校舎外れに佇む1人の少女と一匹の猫。
遠くから眺めるとそれなりに絵になる光景であった。
だが猫はというと体長1メートルを超える化け物猫であり、少女は少女で腕組みをしてじっとその猫を見つめているだけである。
ちなみに猫の名前はブータといい、少女の名前は舞といった。
やがて、ひなたぼっこする場所でも探そうというのか、ブータがのそりとその体を持ち上げた。その瞬間、舞はブータをじっと見つめていたままの表情で口を開いた。
「・・・待て、話がある。」
「にゃ?」
不思議そうに舞を振り返るブータ。と、いうのはこれが二人にとってのファーストコンタクトだったから。
「・・・おぬし、太っているな。痩せろ!」
「ニャアアアアッ!(その提案は拒否させてもらう)」
毛を逆立てたブータをすかさず背後から萌が捕まえる。激しく暴れようとしたが猫というのはしょせん悲しい生き物。
首の後ろをつかまれたブータは反射的にその抵抗をやめてしまった。
「ふん、おぬしもこの部隊の一員というならそれなりの心構えを見せてもらわねばな。」
「・・・痩せた方が・・・かわいいわ。」
「にゃっ!にゃっ!にゃあああああっ!(拒否する!拒否する!断固拒否するぞ!)」
大地に刻まれた戦闘の爪痕を覆うように、息もつまるほどに降り積もる桜の花びら。
そんなのどかな熊本の春の息吹をブータの悲しげな悲鳴がぶちこわしていきましたとさ。
めでたしめでたし。
「にゃううっ、ニャアアアアッ!(めでたくないわっ!)」
完
ブータ。(笑)
ちなみに元ネタはラオウさんです、感謝感謝。
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