桜の名所100選にも選ばれている伊奈路の高遠城址公園の北1kmほどの所に隠れた桜の名所がある。それは勝間の里の山裾の斜面に建っている小さな薬師堂で、ここに樹齢130年のシダレ桜の大木がある。その他数本のシダレ桜に包まれ、遠くから見ると花雲が湧いているようだ。地元の人たちは勝間薬師堂のシダレ桜と呼んでいる。
戦国時代に武田氏によって築かれ、伊奈谷の要所だった高遠城。現在、城址公園は長野きっての桜の名所となり、桜の名所100選にも選ばれている。旧藩士が明治8年に移植した城址の桜は、いまや1500本余り。高遠コヒガンザクラというこぶりで、花色が濃い可憐な変種の桜が次々と咲き、満開になると花景色は「天下第一の桜」となる。
木曾駒ガ岳のふもとにある光前寺は、武田家、徳川家の保護を受け、江戸時代には10万石の大名格を与えられた大寺。十余棟の塔堂がたたずむ境内全域は庭園として国の名勝に指定されている。静寂な境内には多種類の桜が植えられ、4月になるとひときわ目立つのは約50本のシダレサクラで、古刹のそこかしこが華やかになる。
越後上越市高田は雁木(雪よけ木製アーケード)が連なる雪深い町。ここ高田城址公園には4000本ものソメイヨシノを中心とした桜が植えられている。4月中旬になると一斉に咲き揃い園内は絢爛な花絵巻が展開する。とりわけ夜桜が素晴らしく高田城百万人観桜会期間中は3500ものぼんぼりの下、ライトアップされた夜桜に訪れた人は酔いしれる
4月の中旬、甲斐の国小渕沢ののどかな田園に大きなシダレザクラが咲く。これは神田の大糸桜と呼ばれ、エドヒガン桜の変種。糸桜に大を冠するだけあって枝張りが400u、幹回りも8mと日本有数の大きさを誇っている。壮麗な花姿の背後には、日本百名山の一つ八ケ岳がそびえ残雪が白く輝いている。画像は満開のピークを過ぎてしまったが樹齢400年の古木が支柱に支えられ懸命に咲いていた。