吉田精肉店

第十二話

不和

『ククククク、やはり光のマスクがきていたか。われの名を存じているとはな。』
とついに実体を表したつめたい声が言った。
『それがお前の名前か?ダークネス・ロード。』
『そうだ、デス。ああ、誰にもわれは言わなかったのだ、侵入者を見極めるためにな。』
『お前はいったい何者なんだ?』
クルは冷たい声の魔人に対していった。
『何者かだと?われはマリス。三つの悪徳がひとつ、団結の中における”不和”を司るもの。』
『お前が・・』
『トーアどもよ。いつまでこの下らん茶番を続けるつもりなんだ?』
それを聞きクルは激怒した。
『お前がはじめた戦いじゃないか?』
『レキよ、われはこの乱の事を申しておるのではない。力あるものとなきもの、トーアとマトラン
の戦いをいっておる。貴様らの神がわれらの父を倒すために与えた不平等は今も禍根を残し
ておる。我が父神の愚兄はとるにたらん貴様らを生み出した。われらの父はそれをいさめたに
過ぎぬのに、悪名を着せられた。われらはその無念の産物、ゆえに貴様らにわれらこそ正当
なるこの世界の主だということを示すためにうまれた。だが、貴様らはどうだ?我が父の去った
あと貴様等はみづから潰しあっているではないか。貴様等はわれらを悪と思っているだろう。
それでかまわない。だが、貴様等はどうなんだ?この戦いはどっちが悪でどっちが正しいん
だ?言ってみろ。マトランとトーアの戦いから逃げたチキン野郎の子孫にはわかるまい。』
<それを終わらせるために、アブソリュート・プランを開始したのだ>
『そうそのためにわれを利用したんだってな。面白いじゃないか?トーアをまとめるためにそれ
以上の存在をつくろうって考え方はよう。我が父のために動こうとしない自分勝手な闇にあき
れてひとりでやろうとしたわれだが貴様らにはもっとあきれたよ。めでたすぎるその考え方には
な。もしかして、お前らもうみすてられてんじゃないのか?マタ・ヌイさまにな。だからわれが貴
様らの無限の苦悩を代わりに消し去ってやろう。』
空間に歪みが生じた。
『危ない』
『これが、マリス・ディバイドだ。』
『分割を操るマスク?』
デスの傷は割れた空間と同じ形をしていた。空間ごと引き裂いたのだ。
『デスさんーーー。』
『大丈夫だ。それより・・マリスを。』
『どうすれば良い?』
<奴の闇のマスク”スプリット”に対抗するにはこの光のマスク”レフレクト”しかない。>


雑感
チキンヤロウっておいw
後マタ・ヌイに愚兄って言ってやったw

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