弾頭直径あれこれ比較写真 と 振動とブレとケースについて

ライフル30口径の弾頭直径を測ってみました。

30口径とは、銃腔山径(狭径)が100分の30インチという事ですので、ミリで表しますと、
30x25.4ミリ/100=7.62ミリ  となり、

308では、銃腔谷径(広径)が1000分の308インチですので、
 308x25.4ミリ/1000=7.8232ミリとなります。

したがいまして、ライフリングのレールの高さは、この差の2分の1ですから、

この差は、7.8232−7.62=0.2032ミリ

2分の1は、0.2032ミリ/2=0.1016ミリ となっているものと思っていました。

このような基準寸法で作られているのが30口径のライフルであり、そのリングの仕様とおもいますが、
実際にはもう少し大きなサイズに作ってあるようですし、製造各社によって、リング数も幅も変わっています。


 


バーンズ
200グレン銅弾頭、X

バーンズ
180グレン銅弾頭, XBT

バーンズ
180グレン銅弾頭、Triple-Shock

バーンズ
180グレン銅弾頭、X

シェラ150グレン、SBT(7.83近辺が計測される)



シェラ180グレン, HPBT



シェラ168グレン, HPBT

シェラ165グレン、SBT



シェラ180グレン, RN



シェラ180グレン, SBT

シェラ200グレン、SBT



シェラ165グレン, HPBT



シェラ168グレン, HPBT



シェラ170グレン, Flat Nose (30-30cal)



ノスラー、180グレンPartition



ノスラー,150グレンBallistic Tip, BT 



ウインチェスター, 180グレン、フェイルセーフ

この中ではシェラが7.825から7.832くらいの間をとっているように見られます。
意外と大きかったのがウインチェスターの180グレン、フェイルセーフで、7.832くらいになっています。

スキマのページに掲載しましたウインチェスターのフェールセーフの表面は銃腔壁面に触っていない事から、 ダグラスもシーレンも銃腔谷径は308(7.8232)より大きい仕上げ方をしているという事がわかり、その数値は7.832より も大きいという事になります。
実際に内径を測定すればわかる事ですが、機械を持っておりませんので、発射された弾頭の銃腔壁面をこすってきた部分を共通する裏表の直径を測ってみると、 7.85から7.88くらいの間にある事が計測できまして、スキマは7.85−7.832=0.018 から0.021 というものが導きだされますが、着弾の衝撃での変形を考えると 正確な答えとも言えない数値の範囲とも言えます。 弾頭側面の接触していない部分の直径がもとの数値と一緒になっていれば、その隣の接触面の部分の直径差をみればいいのですが、マイクロメーターの形状では思うように 測定が出来なく、正確なスキマ量を出す事が出来なく残念なところです。 また、この追求の仕方をするには、使用する弾頭をあらかじめ測定しておいてから発射する必要がありますので、その意味からも正確差を欠いてしまっています。

それでもせっかく出してみた数値ですので、これを基にして発射のブレ量をおおざっぱにみると、24インチ銃身としてみると、 
24インチ X 25.4ミリ =609.6mm = 0.6096m ですから、この長さで 約0.02の変位があるとすると、
0.02/609.6=0.000032808398(計算機の数値による)という割合になり、100メートルにしてみると、
ミリで計算していますので、1メートルは1000ミリですから、1000ミリ進むとこの割合に1000をかけて、
0.0000328X1000=0.0328みり移動していますので、100メートルではこの100倍ですから、
0.0328X100=3.28ミリ移動するという計算になります。

しかしながら、ツイストを10インチ一回転とした場合、弾頭は10インチの半分のところでは中心軸に対して反対側に位置していますので、
5インチの長さで0.02ミリ上下に動いていることになりますので、見かけの角度は0.02ミリ/5インチの割合となります。 5インチは、 5X25.4ミリ=127ミリ ですから、
0.02/127=0.00015748 となり、 1000ミリでは 0.00015748X1000=0.15748 ミリ上下に移動する量となり、100メートルではこの100倍ですから、 0.15748X100=15.748ミリ移動する事になります。

これは単に一つの要素に対する計算例にしかすぎませんが、実際のところは、弾頭は回転進行していますので、遠心力や振動を起こしながら進んでいる事になり、 銃腔中心軸からのズレがまちまちである事はその変位量に従って着弾地がまちまちになるという事が数値的に追求できそうに見られます。

振動数を見てみますと、10インチのツイストとすると、 10X25.4=254ミリで一回転ですから、発射速度を800メートル/秒とすると、 800/0.254=3149.6  約3150回転/秒 という回転数になります。 一分間に直すと、 3150X60=189000rpm(毎分の回転数) というものすごい回転数である事がわかります。

振動の周波数という事では 3150サイクル/秒ですから、発射の瞬間には銃はこのような振動を銃身で起こしているという事がわかります。

3150サイクル/秒は音声周波数の中に位置していますので、発射の度に瞬間的に爆発音とは別に銃身から音が出ているものと思われ、 あまり瞬間的でもあり、その直後には大きな爆発音が続きますので耳では判別できませんが、音声を収録して分析すれば何か出てくるものとおもっています。 (弾頭が回転により振動するわけですが、それを受けているのが銃身ですから、銃身が振動を起こしてしまう事になります)
さらに、速度ゼロから加速されていくわけですから、この周波数にいたる銃口までの過程では、ゼロから3150サイクルまでの周波数の複合的な発生を考えなくてはならないとおもわれ、 そのブレ強度(遠心力)は銃口部で最大になるという事とおもわれ、さらに銃身内での加速の度合いが一定ともおもえません(火薬の燃焼の仕方などから)ので、 もう少し複雑な推移を伴うものとおもわれます。

このような観点から考えると、銃身を太くすると着弾精度が上がる意味が納得出来るに通じてきます。 弾頭の偏芯量は同じでも発生する振動に対して銃身の受け方が小さくなるために安定化の方向に向かうというところでしょうか。
このように発生する振動は弾の装填具合によってもその他いろいろとある要素から振動数に変化をともない、それが銃の固有振動と関わってきますので、 銃の持ち方を変えたり、置き方を変えたりすると微妙に着弾がかわったりする事になるのではないでしょうか。

結果として言えそうな事は、弾頭は銃腔中心と同軸に真っ直ぐ装填しなければならない、というのが基本中の基本であるよ、という事だとおもいます。

このように同軸に真っ直ぐ装填出来たとすれば、振動やブレの問題はかなりゼロに近く( 弾頭そのものの製造精度にも影響を受ける) なりますが、 弾頭をこの状態で装填するには、 まずケースの選定(メーカーによっても異なり個体差が混じるので均一なものを選ぶ)からはじまって、その形状と仕上がり状態の一定化を心がけなければなりませんので、 選択したケースのプライマーホールの状態を見て変形などをチェック選別し、ケース表面に少し潤滑剤をコーティング(付けすぎはいけない、行き所の無くなった油の体積によってケース の変形を起こす原因となるので、いつでも必要最小限にとどめる)し、 フルレンジリサイズダイで標準サイズ化と曲がり修正をしてネックの方向や芯の狂いを調整してから、  ネックの内面切削(Inside Neck Reamers等によって)をして内面をきれいに平らにし、切削をすると内径が少し大きくなるので、ここでもう一度リサイズしてネック内径を正常値にしてから、 次はネック外形の凸凹をとるために外側の切削を(Outside Neck Turning Cutter)(外側ネックターニングカッター等)で行い肉厚の均一化をする。 そしてから再度フルレングスダイで全体を整え、トリミングツール等で寸法を調整し、内面先端の角度調整(弾頭のお尻が入りやすくする)(同じ量だけ)をして、 先端のバリ等を綺麗にしてシート時に弾頭側面がキズが付かないようにし、せっかく調整したケースに歪みを与えないように気を付けながら油やゴミを拭き取り、 この段階でプライマーの取り付け(シート量に注意)になり、 次に この調整されたケースにファイアーフォーミングに必要な同種火薬を全部同量(発生圧の均一化)として入れてから同種同重量弾頭のオージブがリードを通り越して スロートに食いつくような寸法にシートして、転がしたりぶつけたりしないようにして保管ケースに一発一発そーっと収納する。

基本的にこのくらいの気の使いようと作業工程があってはじめて銃腔中心軸と同軸な装填に近づくのではないでしょうか。

市販装弾を使う時は、初めにブレットプーラー等で弾頭を抜いてからフルレンジダイで整形し、ここからネックの仕上げにかかることになります。
この時の注意としてはダイの中にあるネック内径整形用ボタン(SIZING BUTTON)の先端のプライマー押し出しピン(棒)を取り外しておかないとプライマーを だしてしまいます。

以上の事は銃腔中心と薬室中心がぴったり一致している銃の場合に限りますが、 この関係に誤差が生じているような銃では、いくらやっても限界があるものとおもわれます。

なぜこんな事を言うかといいますと、販売されている銃身の最初の行程で銃身となる金属棒の中に穴をあけてライフリングが刻まれるわけですが、 この穴の中心がかならずしも棒の中心と一致しているとは限りませんので、穴の両端の中心を支えにして外形を切削する事でおおまかな芯あわせをして、 これがバレルブランクの段階となって販売されているとおもわれます。
この段階では、薬室も機関部への取り付けネジも外形調整も切っていないので、買った人は後行程としてこれをする事になります。
さて、このブランク材をどのように加工するか、一般的には旋盤のチャックにくわえて芯を出してから薬室と取り付けネジを切るとおもわれますが、 金属の丸棒を旋盤でくわえてみるとわかりますが、毎回ぴったりと中心が出るとは限らず、その締め付けの度合いによっても狂ってくるようなところがあり、 かなり高額な高級旋盤はどうか知りませんが、まずこの時点での誤差の発生をどこまで許容したのかという事が問題です。

このバレルをチャックにくわえた時点の問題は、あくまで内径の中心が基本であって外形中心ではないという事を作業者が認識しているか、 そしてそれを正確に実行したか、という事が重要な作業の第一歩であり、 この場合バレルのチャックにくわえられている薬室部分は中心が出たかもしれませんが、銃口部にあたる側は空中に放置されているわけですからここも中心を出さないと 銃腔中心軸と薬室中心軸とが一致しないで少しの角度がついたものになる可能性が発生してきます。 長い棒材を加工する時のブレ防止のために旋盤にはこの機械の終わりに中心を出すためのチャックがついていますが、これで支えただけで本当の銃腔中心が出て いるという確信が持てるものなのでしょうか、そしてこの時測定器で正確に中心が出た事を確認してから切削作業に入っているのでしょうか、ここの許容誤差をどの程度 に見ているかも疑問です。

この銃腔中心軸と薬室中心軸に傾きが発生すると装填された弾頭にその傾きが起こってしまうという事です。

これをほったらかしにして作られた銃ではどうしようもありません(使い物にならない)(弾さえ出ればいいとする自動銃ならいいのかもしれませんが)。

このようにこの二つの条件を厳密に守って加工する事が射撃には絶対必要な条件であり、その際に使用した測定工具の精度と許容範囲をどの程度に見たか、が残される 問題となります。

普通のマイクロゲージ等では100分の一ミリまでは線が切ってありますので数値として見る事ができますが、その上の1000分の一ミリ代に入ると線と線の間を目で見ながら の調節作業となってしまいますので、数値で言えば0.001ミリなのか0.009ミリなのかの範囲はその作業者の加減次第という状態になります。

後加工がゼロにならない理由がここにありまして、非常に厳密に測定してくれて加工してくれたものでもゼロに限りなく近くなったものと推定するという銃身ができあがる わけです。

困ったことに、注文した人としては、あとでこの点を正確に測定が出来ないといっていいとおもいますので、確証がないままで使う事になることです。 ですから、一般的な銃というものは所詮この程度のいい加減差をはじめから含んだしろものだという事を認識する必要があります。 腕が悪いのではなく、銃がいいかげんに出来ているせいも多分にあるという事が問題になってこないというところが問題と言えます。

話が横道にそれてしまいましたが、またケースの続きにもどりまして、ネックの切削加工をするときは、 金属は全て熱によって常に四六時中延びたり縮んだりしている生き物のようなものと認識する必要があります。
そして、加工中にもその発生熱によって部分的に急激な膨張をしながらの加工となりますので、切削にあたっては無理をせず少しづつダマシダマシ加減しながら 温度一定(金属体が)の中で行うようにつとめる必要が要求されてきます。 切削油をかけながら加工するのにはこのような意味も含まれます。

ここでもう一つの問題は、ケース底部(プライマーに近い側)の直径と薬室内径とのスキマの関係からくるケースの傾きです。 せっかく綺麗に正確に作った装弾もスロートに食いつかせただけではお尻のガタによってカタムキが起こりますし、 傾きが起こってしまったなら弾頭が傾いてしまいますので残念な事です。 銃腔中心軸と薬室中心軸が同一という前提の場合は、(薬室は後から加工されるので軸が狂う場合があり、その精度は全て絶対ゼロとはおもえない) このケースのお尻のスキマを無くせば軸がそろうはずですので、まずその確認をしておく事も要求されます。 ガタがあるかどうかは、発射した後のプライマーの打痕の中心位置がケースの中心にいつもあるか、を見ればおおよその事は判別出来ます。 プライマーの打痕の中心位置がまちまちになっているならば、やはりまちまちのガタが発生していると思わざるを得ませんので、どのガタが大きすぎるためのものか、 薬室の変形や傾き等によるものか、ボルトの位置が正確ではないためなのか、等々を追求します。
また、発射した後のケース底部の膨らみ方が偏っているか、によっても偏りや今後このケースをリサイズする価値があるものかどうかの判定材料になります。 ボルトのガタによるケースの傾きが起こってもうれしくありませんので、あくまでケースの中心に習ってボルトが収まるようにしたいものです。 あくまで正確さを要求する人はこのガタを最小にするべく努力する必要がありますので、ケースのリサイズで手に負えない場合はまず新しいバレルに交換するか 機関部も交換するのかを考慮するのが一番だとおもいます。 ただ、これも日本ではあてがいぶち式の買い求めてから実射しないとわからない程度の販売環境ですから、新しくお金をつぎ込んでも自分の要求する精度のものが来るのか 数値上ではまったく不明のようなものですしその保証もあるかどうかわかりませんので、 出来ればメーカーのホームページを調べて 何番のバレルで銃腔内径(谷径)はいくつに作られているのか、ツイストはいくつで材料はステンなのか、精度のクラスはどれか、薬室(リードやスロートはどうするかも含めて)はどうするのか、 ネジはいくつで切るのか、等々をファックスで送って確かめてから その製品を指定して輸入の手続きに入るのがいいかなー、とおもわれます。 同じ後加工でも、うちじゃこれしきゃバイトやリーマが無いよ、という加工所と、 専門製造しているメーカーではおのずと精度に対する考え方や哲学や信頼性(メーカーとしてのノレンがかかっている)が異なりそうです。

なぜネックを加工しなければならないか、については別ページで取り上げたいとおもいます。



各ページにはいきなり詳細画像がたくさん入っていますので、少し重たくなっています。
気長につきあってください。

1.チタン合金の撃針について。
2. Hi タイプのスコープマウントについて。
3.弾道ソフトについて。(いろいろあるよ)
今後の予定
4. Model24のボルトの分解と組み立てについて。
5.マウントリングの取り付けについて。
6.フリーフローティングについて。
7.ケースリサイズについて
8.混合火薬と弾速などについて。
9.不安定要因について
10.弾頭と銃腔内壁との隙間がもたらす問題。
11.写真集
12.3006アックレーとバーンズとの組み合わせに関して
13.What is Ballistics?(弾道学とは何か)
14. バーンズの銅弾頭のつぶれ具合比較写真
15. 弾頭直径あれこれ比較写真と 振動とブレとケースについて
16.野生動物−長野県、のページ(自動撮影による写真)
17. 相互リンク
18. なぜネックを加工しなければならないか
19.その他、工事中
このページの筆者へのお便り等(Mail)ハンター以外の方は原則お断りします。
モデル24所持者は超歓迎します。