旅の初日・いざ東西文明の十字路アナトリアの大地トルコ周遊の旅へ、出立編

東西文明の十字路、トルコ旅行記・旅の初日

 世界自然遺産カッパドキア

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旅の初日、早朝の出立

出発前日の眠れぬ夜

 古代ギリシャ、ローマ文明の華が開き古代遺跡の宝庫として、さらには世界自然遺産で奇岩が林立することで知られた「カッパドキア」などを有するエキゾチックな国「トルコ」を周遊する旅へ出立する朝が来た。
     アジアとヨーロッパ、東西文明の交差点トルコ・旅行コース概略図

 
 昨夜は所属するNPO法人組織の交流会(宴会)に参加したのだが、早朝の出立に備え途中で切り上げ、早めに帰宅して眠りに着いたのであった。何しろ朝一番の7時15分までに千歳空港ロビーの集合場所まで行かねばならぬことになっている。集合時間に間に合わせるためには午前4時過ぎには起床せねばならぬのだ。心地よい酔いと共にベットインしたのだが3時間ほどの眠りで目が覚めてしまった。トイレを済ませ、再び眠ろうとするのだが、旅のあれこが脳裏に浮かび眠りに入ることができなくなってしまった。  
 今回「札幌シニアネット」会員仲間との旅を、企画から参加者募集まで担当し、世話役的な立場で旅に参加する私にとって、20名の旅仲間みんなに感動を与え、楽しかった!参加して良かった!と言ってもらいたいという思いがつのる。
 さらには手作りの旅らしく旅先での名物料理や宴会手配のタイミングなど、旅先でやろうとしていることが次から次へと脳裏に浮かんでは消える。まずい!これでは寝不足で身体が持たぬ!今日は成田〜イスタンブール〜アンカラと3回も航空機を乗り継ぎ、飛行時間だけで15時間も移動しなければならぬのだ。
 眠らねばと焦っているうちにとうとう起床時間の午前4時過ぎになってしまった。身支度を整えると女房が運転する車で、千歳空港行きのシャトルバスが出る大谷地バスターミナルまで送ってもらうことにした。 

千歳空港〜成田空港へ

 持ち物は背負ったリュックだけの身軽ないでたちである。旅行トランクは旅行会社の無料託送サービスを利用して、すでに成田空港に送ってあるのだ。楽なものである。
 バスターミナルに来る途中、コンビニで買った朝食のおにぎりを車内でパクついているうちに、早いもので30分少々で千歳空港に着いてしまった。 早朝の千歳空港に集合した

 集合場所の成田空港行きの全日空搭乗手続きカウンター前には、すでに大半の仲間が集合しており定刻の7時15分には20名全員が元気な顔を揃えた。新型インフルエンザが流行しているので心配だったが、まずは一安心だ。
 その場で今日の移動スケジュールを確認するや、朝一番7時50分発成田空港行きANAへの搭乗開始となった。

成田空港にて

  成田空港に到着すると案の定、外は雨が降っている。なにが案の定というと、私は強力パワーの雨男なのである。旅に出ると必ずといってよいほど90%以上の確立で雨が降るのである。何と!今回もやっぱり雨でスタートではないか!まぁ今日は航空機移動で外に出ることはないが・・・
 事前に託送し預けてあったトランクケースをいったんを受け取り、搭乗手続きは自分ですることになった。機内持ち込みのセキュリティー検査が厳しく、特に液体類は化粧水、練り歯磨き、にいたるまで持ち込めないとのことで、再度機内持ち込み手荷物からトランクケースに移し替えている人もいる。
日本出国を前に全員で記念写真

 やがて全員無事に出国手続きを終え、トルコ航空12時50分発イスタンブール行き搭乗券を手にすると搭乗ゲート付近に移動し、全員で出立記念写真をとることにした。あとは搭乗開始まで各自自由行動である。
 私はズラっと並んだ免税売店をぐるり一巡すると缶ビールを買い搭乗ゲートの待合コーナーに行った。まだ旅仲間のほとんどが来ていない。
一人寂しく椅子に座って缶ビールを飲んでいると、旅仲間の女性の一人が近づいてきて「佐藤さん!みんなこの先のレストランにおりますよ!」と言う。
成田での搭乗待ちのひと時レストランで飲み始める

 時間はちょうど昼時である。搭乗するとすぐ機内サービスでランチが出るはずだがと思いつつ、私もそのレストランに行き入口から中を覗き込むと何と!皆ビールのジョッキを片手に談笑しているではないか!
 私の飲み仲間のj氏やO氏もいる。少々頭にきた!私が目を離している隙にもう飲み始めている。仲間はずれである、ひどいではないか! 私もあわてて中に入っていくと、皆が一斉に「お先にやってま〜す!」と声を出す。みんな若い、飲兵衛だ!

いざイスタンブールへむけて

トルコ航空機の客室乗務員

 50分遅れの13時40分に成田を離陸した。この搭乗機は全日空とトルコ航空の共同運航便なのだが機体も客室乗務員も全てトルコ側となっている。イスタンブール行きトルコ航空の機内

 ほぼ満席に近く、乗客も80%以上が日本人である。それなのに10名ほどいる女性客室乗務員(スチュアーデス)は全員目のぱっちりした彫の深い顔立ちのトルコ人だかりで、共同運航している全日空側からは一人の日本人客室乗務員もみかけない。イスラム国なので女性乗務員はスカーフで頭部を隠しているのかと思っていたが、全員普通の顔出しスタイルである。
 トルコは政教分離を国是としており、公の場ではイスラム色は出さないようにしていると噂に聞いたが本当のようだ。
  
 私の座席は窓側2座席シートの通路側で真後ろがトイレの位置である。 しかし、満席に近いのに、ありがたいことになぜか私だけ隣座席が空きシートになっているではないか。これなら13時間近くの窮屈な姿勢からちょっとは解放されると喜んだのだが、これが後になってとんでもない席だった。
 サービスグッズ,靴下、アイマスク、歯ブラシなど
離陸して間もなく客室乗務員が乗客全員にサービス用の黒っぽいポーチ(アメニティグッズ)を配りだした。会釈も挨拶もなく感情を殺した無表情な顔だ。ただなのだから黙って受け取れというような態度で事務的に配っている。
日本の客室乗務員の笑顔や会釈の接客サービスに慣れている私達にとって、このトルコ航空の接客サービスには違和感を覚えるばかりだ。国を代表する国際線のサービス業なのに、無表情で会釈のない顔をするよう接客教育をうけているのだろうか・・・・

無表情な客室乗務員

トルコ航空の機内サービスが始まった
 私は腕時計と機内に持ち込んだデジカメの時刻を訂正することにした。本来トルコとの時差は7時間だが、10月はサマータイム実施中ということで1時間マイナスして6時間の時差訂正をした。
 グッズの配布が終えると飲料サービスが始まった。これまたワゴンカートを押しながら無表情で、乗客に早口の英語で飲み物を聞いて歩く。何とも面白くない!乗客の大半が日本人なのだから片言でも日本語で挨拶してほしいものだと思うのだが、彼女達の口からは一切日本語は出てこない。
 機内の乗り込むと座席の背に付いている液晶画面を操作して映画でも見ようとしたが、操作説明がこれまた英語表示でほとんどわからない。見れば、ほかの座席でも私と同様、皆あれこれ画面操作が分からず苦戦しているではないか。 自慢じゃないが私はからっきし英語が苦手で、英語を聞くと緊張する特異体質で、少々不愉快になった。

機内飲食サービス

 私の席えワゴンカートが来た!仕方なく私は苦手な英語でぎこちなく言った!「ビヤ&ホワイトワイン!プリーズ!」、ドキドキした!何とか通じたようだ。無料サービスである。遠慮なんてする必要ないのだ。飲まねば損だ!生来のいやしさが出て、一度にビールとワインの両方を注文した。これから12時間、サービス飲料ワゴン車が通るたびに、何度もお代りをするのだ。そして酔っぱらって寝るのだ。機内食(ランチ)

 引き続きランチサービスとなった。メニューは2種類(フィッシュとパスタ)で私はフィッシュを注文した。サフラン米飯にタラのムネエルでランチとしては可もなし不可もなしといったところだ。

 この機内食サービスで不思議な光景を見た。まばらに乗っている欧米人風の顔立ちの乗客の中でトルコ人らしき乗客が、私の斜め前方の中央4座席に座っている。そのトルコ人らしき4人に配られる機内食が、私達に比べ1.5倍ぐらいの大きな容器で、中にはまるっきり違った具材が入っているのだ。
 一瞬、自国民だけ豪華ランチで差別待遇か?と思ったが、イスラム教徒は食べ物に厳しい制約があると聞いたことを思い出した。きっとイスラム教徒はその旨告げ特別食を事前予約してあったに違いない。それにしてもこの弁当の大きさの違いは何だ!

うるさくて眠ることができない!

 1回目の機内サービスも終わり飲食もひと段落するころになると、私の座席位置がとんでもない場所ということが分かった。座席の真後ろ背中側にトイレがあり、用を足す人たちが入れ替わり立ち代りやってくるのである。
 心地よい酔いと満腹感で、うとうと眠りに入ろうとするのだが何と!バタン、ガチャというトイレドアの閉鎖音と、ゴォーという排水音がひっきりなしに頭の後ろから聞こえてきて眠れないのである。 
 それにしても私側のトイレだけ並ぶ人が多すぎる。私側の通路座席にだけトイレが近くなったシニア年代が集中しているのか??

最終地アンカラのホテルに着いた

最終地アンカラのホテルに着いた!明日の確認
 こんな調子でほとんど眠れぬまま13時間近くの飛行時間が過ぎ、現地時間19時50分にイスタンブール空港に着いた。
 長い列の入国審査を終え到着ロビーに出ると、トルコ滞在中私達に同行してくれる女性ガイドのラナさんが出迎えてくれた。
 再び今日の最終目的地首都アンカラに飛ぶべく、乗り継ぎ国内線ターミナルへの長い通路を歩き出した。途中でトルコリラへの両替をすませると、再び国内線に乗り込んだ。1時間ほどのフライトでアンカラ空港に着くと、バスに乗り換え更に1時間、やっと今日の宿泊ホテルに着いた。なかなか高級感が漂うホテルだ。

 時刻はすでに23時になっている。日本ではすでに明け方の5時ごろだ。
 今日は3回の航空機を乗り換え、飛行時間だけでも都合15時間もの長い旅がやっと終わった。宿泊手続き中、ロビーに待機している旅仲間もさすがに疲労感が表情に出ている。
 明日からは本格的な観光がはじまるのだが、かなり強行軍である。アンカラ市内観光後カッパドキアまで長距離バス移動しなければならぬのだ。そんなわけで部屋に入ってもすぐ寝るわけに行かない。明日の出立に備え、トランクスースとリュックの詰め替えをしなければばならぬ。何時に寝ることができるやら・・・・
        旅の初日・いざ東西文明の交差点トルコ周遊の旅へ、出立編 終わり        

      旅の2日目 アンカラ〜世界遺産奇岩が林立するカッパドキア編へ 続く