だきっ。
「うあっ。」
 ・・・予想に反して焼け付くような痛みがいつまでたってもやってこない。その代わりに何とも言えない良い香りが微かに鼻をくすぐった。
「フフ・・どうしたんでスか?身体をこんなに固くさせて・・・やっぱり後ろから抱きつかれるよりも前から抱きつかれる方が愛、ありまスか?」
 特徴的な喋り方に、僕は慌てて身体の力を抜いて肩越しにそちらを振り向いた。
「よ、ヨーコさんだったの・・・?いや、身体の細胞の隅々まで後ろから抱きつかれることに対しての嫌な想い出がね・・・」
「・・変な速水サん・・あっ?」
 ぷす。
「そうね・・・たまには前から刺してみるのも新鮮で良いかもしれないわね・・」
「・・・・どっちも嫌です。」
 寸分の狂いもなく、僕の肝臓を刺し貫いた原さんの顔を見ながら、僕はそう呟いた。
 
                  第10話完
 
 
 とりあえずこんなところかな?
 100連発ぐらいやってみようかと思ったんですが、まず10本。興味があるなら掲示板にでも書き込んでください。
 

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