三国志街道を行く



夕食の席で自己紹介 

ホテルにチェックイン後、今日の夕食は19時半からホテルのレストランで、この旅の参加者全員が自己紹介をしながら食事することになっている。 O氏とM氏はチェックイン後、夕食まで1時間あると言いながら、二人揃って夕闇せまる綿陽の街を散歩すると言い消えて行った、すばらしい体力と行動力だ!
 夕食会場でまたしても暖かいビールを飲みながら会食が始まった。参加者それぞれの自己紹介に盛り上がる。自己紹介を聞いていると、参加者の大半が海外旅行経験が豊富な人ばかりである!
宴会の席で自己紹介

宴もたけなわ、今日の昼、M氏が成都のヨーカ堂で買ったアルコール度数60度の中国酒の白酒(日本円67円の酒)を飲むため、ミニグラスで回し飲みしをした。これが安酒にしては結構うまい、O氏少々酔いが回ったのか?手を滑らせテーブル上のミニグラスを床に落とし割ってしまった!
 小姐が来て割れたグラスの後片付け後も宴会が続き、やがてお開きとなり各自が部屋に戻ろうと席を立ったとき、ボーイがO氏のところに来て中国語でO氏に何か話している、O氏はボーイが何を言っているか分からずきょとんとしている。
 私がそばに行きボーイの話を聞くと、さきほどO氏が割ったミニグラスの代金を弁償しろと言っている!いくらだと聞くと5元(67円)だと言う、それを聞いて唖然としたが結局罰金を払うことに!何か釈然としない表情でO氏がブツブツ言っている。

怪しげなマッサージ店へ

 いったん部屋に戻ったのだがまだ寝るのは早いので、心地よい酔いも手伝い3人揃ってマッサージに行こうという事になった。ホテル内にもマッサージ店はあるが料金が高いので、街中のマッサージ店を探しに夜の街へくり出すことにした。
 しばらく歩くと店頭に若い女の子が4〜5人たむろしている美容室がある、店頭の窓ガラスに美容・美髪・洗顔・足浴・按摩と書いてある。 さっそく片言中国語で親分格の女性に聞いてみる、私「按摩できるか?」彼女答え「できる」、私「幾らだ?」、彼女「40元(日本円540円)だ!高くないよ!」 私「時間は?」彼女「70分位だ!」 店内を覗くと客は一人りもいない、奥のほうに個室があるようでピンク色の照明が漏れてくる、あやしい雰囲気だ!少し不安な気持ちになり彼女に確認する!私「真面目な按摩か?」、彼女「真面目だ」、私「私達は本当に真面目な按摩をしたい!」 彼女「本当の按摩してあげる!」

 私は後ろを振り向きO氏・M氏に訊ねた。「真面目な按摩で一人40元と言っている、料金は安い、どうする?」すると二人が顔を見合わせ、すかさず言った!「やる、やる!GOだ!」。
 私が彼女にOKサインを出すと、奥の個室に案内された、薄いベニヤ板の間仕切りで入り口はカーテンで部屋の中の声は筒抜けである。 室内を覗くとドキッとした!ベットでない!床にWの布団が敷いてあるではないか!我々3人顔を見合せた、私が言った「ヤバイ!どうも危ない雰囲気だけど、どうする?」 OM両氏とも困惑の表情をしている。
 若い按摩嬢(20歳ぐらい)に向かって、私が言った!「やっぱりやめた!帰る」 按摩嬢「なぜだ?」 私「一人用寝台できちんとした真面目な按摩が出来ないのなら帰る!」 按摩嬢3人がちょっと待てと言い、わぁわぁと早口で何かしゃべりだした。

ここまで来たらヤルしかない!

 私の中国語レベルでは、彼女達の言葉は方言が強く、しかも早口なので、何を言っているのか聞き取れない、その内、店頭で交渉した親分格の女性が来ると、私達をまた別な部屋に我々を案内した。
 彼女いわく、「この室ではどうかと」?言い、カーテンをめくる、今度の部屋は一人用寝台でW布団もない、少し健全な感じがしてきた。 私が後ろからついてきたOM両氏に「どうする?」二人が言った!「少しやばいけどここまで来たらヤルしかない!」「佐藤さんはどうする?」 私「かなり危ないけど、冒険だ!思い切ってやりましょう!」各自が個室に入った。

 按摩嬢がベットに仰向けに寝ろと言う!身体の上を撫で回し始めた、揉むのではなく手のひらで擦るように撫でるのである。どうも按摩をされている感じがしない!
 通路の向こう側のOM両氏の個室から、両氏が按摩嬢から中国語で何か言われ、ぼそぼそ話している、二人は中国が話せないのに何を話しているのか? すると二人の大きな日本語の叫び声が聞こえてきた!「そこはやめろ!」「ちがう!」とか「ちゃんとヤレ!」とか「駄目だ!さわるな!」とか日本語で大声でわめいている。 日本語で叫んでも按摩嬢に通じるわけないのに!

 私の担当の按摩嬢は、按摩そっちのけで私に質問攻めをしてくる、彼女いわく「どこの国から来た?」「日本人は中国語話せるのか?」「これからどこに行く」「どこに泊っている?」 初めて日本人を見た!と言いいながら、さまざまな質問をしてくる、
 私がいちいち質問に答えてやると、この按摩嬢、他の部屋にいる同僚の按摩嬢に、大声で私との会話の内容を伝えて、わぁわぁやっている。 その間、按摩嬢ほとんど手は休めたままである、そのうち私に対し、何と!「泊っているホテルに訪ねて行ってもいいか」?と聞いてくるではないか!何と!「ホテルの部屋でゆっくり按摩をしてあげる!」と言い出した!

 私は愛妻家で恐妻家でもある、間髪いれず私は按摩嬢に言った!中国語でだ!「我愛愛人、愛得死去活来」!日本語訳は「俺は妻を死ぬほど愛してる」!!この旅行記を妻が読んだら腰を抜かすようなことを平気で言った!!
こうして、少し物足りないような三日目の夜が何事も無く過ぎた。                                                  

その4へつづく