『襲刀、邪魔者……?、苦戦しているか?』
FLASHとライダーマンが突入したとき、ソレは覚醒を完成していた。
『沈玄……目覚めたか』
『苦戦しているの、か?』
『いや、遊んでいるだけさ……それより沈玄、今来た二人と遊んでやってくれないか?』
『………そうだなぁ……まだ少し眠い………まぁ、いいか……が、終わったら何か食いモンくれよ』
『………ああ………』
「………なんだ、アレは……?チンゲンと呼んでいるが……」
「そうなんだろう。少し風貌は変わっているが……」
「だが……」
そう言葉を交わすFLASHとライダーマン。
その視線の先にいるのは、覚醒した沈玄だった。
先ほどまで沈玄のは、小太りで殆ど木偶の坊と言った感じのソレだった。それが、何が起きたのか、全身はスマートになり、見た目から言っても戦闘向きに見える。
『………そう言うことに決まった。お前等、殺してやるから喜べ』
「殺してやるだ?今まで眠ってたみたいだが……寝ぼけてんのか?」
「杜若、挑発するな!」
「結城さん……悪いが、コイツは俺が消すぜ、さっきまでやってたんだからなぁ」
「ダメだ!早くコイツを倒して、風見の援護をしなくては」
「その心配はいらねぇんじゃねぇのか?」
「何!?」
FLASHの言葉に、V3の方を向くライダーマン。
†
「セイヤッ!」
V3のチョップが、襲刀のこめかみに炸裂した。
それにひるむ襲刀。
『グゥ……冥霊兵(めいりょうへい)!』
呻く襲刀の声と同時に、空間を割って十人弱のまったく同じ姿をした者達が現れた。
「クッ、戦闘員か!」
『冥霊兵だ。命無き傀儡(くぐつ)達さ……さぁ、仮面ライダーを倒せぇい!』
掛け声に合わせて一斉に躍りかかってくる戦闘員 ―― 冥霊兵。
「トウッ!」
高々と飛び上がると、全身を広げ、大の字になるV3。
「くらえ、逆、ダブル――」
「やめろ!ブイスリイイィー!!」
ライダーマンの声が響く。
「!結城……」
V3の目に映った者は、片手にサブマシンガンのような小型の連射銃を装備したライダーマンだった。
「行くぞ!マシンガン・アーム!!」
逆の手で、既に装備されている側の銃のトリガーをはじく。
けたたましい連射音の後に、そこに落ちていたのは、数枚の赤と黒の紙だった。
その紙は、人型に切り取られ、中心に《冥》の文字が書かれていた。
「これは……」
空中から降り立ったV3はFLASHとライダーマンの方を見て呟いた。
「それが傀儡だ。風見さん」
「杜若……これがお前が戦っている者達か」
「そういうことだ……」
『オノレェェ!我が冥霊兵を……沈玄……殺すぞ!』
『基より、そのつもり……だろ?』
『ああ……』
二人はそう言葉を交わしながらライダー達に近づいてくる。
『なら、さっき言った通り、あっちの、二人を殺ればいいんだな』
『ああ、せいぜい遊んで殺れ』
『わか、った……』
『なら、俺はこっちの赤いのの止めだな』
「結城、杜若、気をつけろ……君たちが相手をしなければならないヤツはかなり強い」
「大丈夫だって……俺は何度もこいつ等と闘ってンだぜ」
「だが……」
「V3、心配するな……行くぞ、杜若!」
「ああッ!」
ライダーマンの掛け声を合図に二人は地を蹴り沈玄に向かって飛びだした。
FLASHのマフラーがなびき、ライダーマンのアタッチメントが唸る。
「デヤッ!」
『甘い……な』
あっさりとFLASHの蹴りを左手を挙げて防ぐ。
「パワーアーム!」
U字のような形の刃物を先端につけたひょうたん型のフック。
その爪を突き立てるように沈玄の身体に押し当てる。
『グッ……痛い、な』
「莫迦なッ!」
跳び退きながら、零す。
「チェーンジアタッチメント!マシンガンアーム!!」
アタッチメントを交換するや否や、即座にそのトリガーを絞る。
発射音と共に、無数の銃弾が沈玄の全身を貫通 ―― するはずだった。
『………当たらなくちゃ……意味ないよなぁ……』
「躱された!?」
『躱した?冗談だろう………?ゆっくり動いただけだぞ』
「チッ……ロープアーム!」
ライダーマンのロープアームが沈玄の身体を捉え、一気にそれを引く。
「これで逃げられないだろう……」
『そう、だなぁ……ま、どんな攻撃も受け止めればいいと言うことだろう?違うか?』
「なら……止めてみろよ!FLASH、パアァァーンチ!!」
『造作、ないな……』
一瞬にして身体を翻すと、FLASHの拳の前にライダーマンの顔が現れた。
「グッ!」
無理に拳を引く。
「すまない……大丈夫だったか?」
「ああ、気にすんなって……それよりも、あんたのアタッチメント、貸してくれないか?」
『何?』
その台詞に顔をしかめる沈玄。
が、ライダーマンはFLASHに何か考えがあると思い、アタッチメントの入ったケースを空いている左手で投げて寄こした。
「サンキュ……っと、これか……」
その中から一つを取り出すとソレをライダーマン同様肘から左腕に挿入しようとした。
†
『いいのか?向こうはそれなりに苦戦しているようだぞ。V3』
襲刀は横目でFLASH達の戦いを見ながらそう言った。
「何が言いたい?」
『早く俺を倒して加勢に行きたいンじゃないのか?』
「いや、必要ないな。結城も、それにアイツもそんなに柔なタマじゃあないはずだ」
『大した信用だなぁ……ま、いいがな。それじゃあ、こちらももう一ラウンド行こうか?』
「ああ……」
『シャアァァァーー!!』
横から流すように振られた襲刀の腕。
ソレをあっさりと受け止めるV3。そして……。
「トオッ!」
襲刀の腕をつかんだまま高々飛び上がった。
「ハリケエェェーーン!」
すぐ近くに止めてあるハリケーンを呼ぶ。
と、そのウイングを展開させ、地形の段差を使い飛んだ!
タイミングを計り、襲刀の腕を放す。
その時、ハリケーンが襲刀に直撃した。
『ゲヤアァァァーー!』
百キロを超える速さで走ってきた、直撃だ。襲刀の身体は地面と平行に吹っ飛ぶ。
それを見ると、V3はハリケーンのボディを蹴り、襲刀を追う。
「ブイスリイィィーー、マッハ、キイィィーーック!!」
全身の回転させ、加速を加えたV3の蹴りは襲刀の胸に入った。
『………――――!!』
声にならない叫びを上げ、空中で襲刀の身体は四散した。
「………終わったな。さてと……結城達は……」
†
「なるほど……一応規格は合ってるようだな……これなら使える」
アタッチメントを改めてみると、杜若はそれを装着した。
「行くぜ………パワアアァァァァーーーアアアァァーーム!!」
叫びながら沈玄に身体に先ほどのライダーマンのように突き立てた。
「散らすぜ……」
呟くように言うFLASH。
そして、沈玄の身体に突き立てたまま、ソレを離脱させる。その反動と沈玄を蹴る反動を遣い、数メートル上まで飛び上がり……。
「これで終わりだ……FLASH……キイイィィーーック!!」
外したパワーアームの上に蹴り降りた。
食い込んでいたパワーアームが更に沈玄の身体を浸食し、人間で言うところの心臓部まで到達した。
『!?!?!?』
一瞬何があったのか解らないかのように、目を白黒させた。
「死んでンだよ……お前は……既にな」
呟くFLASH。
そして、ソレが沈玄の耳に届いたかどうかの瞬間に、沈玄の身体はパワーアームごと、四散した。
「………はぁ……っと、結城さん、悪い。あんたのアーム……」
「いや、気にするな。ソレよりも……――」
「終わったようだな……結城、杜若」
「ああ、風見……」
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