吉田精肉店

第一話’邂逅

無界のとある場所


「おいゼヴァス、耳寄りな情報だぜ。」

ザーゴンか・・・

「どうしたザーゴン、大悪魔どもがどうかしたのか?」

「とんでもないことになったぜヘレバルス様に聞いたんだが、
アンノーンゲートがまた開いたらしい。」

ザーゴンはやけに興奮している。

我輩にとってもうれしくないことではない。

ハウレスが勝手に消耗してくれるのだからな。

「フン、それで今度はどうして開いたんだ。」

「それが・・・あけたのはハウレス様じゃないらしい。」

「なんだと!?」

それほどまでの魔力を持つものが存在するのか?

「ではアルミューレか!?」

「アルミューレ”さま”だ。
だがあの方でもでもないらしい。

ハウレス様はえらくご立腹なされていて、

禁断のアジ・ダカーハを放ったらしい。」

「あの化け物どもをか!?」

「ああ、おもしろくなってきただろ?」


「・・・・・」

もっとも我輩に一人だけ心当たりがあった、カイン。

どちらが先に頂点につくか競い合った仲だ。

我輩たちは反乱分子として目をつけられてきたから今回の反応もうなづける。

出てけばやがて殺されるかもしれない、

しかし外にはあるのだ。

我輩が欲してやまぬもの

”力”が!!




ロット軍基地


「侵略は順調に進んでいるかね?」

私はその声を聞くとぞくっとした、機械なのに。

そういうプログラムをされているのかな。

「あのう、第八軍団が壊滅しました。」

「なるほど、検索してみよう。

・・・・第八軍団というと戦闘力が平均900のジャンク軍団か。
隊長は・・・デビルマグナス、データ不明、
いつの間にか軍団にまぎれたところを
比較的高い戦闘値を見込んで隊長を委任。

・・・だが実戦データを見ればわれわれの軍団が、
失敗作といえども負けるはずがないのだが、
ノーヴィス君。」

「廃棄された機体のブラックボックスを確認したところ、
画像にはラクシらしきものが写っていました。」

「・・・ラクシか、この星にも生息しているのか?

だがラクシ程度がわれわれに勝てるとは思えないが?
・・・まあ、セフィラムのほかにも骨のあるやつがいるようで
私はうれしいよ。」

そういうとゴットは去っていった。



無数のアジ・ダカーハの群れにそいつは混じっていた。

「くっくっく、まさかここに悪魔が来るとは、
俺様デビルマグナスの時代が来たようだ。」



戦いはまだ始まったばかりだ。




ノーヴィスとゼヴァス



無界を出て三日がたった。


アンノーンゲートが開いたのはどうやら町外れらしくいまのところとかげや蛇などしかこの世界の


住人は見かけなかった。


ザーゴンが出て行くのをとめたが聞く耳など持たなかった。


あいつはそれなりにいいやつではあるが、大悪魔の犬なところが癪に障る。


といっても大体の中級悪魔などそんなものか。


カインが無界を出る前に言っていた。俺は力を手に入れる方法を見つけた。と。


今思えばつくづく甘いやつだと思うぜ、我輩は仮にも競争相手だ。


まあやつのおかげで手がかりが手に入った。


エルンを千人、石に変えても得られない力がな。


高熱エネルギー体確認・・・、例のあれか・・・。


見る限り一体、北北西に感じ取れるエネルギー体に酷似しているがエネルギー量がこちらのほ


うが高い。


推定戦闘値1800・・・。


始末・・・いや捕獲してデータを採集。


ゴット様・・・報告・・。


ノーヴィス戦闘開始します。



「おお、ついに住人とご対面か。機械生物かめずらしいな。


まあいい。我輩の地獄の目で石にしてやるよ。」


ノーヴィスの肩が光り宙に浮いた。


「オイそこの爬虫類、脳まで退化しているのか。機械が・・・・、


石になどなるかーーーーー。」


ノーヴィスがマシンガンを地獄の目を放っているゼヴァスに向けた。



やったか・・・・生体反応・・・以前健在、


・・・反応は・・・・後ろ!!!


「お前こそ、歯車錆びてんじゃないのか?」


ノーヴィスの前にばらばらの石が落ちていた。


それの元の形を解析するにそれは間違いなく”木”だった。



びびってやがるぜこのポンコツ野郎・・・。
だが今までこのような意思を持たないものを石にこんなに早くできたことなんてなかったな。



石を盾にしながらゼヴァスはノーヴィスに近づいた。


そしてとかげを石にした刀でノーヴィスの腕を切断した。


しかしつめたい声がゼヴァスの鼓膜を振動させたのだ。


「かかったな!!」


ノーヴィスはゼヴァスに向けて銃を放った。


「貴様お前もただでは済まんぞ!!」


「ゴット様が修理してくださる!!かまわぬ!!」



「そこら辺にしておけ、ハウレス様がこの世界に来るぞ!」


そういうとその男はゼヴァスとノーヴィスをはじいた。


ヘレバルス!!




ヘレバルス



ゴット様・・・報告・・・新手です・・・。


戦闘値は推定・・・3000。


ゴット様・・・なんですと?


了解いたしました・・・。帰還します。



「おい貴様のせいで獲物が逃げてしまうぞ!!!」
「狩りか?俺にとても狩りには見えなかったがな。
ザーゴン君に言われただろう。
君には単独行動はまだ早い。」

ふざけやがって大悪魔め!!!

「おいおいあまり見つめないでくれよ、狩りの前に石になりましたじゃ。笑い事にもならないぜ。
それともそっちの気が・・。」

「黙れ!!」

ふざけやがって!!
向こうへとゼヴァスは歩き出した。
「どこへいく?」
「知らん!!!」
「やれやれ・・・」

くそ、あまりにも頭に来たのでらしくないことをしてしまった。
だがひとつ気になることがある。
来るのか?やつが?
ハウレスが!!


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