歴史ロマンを求めて、牛若丸が修行した鞍馬山中伝説の道をてくてく歩く
鞍馬街道伝説の道、木の根道を行く
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木の根道を行くプロローグ
地図をクリックするとてくてく歩き詳細地図になります。
古来、王城の都・京都に出入りするに七つの街道があった。「京の七口」といわれ、その一つ「鞍馬街道」は京都と日本海の若狭地方を結ぶ道の一つであった。京都の北はずれ、この鞍馬街道に沿って情緒ある民家の佇まいが続く鞍馬の里がある。杉木立に囲まれた鞍馬寺の門前町であり、街道の宿場町でもあったところである。
NHKの大河ドラマの牛若丸(源義経)が剣術の修行をしたり、鞍馬の天狗などの伝説が残る「鞍馬山」を越え、京都の奥座敷として知られる清流の里「貴船」の水の神を祀った貴船神社経由で叡山電鉄貴船口駅まで歩いてみた。
鞍馬寺から裏の鞍馬山に足を踏み入れると、杉木立が生い茂る中の道は木の根が露出した一風変わった伝説の道であった。
歴史街道てくてく歩きコース
黒字ー交通機関利用コース 赤字ーてくてく歩きコース
京都市内ホテル→地下鉄出町柳駅→叡山電鉄乗車→鞍馬駅下車→鞍馬寺仁王門→
由岐神社→鞍馬寺本殿→義経堂→木の根道→貴船神社→貴船神社奥宮→叡山電鉄
貴船口駅、電車乗車→地下鉄出町柳駅→京都市内ホテル
歩行距離 約11キロ 歩いた歩数18900歩
てくてく歩きの旅、京都へ
千歳空港朝一番発の一番機で伊丹空港に降り、京都行きリムジンバスに乗ると11時半ごろには京都市内に入った。 今日から1週間ほど京都市内のホテルを拠点として、てくてく歩きで歴史の街道や街並を旅をして、その後は奈良に向かい橿原市のホテルに更に1週間ほど滞在するつもりだ。鞍馬寺石段を登ると仁王門がある
いったん中心部の格安ビジネスホテルに立ち寄りフロントに2週間分の衣類を詰めた旅行バッグを預けると早々にホテルを出た。地下鉄を乗り継ぎ「出町柳駅」で下車する。鞍馬寺方面に行くには、ここ地下鉄「出町柳駅」から叡山電鉄「鞍馬線」に乗って行くのが便利だ。
駅近くのコンビニで昼食のおにぎりとお茶を買い、終点の「くらま」駅まで410円の乗車賃を払い電車に駆け込んだ。
座席でおにぎりを食べながら車外を眺めていると、30分ほどの乗車で「くらま」駅に到着する。 駅前に降り立ち、みやげ物店や食堂が並ぶ道を進んでいくと、すぐ目の前に石段が現れ鞍馬寺の仁王門が見えてきた。
伝説の寺鞍馬寺
牛若丸が修行した鞍馬寺の仁王門
この伝説の寺は西暦770に毘沙門天を祀って創建されたのが始まりと伝えられる古刹だ。
仁王門をくぐり奥え進んでいくと、不思議なことに寺の境内の中に鳥居があり神社が見えてきた。
鞍馬の里の鎮守で、鞍馬の火祭りで有名な「由岐神社」である。
鳥居のむこうには中央をトンネル状の石段の参道が貫く珍しい建築の「割拝殿」(重要文化財)があり、中をくぐると神社の境内になっている。
由岐神社の重要文化財「割拝殿」
由岐神社をぬけ義経の供養塔を過ぎたあたりから、鬱蒼とした杉の巨木が林立し、幾重にも曲がった九十九折りの参道が続く。鞍馬寺の本堂金堂に向ってひたすら進むと、途中から山道は長い石段にかわった。とにかく長いのである、本殿金堂まで延々と石段が続き息が上がってくる。
何しろ私は生来、虚弱体質である!体が弱いのである!平坦な道はそこそこ歩けるが、上り坂はからきしダメである。はるか前方にどこまでも続く石段に、挫けそうになる気持ちを押さえひたすら登る。
鞍馬の火祭りの由岐神社 |
本殿まで続く九十九折の参道 |
本殿までひたすら登っていく |
木の根が露出した不思議な道
木の根が地表に露出した木の根道
やっとの思いで長い石段を上り鞍馬寺本殿金堂に至ると、眼下には鞍馬の全景が広がった。
ここでしばし景観を見ながら息を整え、さらに奥へ向かって進んでいくと、やがて本格的な山道となり鞍馬山の頂上付近に至った。
ここから奥の院の魔王院手前までの道が、鬱蒼とした杉林の根が鞍馬山の固い岩盤に阻まれ、木の根が露出した不思議な道に変り1キロmほど続く。
ここらあたりは牛若丸(義経)が天狗を相手に修行をしたという伝説の場所だ。たしかにあたりは静寂に包まれ神秘的な雰囲気が漂い、天狗が出没しそうな気もしないわけではなかった。
本殿金堂を過ぎるとすごい道に |
伝説の道「木の根道」 |
こじんまりとした義経堂 |
歩きづらい異様な景観の「木の根道」を歩いていると「源義経」を祀った義経堂があった。 意外と小じんまりした祠の前で悲運の武将に手を合わせたが、ここに至るまで山中のいたる所に「義経」に関する史跡があった。
奥の院魔王殿近くの道票
NHKの大河ドラマ「義経」放映の影響であろうか、大勢のハイキングしている人達が義経に関した史跡の前で、ワンパターンの手でVサインをしながらのポーズで、写真を撮っているをあちこちで見かける。なぜ日本中老若男女全てが、ワンパターンのあのポーズをとるようになってしまったのだろう?・・
さらに進み「奥の院魔王殿」までくると道標があり貴船神社まで647mと書いてある。道はすでに下り坂になっており九十九折の坂道を下り、貴船川を渡ると京都の奥座敷といわれ、清流の里として知られる「貴船」に入った。
清流の里貴船
清流の里「貴船」を流れる貴船川
貴船川に沿って道の両端には、京都の夏の風物詩として有名な、貴船川にせり出した川床で、山菜や川魚料理を食べさせる料理屋街が軒を連ねている。 川沿いに少し上流に進むと貴船神社の赤い鳥居が目の前に現われてくる。平安京の水源を守る水の神が祀られており古くから信仰されてきた神社で、赤い鳥居をくぐり朱塗りの灯篭が並ぶ長い石段を上っていくと社殿があったが、残念なことに修理工事中でカバーが被せてあり拝観することができなかった。
さらに料亭や料理旅館が軒を連ねる川沿いの道を、1キロほど上流の貴船神社奥宮まで歩き参拝後、再び貴船川沿いを引き返し、てくてく歩きの終点である鞍馬電鉄「貴船口駅」にむかって、旅館や茶店を眺めながら下っていく。やがて料亭街がとぎれ朱塗りの橋を渡ると、渓谷の中に終点の駅が見えてきた。
貴船神社社殿までの石段 |
貴船は料理旅館が多い |
小さな滝がつづく貴船の里 |
牛若丸や鞍馬天狗などの伝説が残り京都市の最北に位置する鞍馬山。叡山電鉄鞍馬線の終点「くらま駅」を出発点として、鞍馬寺から鬱蒼と杉木立が茂る鞍馬山の「木の根道」を歩き清流の里「貴船」までのてくてく歩きだった。
山中のいたる所に「源義経」に関する史跡があり、あながち伝説ではなくて本当に事実ではないかと思えるほどであった。
歩行中には長い石の階段が続く道、杉の木の根が露出した道、清流の貴船川沿いの道など、次々と変化に富んだ道が現われ、3時間ほどの歩行があっという間に過ぎてしまった。歩いていて飽きが来ない道で、京都から半日コースのハイキングとしてはお奨めの道といえる。
end
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