吉田精肉店

最終話
青空の下でその3

異常な気温だった。
暑いのだ、冬とは思えないほど。

『これが”ヘル・ファイア・ジャッジメント”か?』
『そうらしい。みてみろ。』

それは異常な光景だった。沸騰しているのだ、地面が。
”ヘル・ファイア・ジャッジメント”ととはつまりダークの異常体温を上昇させその熱によって気温
を著しく上昇させるのだ。

『やばいな、このままでは俺たちも気体になってしまう。』
『それだけじゃない。』
ヘイトは言った。
岩石蒸気をすえば命はないと。
『あいつはよく言っていた。防御は最大の攻撃だってな。』
『どうするヘイト?』
『ふんクル坊ちゃん、俺が何のトーアか忘れたかい?』

風が吹いていた。
その風は熱気を逃がし涼しさを届けた。

『ヘイトめ、ならばこうしてやる。』

マリスとダークの融合が解けたのだ。
ツラガ・ダークが地面に落ちる。

『お前たち、かつての仲間を見捨てるのか?』

このままではダークが死んでしまう。いやもう死んでいるかもしれない。

そこへ紺色の影が見えた。
懐かしい色だ。
ヘイトは忘れていたその名を思い出した。
”カーズ”


ダークは目を覚ました。
ここは地獄だろうか?
そこには自分が死なせたカーズがいた。
ここは地獄なのか?
違う。
カーズは答えた。
あなたの義務は終わってはいない。
トーア・アブソリュートが何のために生まれたか思い出して。
それは・・・


『おのれ、生きておったか?まあいいまとめてあの世にいけ。』

『そうはさせない。』

金色のトーア・デスだ。

そして氷がマリスを覆った。

『ヘヴンか?』

『わたしはみんなに謝らなければならない。カーズの生死を偽りトーアの乱をおこそうとしたの
はわたしなのだ。すべてはアブソリュートのエクソダスのためだ。すべてがおわったらわたしは
どうされても良い。』

『ヘヴンを責めるな。ヘイト。誰かがしなければならなかったのだ潜んでいるマリスをおびき寄
せるため。』

『父さん。』

『わかっているさ。だがあとでダークと一緒にとっちめてやるからな。』

ついにここに六人のアブソリュートがそろった。
そして”七人目”クル”

『させはせん。』

『?』

『これ以上貴様らにマトランを苦しめさせはせん。』

『それは違う。』

やってきたボリオとグルタは言った。

『アブソリュートは希望だ。マトランとトーアの協和のための。』

『お前ら・・・』

『さあクルに力を集めろ。』

『使えよ。』

グレイテスト・エンペラー
あの剣だった。

クルに力が集まっていく。

『行くぞマリス!!!!』

『来いクル!!!!』

マリスとクルはぶつかり消えた。



何もない無の空間。
マリスとクルだけがいた。

『閉じ込めたつもりか?』

『いや・・・お前の勝ちだ・・トーア。
わたしはトーアになりたかったのかもしれない。
おまえのような。
誰が正しかったのかは結局わからずじまいだ。
勝ったものが正しい。
そうなのかもしれない。
なら本当に正しいものが勝つべきだ。

お前にひとつ頼みたい。
おれの兄ヴァイスやクレェル、エクジコウのような存在をとめてほしい。
勝ったものが正しいという戦いは間違っている。
お前に負けてそう思った。
負けてよかった。
そう思う。』

『マリス・・・・・。』


次元の裂け目から出てきた。
マリスとクルが。

『マトランども!!!聞こえるか?われはダークネス・ロード!!
貴様らをけすためよみがえった。』

そういうとマリスは笑いながら青空の中で消えていった。

その青空の下には青い海にかこまれたプレーン島が朝日に輝いていた。

FIN

ながいですねいつもにまして。w
やっと完結しました。
みなさんのおかげです。ありがとうございました。


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