吉田精肉店

第三章時の終わりをささやくもの

デプス


旗艦リヴァイアサンの中で。
『大佐、あなたがあの人、ゲシュタルトの勝手な行動を許したのですか?』
青いトーアは機嫌が悪そうだ。
大柄のトーアに対し怒鳴っている。
大柄のトーアは申し訳なさそうに言った。
『すいません、姫。私としては帝国を最大にしてやりたいので、これも忠誠なのですよ。』
艦橋の中には二人しかいない。
『だから私たち帝国海軍は嫌われるんです。拡大主義者だって。
ラヒ退治のほうが先でしょう。』
『しかし、われわれはマタ・ヌイ島にあるといわれる神の玉座を見つけなくてはならないのです
よ。』
『だから平和的交渉にきたんでしょう、も一度言いますよ”平和的”交渉。
それなのに先走って部下を大勢失ったのですよ。ゲシュタルトもひどい怪我を・・・』
そこに一人の青いトーアがやってきた。
顔にはクラナの様なものをつけている。
『安心してください、デプス、ガ王国女王。
私は回復しましたよ。』
そういうと”時の終わりをささやくもの”は不気味に笑った。

プレーンの四隻の帝国船がやってきた。
プレーンのマトランは上陸と同時に奇襲するつもりだ。
だがおりてきたトーアを見ると大長老は攻撃やめといった。


ゴレン



ゴレン自治領・・・帝国の属州の中で最大最強の国家。貴族のゴレン家の出身地でもある。伝
統的にゴレンとは権力者につけられる名前であった。
帝国本土から遠くはなれ、千年以上の抗争を続けてきたため、常に警戒の対象であった。

『・・・・のはずの俺がおくられてきましったと。』
と、ゴレンはつぶやいた。
帝国からの独立。
これは彼の野望である。
なぜ彼がこんなことを考えるのにいたったのか。
それは帝国が嫌いだからだ・・・。
なぜ・・?
ゴレン諸島は地理的な違いのほかに本土とは違う宗教を持っていたからだ。
名を冠するなら・・・”マクータ教”。
聖タカがこの地を制したとき土着の神は悪神とされた。
そのときの反動により大ゴレン帝国はマクータ・ランズをつくり旧帝国と戦ったのだ。
王国は俺の凱旋を待ちわびている。
ドレアミーア沿岸諸侯はゴレン帝国を支持する。
あの似非神に目に物を見せてやるのだ。
ああ、マクータさま、俺に力を・・・・。


会議が始まった。
プレーンにはツラガが一人しかいないため、各村は合議制を取り、困ったときは大長老エウド
ウに問うのだ。
エウドウは昔を思い出していた。
あのときのつけを払わなければならない。

『帝国の女王に問う、我が島になんのようだ。ネイ・ボウでの話は聞いている。
貴様らは狂った冷酷な殺人マシーンどもだ、ネイ・ボウは全滅した。
ここもそうするつもりか。』
『いえ、そんなつもりは・・、一部の部下がやったものです。それに虐殺の確認はしておりませ
ん。』
『では、なぜマトランが人っ子一人いないのだ。』
一人の男はそれを聞くと笑い始めた。
『ハハハハハハハハハハハハハハハハハッハハ、茶番は終わりだジジイ、姫様。
もう聞き飽きた。死んでもらうぜ。』
ゴレンだ!!!!


別の場所で
二人のマトランと一人のトーアがいた。
『もうボリオ、ペノンを信頼してやったらどうだい。』
『いいや、俺はアブソリュートしか信頼しないぜ。』
『いいさ・・・。俺はマトランに信頼されない星の下に生まれたんだから・・。』
そこへ一人のトーアがやってきた。
「ひさしぶりだな、ペノーヴァレンス。決着をつけにきたぜ。
”時の終わりをささやくもの”だ。










エウドウ


『ゴレン大佐!!!何のつもりです?』
『姫、ゴレンの国を作るのです。おれは・・・。
それが自治領の悲願なのです。そのためにテトラウイルスを辺境にばら撒いたのだ。
テトラどもはおれを襲いはしない、ただただ帝国に致命傷を与えるだけだ。
そして、姫様とこのジジイを殺せば帝国とこの田舎は戦争になる。
そうすれば辺境諸侯の独立戦争がかなうのだ。』
『あなたの好きにはさせません。エウドウさん逃げて。
私があの裏切り者に始末をつけます。』
エウドウは逃げ出した。
『あーあ、行っちゃった。』
『この私があなたの命の炎消してみせますよ』
『おれの命の炎、姫様の水で消せるかな。』

『ああ、またあえてうれしいよ。ペノーヴァレンス。君は私を成長させてくれた・・・・。おごりの反
対にある屈辱こそ真に成長への道なのだ。
見るがいい時のクラニ”ルトラーダ”を・・・。』

『ハアハア。』
エウドウは外を見回した。
『どうしたんだ爺さん?』
『?ゴレン!!!デプスが・・・?』
『ほう、俺の名をしってるのか爺さん。で?姫様がどうしたって?』
『???』

ボリオとグルタは走って会議室に行き、エウドウがゴレンに刺されているのをみた。
『遅かったな。もう終わったぜ。』
『貴様はーーー。』
グルタとボリオは・・・特にボリオは激しい怒りを感じた。
このトーアに対しておまえはしてはならないことをしたと・・・。
ボリオは憎悪と怒りに包まれた、トーアの面汚しめ!!!!
そして・・・光に包まれて・・・・。









GUOOOOOOOOOOOO





『ばかめ、テトラになりおったか。だが見たことのないタイプになったな?
まあいい、テトラ、やつを殺せ。』
その深緑の生き物は笑みを浮かべながら言った。
『NANIWOITTEIRU,DAREGAKISAMANOIUKOTONADOKIKUKA,WATASIHAKISAM
ANOIINARINADONARANN.』
そう呻くとゴレンに飛び掛った。

『どうだね。ルトラーダは?』
ペノンは時の終わりをささやくものに飛び掛った。
しかしゲシュタルトの動きは早く反撃されてしまった。
『この感覚はなんだ?確かにおれが早かったはず?』
ペノンの拳が遅くなりゲシュタルトの動きが早まったような感覚がしたのだ。
『なかなか勘は鋭いな。お前のときを二秒吸ったのだ。私はどうも手の内を明かしがちだと思う
がね。』
『勝てると思っているのか・』
『おごってなどはいない。だが、お前に何ができるんだというんだ?
私はな・・・今度、マタ・ヌイにいく。この能力を使ってね。
そのとき決着をつけようではないか?
われわれの始祖が誕生した地で・・・。
そのときまで待つ。』
『ここでは決着をつけないのか・』
『伝承にあるだろう。
古の均衡が崩れしとき
神の玉座にて
時の終わりをささやくものは
神の遣わす最強兵と
転生を待たん
とな。』
『これは本当なのか?』
時の終わりをささやくものは笑いながら、そのとおりとつぶやいた。

デプスはゴレンを倒していた。
『やはり、エクジコウは本気ね。ほかのトーア・アブソリュートに知らせなくては。』
とカーズはつぶやいた。

『ここで二人のゴレンを失いましたが神の玉座の防衛には成功です。
もうすぐ・・・あなたの体は復活です。・・・ヴァイス様。』


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