ネックのなまし


市販のプロパンガスバーナでネック部を加熱しているところです。
水の深さは15ミリから20ミリ程度です。
ケースは熱伝導率がよいので片側からの加熱だけで反対側も十分にナマシが出来ます。
加熱時間は、このように赤くなり始めたら全体が同じように赤くなっている事を確認し隣に移動する くらいの秒単位の程度の短い時間で十分ナマシが出来ます。
ガスバーナの角度を変えて、炎の一部が次のケースに当たるようにすると、次のケース温度が上がって いきますので、次に移ると直ぐ赤くなって来て加熱効率がグッとアップしますし、ガスの使用量を減らす事にもなります。
この位の量を一回り加熱すると、ボール容器も素手でさわればやけどするくらいまで温度が上昇 する事がありますので、あらかじめ調理用耐熱手袋等をはめてボール容器を回転させると安全です。
加熱が終了したら、そのままで少しおいておきます。 直ぐにどんどん温度が低下していきますので、1分後には水の中に倒して終了となります。

ここで注意したいのは、 片側からの加熱でもナマシはできますが、硬度に差が発生しているという事があります。 実際にこのようにしたケースでファイアフォーミングすると、マウスの長さに違いが発生する事が多々見られ、 ネックののび方に違いが出てるという感じがあります。

完全に硬度均一にナマスには、ケースを回転しながら加熱する事が必要だと言うことが実施している中でわかりました。 また、加熱の温度にも左右されている事もわかりました。 ですので、私の場合は、一度グルット一回り加熱し終わったら、ケースの冷めるのを待って、ケースを180度回転して炎のあたらなかった 面を外側になるように並び直してからもう一度加熱しています。
しかしながらこのようにしてもやはりマウスの少量のでこぼこ発生は見られ、ネックの肉厚にも影響されるところがあるのかもしれないという感じ がしています。 このナマシたケースを一度ダイに通し、整形してからマウスをカットして整えています。 マウスのデコボコ量は、だいたい0.1ミリ程度カットすると平らになる程度の量です。
ナマシをされる場合は、これらの事を頭におきながらするのが良い結果につながるとおもいます。


水を入れないでそのまま加熱すると、どうなるか、答えは、即ケースが使いものにならなくなります。 ケースの底部が柔らかくなると、発射時の圧力に耐えられなくなり、発射と同時に底部全体が変形して しまい、寸法変化と同時に圧力容器としての機能が低下しているので危険な状態のケースになり、 二度と使い物になりません。
即ただの金属ゴミとなります。

ケースの下半分、特にプライマーホール周辺部は絶対加熱してはいけません。 金属の硬度が下がり柔らかくなってしまいますので、大変危険な状態となります。



加熱を終了したところの状態です。

3006やAckleyやGibbsからの二段ショルダーを形成した後で最後にナマしています。
このようにナマすと、発射時の拡張によるケースの割れが起こりにくくなりますし、 ショルダー上下の折り目の歪みも解消されてきれいに仕上がります。

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