吉田精肉店

第十五話説得

我輩は今ドリブとノーフィスとともにアンノーンゲートに向かっている。
我輩たちは悪魔を説得するため、ニーズヘグと鎧魔はロットを説得するため向かっている。
果たしてこんな作戦がうまくいくのか?こんなメンバーであるし・・・。

「・・・・・交渉が決裂したらどうします?」
我輩の放ったこの疑問に対し奴が放った答えはこれだ。
「ヴィシュヌでも何でもぶっ殺しちゃえば?グレゴリュフにも勝ったゼヴァス君なんだし?」
あれは卑怯な手も使っての辛勝じゃないかあれでヴィシュヌに勝てるなんて狂気の沙汰だ。
ハウレスやアルミューレですら次元が違うのに・・・それが合わさった超パワーとは・・・。
説得を聞いてくれるかすら怪しい。
あの鎧魔と言う男一体何なんだ?
ニーズヘグ隊長も最古参の仲間だというのに警戒している様子だった。
「ニーズヘグさん、無理だと思いますがレーヴァティンを貸してくれませんか、とても上級な悪魔
にはかないそうもないもので。」
ニーズヘグは困ったような顔を鉄の上ですら判るように作って答えた。
「馬鹿いうなよ、ぼくにあれがなかったら、丸腰だよ・・・。
・・・仕方ないな、レーヴァティンほどではないけど、このデビルキラーを持ってけ。
ぼくも厄介な問題を抱えてるんだすまんな。」
デビルキラーの読めない刻印を見ながら、ニーズヘグにとっての厄介な問題を考えた。
明らかに厄介な問題とは説得するべきゴットではなく鎧魔のようだった。


アンノーンゲート前。
ザーゴンは悩んでいた。
俺はまだハウレス様との約束を果たしていない。
殺されるかもしれない。
いやそれならまだいい・・。
ゼヴァスを殺して生き延びようなんていう考えはない・・。
だがまたあってしまったら、俺は戦いを選ぶかもしれない。
自分のふがいなさ、そして敵への殺意の欠如は明らかに無礼。
奴は意思を持って外へ出た。
だが俺はハウレス様の恐怖に操られた人形だ。
どちらが勝つかなど・・・・。
「なーに深刻な顔してんのよー。」
ヘレバルス様だ。
わざと陽気に振舞い励ましてくれている。
「どうやらグレゴリュフがやられたらしい。
あいつはやなやつだったけど、いなくなるとさびしいもんだなあ。」
「グレゴリュフ様が!!!!?」
「ああ、まあ奴との戦いでは一度も奴は俺に触れることができなかったがな。」
「・・・・あのグレゴリュフ様がですか?
・・・・ってあなたグレゴリュフ様と一度も戦ったことないでしょ・・・。」
「そうでしたー。」
(だめだこのひと。)


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