車場が一杯ってのは、スペースを削ったことを想定してたのか?」
高 任:「それとも、またぶっつけ本番か。こっちの方である程度想像して対策ねっとかんとな。どうせ連絡がいき届かんだろうから。」
ラオウ:「真面目だねえ、高任さんは。」
数時間経過。
吉 井:「高任君。」
高 任:「なんです?」
吉 井:「むっちゃ暇。(笑)」
高 任:「じゃあ、これから制作予定の同人誌のプロットでも語り合いますか?」
ラオウ:「人前でそれはやめてくれ。(笑)」
高 任:「今、ここに並んでいる人間で、周りの会話に耳を傾ける人間はほとんどいないと思うが。(笑)」
ラオウ:「そりゃそうだろうが、やはり人前で話す事じゃない。うるさくするのは、やっぱりマナー悪いぞ。」
高 任:「これだけの人数が集まってひっそりとしてたら、そっちの方が怖いです。(笑)」
ラオウ:「まあな。」
吉 井:「『がんぱれ』で申し込むか、『ギャルゲー』で申し込むかを話すぐらいは許されるでしょう。」
ラオウ:「締め切りは?」
高 任:「水曜日。」
ラオウ:「……なるほど。しかし、何で申し込むかっていっても…あんたら二人は『ときメモ』・『TLS』・『がんぱれ』の3択と違うの?」
吉 井:「いや、ラオウさんが頑張れば、『シスプリ』という4つ目の選択が。(爆笑)」
ラオウ:「……他を当たってください。俺はゲスト以上に表に出るつもりはないです。」
高 任:「そういや、吉井さん。今日の予定は?」
吉 井:「多分、連れとうちあげに行くというかたちになるかと。」
ラオウ:「何故そこまで制服にこだわります?(笑)」
吉 井:「日本人はまず形から入ると言うじゃないですか?(爆笑)」
高 任:「何の形ですか、何の?」
吉 井:「……って、なんで制服限定なんですか?普通の飲み屋に行く可能性が高いですけど?」
ラオウ:「胸に手を当てて考えてみましょう。(笑)」
吉 井:「全く心当たりがありませんが?(笑)」
高 任:「……対談が全く進まない。ミーティングはともかく、夏企画のコミケレポートすらネタが少なくて少なくて、ついフィクションを作ってしまおうかという悪魔の誘惑が僕に囁いてくる。(笑)」
ラオウ:「どのみち高任さんの記憶頼りなんだから、俺の記憶ではこうだあっ!と居直ってしまうのはどうでしょう?(爆笑)」
吉 井:「それ、レポート違う、妄想。(笑)」
開場、入場
ラオウ:「じゃ、いつもの場所で3時に。」
高 任:「ラジャー!」
吉 井:「え、いつもの場所って?」
と、吉井さんが言ったかどうかはともかく、つい吉井さんのことを忘れていたり。(笑)
ああ、この人混みと熱気がコミケだねと思ったり思わなかったり。
知り合いの所に挨拶に言ったら、『トイレ行くから店番頼む!』とか言われて、20分も待たされたり(小脇に抱えた本は何だ!)、ときメモのスペースが寂しい限りだったり、『シスプリ』のスペース前の通路が修羅の道になってたり、気が付くと周りのことが見えていないエンドレスファイターになってたり、何故かどこかのサークル内で吉井さんが売り子をやっているのを見つけてしまったり、ラオウさんが大荷物を抱えて列に並んでいるのを発見したり、楽しいね、ああ楽しいねえ、まったくだねえ、と終わりが近いことをほのめかしたりしていつもの場所へ向かったり。
その間における、高任の断片的な記憶。
高 任:「何で、二階堂の同人誌がみつからんのじゃあっ!」
高 任:「『シスプリ』の18禁って倫理コードに二重に接触してないか?」
高 任:「『フォークソング』の同人誌みっけ!(笑)」
とかなんとか。でも、二階堂の同人誌が出てないなら、自分たちで作るしかないと決心したり。(笑)
瀕死連合の冬コミ申し込みはTLSシリーズで。(笑)
例の場所。2時40分。
高 任:「300の同人誌を狩るのだ!」
ラオウ:「300冊も買えるか!」
何故か周りの注目を浴びてしまったり。
ラオウ:「そう言うアンタはどうよ。」
高 任:「まあ、妹の人数3周目プレイに突入ってとこか。(笑)」
我ながら数の例え方、趣味悪すぎ。(笑)
ちなみに、妹の人数は12。3周目プレイに突入ってのは大体30冊ぐらいかなと言う意味合いで使ったんですが、ラオウさん何故か理解してるし。(笑)
で、しばらくして。
ラオウ:「ところでさあ、吉井さんってこの場所知ってるの?」
高 任:「偶然出会ったから、教えておいた。」
とか、爆弾発言があったりなかったり。(笑)
ラオウ:「……で、吉井さんは今日で帰るの?」
高 任:「一旦家に戻って、それから打ち上げに行くとのことでしたが…」
ラオウ:「つまり、対談は出来ないわけだね。」
高 任:「早い話がそうかもしれない。(笑)」
ラオウさん、両手に持ったリュックを担ぎ上げ、白い歯を見せました。
ラオウ:「じゃ、俺もう一度『シスプリ』まわってくるわ。混雑してたから全部見てないし。」
高 任:「アンタ、男だよ!……って帰ってこないつもり?(笑)」
ラオウ:「ああ、今日は直接家に帰るわ。」
ラオウさんが立ち去ってから、10分後。
吉井さんがその場にやってきました。
吉 井:「おや、ラオウさんはまだですか?」
高 任:「(かくかくしかじか)……そして、ラオウさんは笑って戦場に帰っていきましたよ。(爆笑)」
吉 井:「男の中の男ですねえ。」
高 任:「エンドレスファイターとは、ここまで過酷な生き方が求められるものなのか?と言うわけで、我々は帰りましょう。(笑)」
吉 井:「エンドレスファイターを目指さないんですか?」
高 任:「一応目に付いたのは買いましたし。」
そして、吉井さんと二人で家に帰りました。
吉 井:「高任君、頑張れ。僕は後50分経てば打ち上げに行かなければ。」
高 任:「また、きっついスケジュールですなあ。」
などと、吉井さんにせかされながらこのレポートの3日目を仕上げていたわけですから、まったく人生って奴は油断がなりません。
こんなんで、まともな対談が書けるかっ、ゴルアァァァァッ!(笑)
などと叫んでみたいところですが、泣き言を言う前に手を動かせという会社員時代に叩き込まれた習性に従って何とか間に合いそうです。
個人的にはときメモに活気が無いのを寂しく感じてしまったりしました。それと、TLSが活気無さすぎ。
まがりなりも、ときメモと違ってこの春に新作が出たというのにこの盛り下がり様はなんでしょう?しかも、二階堂、二階堂がいないよ!(見落としただけかも知れないが)
いかん、これではいかん!
この活気のないギャルゲーに眼鏡娘の息吹を吹き込まずして何になる。こんなことではろくな大人になれません!
既に、ろくな大人じゃないという痛いツッコミは不許可です。
友人に誘われるまま『眼鏡娘』ジャンルに参入した方がいいのかなあ?と思ったりもしたんですが、冬コミはTLSシリーズで申し込みます。決めました、ええ、決めましたとも。二階堂をはじめとして報われない眼鏡娘に参入です。(笑)
しかし、コミケに興味のない方にはわけわかんない対談ですよね。まあ、これ読んでコミケに興味を覚えた人(笑)は、是非とも注意事項を守る参加者になって下さいね。
注意事項を守るということは、ひいてはコミケを守ると言うことですし。
長々と対談やらレポートやら良くわからない文章におつき合いいただき、ありがとうございました。
……吉井さんが、何か呆れてます。どうやら、真剣に間に合うとは思ってなかったようです。(笑)
では、冬コミでお会いしたいですね。
2001年 8月12日。(日) 高任 斎によって記す。
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