・・・?
 彼に声をかけようとしてそれを思いとどまった。
 彼の視線の先には壬生屋さんがいる。
「ふふふ・・彼ったら純なふりして・・・そうだったのね・・。」
 私は彼の腕を抱きかかえるようにしてつかまる。
「うふふふ・・速水君。巫女さんの衣装なら完全オーダーメイドで79800円よ。でも意外だわ、あなたにそんなマニアックな趣味があったなんて・・。」
 彼の耳たぶをくすぐるようにして私が囁くと、彼は顔を真っ赤にして激しく首を左右に振った。
「ち、違うよ!僕はただ・・・そう壬生屋さん、僕は壬生屋さんを見ていただけなんだ!」
 ぷす。
 彼の身体から血液とともに力が失われていく。
 まるで子供のように、私の胸の中で丸く、小さくなっていく彼の身体をしっかりと抱きかかえた。
「・・・馬鹿ね・・・あんなに裏切らないでって言ったのに・・・。」
「・・・それは誤解だよ、原さん。」
 
                 第二話完
 
 『巫女さんプレイは衣装だけ用意したらいいんとちゃうねん!』(笑)
 ・・・そうなんですか?
 『肌を重ねることによって巫女たる資格を失うという悲壮感が云々・・・』(以下一時間の説明略)
 ・・・というわけなので巫女さんプレイはとても奥が深いそうです。

熊本市立図書館に戻る / 次の章へ→