吉田精肉店

第四十七話七日




わたし(ぼく)は世界を見てきた。
いろいろなせかい。
ふたつのちからがぶつかるとつぜんへんいしゅがあふれるせかい。
やみにしはいされたしま。
こうはいしいぜんのえいこうをうしなったしま。
こだいのやくさいがねむるしま。
いじゅうをくりかえすじゅうにんたちのしま。
ちをちであらうきょうだい。
かつてのえいゆうにはんらんするせかい。
ぶんかつされたせかい。

そして・・・・・・
創造物に見放された世界ロットに裏切られ滅亡した。
記憶から消されたものたちの無界。

世界は何を目指しているのか?
理想?栄光?完全性?幸福?
そのいずれも定命で一部の独占物に過ぎず枯渇している。

完全な神が作ったはずのこの世界は不完全。
世界は成長する。
完全なものに向かって。
だが
そこで現れたのは、苦痛、絶望、悲哀、憎悪。
それは水のように砕いても砕いても、なくならない。
成長は無意味。
ならばどうすれば完全か?

答えはわかった。
初期状態。

神は七日で世界を作ったという。
だが神は七日目を休んだ。
完全にするための最期の作業。
それは・・・・・・
カタストロフ。
つまり有が完全でないことを証明するのだ。


「役者がそろってきたぜ」
ヘレバルスが言った。
ニーズヘグ、ノーフィス、ノーヴィス、アシュタロン、ヘレバルス、スカルトン。
六人だ。
「終幕の演者としてはなかなかのできだな」
カタストロフが笑った。
ヘレバルスが前に出た。
「おい考えがあるのか?」
ニーズヘグが言った。
「この中にアンノーンゲートを閉じられる奴がいるか?」
「そうか、まかせろ!」
ニーズヘグは気づいた。
奴のいや悪魔全体の魔力の供給源はアンノーンゲートだ。
それをレーヴァティンで閉じれば。
「おい、まつプテ、やつは変な空間を開いたプテ、そうやってその何チャラを開けるんじゃない
プテ?」
「心配ない」
ノーヴィスが答えた。
「奴は門を開く能力はない、でなければアルマゲドンやレーヴァティンを利用する必要はない」

「そうはさせるか」
「ウギャアアアアアブッシャアアアアァァァァ」
不気味な叫び声が聞こえた。
ヘレバルスが倒れた。
青い影が一瞬見えた。
「止められなかった・・・・・・・、逃げろおおお」
銀色のしっぽがニーズヘグの足を打った。
ニーズヘグは倒れた。

「これが世界の目指した完全戦闘生物カタストロフ
悪魔やロットなど目ではないわ
さあやっかいなものから片付けてやるぞ」






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