吉田精肉店

第十一話恐怖

ひいふうみいよう、
四対一か・・・。
「怖気づいたのかい?」
ニーズヘグは嘲り気味に言った。
君は虫を恐れたことがあるかい?
私にとって君たちなど虫以下だよ。
さっさとかかって来たまえ。
・・・・そうか、私が悪かった。
ハンデだ、私は右手しか使わない。
これでいいだろう?
ノーフィスは怒った。
「これで対等だというのか?なめやがっって!!!」
対等?
馬鹿なことを言うのはよしたまえ、
君は虫をいじめるとき全身を使うのかい?
手しか使っていないというから虫と対等だというのか?
ノーフィスはグレゴリュフに突っ込んでいった。
グレゴリュフは右手を使ってはらった。
ノーフィスは地面にたたきつけられた。
さて次は誰かね?
「まだ私の相手をしてくれないか?」
ノーフィスがグレゴリュフの後ろに回っていた。
いつの間に?
ノーフィスはグレゴリュフに銃を乱射し、銃の煙が立ち込めている。
「これでどうだ、まだハンデとかふざけたことを言ってられるか。」
煙りから出てきたグレゴリュフは口から血を流していた。
確実にダメージは与えられている。
チッ、グレゴリュフは舌打ちした。
ダークネスミスト。」
グレゴリュフの体の一部が闇に変化しノーフィスの視界を奪った。
目標消失・・。
発見できません。
「くそ・・・。」
シャドウ・クロウ!
グレゴリュフの右手が闇と同化した。
くっくっく、死ね!!
やや肥大化したつめがノーフィスを貫いた。
・・・・ように見えた。
ニーズヘグがノーフィスを抱きかかえつめをかわした。
「君は先立ちすぎですよ。ノーフィス。
・・・グレゴリュフさん
ぼく達を甘く見ないでください。
僕は悪魔もロットとも戦うつもりはありません。
でも戦うというのら潰しますよ?
全力で!!!」
ふんいくら群れようと、貴様以外はただの雑魚だ!
頭をつぶせば終わりだ!
ぷっつん。
「ぼくを潰すって?君がかい?
馬鹿も休み休み言え、
貴様が俺に勝てるわけがない!!
肉片も残さん!!
死ね!!!悪魔!!!」
そうでなくては面白くはない。
ディメンションオブザダーク!!!
五本の黒い塔が回りに立った。
「ほう、あくまで右手にこだわるかい!!!
よかったな!!負けたときの言い訳ができて!!!」
「これをかわした時にほざけ!!」
五本の塔が四人を包んで、収束した。
どうだーーー!!!
虫けらども!!!
俺は役立たずなどではない!!!
大悪魔長!!
その名にふさわしい男だ!!!
グレゴリュフ!!!
無界の頂点には俺が着く!!!
ヴィシュヌめ!!!ヴィシュヌめ!!!
見ているか?あーはっはっはっは!!!
俺は闇を吸いここまで強くなったのだ!!!
「かわしたよ、グレゴリュフさん。
猿芝居に付き合ってくださってありがとう。君はさっきのでだいぶ消費したね?
それが狙いだったよ。
ぼくが本当に頭に来て頭も回らず大技をかわせないとでも?」
そうか。そうか。
何か不自然だと思ったら、
そんな小賢しいことをしていたのか・・。
だが残念だったな。
闇は無限だ!!!
「小賢しいのが虫だろう!!!
ゼヴァス君デビルマグナス君、やつをひきつけて
ぼくがレーヴァティンで貫く。」
「そんなにうまくいくか、即興だぞ。」
「坊やたちがいれば・・。」
小賢しいことは思いついたか?
では行くぞダークネスレイン!!
闇が雨状に変化し降り注いだ。
「地獄の目!!」
ゼヴァスは雨を石に変化させた。
「いてっいてっ、ゼヴァス君逆効果。」
「闇の雨に打たれたいというのなら我輩はとめんがマグちゃん?」
(マグちゃんて・・。)
雨に打たれた部分は腐り始めている。
「な?」
「すいません。」
もう右手以外も使わせてもらうぞ!
所詮俺は木偶の坊さ!
虫けらごと気に躍起になっちまう。
イーヴルアロウ!!!」
グレゴリュフの両手に闇が集中する。
集中した闇がゼヴァスに向かってはなたられる。
「危ない!!ゼヴァス君」
「大丈夫だ地獄の目を持ってすれば!!」
矢は石化した。
「よしいくぞ!!」
二人はグレゴリュフに近づいた。
「あぶない!!」
石の矢がゼヴァスに迫っている。
デビルマグナスはそれを身を挺して受け止めた。

「いまだ!!」
ニーズヘグはグレゴリュフに突っ込んだ。
しかしニーズヘグははじかれた。
そしてはじかれたニーズヘグを黒い針が追撃している。
「くそ!何てことだ。」
無駄な犠牲・・・。だがやつは所詮浮浪者・・・。どうでもいいだろう?
それよりどうする?
今俺は闇以外をすべてはじくヘレティック・フィールド、
はじかれたものを追撃するデス・ニードル、
近づくことすら困難にするダークネスレインによって守られている。
もはや全身が使えるようになったからな。
「糞やろうめ・・。」


ああ・・・らしくねええことしちまった・・。
でもいいだろう?
やっと”仲間”が見つかったんだ・・・。
そのためにさまよっていたのかもしれない・・。
願いはかなったんだ・・・。
ゼヴァス君・・・優遇してあげなくてごめんね。
ああ・・・ゼヴァス君の声がする・・・。
悪魔の次には天使に会うのかな・・・?
三つの光が・・・。
ひとつになった。

「あんたは?」
「ナイスだぜ俺の中で生きろ。
俺はフリートドリブ。
今さっき生まれたんだ。
守るために、
君の仲間を!!」






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