吉田精肉店

第四話対峙

深い森の中で、ゼヴァスとザーゴンは対峙していた。特に何をしているわけでもないのに、不思
議な緊張感に包まれていた・・・・・・

「ザーゴン、お前までここに来ていたのか。丁度いい、手を貸してくれ。この妙な機械生物が、追
ってくるんだ」

壊れているノーヴィスを蹴飛ばしながらゼヴァスは言った。

「・・・・・・ゼヴァス、この機械生物と、ここにきてから何回会った?」

足元のノーヴィスを見ながらザーゴンが言った。どことなく冷ややかな口調だ。

「会ったのはこいつだけだ。だが、途中でヘレバルスにも会ったぞ」
「ヘレバルスにも、か。ここに来る途中。2体の機械生物を見た。俺には気づかなかったようだ
が、お前を探していたわけじゃなさそうだ」

ザーゴンが、ノーヴィスの頭を踏みつけた。電流が弾け、わずかに光っていたノーヴィスの目
が、完全に消えた。

「ということは、ヘレバルスと、お前と我輩。アジ・ダカーハもか。その4体を探しているんどろう
な。さしずめ、支配領土に踏み込まれたことへの反撃ってとこだろうが・・・・・・」

「いや、もう二人いる。もう一人はアジ・ダカーハの群れに紛れてる、見たことのない奴だ。それ
から、最初にゲートを開いた奴もいる」

「つまり、現在、ここには6体の悪魔がいるってことか」
「あぁ、そして・・・・・・もうすぐ5体になる」

ザーゴンはゼヴァスに巨大な剣を向けた。

「何の真似だ?」

突然のことにも、あまり動じた様子はなく、ゼヴァスは言った。

「・・・・・・ゼヴァス。お前はどうしてここに来た?」
「無界では手に入らない力を手に入れ、ハウレス、アルミューレを倒し。悪魔の頂点に立つため
だ」

無感情にゼヴァスは言い放った。

「・・・・・・ゼヴァス。最初にゲートを開いた奴を見つけ出し始末する。幸い、ゲートが開いたこと
を知る悪魔はわずか。だから、そいつを殺すことが俺たちの任務だ」

「何が言いたいザーゴン」
「ハウレス様の命令だ。俺はお前を殺さなければいけなくなった・・・・・・だけど、まだ間に合う。
ゼヴァス。最初にゲートを開いた奴を知っているな?それを教えろ。そうすれば、俺たちに協力
したということで、ハウレス様には俺からとりなしてやる」

ゼヴァスは少し黙った後、すっと、ザーゴンを見据えた。

「お断りだ。石になりたくなかったら、さっさと失せろ」

「馬鹿野朗!」

ザーゴンは剣を振った。ゼヴァスは宙返りしてよけると。木の上から視線をザーゴンに移した!

「馬鹿はお前だザーゴン!今の立場でお前は満足か!?」
「だからといって、お前のやり方が正しいとは思えない!」

ザーゴンは剣を構えた・・・・・・

(これで、いいのですか?ハウレス様!)

友と友の戦いが始まる・・・・・・


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