吉田精肉店

第六話過去

なぜ我輩は戦っているのか・・・?
ある日抱いた疑問だ。

我輩はある村を攻めていた。
我輩はエルンの戦士に深く傷つけられ死を覚悟した。
何とか勝ったものの。
我輩は帰る途中意識を失った。

目が覚めるとベッドだった。
エルンの少女が我輩を介護してくれたのだ。
血塗られたこの翼を!
悪意に満ちたこの目を!
我輩は逃げようとした。
殺そうとした。
何もできなかった。
残虐な悪魔?
反吐が出る。
そんな”名誉”は我輩にふさわしくない。
地獄の眼をつぶし消え去りたい屈辱にさいなまれた。
我輩は敵に同情されてしまったのだ!
このゼヴァスが!!
この翼がいえた暁には貴様らを消し屈辱を消し悪魔の栄光を取り戻してやる!!
そうおもった。
だが・・・、
村はグレゴリュフによって攻められ村は全滅・・・。
我輩は救出された。
それが何だというのだ?
復讐?名誉挽回?誇り?
それが何だというのだ?
我輩は自分をごまかしていた。
ただそれだけだ。
我輩は今までずっと自分をごまかしていた。
機械のごとく上の命令で無差別にエルンを殺す、自分は残虐だと疑問から逃げていた。
その日我輩は誓った。
ハウレスを殺し無界の王者になってエルンとの決着をつける。
それが我輩の宿命だ。
それが世話になった村への復讐であり・・・・、
恩がえしでもあるのだ。

ノーフィス

だがその夢もかならずじまい・・・
力が及ばない。
グレゴリュフに破れ・・。
友を捨て・・・。
たどり着いたのは敵地・・。
まあいいだろう。
悪魔に救いなどあろうはずがない・・。

「・・・起きたか?」
機械的な声に我輩は驚き眼を覚ました・・。
そして目の前を見て驚いた。
「おまえは・・・?」
「私であったことがあるのか?”悪魔”?
もしかしたら私の兄弟機ノーヴィスかもしれないな。
あいつの調子はどうだったかい。」
我輩はつぶされるノーヴィスの頭を思い出し首を振った。
「そうか・・・。
おかしいなちょっと思考に異常を感じるんだ。
感情がないってお前にはわからないかもしれないな。」
「ふっ。悪魔に感情にも何もあったものかよ。」
といいつつも我輩は笑っていた。
あの機械もなぜか笑っているように見えた。
「ところで我輩を捕まえてどうするつもりか?
できることならさっさと殺してもらいたいが?」
「実を言うとね協力してもらいたい。
うちのリーダーがどうしてもこの戦いを止めたいといっていてね。」
「そんな話信じるかよ。
・・・ていいたい所だけどもう我輩もやつらのところには戻れない・・。
いいだろう協力してやるよ。」
「ありがとう私はノーフィス。
サードフォース(第三勢力)の副隊長さ。」

その頃にもアジ・ダカーハは迫っていた。
「まずは新兵器をつぶさせてもらおうかねええ」
デビルマグナスはもう完全に群れに順応していた。
トップへ
トップへ
戻る
戻る