3006薬莢のネック拡張について

一番上が3006ケースで、次が338で広げたもの、次はそれを35でさらに広げたもの、 次はさらに9ミリを通して広げたもの、それを11ミリで広げたもので、一番下は、 この11ミリで広げたネックを3006フルダイで絞ったものです。
太さ11ミリのNeck Expander Plugで新品の06ケースのネックを広げると、 63.2ミリあった長さが61.5ミリにまで縮んでしまいました。
右側のはそれぞれのNeck Expander Plugです。

ケースのお尻の位置はそろえてあり、マウスの位置が段々後退しているのが見てとれるかとおもいます。

このようにファイアーフォーミングしなくても一応二段ショルダーではない形で作る事ができますが、 この方法では 全長がどうしてもたくさん縮んでしまいました。

また、これではショルダー角度が06の形ですので、Ackleyの40度にする必要があります。 火薬でのフォーミングではこの角度拡張の段階でさらに少し縮みます。

別の方法として、06のフルダイでネックを一ミリ程度30口径に絞っておいてから残りをAckleyのフルダイで 仕上げる事により、より完成ケースに近づける事ができます。
06のショルダーは傾斜がゆるいので大きく広がったマウスから絞って行く時絞りやすくなりますので、 これから先にガイド的な事を含めて加工すると無難です。
このとき、かならず油を薄くてもいいのでネック外周に塗っておくことがポイントです。

なぜフルダイを先に使うのかは、まず芯を出すためです。
ネックの板厚は大げさに言うと、どこをとっても少し違う厚みをしておりバラバラなのでネックダイだけで先に絞ると ボディーの芯とネックの芯がずれて出来てしまうので、とりあえず強引に芯をあわす必要があります のでフルダイを使うわけです。 このような現象を軽減させなくては射撃精度を高める事はできませんので、フォーミングする前に ネックの板厚を均一にする加工をしておくことが第一番にすることになります。

ネックの板厚を均一にする加工と射撃精度との関係の着目点は、

1.取り付けた弾頭の芯がブレてもらいたくない。

2.取り付けた弾頭が傾いてもらいたくない。

この二つの要素が主なものとおもいます。

Ackleyの40度のダイで仕上げ絞り加工はどうなるか、の場合をしてみました。

この写真の赤丸を見ていただくと、マウスのところが傾斜しているのがみられます。
少し全体が傾いて方眼紙の上に置かれてしまっていますが、これとは関係なく 縮み長さが均一にならない事があるという事を示しています。 風船をふくらました時に、薄いところが先にふくらんでしまう時がありますが、 ガムでもそうですが、ネックの板厚の違いにより、のびる量がことなるために薄い ところが多くのびてしまう現象かなとおもわれます。 円周に沿ってのびるのでその分強く引っ張られるため縮む量が多くなるので このような変形が起こるとおもわれます。

次にこの11ミリNeck Expander Plugで広げたケースを06フルダイでショルダーの カドが完成品のカドと同じところまで整形してみます。

06のNeck Expander Plugが少し引っかかるところまで整形いていったところショルダーカド が約1ミリほどすぎてしまっているのが後で撮ったこの写真からわかりました。

次にAckley40のフルダイでネック整形をこころみました。

ネックが少し平らになったようにみえますが、ケースの置いた位置が異なるために このように見えるだけで、傾斜は変わらずというところでした。
全長は06ダイだけのものとほぼ同じくらいの仕上がりが確認されました。
しかしながら、やはりこの方法ではネックの長さが2mmから2.5mm程度しかのこりません。

三つをまとめてみました。

いかに縮むのか、みてのとおりです。
ネックが2ミリあれば使えない事はありませんが、弾頭の取り付けられる範囲が ますます狭くなります。

マウスも傾斜しているので、平行に削らなければなりませんので、仕上がり全長はさらに少し短くなります。

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