吉田精肉店


第二章義務と運命

シヴェ

ネイ.ボウ・・・・・その島に植民がはじまったのは第一次メトロ大戦以降、マタ・ヌイ帝国のヒポ・
クリテ属州のマトランが創始した。
これ以降ヒポ・クリテ諸島の一角として平穏の歴史を歩んだ。
大陸の内海のなかで二度目の大戦が終わって最初のダークネスロード、マリスが来たときプレ
ーン島を失うことによって難を逃れ、ヒポ・クリテの黄昏の大地震により唯一生き残った。
しかしその平穏もこれまでだった。
群島帝国が来たのだ。

一人のトーアとマトランが島に着いた。
『科学の進歩っていいねえ、この島にすぐ着いた。』
グルタはブースター・ユニットを見ながらいった。
『俺を連れて着てよかったのか?』
『トーアがいれば安心だしね。』
気のない声で言った。
『それに帝国のスパイかもしれないやつを島においてけない。』
『・・・』
『だいじょうぶ、僕は信じてるよ。』
向こうに誰かいるようだった。なんかに乗っている。


そいつが言った。
『うぬらはどこから来た。やつらの仲間か?』
ペノンは様子を見ている。
『僕はグルタ、こいつはペノン。プレーンから来たんだ。きみのいう”やつら”から友達を助けに
着たんだ。』
そいつは乗っているラヒから下りるとこういった。
『俺はシヴェ、この島のマトランだ。フルーエンスのババア、この島のツラガが言うにはやつら
はこの島の首都レ・ネイにいると思うぜ。』
ペノンはまだシヴェを見ている。なんかうわのそらでなんかいっている。
『シー、アイ、ヴイ、イー・・・・・、シー、アイ、ヴイ、イー。・・・』
『うぬは珍しいな、トーア。』
『ヴイ、アイ、シー、イー・・・。』
『!』
『あなたのほうが珍しいですよ、マトラン。いえいえヴァイス閣下というべきですかな?VICE?
またですか?』
シヴェはこちらを見ている。
『やるか?』
『ほう、似非トーアの割には威勢がいいな、だが友人のボリオ君はいいのかね、ブラザー?』
なぜやつはしっている?
ボリオの名を!!
『今日は頼みごとをしに来ただけだ。』
『お前の頼みごとなんて聞くか!!!』
『つめたいなブラザー、そのボリオ君は余が殺してほしいものところにいるのに
時の終わりをささやくもののところに・・・。』


ゲシュタルト



ゲシュタルト・・・彼の人生には二回のターニングポイントがあった。
二回目のその機会においてすべてのダークネスロードに狙われていたなどということは彼も知
らなかった。

時の終わりをささやくもの
このフレーズはヴァイスが言ったものだった、だからこそ倒さねばならぬと。
その意味とはなんなのだろうか?
ゲシュタルトはいったい何者なのか。

ボリオとゲシュタルトは対峙していた。
『マトランのくせにやるじゃねえか、ウジムシヤロウ。』
『トーア、きみは蛆虫とも会話するんだね。』
『なんだとてめえ、仕方ない俺のマスクを教えてやる。』
地面が揺れだした。
『これが俺のマスク『シェイパー』物体に振動を与える。わざわざてめえに教えてやったんだ感
謝しな。』
ボリオの足場が崩れだした。はじけた岩がとびボリオにあたった。
『いたっ。クソッ。』
銃を撃ったが弾かれた。
『無駄、無駄だぞマトラン、俺のマスクは無敵!!』
そのときゲシュタルトは後ろから倒された。
『マトランをいじめるなんてかっこ悪いトーアだな。』
『なんだてめえは?』
『俺はぺノーヴァレンス、ボリオ君、友人を連れてきたぜ。』
『グルタ!!!』
ゲシュタルトはため息をついた。
『きみはかわいそうなトーアだな、まだ古の義務に縛られているのか?蛆虫どものために身を
危険にさらすのか。トーアの最後の義務を知ってるかね?』
ゲシュタルトは半ばわらいながら答えた。
『それは・・・ククク、認めたくないものだよ、私はね・・・こういわれたのだマトランにね最後の義
務だ、死ねと・・・ハハハハハハハハハハ・・・。私がマトランをこうも嫌いなわけがわかったろ
う。』
ペノンは言った。
『だからマトランを傷つけるというのか。貴様は・・』
『ちがうやつらを一掃するのだ、エフェクテッドが現れた今、もはやマトランの時代は終わった
のだ。時代は私に味方をしている。
私はね・・、仲間の敵をとるんだ、マトランに殺された仲間の・・
私はヴェンデッタ、トーア・ヴェンデッタ、ゲシュタルト。
邪魔をするならばペノーヴァレンス、貴様も死ね!!!』
『俺もマトランを殺そうというやつに対する親切はしないよ。』
ペノンは構えた。
『面白い。』
クルエル


その構えは左足を前に出し、両手で弧を描いている。
『なんだ、それは?ニードルナイフの振動で肉をえぐってやる。』
キュイイイイインンンン
『ガハアアアアアアアアアアアアア。』
『な、なぜ利かん、この私が・・。』
ペノンの拳がゲシュタルトの体をついていた。
『どうやらてめえのマスクじぶんでゆれることはできねえらしい。厄介だから壊させてもらうが
な。』
『やめろおおおおおお。』
ペノンは指でつつくとマスクは壊した。
『すご、てかペノンつよ。』
『ふん、見直したか。』
『おのれええええええええええええええ』
ゲシュタルトは飛び掛ってきた。
ペノンはそれをすばやくかわした。勢いで腕が折れたのにもかかわらず、まだ掛かってくる。す
ごい執念だ。そこまで彼の怒りは恨みは悲しみは強いのか?
『なぜ、貴様は、・・・やつらに手を貸す利用されているだけだ!!!いつか貴様は後悔す
る!!!
必ずだ!!!!』
ペノンはゲシュタルトの足を払った。
あまりの強さに鈍い音がした。
折れたな・・。
ゲシュタルトはその場に倒れた。
『はあ、はあ、はあ。させ・・・、止めを刺せ。早く・・・。』
『君がやれ、ボリオ君。そいつはマトランの大敵だからね。』
ボリオは剣を振り上げた。

ゲシュタルトは目を閉じた。
声がする・・・・。
『目を開けろゲシュタルト。』
『な・・んだ?・・・ウ・・・ジ・・ムシ・・?』
『お前はここで助けられたほうが屈辱だろ?
蛆虫のマトランにな、考え直せ。せめて俺にいやペノンに勝つまではほかのマトランを殺す
な!!!!』
『そいつは・・・キッツイナ・・・。』
ゲシュタルトは倒れた。


それから一時間後
一人のトーアが駆けつけてきた。
『少佐!!!大変です!!!怪物です!!!怪物の群れが!!!!
うわああああああああああああああああ。』
『あ、ううん?』
巨大なヴィソラックがゲシュタルトをにらんでいる。

『とーあ、とーあ、とーああああああああ、死ねええええええええええええ。
われわれはテトラ、聖なる報復者、ゲシュタルト、時の終わりをささやくもの!!!
死ね!!』
そのとき青い獣が現れテトラをかんだ。
『がふ、UNGYAAAAAAAAAAAAAAAA.』
テトラはいきたえた。
『にいさんも人が悪いや僕のじゃましようなんてね。』
『お前は・・・。』
獣は答えた。
『僕ちんはクルエル、義務に対する裏切りの化身ってとこだね。』

『へえ、なんのようだ・・?』
『君に頼みごとがあってね。
時空の彼方時の始まりに行って、最初のトーアとマタ・ヌイを殺してほしい。』


帰りの船の中
『いい船だな、帝国の船。』
『そうだね、でも時の終わりをささやくとはいったいどういうことだ?』


トップへ
トップへ
戻る
戻る