吉田精肉店

第三十九話運命


アシュタロンは師匠が急に手を止めたので面食らった。
「どうしたんだプテ?」
「死んだ・・・。」
「?」
「あいつが、・・・ゼヴァスが・・・死んだ。」
ヘレバルスは消沈して膝を地面につけた。

こういうとき戦場では真っ先に殺されるだろうし殺すべきだろう。
しかしアシュタロンはそうしなかった。
部下を思う気持ちは自分にだってわかるし、こんな形で決着をつけたくない。

沈みかけた太陽の傍らで爆発が起こった。
とっさにアシュタロンはヘレバルスをかばった。
これは明らかな無差別攻撃だ。
これを仕掛けたのは悪魔ではないだろう。
彼はこの爆発がなんであるか知っていた。
”超原子弾”だ。

また爆発。
間違いない、あれを連発できるのはただ一人、ラグナロクだ。
そこへ金色の影が来た。

「おまえはそこにいろ、奴は私が始末する。」
神はそういうと爆発へ向かっていった。

暗闇の奥の奥、ヘヴンズサンクチュアリの最奥部。
そこにもまた神がいた。

「アルミューレめ、何を考えている。」
階段の上のもう一つの影が答えた。
「あなた以外の悪魔は皆、あなたを倒したいと思っています。」
「そういえば、貴様は私が始末するのだったな。」
「神よ、光栄です、私はあなたの玉座へ次に座るものとなる。」
カインは両手を広げた。
「みていろ、ゼヴァス、君は死んだがその遺志はこのアルマゲドンが継ぐ。
みていたまえ、神が死ぬ様を。」
カインのほおにはうっすら涙の流れた後があった。
「さあ、こい!!」
ハウレスはエッジオブメギドを構えた。
「来いですか?
図に乗るなよハウレス、私もまた神となった。
見よ、我がダークネス・サンダー・アンリミテッドを!!」
カインの両腕に電流が流れ空中に放電した。
稲妻の光は蛇のようにハウレスに向かった。
光は熱となりエッジオブメギドを焼いた。
「雷に打たれたとき金属類は持たなきゃいいって言うよな。
あれはうそだ。持っていれば電気はそっちに行って体は無事だ。
運がよかったなハウレス。だがそのなまくらはもうつかえねーぜ。
神成は神の持つ力、俺はあなたと同じ世界まで来たのだ!!」
ハウレスはちっと舌打ちした後、にらむと言った。
「言いたいことはいっぱいあるが、貴様は所詮私がゴットと戦いのまえの路傍の石に過ぎない。
対等だと笑わせるな、カスが!!!
神の力とはこういうものだ!!
エッジオブメギド再精錬!!!」
エッジオブメギドが炎に包まれた。
「見せてやる本当の神というものをな、ゼヴァスに教えてやれ自分たちがいかに無力だったか
を。」


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