エッチングって!?

ガラスの表面に凹凸や模様、特殊なパターンをつける方法をエッチングといいます。
ガラスは極めて安定な物質ですが、フッ酸などの特殊な溶液には溶解します。
この性質を利用して、ガラス表面に模様を付けることができます。
また溶液に浸漬する前にマスキングを行っておくと、
マスクのない表面だけがエッチングされ、意図したパターンの模様を刻むことができます。
当アトリエの技法は上記とは異なった方法で行っています。
『サンドブラスト』という技法を用いて行っています。

《サンドブラストって!?》

サンドブラストの歴史
1870年、アメリカのベンジャミン・タイルマンによって発明され、当初は鉄橋や船体などのさびを
落とす為に使われていたが、後に石、ガラスなどに応用されるようになり1910年以降フランスや
ドイツで使われだした比較的新しい技法です。
日本では明治20年頃、東京高等工芸学校窯業科にサンドブラスト機が導入され、
一般の実用化は大正に入ってからでした。
個人の工芸作家でこの技法を使っている人は少ないのですが
表現性が多様で、繊細で小さい模様からやや立体的な深彫りまで
出来るので、この技法を使った表現方法には大きな可能性が潜んでいます。
サンドブラストとは
サンド=砂  ブラスト=送風・爆風
サンドブラストとは、金剛砂などをコンプレッサーから圧縮された空気で、
小さなノズルよりガラス面に吹き付け、それによってマスキングシートに保護されていな
い部分が削られて、保護された部分が綺麗な模様となって残ります。
この技法だと他のものに比べ、比較的短時間で制作できるうえ、
彫刻面の深さやキメを微妙に変化させることができます。
更に、その作業を繰り返すことにより彫刻に立体感を持たせるといった技もあります。
しかし繊細で髪の毛一本までを表現出来るだけの原稿は、
コンプレッサーからの金剛砂の圧力には長時間耐えれません。
その為、短時間でガラス面の処理を要求されます。ここが技術のいるところです。
但し、段彫り等の場合はガムテープや特殊ゴムに専用カッターで絵柄をカットしながら、
エッチング致します。エッチングは素材を問いません。
毛先一本一本のかすれまで再現することができます。
石碑・定礎・銘板や、彫刻刀では出せない深みのある木の看板、
表札などエッチングの技術を生かした加工が可能です。
ガラスの歴史
ガラスの歴史はとても古く、古代メソポタミア時代に遡ることができます。
更にガラスは、古代ローマ帝国と共に広まり、
紀元前50年ごろに発明された吹きガラスによる器作りも伝播していきます。
その長い歴史の中では様々な技法が発明されていきました。
100年程前にはアール・ヌーボー運動が始まり、
エミール・ガレを中心とした芸術としてのガラス工芸が注目を集めました。
この時代のガラス工芸の技術は現在もなお受け継がれています。
そして、今『サンドブラスト』という新たな技法により、
手軽に、よりスピーディにガラスを彩っています。