こうなると、どんどん深みにはまっていきます。
本人は、飲酒→失敗→不安→自責→忘れるために飲酒、家族は、責める気持ちと許したい気持ちの狭間で葛藤します。本人の飲酒が
ひどくいなるほどに葛藤の振幅も大きくなり、なによりも生活のリズムが完全にくるってしまいます。ついには、なんのために飲むの
かも分からず飲み続けて、酒が生活すべてを支配するようになります。
酒害とは
お酒の飲みすぎで、、家族・その他の人々に迷惑をかけることです。
以前は「アル中」というと、仕事もせず昼間から酒におぼれ、なりふり構わずどこにでも寝てしまう… そんなイメージでした。それは、本人がだらしないためであって、原因は本人の人格にあるとされてました。近来になって、酒害(酒が本人と周囲に及ぼす害)が主婦層や青少年にも広がるようになって、捉え方も変わってきました。
酒が入るとコントロールをなくし自分の力では止められなくなる。そういう病気として考えられるようになり、名前も「アル中」から「アルコール依存症」に変わりました。
この病気のやっかいなのは、本人の身体・社会的立場など破壊していくだけでなく、家族も巻き込んで、人間関係の病気も作ってしまうことです。たとえば、自分は昨夜また酔っぱらってしまい何を言ったかしたか覚えてない。家族は白い眼で見ているような気がする。聞いてみるのも怖いし恥ずかしい… 「よし、今夜は飲むまい!」としばらくは思っているが、夕方ともなると不安な気持ちを忘れるために、また飲んでしまう。そして前後不覚。眼が覚めると口から血が出ていた。今度は何をしたんだろう!