吉田精肉店

第八話渇望

永遠にも思えた眠りから醒めその獣は自ら赴くまま行動した。
永遠に満たされない腹を抱えながらも
喰らう事をやめず
自らをより巨大に強大に進化させていく。
無界から出た”彼”にとって
ヘヴンは文字通り天国であり楽園であった。
無界は彼にとって喰い飽きたものであったし
”彼”にとっては少なすぎるご飯だった。
”神”が何を考えていようが関係はない、
”彼”はヘヴンのすべてを喰らうつもりだったし
”神”すらも”彼”にとってはデザートのようなものだった。
”アジ・ダカーハ”は”デビルマグナス”という頭脳を手に入れ
ただの単細胞ではなくなった。
それはさながらひとつの生物・・・。
すべてを喰らい尽くす魔性の存在。
まず前菜の締めに選んだのはロットの工場であった。

「来たか・・。」
ノーフィスは衛星からの熱源反応を確認しながらつぶやいた。
あまりにも予想外な数の上、基地にいるビッグ・3は自分ひとり。
弟の復讐を誓ったはずなのにすぐに弟のところへ・・。
いや機械には天国も地獄もないだろう。
ただの鉄へと帰るだけ・・・。
どっちつかずと言う都合のいい立場などあるはずがないということか・・。
前線ではデクストの第一陣と通称”イーター”の交戦が始まっている。
今のところこちらの被害は軽微だ。
敵は着実に減っている。
あの機体が間に合えば・・・。

とりあえずゼヴァス君にはここに待機してもらおう。
このノーフィスが必ず持ちこたえて見せる。

「チャ〜リ〜あいつらやりあがる。
まとまらせるな。
あいつらの実測戦闘値は2しかないがなにぶん数が。」
デクストたちは機動性を利用しアジ・ダカーハたちをかく乱していた。
だが・・・。
「オイあいつらの行動。
本能による意味の無い動きかと思っていたが。
俺たちを包囲しようと動いている。
やばいぞ。」


「いいぞ、いい子達だついにやつら袋のねずみだ、さあ坊やたちご飯だよ。」
デビルマグナスは高笑いを浮かべた。
「ウギャアアア。」
あちこちでアジ・ダカーハの悲鳴が聞こえる。
「どうしたんだ?坊やたち?」

「待たせたな。みんな、一人では行かせない。
このノーフィスがついているぞ!」
ノーフィスは工場側の薄い部分を集中攻撃して殲滅させていた。




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