三国志街道を行く



田舎都市「広元」の街散策

 今日の広元市郊外観光は早めに終わり、午後3時ごろには広元市内のホテルに戻った。19時からの夕食まで時間がたっぷりあるので、O・M両氏と3人揃って、市内の繁華街へ歩きながら探検を兼ねショッピングに行こうということになった。

 田舎都市といえども、このエリア農村人口360万人を抱える県の中心都市である。
 ホテルを出て繁華街の方面に向かって歩いて行くと、道の両脇には6畳一間ぐらいの売り場面積の商店街が切れ目なく続いている。その中でも食堂が圧倒的に多い、道路に面して壁やドアが無い露店に近いような店ばかりなので店内が丸見えである。客が何を食べているか歩きながらでもよく見える!

 メニューの大半は、どんぶりにゆでた麺(うどん)を入れ、その上からスープをかけたもので、スープを客の好みに合わせて、牛肉・鶏肉・豚・内臓・野菜等の具材で変化をつけメニューの種類を作っている。値段はどんぶり一杯0.5元(7円)から一番高いもので5元(70円)ぐらいで、庶民が気楽に食べることのできる値段だ! 自由市場が見えてきたのでその中に入り、ぶらつきながら狭い道を通り抜けると、突然目の前に専門店街とスーパーが入った寄り合いデパートが出現した!

田舎都市のスーパーマーケット

 早速、デパート地下のスーパーマーケットに入ろうとすると、レジの女性が「通せんぼ」をするではないか! 私達に向かって大きい声で早口で何か言っている!意味が分からず聞き取れなかったので無視して店内に入ろうとすると、また手を広げ入ったらダメだと言う!何故だ!おかしい?
 私が少々頭に来て「なぜ入ったらダメなのか?営業中ではないか!」と言うと、レジの彼女は、私の中国語のアクセントから外国人だと気が付いたようで、言葉使いを改めると私達が身につけているショルダーバックやポーチを指差して言った、「バック類を身につけて店内に入ることはできない!」「あちらに荷物を預ける所があるのでそこに荷物を預け入店して下さい」!と言うではないか。

 こう言われて私は思い出した!過去の旅行でも何回か入店阻止をされたことを!中国ではスーパーが普及し始めたばかりで万引きが多く、荷物やバック類を持って店内に入れない仕組みなのだ!
 更に店内の各通路には万引き防止監視員が張り付き、客の後ろを行ったり来たりしながら監視するので、それに慣れるまでは落ち着いて買い物できる雰囲気でない。

スーパーの物価

 中国のスーパーマーケットは日本と違い、生鮮食品はあまり無い(生鮮食品は市場で買う)、品揃えの中心は加工食品・菓子・日用品である、さっそく私達は当面必要な物の買い出しを始めた。
M氏が保管していたレシートや・私のメモ帳によると、スーパーでの値段は下記のとおりだった。
      私達がスーパーで買った物 (    )内は日本円換算
 赤ワイン720ml 1本 8元(108円)  ピーナッツ 1袋  1.5元(20円)   缶ビール(350ml) 2元(27円) 洗濯粉洗剤 200g 1.5元(20円)   アルコール度数60度の中国酒 480ml  5元(68円)

        買わなかったが価格が気になった商品
 白米 1kg  2.5元〜6元(33円〜80円) クリームパン 0.5元(7円) 
 カップラーメン 2元(27円)   瓶 ビール 大瓶  2元(27円)

          街角の露店で買った物
 ぶどう(巨峰) 200g 2元(27円)  紳士靴下(綿100%) 2元(27円)
 りんご(富士) 500g 4元(54円)  お好み焼き 1枚  0.5元(7円)  

 それにしても、毎回中国に来て思うのだが、物価がめちゃ安い!日本との物価の違いがここまであると、日本の給料をもらい中国で生活すると、間違いなく殿様生活ができる。
 スーパーを出てブラブラしてると街頭に屋台が出ている。そこでお好み焼きを食べてみたが、何とも異様な味でメチャ不味い! オバチャンが食べるのをじっと見ているので吐き出すわけにもいかず、我慢して呑み込んだ。

値切り交渉に店主悲鳴を上げる!

さらに繁華街を散策していると衣料品の専門店街が出現した、これを見てOM両氏が、暑い日がつづき着替えのポロシャツが不足してきたので、ポロシャツを買いたいと言い出した!
 店に入ると結構日本と変わらないおしゃれなポロシャツが特売中である、まずO氏が元値600元の表示で特売売価200元(2800円)の値札が付いたシャツが気に入りそれを買いたいと言う!
 O氏が買おうとしているのは、すでに三分の一まで値下げした見切り処分価格品である!
 この値下げ特売品を、O氏が気の弱い内気な私に向って、中国語通訳で店側と更に値下げ交渉せよと言い出した!しかたないので、店主に向って私が言った!「私達貧乏人だ!中国旅行の為に金を使い果たし、あまりお金持っていない!」「でもどうしてもこのシャツが気に入って買いたいので安くしてほしい」!
 すると店主、「これ特売で、すでに安くなっている!しかたない180元にしてやる!」私、首を横にふる! 店主、「150元にする、ぎりぎりだ商売にならないヨ!」とボヤく!
 私がO氏に向って「150元まで下がった!かわいそうだ、もういいでしょう」!と聞くと、O氏、非情にもダメだ佐藤さん、もう一声交渉せよと言う、しかたないので店主に向き直り無理だと思いつつ、どのように交渉するか考えていると、店主がO氏と私のやりとりを雰囲気で察したのか、大声で「130元にしてやる、これでイヤなら買わなくていい!」私、思わず気迫に負け「買います!」と言った!

 結局O氏が買ったワンポイント付きポロシャツは、綿60%絹40%で元値600元のブランド品を130元(1820円)で買ったのだった。
 このあとM氏さらに私とそれぞれ別な紳士洋品店に入り、同様な値切り交渉でポロシャツを買った。
M氏が元値480元表示を 値下げ交渉60元(800円)で交渉成立、買い上げ。 
私が元値388元表示を値下げ交渉50元(670円)で交渉成立、買い上げ。
しかし、中国では定価というものがどうなっているのだ!まともに買うことができぬではないか!どの店に入っても値切り交渉せねばならぬ。まともに買ったら大損ではないか!
 その後、私はホテルに戻ったが、OM両氏は更に三輪自転車タクシーで街を一周すると言う!私が言葉が通じないのに大丈夫か?と聞いたが、両氏は何とかなると言いいながら三輪車タクシーの方へ二人歩いて行った。すごい行動力だ!シニア年代とは思えない。                      

その7へつづく