吉田精肉店

第三話決別
ハウレス様が俺に言った言葉がずっと耳に響いている・・・・・・確かに、ゼヴァスを止められなか
ったのは俺だ。だが、それは友だから、なのか?それとも・・・・・・

そう考えているうちに、ゲートの前へと来てしまった。鈍い光がぼんやりと射してくる・・・・・・

「・・・・・・行こう。とにかくまずは、ゼヴァスに会わないと・・・・・・」

決意した俺は、ゲートの向こうへと一歩を踏み出した・・・・・・



その頃、デビルズサンクチュアリでは・・・・・・

「ふっ、行ったか・・・・・・では、私も行こう。グレゴリュフ。後は任せたぞ」
「・・・・・・グルゥゥ。行って、こい・・・・・・」

(ふっ、木偶の坊でも、留守番くらいは出来るだろう。それすら出来なければ、存在する必要も
ないか・・・・・・)

闇に溶け込んでいるグレゴリュフの視線に背を向け、邪悪な気配を発しながら、悪魔達を統べ
る神は暗黒の空間から出て行った・・・・・・

それを見据えていたグレゴリュフの目にも、その神の姿は見えていなかった・・・・・・

暗黒の空間の中で、完全に闇に溶け込んでいた、その神は、翼を広げ、静かに飛び立った。


一方・・・・・・外の世界では・・・・・・

ゼヴァスは再び襲ってきたノーヴィスに苦戦していた・・・・・・

正確な射撃で、木々の合間から確実に死角を狙ってくる・・・・・・地形に慣れていないせいか相
手の位置すらもよく分からない。

「くっ!どこだ?このままじゃ・・・・・・」

その時、自分のすぐ横の木に銃弾が当たった。高さは自分の顔の高さであった・・・・・・

「まずい・・・・・・なんとかしないと」

そういえば、とゼヴァスはふと今まで逃げてきた道を振り返った。逸れた銃弾は、すべて自分の
顔の高さに当たっている・・・・・・奴は俺の頭を狙っているのか?

その時、名案が浮かんだ。チャンスはもう一度。奴が発砲した瞬間。

(落ち着け、聞き取るんだ、微かな銃声を・・・・・・)

そして、遠くの方で、微かに空気が揺れた感じがした!すかさずわずかに頭だけを逸らした!
狙い通り!銃弾は俺の頬をかすめて、木に当たった!

銃弾が飛んできたのは・・・・・・正面!

ゼヴァスはその辺り一帯を、次々と石に変えていった!これで、ほんの少しでも物が動くことは
ない。動くとするならば・・・・・・奴しかいない!

その時、わずかに影が揺れた!

「そこだぁ!!」

すかさずゼヴァスは走って飛び掛った!しかし、そこには、電流を発しながら壊れている、ノー
ヴィスがいた。

「ここにいたか」

ザーゴンの冷たい声が響いた・・・・・・


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