吉田精肉店

第三十六話希望


地面にはいつくばるとわかると思うが体中泥だらけで口の中も泥だらけで最悪だった。
「泥の味しかしねえがこれが”絶望”の味なのかい?魔将さんよお?」
俺は憎々しげに悪態をついた。
磁力が戻るまでの時間稼ぎだ?
「泥の味、血の味、涙の味・・・、まあいろいろな感じ方があるだろうね、ザーゴン?」
ベリゼアルは悪態を気にせずに話を受けた。
「まあ絶望を味わうだけの余裕があって幸せだねえ、ハウレスに挑んだらそんな時間はない
ぜ。」
「だから俺たちの邪魔をしたのか?」
自分でも間抜けな返答だと思う。
そんなはずがない。
「そのとおりだ。」
意外な返答にとまどった。
「なに!」
「アルマゲドン、奴は結局のところ甘さを持っている。
ゼヴァスやおまえを殺したくないらしい。
だから少しでも死ぬ可能性が低い相手と戦わせたのだよ。
でも100パーセントと120パーセントじゃ違わないよなあ?」
ベリゼアルが剣を振り下ろしてくる。
やはり時間稼ぎに気づいていたか。
そのときだった、空に変化が起きた。
「オーロラ?」
突然の極光にあっけにとられているベリゼアルの隙を突きそのまま奴を倒した。
「おのれ!」
ベリゼアルが銃を寝ながら放った。
至近距離で放たれた破裂弾をかわす時間はなかった。
だがその瞬間嵐がザーゴンを包んで弾をはじいた。
「なにぃ。」
「進化したのはゼヴァスだけではないということだ。」
嵐の直撃を受けたベリゼアルのピストンは折れ、歯車はとんだ。
「貴様もまた、カタストロフの選別を生き抜いたのか・・。」
意味深な言葉を残しベリゼアルは気を失った。



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